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鼻炎

目次

あなたの鼻炎のタイプをチェック!

近年、住宅環境の気密化などにより、ハウスダストやダニが増加する傾向にあり、鼻炎に悩む人が増えているといわれています。「鼻水が出て仕事に集中できない」「鼻がつまって眠れない」鼻炎はその症状がつらいということはもちろん、それによって日常生活に支障が出ることも少なくありません。漢方では、体の中の余分な水分が鼻炎の原因のひとつであると考え、水分代謝を改善することで鼻炎を改善していきます。

漢方では、さまざまな側面から鼻炎のタイプを判断します。まずはあなたの鼻炎のタイプをチェックしてみましょう。よりチェックの多いほうがあなたにおすすめの処方です。チェックが同じ数の場合は、一番気になる症状があるものを選んでください。


水っぽい鼻水が出るタイプ

  • 小青竜湯のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

鼻みず・鼻炎でお悩みの方におすすめする漢方処方

小青竜湯 第2類医薬品

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)


体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様のたんを伴うせきや鼻水が出るものの次の諸症:気管支炎、気管支ぜんそく、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症



一般的に「鼻炎」に使われる漢方薬
「小青竜湯」の解説を見る


鼻づまりが強いタイプ

  • 葛根湯加川芎辛夷のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

鼻づまり、慢性鼻炎の方におすすめする漢方処方

葛根湯加川芎辛夷 第2類医薬品

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)


比較的体力があるものの次の諸症:鼻づまり、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎



一般的に「鼻炎」に使われる漢方薬
「葛根湯加川芎辛夷」の解説を見る


濃い鼻水が出るタイプ

  • 荊芥連翹湯のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

ちくのう症、慢性鼻炎の方におすすめする漢方処方

荊芥連翹湯 第2類医薬品

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)


体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの次の諸症:蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび



一般的に「鼻炎」に使われる漢方薬
「荊芥連翹湯」の解説を見る

鼻炎の原因は?

鼻の構造

鼻は、「外鼻(がいび)」「鼻腔(びくう)」「副鼻腔(ふくびくう)」からなっています。
「外鼻」は、普通「はな」と呼んでいる部分で、顔の中央部に突起した、外から見える部分です。「鼻腔」は、鼻の穴からのどの手前までの空間を指し、鼻中隔(びちゅうかく)によって左右に分けられています。鼻腔の奥の部分は、鼻粘膜(びねんまく)という粘膜で覆われています。「副鼻腔」は、鼻腔を囲む骨の中にある空洞で、鼻腔につながっています。

鼻の構造 イメージ

鼻のはたらき

鼻は顔の中心にあり容姿を決める重要なパーツというだけでなく、いくつかの重要なはたらきを担っています。
まずひとつは、「においをかぐ」という機能。「鼻がつまって料理の味がわからなくなった」という経験はありませんか? これは鼻づまりによって外気がとり込めないため起こる現象です。
また、鼻には体内に入る空気をきれいにするはたらきもあります。外気には、ハウスダストをはじめ、花粉や細菌などさまざまな異物が含まれています。鼻には、粘膜などで異物をキャッチするという役割があり、それらがそのまま肺に入らないように、とり除くはたらきをしているのです。いわゆるフィルターのような役目を果たしています。
そのほか、鼻には吸い込んだ空気の温度や湿度を調整するはたらきもあります。鼻の内側には3つの大きなひだがあり、吸い込まれた空気がこのひだの間を通ることで、冷たい空気や乾いた空気も一定の温度と湿度に調整されて、肺に入るようになっているのです。


