寝てる時に急に足がつる(こむら返り)の原因・治し方・予防法と対策

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寝てる時に急に足がつる(こむら返り)の原因・治し方・予防法と対策

目次

「イタタタ・・・!」と就寝中に突然足がつって、驚いて目が覚める。焦ってもどうすることもできず、”不安”と”つった足”を抱えながら症状が治まるのをひたすらじっと待つ。「痛いし、寒いし・・・」真冬の明け方に、こんな風に目が覚めるのは、できれば避けたいものです。

「芍薬甘草湯」は足のつり(こむら返り)に即効性がある漢方薬

ご存じでしたか?漢方薬は即効性がないイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、漢方薬「芍薬甘草湯」は漢方薬の中でも「急激に起こる足のつり」に効果を発揮します。
・寝ていて突然こむら返りを起こした
・久々の運動中、いきなり足がつった
・筋肉がけいれんして、急に痛みが出た
こんな方に役立つ漢方薬です。

「芍薬甘草湯」に配合される芍薬と甘草の組み合わせが筋肉のけいれんを抑制してくれます。できれば、足がつった時にすぐ服用できるのがベストですが、難しい時はつってしまった後に服用しても効果が期待できます。また、「前兆」があることが多い症状ですので、「前兆」を感じたら早めに服用してください。

漢方解説 – 芍薬甘草湯|漢方セラピー
急な足のつり、こむらがえりにおすすめの漢方薬「芍薬甘草湯」がどのように効くのか解説します。

ふくらはぎの血行不良が足がつる要因?

足がつる時ってどんな時でしょう?「寒い冬の朝に足がつりやすい」という方も多いのではないでしょうか?この季節につりやすい原因は「冷え」が大きく関係しています。漢方では「冷えは万病の元」と捉えていますが、足のつりも引き起こしやすくします。

”第二の心臓”とも呼ばれるふくらはぎ
ふくらはぎは全身の血行を巡らせる大切な役割を持っています。冷えて、このふくらはぎの筋肉が凝り固まってしまうと、血流が滞り血行不良を引き起こしやすくなります。血行不良は足がつる要因の一つでもあります。

真冬の朝方は気温がとっても低いので、自分でも気づかないうちに猫のようにぎゅっと縮こまって寝ていることもありますよね。すると筋肉は緊張状態となり筋肉の収縮に必要な栄養素が十分に届きにくくなります。急に足を伸ばすと「!」となってしまうのです。

水分代謝とミネラルのアンバランス
漢方では、人のカラダは「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つで構成されていると考えています。そのうち、「水(=血液以外の水分や体液を指すもので、飲食物中の水分を消化吸収によってカラダに必要な形にし、カラダをうるおしているもの)」に含まれるミネラルは筋肉が働くための重要な役割をしています。ミネラルバランスが乱れると足の筋肉が硬直しやすくなると考えられています。また、「水」が不足していると「血」を巡らせることもできません。この「水」と「血」のバランスが乱れた状態が、足をつりやすくさせます。冷えると水分代謝が悪くなりむくみやすい、というのはイメージしやすいですよね。実は「水」が少なくても足がつりやすくなってしまうのです。

足がつりやすい人の特徴とは?原因や予防法を紹介

足がつるという症状は、筋肉が急激に収縮して痛みを感じることです。こむら返りとも呼ばれます。足がつる原因は、さまざまな要因が考えられますが、主なものは以下の通りです。

水分不足:体内の水分やミネラルのバランスが崩れると、筋肉の収縮や弛緩がうまくいかなくなります。特に、暑い季節や運動中に汗をかく場合は、熱中症対策でも水分補給を怠らないようにしましょう。

冷え:体が冷えると、血流が悪くなり、筋肉に十分な栄養や酸素が届かなくなります。特に、寝ている時に足先が冷えると、足がつるリスクが高まります。

筋肉疲労:長時間の立ち仕事や過度な運動などで、筋肉に負担がかかると、乳酸などの老廃物がたまりやすくなります。これが筋肉の収縮を妨げて、足のつりを引き起こします。

栄養不足:カルシウムやマグネシウムなどのミネラルは、筋肉の働きに欠かせません。神経から筋肉の伸縮を命令する信号が乱れて制御がうまくできなくなります。 そのため足の筋肉は硬直しやすくなり、痙攣して足のつりを起こしやすくなります。

