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中性脂肪が低い原因とは? 低いことで起こる病気とは?
|脂肪燃焼コラム

中性脂肪が低い原因とは? 低いことで起こる病気とは?

中性脂肪を減らすための商品は数多くありますが、なぜ多くの人は「中性脂肪を減らしたい」と考えるのでしょうか? 確かに、血液中の中性脂肪の値が高すぎる状態は、「脂質異常症」と言われる生活習慣病です。しかし、逆に低過ぎても問題があります。そこで今回は、中性脂肪が低いとなぜよくないのかを解説します。

中性脂肪とは?

そもそも、中性脂肪とはどんな役割を果たすものなのでしょうか?

中性脂肪とは、食事から摂取した栄養のうち、体内でエネルギーとして使われる脂肪のこと。直接食事から取り入れるだけでなく、肝臓でも合成され、使われずに余った分は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられています。

蓄えられた中性脂肪は、身体を動かすエネルギーであるブドウ糖が不足した場合に、ブドウ糖を補うためのエネルギー源として働いてくれます。そのため、中性脂肪は人間の身体にとってなくてはならないものなのです。

中性脂肪が低い原因とは?

では、中性脂肪の値が低い場合、どういった原因が考えられるのでしょうか?

中性脂肪が低い原因としては、主に以下の4つが考えられます。

  1. 1. 極端な食事制限によるもの。脂質や糖質を制限したり、ほとんど食事を摂らなかったりすると、中性脂肪の値も低くなります。
  2. 2. 過度な運動も、中性脂肪の値が低くなる原因の1つです。アスリート並みの運動を繰り返すことによって、蓄えられた中性脂肪が大量に消費されるので、中性脂肪の値が低くなります。
  3. 3. なんらかの疾患が関係している場合もあります。例えば、肝機能に問題がある場合、中性脂肪の合成・貯蔵ができなくなるので、中性脂肪の値が低くなります。
  4. 4. 体質や遺伝が原因の場合もあります。その場合は身体に必要なエネルギーが不足しないよう、意識的に脂質を多く摂取することが大切です。

中性脂肪が低いことで起こる症状とは?

次に、中性脂肪の値が低過ぎると、どんな病気を患う可能性があるのか解説します。

中性脂肪の値が基準値より低いということは、体内にエネルギーの蓄えが少ない状態なので、「疲れやすい」「しっかり寝ても体力が回復しない」といった慢性疲労を抱えやすくなります。

また、中性脂肪は体内の体温調節にも関係しているため、低体温になったり、末端の冷えが酷くなったりする場合もあります。さらに、脂肪分に溶け込んで体内を巡っている「脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンDなど)」がうまく吸収されず、肌荒れや抜け毛が悪化したり、免疫力が低下したりすることもあります。

最近では、体の脂肪細胞は、ホルモンを分泌していることが分かってきました。「痩せホルモン」や「長寿ホルモン」とも呼ばれるこのホルモンは、内臓脂肪が少なく、適度に皮下脂肪がついていることで分泌され、脂肪を燃焼させ、体を老化させる炎症を抑える働きがあります。一方で、内臓脂肪が多くなるとこの分泌が減ってしまい、より太りやすく、体を老化させる炎症が起き、動脈硬化を起こしやすくなってしまいます。

つまり、適度な中性脂肪、皮下脂肪があることは、美容と健康にとって重要なことなのです。

中性脂肪値が低いのにコレステロール値が高いのはなぜ?

中性脂肪値が低いのに、コレステロール値が高いという結果が出て、驚いたことがある人もいるかもしれませんが、そもそも中性脂肪とコレステロールの値は比例しているわけではありません。

中性脂肪とコレステロールは、どちらも人間の身体に存在する脂質ですが、特徴や働きには大きな違いがあります。

中性脂肪の主な原材料は、食事から摂取した糖質や脂質です。摂取した糖質や脂質のうち、人間が活動するためのエネルギー源として消費されなかった分が、肝臓に送られて「中性脂肪」として合成されます。

一方のコレステロールは、人間の細胞膜を生成するために必要な脂質です。
コレステロールには、HDLコレステロールとLDLコレステロールがあり、両者が相互に作用することで、ビタミンDが合成されます。副腎皮質ホルモンや性ホルモン、脂肪の消化を助ける胆汁酸もコレステロールから生成されます。

以前は、HDLコレステロールは「善玉」、LDLコレステロールは「悪玉」と考えられていましたが、最近では人間の身体にとっては、どちらも一定量は必要なものと考えられるようになり、善玉、悪玉とは言いません。HDLコレステロールは、体内の血管や組織から余分なコレステロールを集め、肝臓へ運んで再利用させてくれますし、LDLコレステロールは肝臓で生成されたコレステロールを身体の隅々まで運んでくれます。

ただし、LDLコレステロールが酸化してしまい「酸化LDLコレステロール」になったり、更に超悪玉といわれる「小型のLDLコレステロール」が増え過ぎると、血管壁に蓄積して動脈硬化を進行させる原因となるので、注意が必要です。

では、中性脂肪とコレステロールはどんな関係にあるかというと、中性脂肪が増加すればLDLコレステロールも増加する傾向にありますが、HDLコレステロールは減少する傾向にあります。反対に中性脂肪が減少すれば、LDLコレステロールも減少しますが、HDLコレステロールは増加する傾向にあります。つまり、中性脂肪とLDLコレステロールは比例しやすく、中性脂肪とHDLコレステロールは反比例しやすい関係にあるので、「中性脂肪値が低いのにコレステロール値が高い」状態は、善玉コレステロールが多い状態であるということが考えられます。

