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当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)女性特有の悩み改善に効果的な漢方薬|脂肪燃焼コラム

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)女性特有の悩み改善に効果的な漢方薬

女性向けの漢方薬として知られる『当帰芍薬散』。特に、ほっそり型の女性に処方されます。生理や妊娠中などの不調を訴える若い女性から、更年期障害で悩む中年の女性まで、様々な年齢の女性に寄り添い、人生をサポートする漢方薬です。

血(けつ)のめぐりを良くして、生理や妊娠、出産などに関わる

『当帰芍薬散』(とうきしゃくやくさん)は、その名前からもわかるように、生薬である「当帰」(とうき)と「芍薬」(しゃくやく)が中心となっている漢方薬です。
その名前が書籍に登場するのは、中国漢代に書かれた医学書の古典である『金匱要略』(きんきようりゃく)から。長い歴史の中で、特に女性の健康向上に役立ってきた漢方薬の一つです。

『金匱要略』は、様々な症状ごとに有効な漢方薬が記載されています。その中の“妊娠病”の項に、「婦人の腹中の諸疾痛は『当帰芍薬散』之を主る」とあります。婦人の腹の痛む病気のほとんどは、『当帰芍薬散』を用いることで治るという意味です。

また、“妊娠中におこるお腹の引っ張られるような痛み”に、『当帰芍薬散』が用いられるという記載があります。元気な赤ちゃんを産むための安胎薬などとして、女性の生理に関係する症状、不妊症、妊娠中におこる様々な不都合な症状にも用いられています。

また、足腰が冷える方にもおすすめです。
漢方では、体は「気・血・水」(き・けつ・すい)の3つの要素からできていると考えられ、この3つのバランスの乱れで不調が起こるとされます。この「血」(けつ)は、現代医学でいう血液とほぼ同じ概念で、全身に栄養や酸素を運んでいる赤い液体のことですが、この「血」が全身をくまなく巡らない状態になると、足腰が冷えます。

さらに、生理不順がある方などにも『当帰芍薬散』が用いられます。漢方では、約ひと月(28日)の間に、生命エネルギーである「気」(き)が、全身から「血」(けつ)を集めることで、生理が起こると考えます。
そのため、不調のない生理を迎えるためには、「血」(けつ)の量が十分にあって、正常に体を流れていることが必要ですが、「気」(き)の流れが滞ってしまうなどの乱れが起こると、生理が正常に起こらなくなると考えられるのです。

体を温めることで血行を促し、全身に大切な栄養素を与え、水分代謝を整えることで余分な水分を体からとり除いて、足腰の冷え症や生理不順を改善することができる……その働きをするのが『当帰芍薬散』です。

さらに、『当帰芍薬散』は血行不良やめまい、むくみ、などに用いることもあります。これは女性だけに限った症状ではありませんので、男性の方にも用いられることがあります。

水(すい)のめぐりを良くして、冷えやむくみを改善する

「血」(けつ)のめぐりだけでなく、「気・血・水」の中の「水」(すい)の乱れにも『当帰芍薬散』は用いられます。
特に、手足が冷える、夕方になると足がむくむ、靴がきつくなる、靴下の痕がついてしまうなどの経験がある方におすすめです。

これらの症状は、身体の水分代謝がうまくいかずに起こってしまう症状です。むくみというのは、細胞と細胞との間に余分な水があるために、パンパンに張った感じになることを意味します。
身体に余計な水分があると常に冷えを感じ、水分で押され血管が細くなり、血液循環まで悪くなり、エネルギーの供給も低下してきます。

水分をため込むと、身体が冷えても自力で温めるパワーがなくなり、常に冷えを感じてしまい、動作がしづらく動きが遅い、といったことがおこってしまいます。

天候の変化で調子が乱れる方にも、身体の「水」の偏在を改善するために『当帰芍薬散』を用いることがあります。

「血」が不足する「血虚」や、「血」が停滞する「瘀血」に

「当帰」や「芍薬」は、漢方でいう「血」(けつ)に関係する症状を改善する代表的な生薬と記しましたが、「血」は現代医学でいう血液とほぼ同じ概念、全身をめぐっている赤い液体で、栄養分や酸素を運んでいます。
そのため「血」の量が少ない、もしくは薄い人は、体のすみずみまで栄養素や酸素が行き届かず、熱も発することができません。その結果、冷えや生理が遅れるなどの症状があらわれます。

「血」に異常が表れると「気」にも影響を与え、体力が低下し、熱量が減るため冷え症となり疲れやすくなってしまいます。「血」がうまく体中をめぐらなくなると、水分代謝も悪くなり、体の余分なところに水分がたまり、むくみやめまいを引き起こしてしまうことがあります。さらに、大切なその水分が体を冷やして冷えを引き起こします。

「血」の不調には、「血」が不足する「血虚」と、「血」が停滞する「瘀血」があります。
「血」の不調が起こると、その結果、疲れやすくなったり、顔色が悪く、目の下のクマが気になり、肌にツヤがなくなり、髪の毛もパサパサなどの症状があらわれます。

特に、女性の生理とは関わりが深く、生理痛や生理不順だけでなく、不妊症や妊娠中毒症的な症状にも『当帰芍薬散』が用いられています。

そのほかにも、更年期障害、頭痛、耳鳴り、肩こり、動悸、だるさなど、さまざまな症状に用いられます。

ドラッグストアなどで販売している商品には、「顔・手足などのむくみや冷えに効く(体質に合わせて代謝を上げる)」「足腰の冷え、貧血や生理不順の方に」など、症状が書いてある漢方薬もあります。