鼻炎の種類

鼻炎とは、その名の通り、「鼻粘膜に起こる炎症」のこと。鼻炎の症状としては、くしゃみ、鼻水、鼻づまりがよく知られています。
鼻炎には、「急性鼻炎」「アレルギー性鼻炎」「慢性鼻炎」などがあります。
「急性鼻炎」は、一般的に鼻風邪と呼ばれるもの。「アレルギー性鼻炎」は、特定の異物に対してアレルギー反応を起こすもので、ほこりやチリなどのハウスダストが原因で季節に関係なく起こる「通年性アレルギー性鼻炎」と、花粉が原因で花粉の飛散する時期のみに起こる「季節性アレルギー性鼻炎」に分けられます。「アレルギー性鼻炎」の症状はひどくなると、頭がボーッとしたり、イライラしたりして、日常生活にも支障が出てくるといわれています。また、「においがわからない」「かゆみがある」といった不快な症状が続きます。


アレルギー性鼻炎になる理由

鼻炎のなかでもとくに、「アレルギー性鼻炎」になる人は年々増加しているといわれています。しかし、同じ環境にいても、症状が出る人と全く症状が現れない人がいます。
「アレルギー性鼻炎」は、花粉やハウスダストなどのアレルゲン(原因物質)が体に入ってきた際に、体の防御反応が過剰になってしまうことで発生します。
アレルゲンが体内に入ると、体は異物と判断し、抗体をつくります。つくられた抗体は「肥満細胞(※)」と結びつきます。その後またアレルゲンが体内に入ってくると、抗体のついた肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が分泌され、くしゃみや鼻水が出るのです。鼻炎を引き起こす花粉は、春の「スギ」や「ヒノキ」などが有名ですが、「イネ」や「シラカバ」「ブタクサ」など、季節や地域によってさまざまです。
ハウスダストは、ほこりやチリをはじめ、カビやダニ、動物の毛などが挙げられます。住宅環境が近代化され、冷暖房が普及し気密性の高い住宅が増えた結果、アレルギー性鼻炎を訴える人が増えているといわれています。
※肥満細胞とはマスト細胞とも呼ばれ、アレルギー反応や炎症反応を引き起こす。「肥満症」とは関係ない。





鼻炎Q&A 漢方のギモンを解決!

Q 花粉が気になる時期になると、鼻水やくしゃみはなんとか治まっても、鼻づまりだけが長引いて苦しいんですが・・・。
A 鼻炎症状の中でもとくに“鼻づまり”を強く訴える人がいらっしゃいます。漢方では鼻づまりの状態を、体が冷えて起こるものと、熱がこもって起こるものと、2タイプに分けて考えます。どちらも体に溜まった余分な「水(すい)」が原因と考えます。体が冷えて起こる鼻づまりには、体を温めて水分代謝をよくする漢方薬、逆に熱が原因で起こる鼻づまりには、体を冷ます作用のある漢方薬と、同じ鼻づまりの症状でも、選ばれる漢方薬は異なります。
Q 漢方の鼻炎薬と他の鼻炎薬(坑ヒスタミン剤など)を併用してもいいですか?
A 漢方の鼻炎薬と他の鼻炎薬は、いずれも鼻炎の症状を改善する作用が重なるため、注意が必要です。薬剤師または登録販売者にご相談ください。
Q 花粉症には漢方薬の「小青竜湯」が効くって聞いたんですけど、本当ですか?
A 確かに「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」には「花粉症」という効能があります。ただ、漢方薬はその人の症状の現れ方や体質に合わせて飲むもので、「小青竜湯」は花粉症のなかでもさらさらした水っぽい鼻水、くしゃみが出るといった症状がある方に向いています。
Q 鼻炎に効く漢方薬は、のんでから効果が出るまでどのくらいかかりますか?
A 個人差がありますので、一概にはいえませんが、早い方で1~2回の服用で効果が現れる方もいらっしゃいます。1カ月ぐらい服用しても症状に改善が見られない場合には、薬剤師や登録販売者に相談して、薬を選び直してください。
Q 鼻炎に用いる漢方薬は眠くならないんですか?
A 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」をはじめ、漢方に用いられる鼻炎薬には眠くなる成分が含まれていないため、眠くなる心配はほとんどありません。
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