漢方薬名解説

一般的に「鼻炎」に使われる漢方薬

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

目次

「葛根湯加川芎辛夷」はこんな方に!

鼻づまりが強いタイプ

  • 鼻づまりがひどく、呼吸がしにくいという方
  • 鼻づまりで眠れなくなるという方
  • 花粉の時期にとくにつらいという方
  • くしゃみや鼻水は治まっても、鼻づまりだけ残ってしまうという方

「葛根湯加川芎辛夷」はどんなふうに効くの?

体の「水(すい)」をうまく排泄できないと、体内に余分な「水(すい)」がたまり、さまざまな不調を起こします。その「水(すい)」が鼻にたまりむくんだものが鼻づまりです。

「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」は、体を温める「葛根湯」をベースにした処方で、余分な「水(すい)」の発散を促して、鼻づまりなどの症状を改善していきます。また、鼻の通りを良くする生薬が加えられていることから、鼻づまりによく効く処方になっています。眠くなる成分は入っていません。


漢方用語解説
飲食物中の水分を消化吸収によって人の体に必要な形にして体をうるおすもの

配合されている生薬は?

  • 葛根(かっこん)
  • 麻黄(まおう)
  • 大棗(たいそう)
  • 川芎(せんきゅう)
  • 辛夷(しんい)
  • 桂皮(けいひ)
  • 芍薬(しゃくやく)
  • 甘草(かんぞう)
  • 生姜(しょうきょう)

漢方的考え方で鼻炎を分析

漢方では、体の中の余分な「水(すい)」が鼻炎の原因のひとつであると考えます。「水(すい)」とは体に必要なすべての水分のことで、体をうるおすものです。

「水(すい)」は、体のさまざまな排泄経路から外に出されますが、その排泄がうまくいかない人では余分な「水(すい)」が体にたまっていきます。余分な「水(すい)」は体を冷やし、体を守る力を低下させるため、体内にアレルゲンが入りやすくなってしまうのです。

アレルゲンの刺激が体表をふさいで毛穴が閉じると、水分が十分に発散できなくなり、体の「水(すい)」がさらに増えてしまいます。すると、「水(すい)」はほかの通路から外に出ようとします。これが鼻からあふれたものが鼻水、たまったものが鼻づまりです。また、余分な「水(すい)」は「気」の流れをさまたげます。すると、「気」を動かそうとしてくしゃみが出ます

さらに、悪化すると、「水(すい)」が「気」と「血(けつ)」の流れをさまたげ、余った「気」が熱に変わります。この熱が水分を奪うと、粘り気のある濃い鼻水が出たり、慢性的な鼻づまりになったりします。


漢方用語解説
目に見えないが人の体を支えるすべての原動力のようなもの
全身の組織や器官に栄養を与えるもの
飲食物中の水分を消化吸収によって人の体に必要な形にして体をうるおすもの


症状・悩みから選ぶ‐「鼻炎」

漢方薬での鼻炎の治し方

西洋医学では、鼻炎薬で症状を緩和していきます。くしゃみや鼻づまりなど、どの症状が一番つらいかによって薬が選択されるのが一般的です。

一方、漢方では、「症状緩和」よりも「体全体にはたらきかける」というところを重要視しています。水分代謝を良くして体全体の調子を整えながら、鼻炎を改善していきます。また、眠くなる成分が入っていないのが鼻炎に用いられる漢方薬の特徴です。

「葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」は、鼻や顔面を中心に上半身の体表部の血液循環を促進させ、うっ血を除く作用があります。また、長引いて慢性化した鼻炎、蓄膿症に効果があります。


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