足がつりやすい人は、これらの原因に注意して、生活習慣を改善することが大切です。具体的には、以下のような対策を取り入れてみましょう。

水分補給:一日に2リットル以上の水分を摂るように心がけましょう。水以外にもスポーツドリンクなどでミネラルも補給することも重要です。

温める:寝る前に足湯をしたり、湯たんぽや電気毛布などで足先を温めたりしましょう。また、急激な寒暖差に注意して冷房や扇風機の風に当たらないように注意しましょう。

ストレッチ:運動前後や就寝前に軽くストレッチを行いましょう。特にふくらはぎや太ももの筋肉を伸ばすことで、足のつりを予防する効果があります。

足がつるという症状は、体からのサインです。原因を見つけて、適切な対策を行うことで、足のつりを予防しましょう。

足がつるときに不足している栄養素とは?摂取方法や注意点

足がつるという症状は、筋肉の収縮が正常に行われないことが原因です。筋肉の収縮には、ミネラルが必要です。ミネラルは、血液中に溶けて電解質として働きます。電解質は、神経から筋肉への信号伝達や筋肉の収縮力を調節する役割を果たします。しかし、疲労などで血液中の電解質のバランスが崩れると、筋肉が過敏に反応して血行不良が原因で足のつりを起こしやすくなります。

足がつりやすい人は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを十分に摂取することが大切です。カルシウムは、乳製品や小魚、海藻類などに多く含まれます。マグネシウムは、ナッツ類や大豆製品、ほうれん草などの緑黄色野菜などに多く含まれます。これらの食品をバランスよく食事に取り入れることで、血液中の電解質のバランスを整えることができます。

ただし、カルシウムやマグネシウムだけではなく、他の栄養素も足がつる原因に関係しています。例えば、ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。ビタミンDは、魚介類や卵黄などに含まれますが、日光に当たることでも体内で生成されます。また、ビタミンB群は神経系の機能をサポートする働きがあります。ビタミンB群は、肉類や穀物類などに含まれます。

ミネラルを含む食品をバランスよく食事に取り入れることで、血液中の電解質のバランスを整えることができます。

また、不足しているミネラルを摂取することで、足のつりを予防することができます。しかし、摂りすぎも良くありません。過剰に摂取すると、逆に電解質のバランスを乱したり、腎臓に負担をかけたりする可能性があります。また、食事だけではなく、水分補給や適度な運動も忘れずに行いましょう。

足がつった(こむら返りになった)ときの正しい対処法とは?痛みを和らげる方法

足のつり(こむら返り)は、筋肉が突然硬くなって痛みを感じることです。特に、ふくらはぎや太ももの裏などの筋肉がよくつります。足がつった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?

まず、足がつったときは、慌てずに落ち着いて行動しましょう。一気に無理に動かそうとすると、筋肉を傷めたり、肉離れやアキレス腱断裂などの重篤な状態になる可能性があります。以下のような応急処置を行って、痛みを和らげましょう。