『当帰芍薬散』に含まれる生薬

『当帰芍薬散』に含まれる生薬は、下記の6つになります。

当帰(トウキ):セリ科の植物の根。
川芎(センキュウ):セリ科の植物の根。
茯苓(ブクリョウ):サルノコシカケ科の菌核(菌類の菌糸が集まってできた硬い塊)で、松の根に生じる。
蒼朮(ソウジュツ):キク科の根茎。
沢瀉(タクシャ):オモダカ科の塊茎。
芍薬(シャクヤク):ボタン科の根。

こういった6種類の生薬の複合的な作用で、生理や妊娠など女性特有の不調のほか、血行を促し冷えやむくみ、貧血の改善に働きかけるのが『当帰芍薬散』です。

流産や早産を予防し、妊娠貧血や妊娠中毒症などの合併症を抑制する

『当帰芍薬散』は、比較的副作用の少ない生薬で構成されています。しかし、湿疹やかゆみ、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢などの副作用がまれに報告されることがあります。

また、医師の治療を受けていたり、胃腸が弱い方、これまでに薬を飲んで発疹やかゆみなどを起こしたことがある方、あるいは『当帰芍薬散』を1か月以上服用しても症状が良くならない場合は、漢方専門の医師または薬剤師に相談してください。

漢方薬の中でも『当帰芍薬散』は、流産や早産を予防し、妊娠貧血や妊娠中毒症などの合併症を抑制する目的で医師が処方することもあります。しかし、妊娠によって体質が変わってしまうこともありますので、妊娠前に服用していた方や、これから服用したいという方も、漢方専門の医師または薬剤師に相談することをおすすめします。

用法・用量・保存方法は?

漢方薬の剤型には、煎じ薬、丸薬、散薬、膏薬、エキス剤などがあります。
『当帰芍薬散』は、漢方薬の接尾語が「散」であるため、本来の剤形は散剤になります。散剤はそれぞれの生薬を計量し、薬研(やげん)という道具を用いて、生薬を粉末にしたものです。

現在は、手軽に漢方薬を服用できるようにエキス剤を、錠剤、顆粒剤に加工し販売されています。

『当帰芍薬散』は冷えによっておこる様々な症状に用いるため、身体を温めることが重要です。1日2回や3回など決められた回数・分量を服用下さい。必ず風通しの良い涼しい場所に保管して下さい。

『当帰芍薬散』の保存方法

漢方薬は自然素材によって構成されていますので、色が多少異なることがあります。直射日光が当たらない、湿気の少ない、涼しい所に保管してください。濡れた手で触れないでください。

また、誤用を予防するためにも他の容器に入れ替えたり、小児の手の届く所に保管しないように注意しましょう。
使用期限が決められていますので、その期限が過ぎたら服用しないでください。

よくある質問

Q. 副作用はありますか?

A. 胃腸の弱い人は、胃もたれ、胃痛、下痢などの消化器系の症状が出ることがあります。
このような方は漢方薬を服用する前に医師や薬剤師に相談して下さい。

Q. 他の漢方薬と比べて香りが独特に感じます。

A. 当帰芍薬散には当帰や川芎などのセリ科の植物が配合されています。セロリの香りや味が苦手な方は、飲みづらく感じてしまう可能性があります。

Q. 漢方薬は服用して効果がどれくらいででますか?

A. 漢方薬の効果が出てくる期間は、これまでの症状の経過や体質により個人差があります。まずは、2週間ぐらい服用して身体の変化を確認し、症状の改善だけでなく不都合な症状が現れていないかなどを確認しましょう。期待する効果でなくとも、体が楽になったなどを感じる場合もあります。1カ月位服用して、大きな改善がなければ医師や薬剤師に相談しましょう。

Q. 妊娠中や授乳中でも服用できますか?

A. いままで服用していた方も、妊娠が判明した時点で、一旦服用は中止し、主治医に相談しましょう。妊娠中は胎児への影響を考えて、西洋薬でなく漢方薬を服用する場合もあります。
また、妊娠中毒症による浮腫や血圧上昇などにも『当帰芍薬散』が用いられることがありますが主治医や薬剤師の判断従ってください。
産後の体力維持のために漢方薬を用いる場合も、授乳中なら、乳児への影響を考慮し、服用期間なども含めて総合的に判断が必要です。

Q. 更年期障害にも有効ですか?

A. 更年期障害でおこる様々な不定愁訴に、漢方薬が有効だとされています。しかし、現れる症状によって漢方薬は使い分けられています。『当帰芍薬散』は冷え症で貧血傾向があり、むくみが気になる方の更年期障害に用いられています。

女性特有な悩みやむくみには『当帰芍薬散』がおすすめ

当帰芍薬散はほっそりとしたタイプの女性向けで、「血」(けつ)の量を増やし、流れを促す漢方薬として、生理不順などの女性特有の悩みや血行不良やめまい、むくみなど、さまざまな不調におすすめの漢方薬として、薬局やドラッグストアで販売されています。

パッケージには、「当帰芍薬散」と大きく名前がでているものもあれば、むくみ、冷えと、症状の方を大きく記載しているものも。

実は、身近でよく売られている漢方薬は、西洋医学ではケアしにくい症状に対して対処できる症状もあるため、生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

監修:株式会社からだにいいこと