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防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)の肥満に対する効果とは?
注意点や副作用についても解説
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)ぽっちゃりした食べ過ぎタイプの方が脂肪を落とす漢方薬
こんな方におすすめなのが、漢方薬の「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」です。食欲が旺盛で、お腹まわり見た目の肥満に悩む方にこそ脂肪を落とす「防風通聖散」がピッタリです。
防風通聖散がおすすめな方
防風通聖散は、濃い味や脂っこい食品、辛いものを好んだり、お酒を好むような食欲旺盛の方に向いています。日頃の食べ過ぎによって代謝が間に合わず、脂肪がお腹に蓄積しやすくなります。また、お腹の脂肪によって腸管運動が悪くなるため、便秘にもなりがちです。
このような方は、体内に熱がこもりやすいため、暑がりで冬でも冷たい飲食を好むのが特徴です。
肥満や便秘など、不要なものが体にいっぱい溜まっている状態は、漢方では「実証(ジッショウ)」と捉えています。
「防風通聖散」は、「実証(ジッショウ)」の方におすすめの漢方薬です。
消費カロリーよりも摂取カロリーが上回っている状態
ついつい食べ過ぎて、肥満が気になる……そんな方の多くが暑がりで、体に熱を溜めやすいタイプなので、冬場でも冷たい飲み物を好み、体を冷やそうとします。
こういった方は、食べ過ぎなのに代謝が追いつかなくて、余計な脂肪や熱が体にたまっていきます。特に運動不足や食事などの生活習慣の乱れがちな現代では、摂取したカロリーより使われる量が少ないため、それらは代謝されずに内臓脂肪や体脂肪として蓄積されていく…という方が増えています。
肥満に効果のある漢方薬は様々ありますが、このようなタイプの方に適しているのが「防風通聖散」。消費カロリーよりも摂取カロリーが上回っていることで肥満になっている人に向いています。
また、肥満に伴うのぼせ、便秘、ニキビにも効果があります。
ちなみに、防風通聖散は、中国金・元時代の劉河間(りゅうかかん)が著した「宣明論(せんめいろん)にも掲載されている漢方薬。メインの生薬の名前である「防風(ボウフウ)」と、すぐれた人を表す「通聖」から、現在の漢方薬の名前「防風通聖散」となりました。
漢方の診療とは異なる西洋医学基準のBMI測定とメタボ検診
お腹まわりなどに余分に脂肪がついている場合「肥満」と呼びます。その肥満の度合いは、BMI(ボディマスインデックス)で表されます。
一般的なBMIの判定
「18.5未満=やせ」
「18.5〜24.9=普通」
「25〜29.9=肥満1度」
「30〜34.9=肥満2度」
「35〜39.9=肥満3度」
「40以上=肥満4度」
この数値は、自分で計算して出すことができます。
体重(kg)÷身長(m) ÷身長(m)
例:体重53kg、身長160cmの場合。
53÷1.6÷1.6 =20.7
計算方法は世界共通ですが、国によって肥満の判定基準は異なります。上記からもわかるように、日本肥満学会の基準は「18.5未満は低体重(やせ)」となり、「18.5以上25未満は普通体重」、「25以上は肥満」と判断されます。
「肥満」と判断される方に、糖尿病や脂質異常、高血圧、月経異常などの合併症がある場合は「肥満症」と診断されます。
また、BMI値とは関係なく、内臓脂肪が多く、血圧・血糖などが高値の方は「メタボリックシンドローム」と診断されます。
「防風通聖散」は肥満症の効能効果を持つ漢方薬です。では、この処方の成分と働きを見ていきましょう。
防風通聖散の成分と働き
「防風通聖散」は、下記18種類の生薬で構成されています。
防風(ボウフウ)、黄苓(オウゴン)、大黄(ダイオウ)、芒硝(ボウショウ)、麻黄(マオウ)、石膏(セッコウ)、白朮(ビャクジュツ)、荊芥(ケイガイ)、連翹(レンギョウ)、桔梗(キキョウ)、山梔子(サンシシ)、芍薬(シャクヤク)、当帰(トウキ)、川芎(センキュウ)、薄荷(ハッカ)、滑石(カッセキ)、生姜(ショウキョウ)、甘草(カンゾウ)
