目次
- 夏に悪化するホットフラッシュなどの更年期症状とは?
- 30〜40代の「プレ更年期(更年期移行期)」から始まる、「血」の巡りとホットフラッシュ
- 漢方で対策する更年期症状のホットフラッシュ
- 夜のルーティンを見直して、更年期症状を緩和しよう!
夏に悪化するホットフラッシュなどの更年期症状とは?
女性ホルモンは普段、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2つが、絶妙なバランスをとりながら女性のカラダを支えています。ですが、更年期を迎えると、エストロゲンを分泌する卵巣機能が低下。脳の指令通りにホルモンを分泌できず、下記のような「更年期症状」や「更年期障害」と呼ばれる不調を引き起こすのです。 【更年期の主な症状】 ・ホットフラッシュ:突然ののぼせやほてり、発汗が起こる ・生理の乱れ:生理周期が不規則になったり、出血量が不安定になる ・疲れやすい:体力が低下し、疲れやすくなった ・イライラする:気分の浮き沈みが激しくなり、イライラしやすくなった ・不眠:睡眠の質が低下し、寝つきが悪かったり、眠りが浅かったりする など 中でも気温の上がる夏は、カラダに熱がこもるため、ほてりと猛暑で汗が止まらないというホットフラッシュのお悩みがさらに深刻に。寝ている時に症状が出る人も多く、不眠などの睡眠障害につながることも。こうした心と体の変化が長引くため「いつまで続くんだろう?」という不安感や戸惑いもあるかもしれません。更年期は昔の自分に戻そうと焦るのではなく、今の自分の変化や不調と上手く付き合うスタンスで、穏やかに過ごしたい時期です。30〜40代の「プレ更年期(更年期移行期)」から始まる、「血」の巡りとホットフラッシュ
ホルモンバランスの乱れによって生じる女性特有の不調を「血の道症(ちのみちしょう)」 と呼びます。「血の道症」は、その名の通り「血」の巡りがスムーズでない状態を指します。 ストレスなどによって「気」の巡りが滞る「気滞(きたい)」 の状態に陥ると、イライラ、不安感、不眠、憂鬱感といった精神的な不調が現れやすくなります。この「気滞」が長期化すると、血の巡りまで悪くなり、最終的に「瘀血(おけつ)」 という血の滞りが発生します。瘀血は冷えやのぼせ、肩こり、頭痛、めまいなどの更年期症状を引き起こしやすくします。 加齢とともに「腎(じん)」の機能が徐々に衰え、生命活動の根源となる「精(せい)」の補充が追いつかなくなることがあります。この状態は「腎虚(じんきょ)」 といい 、「精血同源(せいけつどうげん)」という漢方医学の 考え方に基づき、「血」の不足である「血虚(けっきょ)」 を引き起こしやすくなります。血虚が肝(かん:自律神経系や精神活動を司る臓腑)に影響を及ぼすと、顔色が白くなったり、視力が衰えてしまったりする「肝血虚(かんけっきょ)」という状態 から「肝鬱気滞(かんうつきたい)」 が生じ、ホットフラッシュやイライラといった症状が引き起こされることがあります。このように、腎虚から始まる一連の不調は、血虚、気虚、気滞、陰虚などを経て、最終的に瘀血の発生にもつながり、更年期症状をさらに複雑化させます。長期にわたる不調は、「瘀熱(おねつ)」 の発生を招くこともあります。 以前は閉経時期の50歳前後が更年期症状のピークといわれていましたが、最近ではより早期に症状が現れている人が増えています。漢方では、女性は7の倍数の年齢で体質が変化するといわれ、35歳を過ぎた頃から、なんとなく不調を感じる更年期移行期、通称 「プレ更年期」が訪れる人もいます。昔より疲れがとれにくい、風邪が治りにくい、気持ちのアップダウンがあるといった違和感も、気血の滞りによる女性特有のプレ更年期症状といえるでしょう。 中でも、顔に強いほてりが出る、汗が止まらないなどの「ホットフラッシュ」は、悩ましい更年期症状のひとつ。イライラなどの精神症状を伴ったり、尿トラブルを併発したりする人もいます。人の目も気になりますよね。ホットフラッシュは、カラダの潤いが不足して熱を冷ませず、余分な熱がこもってうまく発散できないために、ほてりを感じる不調です。 頭に気が昇り過ぎているために、顔が赤くなる人もいます。 とくに汗をかきやすい夏は、潤いを補うことで、カラダの中に溜まった熱を冷まし、滞った血や気の巡りを良くして、バランスを整える必要があります。漢方で対策する更年期症状のホットフラッシュ
