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コッコアポの品質 Quality(クオリティ)

安心・安全・品質へのこだわり

漢方の効き目を科学する

生薬

コッコアポEX錠は防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)、コッコアポG錠は大柴胡湯(だいさいことう)、コッコアポL錠は防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)という漢方です。

私たちが防風通聖散の研究を本格的に始めた1990年代後半は、現在の様な特定健診、特定保健指導はなく、肥満の増加は社会的問題になっていました。このころ、防風通聖散が肥満防止に有効であることは知られていましたが、それを科学的に解明した基礎研究は、当時はほとんどありませんでした。

そこで、まず私たちは様々なタイプの脂肪蓄積状態モデルで肥満抑制作用を調べ、防風通聖散がどの脂肪蓄積状態に対しても効果を示すことを明らかにしました(図A)。次に、そのメカニズムを調べて行くと、防風通聖散は多様な作用を介して抗肥満作用を発揮している可能性がわかってきたのです(図B)。これは、防風通聖散が麻黄、甘草など18種類もの生薬で構成されているからと考えられます。

防風通聖散をはじめとする漢方処方には、まだまだ未知なるパワーが秘められているかもしれません。私たちの研究は、品質、安全性の確保とともにこれからも続きます。

防風通聖散は様々な病態モデルに対して有効
図A 防風通聖散は様々な病態モデルに対して有効
防風通聖散の抗肥満作用メカニズム
図B 防風通聖散の抗肥満作用メカニズム

当社による防風通聖散関係の論文発表

雑誌名 巻ページ 発行年 表題名 著者名

和漢医薬学雑誌

15
400-401

1998年

Monosodium glutamate誘発肥満ラットにおける防風通聖散の作用

森元康夫、阪田美智子、大野晶子、前河智子、増田博史、永野正紀、福西克弘

日本薬理学雑誌

117
77-86

2001年

フルクトース負荷ラットの体脂肪蓄積に対する防風通聖散の作用

森元康夫、阪田美智子、大野晶子、前河智子、田島滋

和漢医薬学雑誌

18
33-38

2001年

正常マウスの体重および体脂肪量に対する防風通聖散の作用

大野晶子、阪田美智子、森元康夫、田島滋

東方医学

17
17-24

2001年

卵巣摘出マウスに誘発される肥満に対する防風通聖散の作用

大野晶子、阪田美智子、森元康夫、田島滋

実地医家のためのTHE KAMPO

11
36-41

2001年

研究レポート:肥満モデル動物に対する防風通聖散の作用

森元康夫

YAKUGAKU ZASSHI(薬学雑誌)

122
163-168

2002年

糖尿病動物KKAyマウスの血糖値、飲水量及び尿量に対する白虎加人参湯、防風通聖散及び五苓散の作用

森元康夫、阪田美智子、大野晶子、前河智子、田島滋

漢方と最新治療

17
315-323

2008年

卵巣摘出ラットの脂肪蓄積に対する防風通聖散の作用

森元康夫、大野晶子

Journal of Traditional Medicines(和漢医薬学雑誌)

27
157-165

2010年

Combination effects of pioglitazone andbofutsushosan on body weight and blood glucose levels in diabetic KKAy mice(KKAy糖尿病マウスの体重および血糖値に対するピオグリタゾンと防風通聖散の 併用効果)

森元康夫、前河智子、大野晶子

当社による防風通聖散関係の学会発表

学会名 開催年 開催地 演題名 著者名

第16回 和漢医薬学会大会

1999年

千葉

糖尿病動物KKAyマウスの血糖値および飲水量に対する白虎加人参湯、防風通聖散および五苓散の作用

阪田美智子、大野晶子、前河智子、森元康夫、田島滋

第17回 和漢医薬学会大会

2000年

愛知

フルクトース負荷ラットの体脂肪蓄積に対する防風通聖散の作用

森元康夫、阪田美智子、大野晶子、前河智子、田島滋

第17回 和漢医薬学会大会

2000年

愛知

卵巣摘出(OVX)マウスに対する防風通聖散の抗肥満作用

大野晶子、阪田美智子、森元康夫、田島滋

第22回 和漢医薬学会大会

2005年

東京

防風通聖散の抗肥満作用に対するラズベリーケトンの増強作用

森元康夫、柴田裕次郎

第25回 和漢医薬学会学術大会

2008年

大阪

卵巣摘出ラットの脂肪蓄積に対する防風通聖散の作用

森元康夫、大野晶子

第26回 和漢医薬学会学術大会

2009年

千葉

マウスにおける防風通聖散の排便促進作用-抗肥満作用との関係

神成真代、柴田裕次郎、森元康夫

第26回 和漢医薬学会学術大会

2009年

千葉

和漢医薬研究者の育成-和漢薬研究者が語る「創薬と育薬 :社会情勢や市場ニーズに対応した漢方薬の育薬~メタボリックシンドロームと防風通聖散の事例~

森元康夫

開発の現場から

皆様に服用していただくために、私たちは原料となる生薬から製剤化まで厳しい品質管理を行っています。ここでは、コッコアポがどのように作られているかを漢方研究所の研究者に詳しく語っていただきました。

