瘀血(おけつ)とは|肩こり・頭痛・冷えが気になる方に養生と漢方をご紹介

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漢方では、カラダは「気(き)」・「血(けつ)」・「水(すい)」の3つの構成要素で支えられていると考えます。この3つの構成要素のバランスが悪いと私たちのカラダには、さまざまなトラブルが出やすくなると言われています。ここでは、体質を気虚(ききょ)・気滞(きたい)・血虚(けっきょ)・瘀血(おけつ)・陰虚(いんきょ)・水滞(すいたい)・湿熱(しつねつ)・陽虚(ようきょ)の8つに分類して考えます。

今回は、その中でも瘀血の症状や、瘀血を目標に処方されることのある代表的な漢方薬、気血水のバランスを整えるための生活習慣や養生の考え方などを紹介します。健康維持の参考として活用してください。

体質理解の第一歩:あなたの傾向をセルフチェック

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瘀血(おけつ)とは

瘀血(おけつ)とは、東洋医学で、体内の血の巡りが滞っている状態を指す考え方のことです。体内の血の巡りの低下により、さまざまな不調がみられます。

普段の生活では、体を温める工夫や適度な運動など、血行を意識した生活を取り入れることが、健やかな状態を保つ一助になります。

中医学で捉える病機:血行停滞・寒凝・気滞・外傷など

中医学では、瘀血は血行停滞を中心に、冷え(寒凝)や気の巡りの滞り(気滞)、外傷などが関与すると捉えられます。

血の巡りが滞ると、痛みや冷え、肌のくすみなどとして現れる場合があります。くすみなどの変化がみられることがあり、肩こりや頭部の不快感、月経時のつらさなど、さまざまな不調が現れやすくなります。

いずれも、状態には個人差がある点にご注意ください。

観察のヒント:舌・脈・圧痛などの所見の一例

瘀血の状態を把握する手がかりとして、体表の変化や触診所見が判断の手がかりとして用いられます。たとえば、「顔色が暗い」「唇の色が紫っぽい」「あざができやすい」といった様子がみられるなどです。

舌は、暗赤色や紫色を帯び、舌下静脈の張りが観察されることもあります。脈は、緊・細・澀(せつ)と表現されることがあり、胸や下腹部などに押した際の違和感やしこり等の感触がみられる場合もあります。

いずれも目安の一例で、個人差がある点にご留意ください。

血瘀(けつお)との違い

「瘀血」は血の巡りが滞って生じた不要な物質や塊を指し、「血瘀」はそれによって生じる状態を表します。例として、滞りそのものを瘀血、その影響が広がった状態を血瘀と捉える場合があります。

一方、日本の漢方では両者を厳密に区別せず、いずれも「瘀血」としてまとめて表現されることが多いです。

瘀血が疑われるときにみられる主なサイン

瘀血が疑われるときには、いくつかのサインがあります。瘀血の改善に向けて早めにケアをはじめられるように、主な兆候を理解していきましょう。

手足の冷え・冷えのぼせ

瘀血になり血流が滞ると、特に末端の流れが悪くなりやすく、手足の冷えが起こると漢方では考えます 。また、上半身に比べると下半身の流れの方が悪くなりやすく、そのため瘀血では冷えだけでなく、冷えのぼせの症状も起こりやすいと考えられています。

肩こり・頭痛

漢方では「不通則痛(ふつうそくつう)」といって、流れが悪くなると痛みが生じると考えられています。そのため、瘀血になり血の流れが滞ると頭痛や肩こりなどの痛みが出やすくなります。特に瘀血による痛みは頑固で、痛む場所もいつも同じところといったように固定していることが多く、夜間に痛みが増悪しやすいのも特徴です。

シミ・そばかす・クマ・くすみ

瘀血になり血流が滞ると、肌細胞に十分な栄養が届きにくくなるだけでなく、正常なターンオーバーが妨げられ、メラニンなど老廃物の除去も滞りやすくなると漢方では考えています。 そのため、シミやそばかす、さらにはクマやくすみもできやすくなります。

ニキビ・イボなどの肌トラブル

瘀血によってターンオーバーが乱れると、肌に老廃物が残留しやすくなり、肌のべたつきが気になりやすくなります。同時に、ニキビやイボなどの吹き出物や、皮膚が厚くなる角化症などの肌トラブルを引き起こしやすくなると漢方では考えられています。

※これは一般的に語られる関連であり、必ずしもすべてのケースに当てはまるわけではありません。医師受診の必要性を示しています。自己判断での放置は避けてください。

月経痛・月経不順などの婦人科系の悩み

瘀血は婦人科トラブルと関連づけて語られることが少なくありません。瘀血になり血の流れが滞ると、生理の経血が暗赤色になる、経血に塊が混ざるなどの変化が見られます。放っておくと生理痛がひどくなる、生理が遅れる、無月経、さらには子宮筋腫などの婦人科トラブルを引き起こしやすくなると漢方では考えられています。