ふくらはぎがつった場合:足の指を自分の方に引っ張って、ふくらはぎの筋肉を伸ばします。また、壁に足をつけて体重をかけるのも効果的です。

太ももの裏がつった場合:座った状態で足を伸ばして、手で足首を持ち上げます。また、立った状態で患部の足を後ろに引いて、手で足首を持つのも効果的です。

その他の部位がつった場合:基本的には、つった部位の筋肉を反対方向に伸ばすことで痛みを和らげることができます。無理に力を入れないように注意しましょう。

応急処置を行った後は、患部を温めて血行を良くしましょう。また、マッサージやストレッチも効果的です。さらに、水分やミネラルの補給も忘れずに行いましょう。

足のつりは、体からの警告です。原因を見つけて、適切な予防法や対策を行うことで、足のつりを防ぐことができます。

足がつるのはなぜ?病気の可能性やリスクをチェック

足がつるという症状は、単なる筋肉の痙攣だけのものではなく、重大な病気のサインになることがあります。例えば、以下のような病気が考えられます。

糖尿病:血糖値が高いと、神経や血管に障害を与えて、感覚や血行を悪化させます。これによって、足底筋膜に問題が起こりやすくなります。また、尿中に多くの水分やミネラルが排出されることで、電解質のバランスが崩れます。これらの影響で、足の裏がつりやすくなります。糖尿病は、放置すると合併症を引き起こして、失明や腎不全などの重篤な状態になる可能性があります。

末梢動脈硬化症:動脈硬化は、血管の内壁にコレステロールやカルシウムなどが付着して、血管が細くなったり詰まったりすることです。末梢動脈硬化症は、特に足の血管に起こりやすい動脈硬化です。足の血管が詰まると、筋肉に十分な酸素や栄養が届かずに、足がつりやすくなります。末梢動脈硬化症は、放置すると壊死や感染を引き起こして、切断する必要がある場合もあります。

下肢静脈瘤:下肢静脈瘤は、足の静脈に血液が溜まって拡張したり曲がったりすることです。下肢静脈瘤は、重力や立ち仕事などで足にかかる圧力によって起こりやすくなります。下肢静脈瘤は、見た目だけでなく、足のむくみや重だるさ、足のつりなどの不快な症状を引き起こします。下肢静脈瘤は、放置すると血栓や潰瘍を引き起こして、深部静脈血栓症や肺塞栓症などの命に関わるケースもあります。

これらの病気は、足がつるだけでなく、他の兆候も現れることがあります。例えば、

糖尿病:喉の渇きや頻尿、体重減少や倦怠感など

末梢動脈硬化症:歩くと足がしびれたり冷たくなったりする間欠跛行(かんけつはこう)や、靴下を履いても消えない赤い斑点(紫斑)など

下肢静脈瘤:足に青いぶつぶつやねじれた筋が見えたり、足が熱くなったりするなど

もし、足がつるだけでなく、これらの症状も感じる場合は、早めに医師に相談しましょう。早期に診断や治療を受けることで、病気の進行や合併症を防ぐことができます。

足がつるという症状は、体からのサインです。原因を見つけて、適切な予防法や対策を行うことで、足のつりを防ぐことができます。また漢方や東洋医学の知恵を活用することも効果的です。

寝ているときに足がつる原因とは?睡眠中の足のつりを防ぐコツ

寝ている間に足がつることは、多くの人にとって不快な経験です。足のつりの原因を理解し、その対策を知ることは、質の高い睡眠を確保するために重要です。

筋肉の疲労:足がつる原因の一つは筋肉の疲労です。日中の運動不足や長時間の立ち仕事が、足の筋肉を疲労させ、足のつりを引き起こすことがあります。運動を行うことで筋肉の働きを活性化し、血流を改善することが大切です。

ミネラルバランスの低下:足がつる原因にはミネラルバランスの低下も関与しています。特にカリウムやマグネシウムの不足は、筋肉の収縮と神経伝達に影響を与え、足のつりを誘発する可能性があります。バランスの取れた食事やサプリメントを摂取して、ミネラルの不足を補給しましょう。

体温や血流の低下:睡眠中、体温や血流が低下することも足のつりの原因です。特に寒い季節や冷房の効いた部屋で寝る際は、足元を温める工夫が必要です。暖房を利用したり、足を暖かい毛布で覆ったりすることで、血流の低下を防ぎましょう。

脱水:脱水も足がつる原因の一つです。睡眠中に過度に汗をかく場合、体内の水分と筋肉・神経の働きや情報伝達を調節する電解質(イオン)が失われ、足のつりが発生しやすくなります。寝る前に適切な水分補給を心掛け、脱水を防止しましょう。

