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大柴胡湯(だいさいことう)の効果とは?
年齢やストレスで下がった脂質代謝を上げる漢方薬

2023年12月21日

大柴胡湯(だいさいことう)脂質代謝の改善に効果的な漢方薬

年々体重が増えたり、ストレスでやけ食い習慣がある…最近、脂質代謝が下がったと感じる方におすすめの漢方薬があります。全身に脂肪がついて、特にあまり動かない上半身を中心に、二の腕・脇腹に脂肪がつきやすい…という方にピッタリなのが「大柴胡湯(だいさいことう)」です。
この漢方薬に当てはまる症状や、配合されている生薬、効能効果についてご紹介します。

大柴胡湯は、年齢やストレスでホルモンバランスが乱れ、脂質代謝が落ちて全身に脂肪が蓄積し、動かない上半身を中心に、特に二の腕や脇腹に脂肪がつきやすい、自律神経も乱れて便秘がちな方におすすめです。
このような方は、漢方でいう「気」の流れが悪くなって上半身に滞りやすいため、脇腹からみぞおちあたりにかけて張って苦しく感じるのが特徴です。
肥満や便秘など、不要なものが体にいっぱい溜まっている状態は、漢方では「実証(ジッショウ)」と捉えています。
「大柴胡湯」は、「実証(ジッショウ)」の方におすすめの漢方薬です。

脂質代謝の低下には様々な要因が挙げられます。女性の場合は、年齢やストレスで脂肪がつきやすくなるのは以下2つのホルモン分泌の乱れが大きく影響しています。

女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下

エストロゲンは脂質代謝と関係が深く、脂肪分解を促進し、脂肪蓄積を抑制する作用があるため、エストロゲンの分泌低下は肥満が起こりやすくなります。エストロゲンの減少は生理の乱れや更年期障害といった症状にもつながることから、そのような症状が見られる場合には注意が必要です。

ストレスホルモン(コルチゾール)の過剰分泌

ストレスが続くとコルチゾールの分泌が慢性的に促され、脂質や糖の代謝を乱すことで、脂肪が蓄積しやすくなり肥満が起こりやすくなります。またストレスによって自律神経が乱れると、腸の動きが乱れて便秘になることもあります。

30過ぎてから生活習慣が変わらなくても痩せにくくなったり、仕事でストレスが溜まっていたり、食べてほっとするなど食欲にムラがある…こういう方は女性ホルモンの分泌低下、あるいはストレスホルモンの過剰分泌の可能性があるので、肥満になりやすいので要注意です。

「大柴胡湯」は、下記8種類の生薬で構成されています。
「柴胡(サイコ)」、「黄芩(オウゴン)」、「半夏(ハンゲ)」、「枳実(キジツ)」、「大黄(ダイオウ)」、「芍薬(シャクヤク)」、「生姜(ショウキョウ)」、「大棗(タイソウ)」

これら8種類の生薬でできた大柴胡湯は、気の流れをよくして、自律神経の乱れを整えてくれます。ストレスホルモンの増加を抑制し、脂質代謝を上げて余分な脂肪を分解・燃焼します。また、スムーズな排便を促して便秘も改善します。

「大柴胡湯」は、スムーズな排便を促す作用があります。そのため、服用中はそのほかの下剤を使用するのは控えましょう。
また、授乳中に大柴胡湯を服用すると、薬の成分(大黄の成分など)が母乳に移行し、乳児に影響を及ぼす可能性がありますので、授乳中は薬の使用は避けましょう。
そのほか、下記に当てはまる方は使用を避けてください。
医師の治療を受けている人、妊婦又は妊娠していると思われる人、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人、今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人

服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください
皮膚の発疹・発赤、かゆみ
はげしい腹痛の伴う下痢、腹痛

また、まれに下記のような症状があらわれ、[ ]内に示した副作用の初期症状である可能性があります。
このような場合には、使用をやめて、すぐに医師の診療を受けてください。

  • 発熱、から咳、息切れ、呼吸困難[間質性肺炎]
  • 体がだるい、皮膚や白目が黄色くなる[肝機能障害、黄疸]

詳しくは、サイト内にある各商品の添付文書をご確認いただき、正しく服用ください。

この商品の添付文書情報

Q. 妊娠に気づいてから飲むことができますか?
A.妊婦又は妊娠していると思われる人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。

Q.「大柴胡湯」はどのぐらい飲んだら効果がでますか?
A. 体質や症状に合っていれば、通常1週間~2週間ほどで便通が改善されたり、お腹まわりがスッキリといった実感がでてきます。肥満改善を目的とされる場合は、1~2週間で良い変化を感じた上で、1ヶ月を目安に続けて服用してください。

Q. 肥満に早く効くように、「大柴胡湯」と「防風通聖散」を併用してもいいでしょうか?
A. 「大柴胡湯」と「防風通聖散」では、適した体質やタイプが異なります。自分の体質がどちらかを見極めて選ぶか、医師、薬剤師、又は登録販売者に相談して服用するようにしましょう。
また、この2処方とも便秘改善作用を持つ漢方薬です。このため、下剤の作用の重複となり、症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなります。「大柴胡湯」を服用する際に、他の下剤とも併用しないでください。

Q. 生理前になるとイライラが起こるため、産婦人科で「抑肝散(ヨクカンサン)」が処方されています。その漢方薬とOTCの「大柴胡湯」を併用しても大丈夫でしょうか?
A.病院で処方された薬がある場合はかかりつけの医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。

年齢とストレスで落ちにくくなった脂肪、体の脂質代謝を漢方薬の「大柴胡湯」でサポートすることで、脂肪が燃えるサイクルになり、気になる脂肪を減らすことができます。運動や食事のコントロールだけでなく、漢方薬という方法を生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

大柴胡湯(だいさいことう)」のタイプ:年を重ねることやストレスなどでホルモンバランスが乱れ、脂質代謝が低下し、上半身を中心に、筋肉の少ない二の腕・脇腹に溜まりやすいタイプ。また、このタイプは食生活が乱れやすく、便秘にもなりがちです。

この処方は、ドラッグストア等でクラシエ薬品のコッコアポとして販売されていることがあります。漢方薬で自分にあう脂肪の減らし方を探したいときは、ぜひチェックしてみてください。

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からだにいいこと
記事監修
からだにいいこと編集部
創刊18周年を迎えた女性向けの健康生活情報誌『からだにいいこと』。医師や専門家の監修のもと、「いますぐできる」「心も体も元気になれる」健康・美容・ダイエット情報を発信中。