
漢方では、カラダは「気(き)」・「血(けつ)」・「水(すい)」の3つの構成要素で支えられていると考えます。この3つの構成要素のバランスが悪いと私たちのカラダには、さまざまなトラブルが出やすくなると言われています。漢方では、体質を気虚(ききょ)・気滞(きたい)・血虚(けっきょ)・瘀血(おけつ)・陰虚(いんきょ)・水滞(すいたい)の6つに分けて、それぞれのトラブルの原因をさぐります。
今回はその中でも『瘀血』の症状の紹介とおすすめの漢方、気血水のバランスを整えるための生活習慣アドバイスとおすすめしたい食材を紹介します。体質を改善することで、元気なカラダを目指していきましょう。
体質改善のために、まずはあなたの体質をチェック!
気血水の6つの体質タイプのうち、あなたの体質はどれなのかを簡単に診断できる「クラシエの漢方診断」を使って体質を診断してみましょう。
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「瘀血」体質のあなたはどんな状態?
瘀血体質は血の流れが悪くなり、滞っている状態です。漢方ではカラダの栄養を「血(けつ)」と呼んでいます。血はカラダの物質を作るための原料になると考えられていて、血液だけでなく、皮膚や髪の毛、爪、筋肉、骨、臓器、さらにはホルモンに至るまでカラダのあらゆる物質は血によって修復・増強され健康な状態に保たれているとされています。
また栄養を届けると同時に、静脈血のようにカラダの不要なものを回収する役割も果たしています。血が正常に流れることで、カラダの栄養状態は保たれ、同時に浄化もスムーズに行うことができるのです。瘀血になると血の流れが悪くなりカラダのあちこちで滞るため、さまざまなトラブルが起こりやすくなります。
瘀血タイプのあなたは思い当たる!?瘀血体質の主な症状とは?
手足の冷え、冷えのぼせ
瘀血になり血流が滞ると、特に末端の流れが悪くなりやすく、手足の冷えが起こると漢方では考えられています。また上半身に比べると下半身の流れの方が悪くなりやすく、そのため瘀血では冷えだけでなく、冷えのぼせの症状も起こりやすいと漢方では考えられています。
肩こり、頭痛
漢方では「不通則痛(ふつうそくつう)」といって、流れが悪くなると痛みが生じると考えられています。そのため、瘀血になり血の流れが滞ると頭痛や肩こりなどの痛みが出やすくなると言われています。特に瘀血による痛みは頑固で、痛む場所もいつも同じところといったように固定していることが多く、夜間に痛みが増悪しやすいのも特徴です。
シミ、そばかす、クマ、くすみ
瘀血になり血流が滞ると、肌細胞に十分な栄養が届きにくくなるだけでなく、正常なターンオーバーが妨げられ、メラニンなど老廃物の除去も滞りやすくなると漢方では考えています。
そのため、シミやそばかす、さらにはクマやくすみもできやすくなると言われています。
ニキビ、イボなどの肌荒れ
瘀血によってターンオーバーが乱れると、肌に老廃物が残留しやすくなり、脂性肌になりやすいと言われています。同時に、ニキビやイボなどの吹き出物や、皮膚が厚くなる角化症などの肌トラブルを引き起こしやすくなると漢方では考えられています。
生理痛、無月経、子宮筋腫などの婦人科系トラブル
瘀血タイプは婦人科トラブルと最も密接だと言われています。瘀血になり血の流れが滞ると、生理の経血が暗赤色になる、経血に塊が混ざるなどの変化が見られ、放っておくと生理痛がひどくなる、生理が遅れる、無月経、さらには子宮筋腫などの婦人科トラブルを引き起こしやすくなると漢方では考えられています。
瘀血タイプの方におすすめの漢方薬
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
血のめぐりを良くすることで、手足の冷え、のぼせなどを感じる方の生理痛、月経不順、月経異常などを改善します。
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桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)
滞った血の巡りを促し、肌のターンオーバーを整え、シミをカラダの中から改善してくれます。
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しみ、ニキビをからだの内側から改善する
桂枝茯苓丸料加薏苡仁
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桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
気と血の流れを良くして、月経不順、月経困難症、月経痛などの症状をやわらげます。
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瘀血タイプのあなたにアドバイス!おすすめの3つの生活習慣
生活習慣1:冷えは禁物!カラダを温めて巡りの良いカラダ作りを
カラダが冷えると血流が悪くなり瘀血になりやすくなります。瘀血になるとさらに手足が冷えやすくなり、まさに悪循環に。日頃からカラダを冷やさないように心掛け、カラダを温めることで血の巡りをアシストしましょう。一日の終わりにお風呂でしっかりカラダを温めるのも良いですね。ただし、瘀血タイプはとてものぼせやすいので、全身浴よりも半身浴で長い時間ゆっくりと温めるのがおすすめです。
生活習慣2:軽いストレッチで血流をアシスト
積極的に筋肉を動かしましょう。動かすことでポンプのような役割を果たし、血流をアシストしてくれます。特にふくらはぎの筋肉は“第二の心臓”と言われるほど、血流には欠かせない存在です。ストレッチやヨガ、ウォーキングなど、あなたのライフスタイルに合わせて無理のない範囲で続けてみましょう。
生活習慣3:油脂の多い食事に注意する
揚げ物やお肉中心の食事、バターやラードなど脂肪の多い食品の摂りすぎは血流を妨げる原因になります。食べる時は適量に、野菜と一緒に食べるなど、食生活を今一度見直しましょう。
瘀血タイプにおすすめの血の巡りを良くする食材
たまねぎ、エシャロット
漢方ではたまねぎやエシャロットなどの香りの強い食材には血の巡りをサポートする働きがあると言われています。たまねぎを切ると目に染みる辛味成分は硫化アリル(アリシン)と呼ばれ、血液をサラサラにする効果があることも認められています。加熱するとたまねぎの辛味がなくなるように、加熱により硫化アリルが変性しやすいので、生で食べるのが効果的です。
青背の魚
漢方ではイワシ、サバ、サンマなど青背の魚は血の巡りをサポートすると言われています。特に、青背の魚に含まれるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸には悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、血流をサポートする働きが認められています。
紅麹、酒粕、甘酒
漢方では紅麹や酒粕、甘酒などには血の巡りをサポートする働きがあると言われています。
特に紅麹は薬膳でもよく使われている食材です。
サフラン、紅花
サフランライスで有名なサフランや紅花には血の巡りをサポートする働きがあると漢方では言われていています。血流を改善する漢方処方にも頻繁に配合されている生薬で、少量で十分効果的なので使い過ぎには注意しましょう。