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防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)肥満や多汗症に効果的な漢方薬|脂肪燃焼コラム

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)肥満や多汗症に効果的な漢方薬

「防已黄耆湯=ぼういおうぎとう」って知っていますか?あまり聞きなれない方も多いかもしれませんが、実は、肥満や多汗症、むくみ、関節痛に効く漢方薬で、薬局やドラッグストアでも販売されています。
防已黄耆湯は、特に女性が気になる様々な症状に働きかけるので、それぞれの症状にあてはめながら、ぜひお役立てください。

体力のない人が、水分代謝が悪くなった時に用いる「防已黄耆湯」

漢方では、その症状を診るだけでなく、その人の体質を重要視して漢方薬を選択します。そのため、同じ症状で悩んでいても、体質が異なれば、違う漢方薬が用いられるのが通常です。

漢方でいうところの「証(しょう)」とは、体力や抵抗力を表すものですが、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)は、「虚証(きょしょう)」傾向という、体力がない、弱々しい、胃腸が弱い、寒がりといった体質の方に向いているものです。

「虚証」の反対は「実証(じっしょう)」ですが、こちらは体力があり、体は筋肉質、胃腸は強く、暑がりの人のことを表します。そのため、肥満でも「実証」タイプの人には、ほかの漢方薬が適しているとされます。

また、漢方では、体を構成する「気・血・水」のバランスでも診断します。
「気」は体内を流れる生命エネルギーのことで、気力や元気の素になります。また、免疫力にも影響を及ぼします。
「血」は、血液などに必要な栄養成分です。血液の流れが滞れば血行が悪くなり、目の下にクマができたり、不足すれば、貧血を招くことに。
「水」は、血液以外のリンパ液、汗、尿、涙、だ液などの体液のこと。体を潤す作用もします。

「防已黄耆湯」は、体がむくみがちで、水分の代謝の悪い、肥満体質の人に用いられる漢方薬です。つまり水分代謝が悪くなり、「気・血・水」のバランスが偏ってしまう場合に用いられます。

肥満対策の薬として販売されていますが、この場合はいわゆる水太りタイプの肥満のことです。

「水太りタイプ」には漢方薬での肥満改善がおすすめ

「防已黄耆湯」を用いたほうが良い場合の「虚証(きょしょう)」を、もう少し詳しくみていくと――。
・見た目は、色白、弱々しい、食べ過ぎていないのに太ってしまう、体のたるみが気になる。
・水分代謝が悪く、身体の重だるさによる運動不足のため、筋肉量が少なくなり、寒がり、疲れやすい、寝ても疲れが取れない、ずっと立っているのが苦手ですぐに座りたくなる。
・食事はあっさり系が好きで、一回の食事の量が少ない、下痢になりやすいタイプ。

こういった水分代謝が悪く「水太りタイプ」の人は、筋肉量が少なく、また筋力を使わないことで、余分な脂肪が分解されにくくなります。それを改善してくれる漢方薬が「防已黄耆湯」です。

このタイプの人が苦手な運動をすると続かないのはもちろん、慣れない運動で怪我をしてしまったり、体のストレスとなってしまうことも。運動だけでなく、自身の体に合った漢方薬を取り入れてみるのも肥満改善の方法の一つです。

多汗、ひざの痛みや関節痛にも効果がある「防已黄耆湯」

「防已黄耆湯」の主要な効能は、肥満やむくみですが、先にも触れたように、水太りをしてしまう理由は水分代謝が悪いから。体が余分な水分を溜め込んでいるためにむくみになり、多くの方は、基礎代謝が低く、冷え性にもなりがちです。
特に下半身に水が溜まり、慢性的なむくみによるだるさも感じられるようになります。

防已黄耆湯には、「気・血・水」のうちの「水」バランスを整える働きがあります。「気・血・水」のバランスが整うことで、基礎代謝がアップし、体が引き締まります。

また、防已黄耆湯は多汗の人にも有効です。実は、多汗になる原因も肥満と同様で、体の水分バランスが乱れるために、体が発汗異常を起こしてしまう状態です。そのため、防已黄耆湯で体の水分バランスを整えることで改善します。

また、ひざや関節の痛みの元も、体の水分バランスの乱れによるもの。湿気が高くなる梅雨の時期に症状が悪化する特徴があります。このタイプの人は、もともと水分を体に溜め込みやすい体質なので、日頃から冷たいものを食べ過ぎたり、水分を摂りすぎたりしないように注意しましょう。