これら18種類の生薬でできた防風通聖散は、過剰な胃熱(食欲)を除いて、便通をよくし、お腹まわりをはじめ、全身についた余分な脂肪を分解・燃焼します。
また、炎症を取り除く効果もあるので、蓄膿症、ニキビ、高血圧や肥満に伴う肩こりやのぼせなどにも応用されています。
防風通聖散の使用上の注意
「防風通聖散」は、スムーズな排便を促す作用があります。そのため、服用中はそのほかの下剤を使用するのは控えましょう。
また、授乳中に防風通聖散を服用すると、薬の成分(大黄の成分など)が母乳に移行し、乳児に影響を及ぼす可能性がありますので、授乳中は薬の使用は避けましょう。
そのほか、下記に当てはまる方は使用を避けてください。
医師の治療を受けている人、妊婦または妊娠していると思われる人、体の弱い人、胃腸が弱く下痢しやすい人、多汗症の人、今までに薬で発疹・発赤、かゆみを起こしたことがある人、むくみ・排尿困難の症状がある人、高血圧症、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害の診断を受けた人、高齢の人
防風通聖散の副作用
下記の症状が出た場合は、副作用の場合があります。すぐに服用を中止して、医師や薬剤師、または登録販売者に相談してください。
発疹、発赤、かゆみ、吐き気、嘔吐、食欲不振、胃の不快感、腹部の張り、激しい腹痛をともなう下痢、腹痛、めまい、発汗、動悸、むくみ、頭痛
また、まれに間質性肺炎、偽アルドステロン症、ミオパチー、肝機能障害、黄疸、腸間膜静脈硬化症といった重要な副作用が起こる場合もあります。服用中、発熱、せき、呼吸困難、脱力感、四肢痙攣・麻痺、下痢などの症状がでた場合にはすぐに服用を中止し医療機関を受診してください。
詳しくは、サイト内にある各商品の添付文書をご確認いただき、正しく服用ください。
防風通聖散についてのよくある質問
Q. 妊娠に気づいてから飲むことができますか?
A.妊婦又は妊娠していると思われる人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください。
Q.「防風通聖散」はどのぐらい飲んだら効果がでますか?
A. 体質や症状に合っていれば、通常1週間~2週間ほどで便通が改善されたり、お腹まわりがスッキリといった実感がでてきます。肥満改善を目的とされる場合は、1~2週間で良い変化を感じた上で、1ヶ月を目安に続けて服用してください。
Q. 肥満に早く効くように、「防風通聖散」と「大柴胡湯」を併用してもいいでしょうか?
A. 「防風通聖散」と「大柴胡湯」では、適した体質やタイプが異なります。自分の体質がどちらかを見極めて選ぶか、医師、薬剤師、又は登録販売者に相談して服用するようにしましょう。
また、この2処方とも便秘改善作用を持つ漢方薬です。このため、下剤の作用の重複となり、症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなります。「防風通聖散」を服用する際に、他の下剤とも併用しないでください。
Q.ドラッグストアで肥満に効く漢方薬が色々あります。選ぶポイントは?
A.成分量も大切ですが、一番大切なのはご自身の体質に合った漢方処方を選ぶことです。自分の太り体質がわからない場合は、「脂肪&むくみタイプチェック」をしてみてください。
防風通聖散のまとめ
「防風通聖散」は肥満症の代表的な漢方処方ですが、すべての方に適しているわけではありません。使用する前に、まず自分の体質や症状に合っているかどうかをお確かめください。
「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」のタイプ:食べ過ぎや間食が多く、食欲旺盛で代謝が追い付かなくなることでお腹まわりに脂肪がつきやすくなるタイプ。また、このタイプは胃腸の働きが乱れて便秘にもなりがちです。
「防風通聖散」は、ドラッグストア等でクラシエ薬品のコッコアポとして販売されていることがあります。
漢方薬はその人の体質に合うことが大切なので、肥満体質について判断が難しい場合は、コッコアポの「脂肪・むくみタイプチェック」でチェックしてみてください。
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