生薬へのこだわり

コッコアポEX錠は防風通聖散という漢方処方のお薬です。
防風通聖散は原料となる生薬の種類が多く,トウキ,ダイオウ,シャクヤクなど18種類もの生薬が配合されています。防風通聖散エキスの効能を十分に引き出すためには原料となる各種生薬の品質が重要となります。
クラシエでは原料生薬品質確保のため,原料となる生薬の産地を厳選し、自社の品質基準に合格したもののみを原料として使用しています。また,一部の生薬については積極的に栽培化に取り組み、安定確保に努めています。

トウキ栽培地(中国・吉林省)
トウキ栽培地(中国・吉林省)

トウキは鎮痛、血流改善などの作用があり、日本では特にヤマトトウキ(大和当帰)の品質が高いとして大切にされてきています。クラシエでは純系ヤマトトウキである延辺当帰の栽培化に取り組み、中国で栽培生産しています。

野生のダイオウ(中国・四川省)
野生のダイオウ(中国・四川省)
ダイオウ栽培地(中国・四川省)
ダイオウ栽培地(中国・四川省)

ダイオウは便通促進(瀉下)作用や体内の新陳代謝を促す作用などがあり、防風通聖散の薬効においても重要な役割を果たしています。
従来、ダイオウは中国の山岳地帯に分布する野生品を用いており、品質確保が難しかったことから、クラシエでは中国国内のダイオウ産地を広く調査し、優良系統のダイオウを選抜して、中国で栽培化を進めています。

コッコアポ製剤の特性

エキス製剤の製法について

漢方薬は古来より、一般的には煎じ薬(湯剤)として服用され、その有用性が確認されてきました。
煎じ薬(湯剤)に加工工程を加えて現代人のライフスタイルにマッチさせた剤形がエキス製剤と言えます。したがって、エキス製剤の有用性を維持、向上するためには、下記が必須事項と考えます。

  1. 1.湯剤の品質を保持したエキス製剤の提供
  2. 2.一定品質のエキス製剤の提供

エキス粉末を製造する高槻第二工場、及び製剤工程を経て最終製品化する高岡工場の国内2ヶ工場は共にISO 14001基準を取得し、環境に対しても配慮しています。

1.湯剤の品質を保持したエキス製剤の提供 (湯剤の科学的な解明)

生薬中に含まれる成分は,湯剤やエキス製剤の製造時に熱分解や昇温過程での酵素分解あるいは水分蒸発による精油成分の揮散が起こっていますが、その程度は製法や装置特性などにより差が認められます。
弊社では湯剤の成分挙動を科学的に解析し、エキス粉末製造条件を工夫すること(遠心分離、減圧濃縮、乾燥、製剤化工程でのロスを最小限に抑える技術など)により、湯剤に限りなく近い品質を工業レベルで確保しています。

2.一定品質のエキス製剤の提供

弊社の管理体制によって、一定品質が確保された原料生薬を使用するとともに、
上記品質を保持することが可能なエキス粉末製造条件にて恒常的に生産することによって、一定品質のエキス製剤を確保しています。

製剤化について(より飲みやすい製剤をめざして)

研究所

漢方薬は、一般に穏やかな効き目であるため、継続して服用することによって効き目が表れる薬であります。また一方では、独特な匂いおよび味があり、しかも薬剤量(エキス量)が数グラム単位と多いので、繰り返し服用することが困難である(苦い、臭い)ことを訴える方、さらにはそのために継続服用を中断する方が少なからずおられるという薬であります。
そこで、弊社では発売以来、剤形の中で最も好まれる錠剤を中心として、継続的に製剤の改良を試みています。初代のコッコアポ錠は直径10mmと大きな錠剤でしたが、コッコアポA錠になると9.5mm、のちに9mmとすこしずつですが、錠剤の小型化を図っております。
また、味および匂いなどの風味の改善方法として、フィルムコーティングを施した新コッコアポA錠、そして更に香料を添加したコッコアポプラスA錠を世に送り出し、本製剤が、より飲みやすくなるように、日々改良検討を進めております。