月経に関する不調が続く場合や日常生活に支障があるときは、自己判断に頼らず、医療機関で相談することが推奨されます。

瘀血が気になる方のための養生の考え方

まず、日々の生活習慣を見直し、無理のない範囲で整えていくことが大切です。

本章では、体を冷やしにくい工夫や適度な運動、食事や休養の取り方など、血の巡りを意識した養生の考え方について紹介します。

入浴・セルフマッサージのポイント

入浴はシャワーで済ませず湯船に浸かり、体をしっかり温めめ全身の血の巡りを整えることを意識しましょう。

瘀血症状のある方は、とてものぼせやすいので、全身浴よりも半身浴で長い時間ゆっくりと温めるのがおすすめです。お湯は熱すぎず、38℃前後のぬるめが理想です。

入浴後は、手足やふくらはぎをやさしくほぐしてみましょう。無理のない範囲でケアを取り入れてみましょう。強い痛みや違和感がある場合は中止し、無理を感じたら控えるようにしてください。

適度な運動

日常的に体を動かす習慣は、健やかなめぐりを保つうえで役立ちます。とくに下半身を意識し、散歩やストレッチ、軽い体操など息が上がらない程度の運動を習慣化するのが理想です。

筋肉を動かすことで、全身の循環を後押しできます。血流をアシストしてくれます。特にふくらはぎの筋肉は“第二の心臓”と言われるほど、血流には欠かせない存在です。

もし、長時間同じ姿勢が続く場合は、こまめに立ち上がり脚を動かすことも心がけましょう。長く続けることを優先し、自分に合った運動を選びましょう。

冷えやすい時期には、意識的に体を動かす機会を取り入れることが望まれます。

ストレスケア:呼吸・睡眠・リズムづくり

ストレスが続くと気の巡りが乱れ、結果として血の巡りにも影響すると考えられています。日々のケアとして、深呼吸や軽い散歩などで気分を切り替え、無理のない範囲で心身をリラックスさせることが大切です。

あわせて、音楽や読書などの趣味を取り入れ、自分が心地よいと感じる時間を意識して取り入れてみてください。十分な睡眠や生活リズムを整えることも、穏やかな状態を保つためのポイントです。

バランスのよい食事

食事は偏りを避け、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい内容を意識することが、血の巡りを整えることにつながります。

「油が多い」「甘い物が多い」「味が濃い」など偏りやすい食事が続く場合は、まずは食事内容の偏りに気づくところから始めてみましょう。揚げ物や脂肪の多い食品は適量にし、野菜や魚と一緒に組み合わせて食べることを心掛けましょう。日々の食生活を無理のない範囲で整えましょう。

たまねぎ・エシャロット

漢方ではたまねぎやエシャロットなどの香りの強い食材は血の巡りを意識した食養生でよく紹介されます。たまねぎを切ると目に染みる辛味成分は硫化アリル(アリシン)と呼ばれ、血液の流れを整える働きがある成分としてよく知られています。加熱するとたまねぎの辛味がなくなるように、加熱により硫化アリルが変性しやすいので、生で食べるのが効果的です。

青背の魚

漢方ではイワシ、サバ、サンマなど青背の魚は血の巡りをサポートすると言われています。特に、青背の魚に含まれるEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸には悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、健康維持に役立つ脂質成分を含んでいます。。

紅麹・酒粕・甘酒

甘酒などには血の巡りをサポートする働きがあるとされ、食養生で取り上げられることがあります。 特に紅麹は薬膳でもよく使われている食材です。

紅麹や酒粕、甘酒などの発酵食品は、日々の食事に取り入れる一例として挙げられますが、取り入れ方は嗜好や体質に合わせて検討することが大切です。温かい飲食や食事全体のバランスにも配慮しながら、普段の食生活に合わせて活用してみてください。

サフラン・紅花

サフランライスで有名なサフランや紅花は、古くから薬膳で用いられてきた食材で、血の巡りをサポートする働きがあると漢方では言われています。

日々の食事に加えるときは、少量を目安にし、自分の体質に合うかどうかを確認しながら取り入れることが大切です。

あわせて読みたい>>食材の効果を確認!薬膳食材図鑑

瘀血に対して用いられることがある処方の考え方

瘀血の傾向がある人は、肩こりや頭痛、手足の冷えなどの症状に悩まされることがあります。漢方薬は体質や症状に応じて選ばれます。

漢方薬は、古代中国医学を基礎とする伝統的な薬物療法で用いられる薬で、体質や症状に合わせて選ばれます。漢方の特徴の一つは、一人ひとりの体質や状態を考慮して処方が選択されることです。瘀血の傾向がある場合には、その状態に応じた漢方薬が用いられることがあります。これにより、症状の不調の背景にも目を向けて、全体のバランスを重視して処方が選ばれます。