「中性脂肪値が低いのにコレステロール値が高い」など、コレステロール値と中性脂肪値のどちらか片方でも異常が認められた場合、「脂質異常症」と診断されます。
診断基準では、空腹時の血液中に「LDLコレステロール値が140㎎/d1以上」、「HDLコレステロール値が40㎎/d1未満」、「中性脂肪値が150㎎/d1以上」のいずれかがあれば、「脂質異常症」の病名がつくことになります。
脂質異常症の中でも、HDLコレステロールが低い上に中性脂肪の値が多い場合は特に、動脈硬化症となる可能性が高まるので注意が必要です。

中性脂肪の値が低いのに血糖値が高いのはなぜ?

中性脂肪の値が低いと血糖値も低いと思われがちですが、2つの値は必ずしも連動していません。

まず、血糖値とは何かというと、血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度のこと。食事によって摂取した炭水化物などが消化吸収される際、ブドウ糖となって血液中を運ばれるため、血糖値の値は食前と食後で変化します。

人の身体には血糖値を正常に保とうとする機能が備わっているため、健康な人であれば食事によって血糖値が上がるとインスリンというホルモンが膵臓から分泌されて、血糖値を下げてくれます。しかし、インスリンの分泌量が不足していたり、機能していなかったりすると、血糖値が高いままになってしまいます。

さらに最近では、血糖値が上がりやすい砂糖や精製された穀物を食べることで、食後急に血糖値が上がり、インスリンが大量に分泌されることで、その後は低血糖になるという「食後高血糖」と「反応性低血糖」が問題になっています。

通常は血糖値が高いと中性脂肪も高い傾向にありますが、高血糖と低血糖を繰り返す場合は、「血糖値が高いのに、中性脂肪は低い」「血糖値は低いのに、中性脂肪が高い」という血液の状態が見られるようになります。

血糖値の大きな乱高下は、体にとって大きな負担になり、動脈硬化のリスクを高めます。さらに、血糖値が低過ぎると、集中力が低下して無気力になったり、イライラして落ち着きがなくなったりするだけでなく、めまいや冷や汗、パニック障害のような症状などを引き起こすこともあります。
また、血糖値が高すぎると脱水状態になりやすく、糖尿病や心筋梗塞などのリスクが生じます。

中性脂肪が低いのに体脂肪率が高いのはなぜ?

血糖値同様、体脂肪率も中性脂肪の値には左右されません。

中性脂肪とは、主に血液中に存在するもののことを指します。体脂肪とは、身体に蓄えられた脂肪のことを指します。身体の機能を正常に保つために必要なホルモンなどの物質を作り出している他、エネルギー源を貯蔵して体温を保ったり、内臓を外部の衝撃から守る役割も果たしています。
また、女性にとっては月経周期の維持、妊娠・出産などに不可欠なものでもあるので、ダイエットによって体脂肪を落とし過ぎることは大変危険です。

中性脂肪が低いのに脂肪肝なのはなぜ?

脂肪肝とは、食べすぎや運動不足が原因で余った糖質や脂質が中性脂肪に変わり、肝臓に溜まった状態のこと。具体的には、脂肪が肝臓全体の30%以上を占めるようになった状態を指します。そう聞くと、よほど太った人だけが該当するのかと思ってしまいそうですが、意外にもスリムな見た目で脂肪肝だという人はいます。
特にスリムな日本人では、2〜3キロ体重が増えただけでも脂肪肝になる場合があります。

見た目がスリムだと危機感も薄い上、初期にはほとんどの人が自覚症状を感じないものですが、脂肪肝だと、狭心症や心筋梗塞などの心疾患の合併率が高くなるので注意が必要です。
油ものだけではなく、甘いものやお酒の飲み過ぎも脂肪肝の原因となるので、スリムだからと油断することなく、バランスのいい食事を心がけるなどして健康な身体を保ちましょう。

血液中の中性脂肪が低いのに、脂肪肝になる場合もあります。
低栄養状態がもたらす脂肪肝です。

合成された中性脂肪は、タンパク質と結合して肝臓から血液中に分泌されます。しかし、極端なダイエットで飢餓状態となり、特にタンパク質が欠乏してしまうと、中性脂肪が肝臓から血液中に運搬できなくなります。すると、肝臓に脂肪は溜まってしまうのに、血液中では中性脂肪が低いというパラドックスが起きます。

絶食状態が続いた後に、少量の糖質をとるだけでも、中性脂肪に変わり肝臓に蓄えられます。
脂肪肝を防ぐためには、栄養の過剰だけではなく、欠乏にも注意する必要があります。

中性脂肪が低いことについてのまとめ

中性脂肪値が低い場合に疑われる病気としては、その他に下記のようなものもあるので、健康診断で異常値を指摘されたら、すぐに専門医で詳しく調べてみることをおすすめします。

【中性脂肪の値が低い場合に疑われる病気や異常】

・肝機能の低下
・副腎皮質機能低下症(アジソン病など)
・甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)

また、中性脂肪値が低い状態が続くことで身体の不調を引き起こすこともあります。栄養不足を甘く見ずダイエットに熱を入れ過ぎることも避けて、健康な身体を保ってくださいね。

監修:株式会社からだにいいこと