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ストレス太りを解消するには?
原因を正しくチェック!

2023年12月21日

ストレス太りとは?

仕事や家事で毎日が忙しく、いつも体に疲れが残って抜けない…。長時間ソーシャルメディアに時間を費やしてしまい、脳が休む暇がない…。このように心や体にストレスを感じ、そのストレスが原因で太るのが「ストレス太り」です

ストレス社会と呼ばれる現代。ストレスを完全になくすことは難しいですが、うまく発散しながら、脂肪を燃やすことは可能。そこで、ストレス太りの原因と解消法を詳しくお伝えします。

ストレスを感じると、食欲が増進することがあります。

そのメカニズムのうちのひとつが、脳の「大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)」の興奮。大脳辺縁系とは、食欲、性欲、睡眠欲などをコントロールする部分で、ストレスを感じると興奮してドーパミンを分泌し、食欲をコントロールする「摂食中枢」を刺激して、食欲を増加させます。

同時に、ドーパミンは満腹中枢を刺激して食欲を抑える「レプチン」の働きを抑制するので、いつも通りの量を食べていても満腹感を感じにくくなってしまいます。

また、ストレスを感じると分泌されるストレスホルモン「コルチゾール」の働きも、過食に深く関係しています。コルチゾールが分泌されると、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が減少。セロトニンの食欲を抑える働きが抑制されるために、食欲が増してしまうのです。

さらに、コルチゾールには、成長ホルモンの分泌を抑える作用も。成長ホルモンは、体の細胞を再生・修復するホルモンなので、その分泌が抑えられると、筋肉の再生・修復の働きが抑制されて筋肉量が減り、代謝が低下して太ってしまいます。

・生活習慣の乱れ
ストレスというと、「気の合わない上司がいて…」「近所のおばちゃんが小言を言ってくる!」など、人間関係をイメージしがちですが、毎日起きる時間と寝る時間が違う、睡眠時間が足りない、食事の時間がまちまち…。こういった生活リズムの崩れも体をじわじわ蝕むストレスのひとつです。

本来、空腹になると胃から血液中に「グレリン」という食欲ホルモンが分泌されます。このグレリンが脳に作用し空腹感が生まれます。しかし、生活習慣の乱れで規則正しく空腹にならないと、グレリンに異常が生じ、食べた後でもすぐにお腹が空いたと感じるため、ストレス太りにつながるのです。

・テレワーク
最近は、テレワークによる働き方も浸透し、自宅で仕事をする機会が増えた方も多いはず。
自宅にいながら仕事ができるのはラクな反面、気分転換がしにくく、ずっと同じ場所にいることでストレスを感じやすくなります。また、いつもと違って家族が自宅にずっといるというのもストレスを感じやすくなる一因です。ストレスは食欲を増進させるほか、運動量が減っているのに食事はいつも通り、またはそれ以上…となると、消費カロリーと摂取カロリーのバランスが乱れ、体重増加にもつながります

体にすでにストレスがかかっているので、過度な食事制限や激しい運動は、さらなるストレスにつながり、解消に向かいません。地道に生活を整えていくのがストレス太り解消の近道です。
ここでは、ストレス太りを解消する4つのコツをご紹介します。

食生活

生活リズムを正すのに効果的なのが、まず食事の時間を整えること
だいたい、朝食・昼直・夕食の間は5〜6時間ほど空けます。寝る前に消化が終わっているのがベストなので、夕食は寝る3時間前に済ませるのがおすすめです。
また、間食が多いとそれだけで満腹になってしまい、食事が入らずにしっかり栄養が摂れないということになります。間食はほどほどにし、食事でバランス良く栄養が摂れるように心がけましょう。

睡眠

メリハリのある生活を送り、毎日同じリズムで就寝・起床をすることが、質の良い眠りを導きます。朝起きられない人は夜ベッドに入る時間を早めること。まだ眠くなくても、時間になったらベッドに入ることを習慣づけましょう。体は一定のパターンで行動すると、内臓や神経、ホルモン分泌などがうまく働き、不調がでにくい仕組みになっています。この仕組みは、痩せやすく太りにくい体にも直結しています。

睡眠を十分にとらない生活を続けていると、脳の働きが低下して、ストレスに弱くなります。また、睡眠不足では集中力がなくなって、生活に支障が起こることもあります。
質の良い眠りを確保するために、満腹では寝ないこと。寝る前にカフェインの入った飲み物やアルコールも控えることです。

運動

有酸素運動のウォーキングは、カロリーを消費して脂肪を燃焼し、セロトニンの分泌が上昇するといわれます。そこに筋トレなどの無酸素運動を加えると、筋肉量を増やし、痩せやすい体になるサポートをします。
家でダラダラしていると、なんとなくお菓子を食べてしまったり、甘いものをどか食いしがちですが、運動をして気分がリフレッシュされると、間食癖を防いでくれます。運動習慣がない人は、スーパーまで歩く、公園に行って深呼吸して帰ってくるなど、無理のない範囲で動く習慣を取り入れましょう。

ストレス発散のために、お酒を飲みすぎたり、食べ過ぎたり。ストレス太りはこれ以外にも、ストレスを感じることで体がさまざまな反応を起こして、食欲が増し、脂肪を溜め込みやすくしてしまうことで起こります。

ストレス社会と呼ばれる現代で、完全にストレスをなくすのは難しいもの。自分のできる範囲で、食事や生活習慣を改善してストレスの負担を減らしていきましょう。食事やお酒以外でのストレス発散法を見つけるのもコツのひとつです。

また、重度のストレスを日常的に感じているにもかかわらず、それを放置しておくのは危険です。自分でストレスを感じていると気づかず、心労によって病にかかる場合もあります。気になることがあれば、すぐにかかりつけの医師に相談しましょう。

自分では中々イライラを解消できない、またストレスによる肥満が気になる…そんな場合は、漢方薬の「大柴胡湯(だいさいことう)」を取り入れる方法もあります

大柴胡湯(だいさいことう)」のタイプ:年を重ねることやストレスなどでホルモンバランスが乱れ、脂質代謝が低下し、上半身を中心に、筋肉の少ない二の腕・脇腹に脂肪溜まりやすいタイプ。また、このタイプは食生活が乱れやすく、便秘にもなりがちです。

大柴胡湯(だいさいことう)」は自律神経を整えながら、脂質代謝を上げることで、ストレスによる肥満や便秘を改善します。

この処方は、ドラッグストア等でクラシエ薬品のコッコアポとして販売されていることがあります。漢方薬で自分にあうストレスや肥満の改善法を探したいときは、ぜひチェックしてみてください。

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からだにいいこと
記事監修
からだにいいこと編集部
創刊18周年を迎えた女性向けの健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。