梅雨の養生|漢方で考える気象病の原因とセルフケア

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梅雨は、カラダが重くなったり、頭がぼんやりしたりするなど、普段とは違った不調が起こりやすい季節です。気圧の変化が続くことで、「気象病」と呼ばれる症状が現れることもあります。そこで今回は、梅雨特有のだるさや眠気などを和らげるための、食事や生活面での養生・対策法を紹介します。

漢方で考える梅雨に起こりやすい気象病とは

梅雨の不調は、漢方で考える湿邪(しつじゃ)という邪気(じゃき)の影響を受けます。邪気とは病気を起こす原因で、特に湿邪は梅雨の長雨や湿度の高い時期に起こります。湿邪はカラダの外から侵入し、水分代謝や消化吸収を担う五臓の「脾(ひ)」の働きを妨げます。その結果、カラダが重だるい、むくみやすい、頭が重い、食欲がないといった症状が現れやすくなります。気象病と呼ばれる梅雨の不調を改善するには、体内の水の巡りを整えることが大切です。余分な湿気をため込まないよう、日頃の食事や生活習慣を意識した対策を心がけましょう。

梅雨に起こる気象病をサポートする食材

梅雨は気圧や湿度の変動による気象病といった体調不良が起こりやすい季節です。この時期を健やかに過ごすためには、季節の変化に合わせた食材を上手に取り入れ、体調を整えることが大切です。

1.水の巡りを整える食材

はと麦・小豆・黒豆・とうもろこし・生姜・しそ体内の余分な水分や湿気を追い出すことによりカラダの中の滞りを改善し、むくみや重だるさを軽くします。

2.胃腸(脾)を助ける食材

さつまいも・山芋・かぼちゃ・大豆・枝豆湿気の影響で、食欲に影響が出やすい時期は、胃腸の消化吸収を助けることにより、梅雨の時期に起こりやすい食欲不振や胃もたれを改善してくれます。

3.気血の巡りを整える食材

しそ・玉ねぎ・生姜・みかん湿邪の影響で滞りやすい気血の巡りを整えることで、頭重感やだるさ、関節の痛みの改善につながります。

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梅雨に起こりやすい気象病の症状と対処法

1.重だるさ(倦怠感)

症状:カラダが重い、疲れが取れにくい、朝からだるい、眠い、動くのがしんどい

対処法:室内の湿気をためないようにエアコンや扇風機など除湿・送風を活用しましょう。カラダの外から湿気が入るのを防ぎます。また、軽い運動やストレッチでカラダの巡りを促すことも大切です。

漢方薬:藿香正気散(かっこうしょうきさん)

体力は中等度以下で胃腸が元から弱く、冷房や冷たいものの飲食や暑さによる食欲不振、下痢、全身倦怠感に用いられます。

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2.頭重感・めまい

症状:頭が重い、ぼーっとする、めまいが出る、集中力の低下

対処法:耳の後ろや首まわりをほぐし、軽くカラダを動かして巡りを整えましょう。気圧予報アプリを活用して、気圧が下がる前から予防ケアを取り入れるのもおすすめです。ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったり、ストレッチをしたりして、カラダをリラックスさせておくとよいでしょう。

漢方薬:苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

体力中等度以下で、めまい、ふらつき、のぼせや動悸のある方に用いられる漢方薬です。頭痛、耳鳴り、動悸、息切れなどに効果があります。

▼頭重感・めまい関連記事>>漢方で考える“めまい”の話と漢方薬

3.胃腸の不調(脾の弱り)

症状:胃がもたれる、食欲がない、下痢、消化不良、お腹の張り

対処法:冷たいものを控え、温かく消化にやさしい食事を心がけましょう。あわせて「規則正しい食事リズム」や「よく噛んで食べること」を意識することも大切です。

漢方薬:六君子湯(りっくんしとう)