漢方薬は、中医学の考え方に沿って作られており、人間の体は気・血・水などの要素から構成されていると考えます。気・血・水のバランスが崩れると、病気や不調が起こると考えられています。漢方薬は、気・血・水のバランスを整えることで、健康を回復させることを目指します。

また、漢方薬は、処方によっては継続的に用いられます。漢方薬は、生薬の組み合わせによる特性を生かし、体の気の流れを整えることで、健康維持の一助になることがあります。 漢方薬を取り入れることで、瘀血体質の人は体質に応じた不調の改善が期待されます。

漢方薬は、体質と症状を考えた有効な治療法であり、古代からの知恵を現代に活かす方法のひとつです。漢方薬を試して、健康な体と心を取り戻しましょう。

瘀血の改善に用いられる代表的な漢方薬(例)

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

血の巡りを良くすることで、手足の冷え、のぼせなどを感じる方の生理痛、月経不順、月経異常などを改善します。

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女性特有の冷え、生理痛、生理不順、肌荒れに

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桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)

滞った血の巡りを促し、肌のターンオーバーを整え、シミが気になる方に用いられることがある処方です。

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しみ、ニキビをからだの内側から改善する

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桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

気と血の流れを良くして、月経不順、月経困難症、月経痛などの症状をやわらげます。

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漢方薬を検討するときの留意点

漢方薬を検討する際は、体質や体調に合わせて選ぶことが大切です。本章では、とくに意識したい基本的な考え方や注意点について、一般的な情報として解説します。

気になる症状が続く場合は、医師、薬剤師又は登録販売者などの専門家へ相談しましょう。

服用期間の目安と受診のタイミング

漢方薬は、種類や体質、症状の程度によって実感までの期間が異なり、感じ方にも状況は人それぞれ異なります。

漢方薬を服用する際は、添付文書やパッケージに記載された用法・用量を守ることが基本です。

なお、変化がみられない場合や体調に違和感がある場合は、自己判断で調整せず、医師、薬剤師又は登録販売者にご相談ください。

併用禁忌・妊娠授乳中の注意・副作用の可能性

他の治療で薬を服用している場合、漢方薬を併用できるかどうか事前に確認が必要です。生薬の組み合わせによっては、作用に影響が出たり体調変化が現れたりする可能性があります。

漢方薬の服用を検討する際は、現在の薬や既往歴、アレルギーの有無などを医師、薬剤師又は登録販売者に伝えましょう。妊娠中・授乳中の方や高齢者は、より慎重に判断することが重要です。

瘀血に関するよくある質問

瘀血に関するよくある質問として、一般的な見解をもとにした考え方を紹介します。

なぜ女性は瘀血と関連づけられることが多い?

瘀血が女性と関連づけられる理由は、子宮周囲に多くの血が巡り、生理や出産、閉経などの影響を受けやすいためです。

その結果、体内の血の巡りに関する変化が起こりやすい傾向があります。ただし状況は人それぞれ異なりますので、年齢や生活習慣も関係する関係することは覚えておきたい点です

男性でも打撲や手術などにより、瘀血がみられる場合があります。

更年期と瘀血の関係は語られる?

女性は月経や妊娠・出産に関わる体の変化が多く、漢方では血の巡りの影響を受けやすいと考えられています。

更年期に現れやすいのぼせやイライラは、血の巡りの変化や熱のこもりが関係する場合もあります。ただし、症状にはさまざまな要因が関わっており、現れ方には状況は人それぞれ異なります。

コーヒーは瘀血に影響する?

一般的に、コーヒーは適量であればカフェインやクロロゲン酸などの働きで、血流を改善できる可能性があります。

コーヒーを飲む習慣が血の巡りのサポートに関係するとの報告もありますが、状況は人それぞれ異なりますので、飲み過ぎは避けましょう。

飲用量や体質により、感じ方は異なります。持病のある方は専門家へ相談ください。

瘀血を放置するリスクと留意点

瘀血は、漢方で血の巡りが滞りやすい状態として考えられています。

体質傾向として、シミやあざができやすいことや冷えのぼせ、目の下のクマなどが目立つ場合があります。日常生活では、無理のない範囲で食事や運動などの工夫を取り入れ、血流をいたわる習慣を意識しましょう。

体調の変化が気になる場合は、専門家へご相談ください。

まとめと次の一歩:専門家へ相談するなら

本記事では、漢方の「気・血・水」の考え方をもとに、瘀血(血の巡りが滞りやすい状態とされる考え方)の基礎や、肩こり・冷え・頭痛などと関連づけて語られるサインを解説してきました。

あわせて入浴や運動、食事などの日常の養生の工夫や、桂枝茯苓丸など代表的な漢方処方の例、検討時の留意点についても解説しています。

瘀血の特性を理解したうえで、日常生活に取り入れられる参考情報がありましたら日々の体調管理を見直すきっかけになれば幸いです。

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