漢方薬名解説

一般的に「足のつり」に使われる漢方薬

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

目次

「芍薬甘草湯」はこんな方に!

急に動いて痛くなるタイプ

  • 筋肉がけいれんし、急に強い痛みが出た方
  • 運動中や就寝中に足がつる方
  • たまにしか運動しない方

こむらがえりの“こむら(腓)”とは、ふくらはぎのことで、急激なけいれんによる強い痛みが生じるのが特長です。原因はいろいろ考えられますが、

  • 筋肉疲労による老廃物の蓄積
  • 電解質(イオン)のアンバランス化
  • 温度変化による筋肉への刺激(筋肉の収縮)

などが主な原因とされています。

「芍薬甘草湯」はどんなふうに効くの?

寝ているときや運動中に急に足がつるといった急激な筋肉の痛みは、「気」と「血(けつ)」が一時的に不足している状態。言い換えれば、動力と栄養分が足りなくなった状態というのが漢方の考え方です。就寝時や急に激しい運動をして、たくさん汗をかいたときに起こりがちな足のつり(こむらがえり)には、不足した動力と栄養分を補給することで対処します。

「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」は、不足してしまった「気」と「血(けつ)」を補い、筋肉の急なけいれんを鎮める処方です。また、筋肉のけいれんに伴う腹痛や腰痛にも効果があります。

また、鎮痙・消炎作用によって、痛みを緩和しながら、栄養成分である血を増やす作用をもっています。骨格筋や平滑筋のけいれんを抑制し、急激に起こる痛みを鎮めます。


漢方用語解説
目に見えないが人の体を支えるすべての原動力のようなもの
全身の組織や器官に栄養を与えるもの
ひたすら耐えるつらい時間…
突然の強い痛み!

配合されている生薬は?

  • 芍薬(しゃくやく)
  • 甘草(かんぞう)

漢方的考え方で足のつりを分析

漢方では、足のつり“一時的な「血(けつ)」の不足”と考えます。「血(けつ)」は、「筋(きん:すじや腱)」に栄養を与えながらなめらかに動かすはたらきをしていますが、急激な運動などにより「血(けつ)」が不足すると、「筋」がこわばりけいれんします。すると、足のつりが起こるのです。

また、「血(けつ)」は「心(しん)」を通じて運ばれるため、「心」から遠い足は「血(けつ)」が送られるのに時間を要します。寝ている状態では、流れもゆるやかになるため足に届く「血(けつ)」はさらに少なくなり、そのため寝ているときに足がつるという状態になりやすいのです。

なお、「気」と「血(けつ)」は表裏一体であるため、「血(けつ)」が不足すると「気」も不足します。


漢方用語解説
目に見えないが人の体を支えるすべての原動力のようなもの
全身の組織や器官に栄養を与えるもの


症状・悩みから選ぶ‐「足のつり」

漢方薬での足のつりの治し方

足のつりによる急激な筋肉の痛みは、急な運動で「気」「血(けつ)」を消耗してしまった状態です。こうした急激な痛みには、消耗した部分に「気」「血(けつ)」を補います。


「足のつり」関連商品一覧へ

芍薬甘草湯Q&A

Q 足がつったときに効く「芍薬甘草湯」のポイントを教えてください。
A 漢方薬の「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」の構成生薬は、芍薬(しゃくやく)と甘草(かんぞう)の2つです。「芍薬甘草湯」は、これらの生薬が協力してはたらき、筋肉の急激な緊張をゆるめ、痛みをやわらげます。また、「芍薬甘草湯」は、漢方薬のなかでも、急激な筋肉のけいれんに効果を発揮するのもポイントです。なお、甘草配合のため、長期連用を避ける必要があります。5~6回服用しても足のつり、こむらがえりをくり返すようなら、医師、薬剤師あるいは登録販売者に相談してください。
Q 朝方に足がつることが多いのですが、寝る前に予防的に「芍薬甘草湯」を服用してもいいですか?
A 「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」には、「こむらがえりの予防」という効能がありませんので、予防で服用することはおすすめできません。実際に痛みが起こってから服用するようにしてください。ただし、足のつり、こむらがえりなどでは前兆があることも多いので、症状が起こりそうだと感じたら早めに服用してください。また、夏の夜はとくに発汗しやすいので、寝る前にスポーツドリンクを飲むなどして、水分と栄養分を補給し、寝るようにしましょう。
Q こむら返りが起こったときの「芍薬甘草湯」は、長期的にのんでも大丈夫でしょうか?
A 「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」は、こむら返りなどの症状が起こったときに服用し、痛みが治まったら服用を中止してください。
Q 「芍薬甘草湯」は筋肉に作用すると聞いたのですが、具体的にはどの筋肉に作用するのでしょうか?
A 漢方薬の「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」は、骨格筋と平滑筋の両方の筋肉に作用して、けいれんや痛みに効果を発揮します。骨格筋とは、自分の意思でコントロールできる随意筋で、通常、筋肉という場合は骨格筋のことを指します。一方、平滑筋は、自分の意思でコントロールできない筋肉で、不随意筋(内臓筋)の一種です。血管や胃腸、子宮などの筋肉のことを指します。
Q 足がつったときの急激な痛みに効くなら、ぎっくり腰などの急な痛みにも「芍薬甘草湯」を飲んでもいいんですか?
A 「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は、筋肉の過剰な緊張を緩和するはたらきがあり、突然起こった強い腰痛、こむら返りなどの筋肉のけいれんといった急性症状に適しています。ちなみに、急な強い腰痛とは、中腰で重い物を持ち上げたり、体をひねったりしたときなどに、突然激しい痛みが腰を襲う症状です。痛みを感じた時に服用してください。