春の花粉症は4タイプ。おすすめの漢方薬をタイプ別にやさしく紹介!

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春の花粉症は4タイプ。上手な花粉症対策で快適な毎日を

目次

くしゃみ・鼻水・鼻づまり…そんな鼻炎の症状でお困りではありませんか?
たかが鼻炎、されど鼻炎。ちょっとした症状でも不快感があり、ひどいときには生活に支障を来たすこともあります。色々と対策をしているが、なかなか治らず毎年悩んでいる…という方も多いのでは?今年こそは、花粉症・鼻炎の悩みを改善して、スッキリ快適な生活を手に入れましょう!

花粉症は日本の国民病!?

春の花粉症で代表的なスギ・ヒノキなどの花粉を始め、中国大陸からやって来る黄砂やPM2.5、さらには家に潜むダニやホコリなどのハウスダスト、猫などのペットの毛など、鼻炎をひき起こす原因となるアレルゲンは悲しいかな日常のあらゆる所に潜んでいます。
そのため、鼻炎に悩む人口も確実に増加しています。

環境省によるデータ(注1)では5人に2人が鼻アレルギー有病者であり、3~4人に1人はアレルギー性鼻炎に悩まされているという結果も出ています。いかに花粉症でお悩みの方が多いのかがわかります。まさに国民病と言っても過言ではありません。
注1 出典:環境省「花粉症環境保健マニュアル」2008年1~4月国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした鼻アレルギーの全国疫学調査より)

最近ではスギ以外の花粉症でお悩みの方も増えてきています。
花粉症の原因植物の飛散時期カレンダー(注2)をご覧頂いて分かるように、春のスギ花粉は勿論のこと、3月~5月のヒノキ、4月~10月のイネ科、さらに8月~10月にかけてのブタクサやヨモギなど、1年に何度もピークがあり、常に何かしらの花粉が飛散していることがわかります。
そのため一年を通して花粉症でお悩みの方も多く、花粉症が慢性化し「慢性鼻炎」、さらには「副鼻腔炎」「蓄膿症」などの重症ケースに進行することも少なくありません。

注2 花粉症の原因植物の飛散時期カレンダー

環境省 関東の花粉飛散カレンダー

重要なのは「予防」・「症状改善」・「カラダの強化」

一般的に鼻炎の攻略で重要なのは、症状を未然に防ぐ「予防」、出ている症状に対処する「症状の改善」、そして症状が出ないカラダを作る「カラダの強化」なのです。この3方向からしっかり攻略し、今年の症状を出さないだけでなく、将来に渡り鼻炎に悩まされないためにも強いカラダを作ることが鍵となります。

スギ花粉など強烈で辛い症状を引き起こすシーズンものの花粉症は飛散前の症状が出る前から対策を講じることがとても重要です。そうすることで、症状を軽減し、快適にシーズンを乗り越えることができるでしょう。

眠くなる成分が入っていない【漢方薬】で花粉症に対処!

1.シーズンものの花粉症は早めの服用が決め手!「小青竜湯」
鼻炎ではアレルギー症状を抑える薬を多く見かけますが、実は“鼻炎は漢方の得意分野”。漢方薬は症状の出はじめから、慢性化した頑固な症状の改善まで対応できます。実は、鼻炎の症状改善で一番大切なのは「あなたの鼻の症状」に合わせた改善法を選ぶことです。

鼻炎とひとくくりに言っても、水のような透明な鼻水や、ネバネバした黄色い鼻水、また軽い症状から辛い慢性的な症状まで症状のタイプは多岐に渡ります。
漢方薬は様々な症状に対応するため、鼻炎に使われる処方が何種類もあり、その中からあなたの鼻炎の症状にピッタリの漢方薬を選ぶことで的確に改善することができるのです。
漢方薬の嬉しい利点がもう一つ。漢方薬には眠くなる成分が入っていない安心して飲めるのも嬉しいところです。受験生や車の運転をされる方には特に漢方薬がおすすめです。

そんな花粉症におすすめなのが『小青竜湯(しょうせいりゅうとう)』。小青竜湯は花粉症漢方薬の代表格です。

冷えた鼻を温め、水分循環を促し余分な水を体から排出することで、花粉症など鼻炎の症状を改善します。鼻がムズムズしたり、くしゃみが出始める1月や2月頃から飲み始めるのが効果的。症状が強くなる前に、早め早めが良いと言われています。

小青竜湯(一般的に「鼻炎」に使われる漢方薬)

2.症状に合わせた対策が決め手!あなたの鼻炎のタイプにピッタリの漢方薬は?
症状改善では先ほどお話したように、「あなたの鼻の症状」を見極め、その症状に合った改善法を選ぶことがとても重要です。見極める上でポイントとなるのが、“症状の寒・熱”です。(詳しくは「漢方の物差し① 陰・陽」をご覧ください。)

鼻炎の症状は基本的に「水のようなサラサラした透明な鼻水」で代表されるような“寒証の症状”からスタートします。簡単に言えば、体が冷やされて起こる症状ということ。花粉症の初期や鼻炎の初期はこの寒証の症状が中心となります。