6つの生薬の組み合わせた「防已黄耆湯」

「防已黄耆湯」を構成する生薬の主役は、名前からも分かるように「防已(ボウイ)」と、「黄耆(オウギ)」の2つです。
そのほか、「白朮(ビャクジュツ)」、「大棗(タイソウ)」、「甘草(カンゾウ)」、「生姜(ショウキョウ)」を合わせて6種類が配合されています。

「防已黄耆湯」は、下記6種類の生薬で構成されています。

防已(ボウイ):ツル性の植物であるオオツヅラフジの茎や根茎。
黄耆(オウギ):マメ科の植物。
白朮(ビャクジュツ):オケラの根茎。
大棗(タイソウ):クロウメモドキ科ナツメの果実。
甘草(カンゾウ):マメ科の植物の根や茎。
生姜(ショウキョウ):ショウガ科のショウガの根や茎。

これらの生薬を合わせた漢方薬として「防已黄耆湯」が最初に紹介された書物は『金匱要略(きんきようりゃく)※』で、これは3世紀初めごろに中国の張仲景が著したとされています。「防已黄耆湯」は古くから使われてきた、歴史のある漢方薬なのです。

防已黄耆湯の使用上の注意

防己黄耆湯は、色白で疲れやすい、汗をかきやすい人などに用いられます。
通常、肥満症、関節痛、むくみなどの治療に用いられます。

次のような方は使う前に必ず担当の医師、薬剤師又は登録販売者に伝えてください。

・以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある人
・妊娠または授乳中の人
・他に薬などを使っている人
・高齢の人
・小児
・高血圧、心臓病、腎臓病などの診断を受けた人

服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。

・皮膚の発疹・発赤、かゆみ
・食欲不振、胃部不快感

また、まれに間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、黄疸といった重要な副作用が起こることがあります。その場合は直ちに医師の診療を受けてください。
具体的な症状として、
発熱、から咳、息切れ、呼吸困難、尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手がこわばる、体がだるくて手足に力が入らない、手足がひきつる、手足がしびれる、
体がだるい、皮膚や白目が黄色くなる
などが挙げられます。

上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。

詳しくは、サイト内にある各商品の添付文書をご確認いただき、正しく服用ください。

防已黄耆湯の用法・用量

用法・用量は、成人の場合、1日2回や3回など決められた回数・分量を、食前や食間に水またはぬるま湯で服用してください。漢方薬は、食後ではなく、食前、食間に服用することが多く、この「防已黄耆湯」もその一つです。
用法用量に従い服用下さい。
もしも飲み忘れてしまった場合は、一度に2回分服用することは絶対に避けましょう。気付いた時にすぐ服用するか、次の薬の時間が2時間以内の場合は、それまで待ってから飲みましょう。
誤って多く飲んだ場合は、すぐ医師や薬剤師にすぐ相談しましょう。

防已黄耆湯の保存方法

「防已黄耆湯」は、生薬を合わせて煮出し、一度エキスにしたものを細粒、顆粒、錠剤などに加工してあります。そのため湿気には注意が必要です。
市販されている漢方薬の包装には、分包、瓶詰め、パウチ包装、などがあります。いずれも常温で保存できますが、直射日光、高温多湿を避けて保管・管理することが基本です。

また、乳幼児、小児の手の届かないところに置き、他の容器に入れ替えたりしないようにしましょう。

「防已黄耆湯」についてのよくある疑問は?

Q. 妊娠に気づいてから飲むことができますか?

A. 「防已黄耆湯」に限らず、妊婦又は妊娠していると思われる人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。

Q. 「防已黄耆湯」と「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」を併用しても大丈夫ですか?

A. 「防已黄耆湯」と「防風通聖散」では、適した体質やタイプが異なります。自分の体質がどちらかを見極めて選ぶか、医師、薬剤師、又は登録販売者に相談して服用するようにしましょう。

水太りには「防已黄耆湯」がおすすめ

防已黄耆湯は、むくみや水太りによる肥満におすすめの漢方薬として薬局やドラッグストアで販売されています。
パッケージには、「防已黄耆湯」と大きく名前がでているものもあれば、むくみ、多汗症、水太り、肥満と、症状の方を大きく記載しているものも。

身近でよく売られている漢方薬は、西洋医学ではケアしにくい症状に対して対処できることもあります。ぜひ生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

監修:株式会社からだにいいこと