老廃物の蓄積:足がつる原因として老廃物の蓄積も考えられます。長時間の立ち仕事や座りっぱなしの生活習慣は、血液の循環を悪化させ、老廃物が筋肉に滞留しやすい現象につながります。定期的な休憩やストレッチを取り入れて、血流とリンパ液の流れを改善しましょう。

足がつる原因は、筋肉の疲労、ミネラルバランスの低下、血流や水分の低下、脱水、老廃物の蓄積などさまざまです。睡眠中の足のつりを防ぐために、運動、栄養、温度管理、水分補給、休憩を適切に取り入れ、足の健康を保つ努力が必要です。

良質な睡眠を実現するために、これらのコツを実践しましょう。

要注意!こんな日に足がつりやすい!

激しく運動した日

寒い時には運動をして、カラダを温めるのはとても良いことですね。ですが、たくさん汗をかいたり、筋肉を使った日は少し注意が必要です。汗とともに筋肉の動きを調整するミネラルが排出され、筋肉疲労が起こりやすくなります。すると老廃物が溜まり、筋肉への血流も不足しがちです。そのままの状態で夜、寝てしまうと筋肉がゆるまず夜中に足がつりやすくなってしまいます。「運動した日は足がつるんじゃないか」と不安になって運動不足になってしまっては本末転倒。運動をしないと筋肉が衰え、血流が滞り余計につりやすくなってしまいます。

特にカラダが冷えた日

真冬は特に底冷えし、足元から冷えが襲ってきます。しっかり防寒していても一日中外に居てはカラダの芯から冷え切ってしまいます。そんな時は要注意です。 筋肉がカチカチに硬直してしまっているので、必ずお風呂に入ってカラダを温め筋肉を緩めてから休みましょう。

【簡単予防策にTRY】「今日は足がつりそう」だと感じたら早めに予防

足のつり予防策1:足湯
足裏にはたくさんのツボがあります。ツボは温めることでも刺激になるので、足元だけの足湯でもカラダ全体がポカポカしてくることでしょう。

足のつり予防策2:ストレッチ
足首を向う側へ倒したり手前に曲げたりと数回ゆっくり繰り返します。寝ながらできるので寝る前におすすめです。

足のつり予防策3:締め付けないレッグウォーマー
冷え対策として靴下を履く方もいますが、締め付けの強いものだとかえって血行を悪くしてしまうことも。ふんわりと包み込んでくれるレッグウォーマーで足首を冷えから守ります。

足のつり予防策4:就寝前の一杯の常温のスポーツドリンク
人は睡眠中も発汗します。お休み前にスポーツドリンクなどを飲んで水分と栄養分を補給しましょう。ただし、この時期の水分補給の仕方にも気をつけてください。水分は必要ですが、飲みすぎると逆にカラダを冷やしむくみや足のつりにつながります。できるだけ常温か温かいものを一口ずつゆっくり飲むようにしましょう。

とにかく温めて、水分と栄養分を補給することが大事なのです。

筋肉疲労に役立つ食材で足のつりを予防しましょう

足のつりを予防するためには、筋肉疲労に役立つタウリンやビタミンB1が含まれた食材や、カリウムを含んだ食材がおすすめです。

鶏肉・牛肉・魚・大豆製品・酢など、漢方では赤い食材は血を増やし、血流を良くして体を温めるとされています。また、クコの実・なつめ・赤身のお肉なども積極的に摂るようにすることもおすすめです。

まだまだ寒い日が続きますが、日頃から冷え対策をしっかりとしましょう。そして、ご紹介した予防対策を日常にとりいれ、足のつりにくいカラダづくりを心がけたいものですね。急に足がつってしまうと痛くて慌ててしまうので、万が一の時の漢方薬も常備しておくと安心かもしれません。

カンポフルライフでは、カラダを冷やさないための生活アドバイスをたくさんご紹介しています。カラダを温める食べ物・飲み物から、すぐ実践できる末端の冷えに効く「ツボ」やお手軽なカイロ活用法など。カンポフルライフ記事一覧から気になる記事を探してみませんか?

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監修
樫出 恒代

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