やがて時間の経過と主に「鼻づまり」が起こり始め、さらに慢性化すると「ネバネバと粘性のある黄色い鼻水」に変わっていきます。これは鼻に余分な熱がこもり始め炎症を伴う状態で“熱証の症状”にあたります。熱証の状態を放っておくと炎症がさらに進み、慢性鼻炎や蓄膿症(副鼻腔炎)など重症ケースに繋がりやすくなります。

漢方では“寒性の症状”のときは“温めて”、逆に“熱性の鼻炎症状”のときは“熱を冷まして”治します。

それぞれの詳しい症状と、その症状を改善できる漢方薬をご紹介します。

花粉症になりはじめに多いサラサラ透明の寒証タイプ

□ 水のようなサラサラした鼻水
□ 無色透明な鼻水
□ くしゃみが一日何度も出る
□ カラダが冷えるとひどくなる
□ 朝起きてからしばらくひどい
□ 花粉症の初期

<おすすめの漢方薬>
透明で水のような鼻水が滝のように流れ出て止まらない…。ティッシュがいくらあっても足りない…。そんな寒証の症状におすすめなのが『小青竜湯』です。
小青竜湯は花粉症の初期だけでなく、ホコリやハウスダストなどが原因で起こるアレルギー性鼻炎の改善にも使える漢方薬
鼻風邪の改善にも効果的なので、花粉の一番多い春先はもちろんのこと、寒くなってくる秋~冬にも手元に置いておくととても便利な漢方薬です。


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花粉症になりはじめに多いサラサラ透明タイプにおすすめ

小青竜湯

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鼻づまりが強い寒証タイプ

□ 鼻づまりが強い
□ 無色~白色、少し粘り気のある鼻水
□ お風呂など温まると、鼻づまりが軽減される
□ くしゃみ、鼻水が治まっても鼻づまりだけが残る
□ 慢性鼻炎、蓄膿症(副鼻腔炎)

<おすすめの漢方薬>
どちらかというと鼻づまりが中心…。鼻がつまって出て来ない…。という方におすすめなのが『葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)』。風邪薬でお馴染みの葛根湯にさらに生薬をプラスし、つらい鼻づまりを改善するようにアレンジした漢方薬です。
お風呂などで体が温まると楽になるのは、冷やされて起こる“寒証の症状”の特徴。まだ鼻水が無色~透明であることも“寒証の症状”のポイントです。
カラダを温めてくれる葛根湯ベースの葛根湯加川芎辛夷で温めて治しましょう。

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鼻づまりが強いタイプにおすすめ

葛根湯加川芎辛夷 - 漢方セラピー

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慢性鼻炎:ネバネバ黄色の熱証タイプ

□ 粘り気のある濃い鼻水
□ 黄色~緑色の着色した鼻水
□ 鼻がつまって鼻水が出ない
□ 頬~前頭部の痛みや頭重感
□ 慢性化し、治りづらい
□ ニキビやのどの炎症
□ 花粉症の後期、慢性鼻炎、蓄膿症(副鼻腔炎)

<おすすめの漢方薬>
ネバネバした粘り気のある黄色い鼻水は、鼻炎が慢性化し“熱証の症状”に変わってきている証です。鼻の粘膜の炎症もひどくなり、鼻詰まりもさらに悪化し菌も繁殖しやすくなるため鼻水の色も黄色や緑色に変わっていきます。

そんな熱証の症状におすすめなのが、熱を冷ましながら鼻炎を改善してくれる『荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)』です。慢性化した熱証の鼻炎の代表的な漢方薬で、蓄膿症(副鼻腔炎)は勿論のこと、それに併う中耳炎にも効果的の他、慢性扁桃炎、にきびにも幅広く使われています。

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慢性鼻炎:ネバネバ黄色タイプにおすすめ

荊芥連翹湯

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慢性鼻炎:匂いが分からない熱証タイプ

□ 鼻の乾燥感があり、鼻づまりが著しい
□ 頭痛や鼻の痛み
□ 匂いが分からない
□ 鼻の熱感
□ 粘り気のある濃い鼻水
□ 黄色~緑色の着色した膿性の鼻水
□ 慢性鼻炎、蓄膿症(副鼻腔炎)

<おすすめの漢方薬>
鼻づまりがとにかくひどい…。匂いが分からない…。という熱証タイプにおすすめなのが『辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)』です。
熱を冷ます作用に加え、呼吸器を潤す作用があり、乾燥感がある鼻づまりに効果があります。
荊芥連翹湯同様、蓄膿症(副鼻腔炎)の改善にもよく使われる漢方薬です。

3.本当の決め手は「症状が出にくい強いカラダ」を作ること!

鼻炎で一番重要なのは、今後アレルゲンに負けない「強いカラダ」を作ることです。

カラダは免疫という名のバリアで守られています。漢方ではこのバリアを防衛の気として「衛気」と呼んでいます。この「衛気」を強化することが鼻炎対策にも繋がります。
1、2月は、かぜをひいたり治りかけで体調が万全ではない方も多いのではないでしょうか。かぜや食欲不振、疲労倦怠しているとバリアも弱くなります。

そこでおすすめなのが『補中益気湯(ほちゅうえっきとう)』。
カラダを元気にする漢方薬の代表格である補中益気湯は、胃腸の働きを高めてカラダの内側から衛気をめぐらせることで、にカラダ全体を整え丈夫にしてくれます。

補中益気湯

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