体力が中等度以下で胃腸が弱く、食欲がない、手足が冷えやすい方に用いられる漢方薬です。胃炎、胃下垂、消化不良、胃痛、嘔吐などにも効果があります。

4.むくみ

症状:カラダのむくみ、重だるい、靴下の跡が残る、カラダがだるい

対処法:室内を歩いたり、軽い運動をしたりするなどカラダの中に滞った水の流れを良くしましょう。

漢方薬:五苓散(ごれいさん)

体力に関わらず、低気圧や二日酔いなどによる体内の水分バランスが乱れ、むくみや頭重感が出るときに用いられる漢方薬です。

5.気分の落ち込み・やる気低下

症状:気分が晴れない、やる気が出ない、集中できない、朝がつらい

対処法:朝の光をしっかり浴びたり、好みの香りを使ったりして気の巡りを良くしましょう。軽いストレッチや散歩などでカラダを動かす習慣を取り入れると、心身のリフレッシュにもつながります。

漢方薬:柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)

体力中等度以下で、冷え症、貧血気味、神経過敏で、動悸、息切れ、ねあせ、頭部の発汗、口の乾きなどのある方に用いられる漢方薬です。不眠症、神経症、動悸、息切れ、気管支炎に効果があります。

梅雨に起こりやすい気象病の漢方による対策

梅雨は、長雨と高い湿度によって湿気がカラダに入り込みやすい季節です。湿気の影響を軽くするためには、水分の流れを促す気の巡りを整えることが大切です。漢方で考える梅雨の不調を防ぐ対策には次のようなものがあります。

・室内環境をすっきり保つ:梅雨は室内に湿気がたまりやすいため、除湿機やエアコンの送風機能を使いながら空気の流れを良くすることが大切です。晴れた日には窓を開けて湿気を追い出し、くもりの日はサーキュレーターやエアコンの除湿運転で空気の流れを良くしましょう。

・水分のとり方を工夫する:湿気が高いとむくみやすくなるので、冷たい飲み物や一度に大量の水分を摂ることは控えめにしましょう。温かい飲み物を少しずつ摂ることで、脾(消化・水分代謝)の働きを良くします。

・食事で脾(胃腸)をいたわる:梅雨は脾が弱りやすく、食欲低下や消化不良といった不調が現れやすくなる季節です。胃腸に負担をかける食事や冷たい飲み物や生野菜を控え、温かく消化にやさしい食事を心がけることで、体内の水分代謝を整えましょう。例えば、温かいスープやおかゆ、煮込み料理などがあります。

・気の巡りを促す動きを取り入れる:湿邪は気を滞らせ、重だるさ・気分の落ち込み・集中力の低下を招きます。カラダが重く感じるときは、ストレッチや軽い体操・ヨガ・散歩をしましょう。特に雨の日は室内での深呼吸や足裏ほぐしなど、巡りを意識した動きを取り入れるのがおすすめです。

・体内の余分な水分を排出する:梅雨は体内の水分が滞ることにより、むくみ・胃腸不調・めまいなどの症状が現れやすくなります。カラダにたまった余分な水分を排出するには、軽い運動を取り入れたり、お風呂に浸かったりして、ゆっくり汗をかきましょう。適度に汗をかくことで、カラダの巡りを整えることができます。

・日常に香りを取り入れる:梅雨は気分の落ち込みやだるさが出やすい季節です。香りのよいハーブや生姜、しそなどを取り入れて気を動かす習慣をつけましょう。香り袋をカバンに入れたり、ハーブティを気分転換に飲んだりしても良いでしょう。気分の落ち込みを軽くしてくれます。

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多田有紀 兵庫県在住。医療機関、薬局、IT企業での勤務経験を経て、2015年にライターとして独立。体の不調を感じたことをきっかけに、漢方・薬膳に興味を持つ。現在は、ライターとして活動をしながら、漢方薬膳の知識を活かしたコンサルタント業務や、ワークショップ・初心者向け講座などを実施。特に女性の体に関する悩みに寄り添った活動を行っている。

実績:クラシエ薬品株式会社主催「KAMPO OF THE YEAR 2024」にゲストとしてトークショーに登壇 執筆書籍:「カラダのために知っておきたい漢方と薬膳の基礎知識」(淡交社)

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