ここから本文です

ストレス太りを解消するには?
原因を正しくチェック!

2021年4月15日

ストレス太りとは?

仕事や家事で毎日が忙しく、いつも体に疲れが残って抜けない…。長時間ソーシャルメディアに時間を費やしてしまい、脳が休む暇がない…。このように心や体にストレスを感じ、そのストレスが原因で太るのが「ストレス太り」です。
ストレス社会と呼ばれる現代でストレスを完全になくすことは難しいですが、ストレスをうまく発散しながら、脂肪を燃やすことは可能。ストレス太りの原因と解消法を詳しくお伝えします。

私たちの体内では、ストレスを感じるとさまざまな反応が起こります。ストレスというと、「気の合わない上司がいて…」「近所のおばちゃんが小言を言ってくる!」など、人間関係をイメージしがちですが、基本的な生活習慣の乱れも体をじわじわ蝕むストレスのひとつです。

・生活習慣の乱れ
毎日起きる時間と寝る時間が違う、睡眠時間が足りない、食事の時間がまちまち…。こんなふうに生活のリズムが崩れるだけで、体はストレスを感じます。そのストレスが食欲を増進させ、必要以上に食べてしまいます。これがストレス太りに!

空腹な状態がおこると、胃から血液中に「グレリン」という食欲ホルモンが分泌されます。このグレリンは脳に作用し、食欲が刺激されて空腹感が生まれます。グレリンに異常が生じると、食べた後でもすぐにお腹が空いたと感じ、太りやすくなってしまいます。

・自粛期間によるストレス
外出自粛で自宅にいながら仕事ができるのはラクな反面、気分転換がしにくく、ずっと同じ場所にいることでストレスを感じやすくなります。また、いつもと違って家族が自宅にずっといるというのもストレスを感じやすくなる一因です。ストレスは食欲を増進させるほか、運動量が減っているのに食事はいつも通り、またはそれ以上……となると、消費カロリーと摂取カロリーのバランスが乱れ、明らかに摂取カロリーの方が多くなる!これが体重増加につながります。

・過食になりやすい
ストレスを感じると食欲が増進。そのメカニズムはいくつかありますが、そのひとつが脳の「大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)」の興奮。大脳辺縁系とは、脳の食欲、性欲、睡眠欲などをコントロールする部分で、ストレスを感じると興奮してドーパミンを分泌します。このホルモンは、食欲をコントロールする「摂食中枢」を刺激して、食欲を増加させます。

同時に、ドーパミンは満腹中枢を刺激して食欲を抑える「レプチン」の働きを抑制するので、いつも通りの量を食べていても満腹感を感じにくくなってしまいます。

また、ストレスを感じると分泌されるストレスホルモン「コルチゾール」の働きも過食に深く関係しています。コルチゾールが分泌されると、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が減少。セロトニンの食欲を抑える働きが抑制されるために、食欲が増してしまうのです。

そして、コルチゾールには、成長ホルモンの分泌を抑える作用も。成長ホルモンは、体の細胞を再生・修復するホルモン。筋肉の組織は運動などで傷ついて、それを修復し新たに再生することで筋肉組織を作るという仕組みになっていますが、成長ホルモンの分泌が抑えられると、筋肉の再生・修復の働きが抑制されるので、筋肉量が減り代謝も低下し、太ります。

体にすでにストレスがかかっているので、過度な食事制限や激しい運動は、さらなるストレスにつながり、解消に向かいません。地道に生活を整えていくのがストレス太り解消の近道です。

<ストレス太りを解消する4つのコツ>

・適切な食生活
生活リズムが崩れると、人の体はストレスを感じます。生活リズムを正すのに効果的なのが、まず食事の時間を整えること。だいたい、朝昼晩と食事の間は5〜6時間ほどあけるといいといわれています。

そして、よい睡眠を取るためにも、寝る前に消化が終わっているのがベストなので、夕食は寝る3時間前に済ませるのがおすすめです。だいたい、朝7時頃に朝食をとり、昼食は12時頃、夕食は19時頃がよいといわれます。そして0時前には就寝しましょう。

また、間食が多い人は、食事でしっかり栄養が摂れていない可能性があります。バランスの良い食生活を心がけましょう。

・生活習慣
体は、一定のパターンで行動すると、内臓や神経、ホルモン分泌などがうまく働き、不調がでにくい仕組みになっています。この仕組みは、痩せやすく太りにくい体にも直結。まずは、起床と就寝時間をできるだけ一定に。朝起きられない人は、夜ベッドに入る時間を早め、眠れなくてもまずは一定の時間になったらベッドに入ることを習慣づけましょう。

・運動
運動にはさまざまな効果があります。歩くなどの軽い運動は、有酸素運動でカロリーを消費し脂肪を燃焼します。リズム運動もセロトニンの分泌が上昇するといわれます。筋トレなどの無酸素運動は、筋肉量を増やすことで、代謝を上げて痩せやすい体になるサポートをします。

また、運動をすることで気分がリフレッシュされると、なんとなくお菓子を食べてしまう、甘いものをどか食いしてしまうことが起こりにくくなるので、間食癖を予防してくれます。運動習慣がない人は、スーパーまで歩く、公園に行って深呼吸して帰ってくるなど、無理のない範囲で動く習慣を取り入れましょう。

・睡眠
睡眠を十分にとらない生活を続けていると、脳の働きが低下して、ストレスに弱くなります。また、睡眠不足では集中力がなくなって、生活に支障が起こることもあります。

質の良い眠りを確保するために、まず満腹で寝ないようにしましょう。食事だけでなく、寝る前にカフェインの入った飲み物やアルコールも控えることです。そして、メリハリのある生活を送り、毎日同じリズムで眠りにつき、起きることが質の良い眠りを導きます。

ストレス発散のために、お酒を飲みすぎたり、食べ過ぎたり。ストレス太りはこれ以外にも、ストレスを感じることで体がさまざまな反応を起こして、食欲が増し、脂肪を溜め込みやすくしてしまうことで起こります。

ストレス社会と呼ばれる現代で、完全にストレスをなくすのは難しいもの。自分のできる範囲で、食事や生活習慣を改善してストレスの負担を減らしていきましょう。食事やお酒以外でのストレス発散法を見つけるのもコツのひとつです。

また、重度のストレスを日常的に感じているにもかかわらず、それを放置しておくのは危険です。自分でストレスを感じていると気づかず、心労によって病にかかる場合もあります。気になることがあれば、すぐにかかりつけの医師に相談しましょう。

からだにいいこと
記事監修
からだにいいこと編集部
創刊18周年を迎えた女性向けの健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。