漢方では更年期によるホットフラッシュは、「陰陽(いんよう)バランスの乱れ」と考えられています。具体的には、カラダを冷やす働きが低下している「陰虚(いんきょ)」と、カラダを温める働きが低下している「陽虚(ようきょ)」の状態です。また、「気血の不足と滞り」も原因の一つとしてあげられます。これらのバランスが崩れることで、のぼせやほてりが生じます。各々のタイプを具体的に見ていきましょう。<陰陽バランスの乱れ>
| ・陰虚 (いんきょ): | 体内の陰(冷却・潤滑・補充の力)が不足し、体が熱を持ちやすくなる状態 |
| ・陽虚 (ようきょ): | 体内の陽(温め・動かす・発散の力)が不足し、冷えやすくなる状態 |
<気血の不足と滞り>
| ・気虚 (ききょ) : | 体内のエネルギーが不足し、疲れやすくなる状態 |
| ・気滞 (きたい) : | 気の巡りが滞り、イライラやほてり、不眠などが起こりやすい状態 |
| ・血虚 (けっきょ): | 血液が不足し、生理の乱れや不眠、肌の乾燥などが起こりやすく、ほてりも少し出やすい状態 |
| ・瘀血 (おけつ) : | 血液の流れが滞り、体内に古い血が溜まり、冷えやほてりが起こりやすい状態 |
| ・漢方的見解 | 漢方では、更年期に現れるのぼせやほてりといった症状は、主に陰陽(いんよう)のバランスの乱れ、特に陰液(いんえき:体内の潤いを保つ物質)の不足が原因と考えられています。これに加えて、気(き:生命エネルギー)や血(けつ:栄養物質)の不足や滞りも深く関与します。知柏地黄丸は、これらの状態を改善することで顔や四肢のほてりなど更年期症状の緩和を目指します。 |
| ・使用例 | 年齢とともに現れる熱症状を鎮める漢方薬で、顔や四肢のほてり、排尿困難、頻尿、むくみを改善します。 |
| ・漢方的見解 | 漢方では、「気」と「血(けつ)」は常に体をめぐり、バランスを調整していると考えています。「血」の流れが滞ると(瘀血の状態)、滞ったものは、温かければ上へ昇り、冷たければ下へ降りる性質があるため、上半身はのぼせ、下半身は冷えるという、いわゆる「冷えのぼせ」の状態になります。滞った「血」のめぐりを良くすることで、瘀血の症状の緩和を目指します。 |
| ・使用例 | 瘀血による、のぼせや足冷えなどを感じる方の生理痛、月経不順、月経異常、更年期障害などを改善します。 |
| ・漢方的見解 | 漢方では、ストレスなどの精神的な刺激により、「気」の循環が乱れると考えられています。「気」は上昇しやすい性質を持つため、精神的な刺激・興奮などによってのぼせ感や熱感を感じることもありますし、イライラや情緒不安など精神面へも影響を与えます。上昇した「気」を全身にめぐらせるとともに、たまった熱を冷やし、さらに、不足している「血(けつ)」を補うことで、体のバランスを整えます。また、自律神経を調整し、イライラやのぼせを鎮めて、血行促進を目指します。 |
| ・使用例 | 更年期障害で多く使われる漢方薬で、月経不順や月経困難症、不眠症、冷え症に効果があります。 |
| ・漢方的見解 | 血不足の方は、胃腸が弱い方が多いため、茯苓、白朮を加味し、消化吸収を高めて血を生み出しやすい処方となっています。貧血による倦怠感や婦人科諸疾患によるめまいのある人に適しています。血液の循環や代謝を整え、胃腸への負担を軽減しながら、婦人科系のさまざまな症状の緩和を目指します。 |
| ・使用例 | 貧血に伴う全身倦怠、月経異常、婦人科諸疾患による神経症状がある人に適しています。 |
ホットフラッシュのセルフマネジメント方法
夜のルーティンを見直して、更年期症状を緩和しよう!
ホットフラッシュやイライラなどで、うまく眠りにつけないと、更年期障害はさらに悪化します。そこで、リラックスできる夜の過ごしかたを工夫してみましょう。 1.夕食は早めに食べる 布団に入る3時間前までに食事を済ませましょう。 2.デジタルデトックス スマホやPCの画面をなるべく見ないようにし、リラックスできる時間を作りましょう。 3.ぬるめの湯で全身浴 湯温は40度前後がおすすめ。全身浴をすることでリラックス効果が高まります。 4.深呼吸しながらのストレッチや瞑想 自分の心が安らぐ時間を意識的に作ると、寝付きも良くなります。 5.心地よい寝具を選び、日付が変わる前に就寝 快適な寝具を選び、早めに就寝することで睡眠の質がさらに高まります。 五感から入り込むストレスを取り除き、深い呼吸を心がけると、ホットフラッシュの原因となる自律神経の乱れが整いやすくなります。とくに温度上昇が著しい夏は、空調や通気性の良い服で過ごしやすい温度管理をおこなうことが大切。ゴーヤやトマト、ナスなどの夏野菜を食べて、カラダにこもった熱を冷ます食生活もおすすめです。<PR>