目次
- 足のむくみが起こるメカニズム
- 足のむくみが気になるときのセルフケア3選
- 片足だけのむくみが気になったら?受診の目安
- 高齢者に多いむくみの特徴
- むくみにくい体を目指すための生活習慣
- 足のむくみに対する漢方の考え方
- 足のむくみが気になるならセルフケアや生活習慣の見直しを
足の不調のひとつとして挙げられるのが「むくみ」です。体内に余分な水分が滞ることで、足がだるくなったり靴がきつく感じたりすることがあります。
本記事では、足がむくむメカニズムや受診の目安、今日からできるセルフケアについて解説します。足のむくみに対する漢方の考え方も紹介しているので、参考にしてみてください。
足のむくみが起こるメカニズム
足のむくみとは、体内の水分が足にたまり、ふくらはぎがパンパンに張ったり靴がきつく感じたりする状態を指します。
本来、血液やリンパ液は全身を巡りながら酸素や栄養を届け、不要になった水分を回収していると考えられています。しかし、長時間座ったまま・立ったままの姿勢が続いたり、運動不足で筋肉の動きが低下したりすると、この流れが滞りやすくなるのです。
重力の影響を受けやすい足はむくみやすい部位です。とくに、血液やリンパ液を心臓へ押し戻すポンプのような役割を担っているふくらはぎの働きが弱まると、足首や足の甲、ふくらはぎに水分がたまりやすくなり、むくみを感じます。
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足のむくみが気になるときのセルフケア3選
セルフケアを取り入れることで、足のむくみがやわらぎやすくなります。
足のむくみが気になるときに取り入れたいセルフケアは、以下の3つです。
- ・ストレッチをする
- ・マッサージをする
- ・足を高くして寝る
無理のない範囲ではじめてみましょう。
1.ストレッチをする
むくみが気になるときは、ストレッチで体を動かしてみるのもひとつの方法です。ここでは、シーン別に取り入れやすいストレッチを紹介します。
寝ながらできるストレッチ
足を上げることでむくみのケアに役立ちます。
やり方は以下の通りです。
- 1. 仰向けになる
- 2. 床に対して90度の角度で足を上げる
- 3. 数分間保持する
ふくらはぎの重だるさが気になるときは、以下のストレッチも試してみてください。
- 1. 仰向けになり、片方の膝を軽く立てる
- 2. 反対側の足を持ち上げ、ふくらはぎの中央部分が立てた膝に当たるようにのせる
- 3. そのまま足をゆっくり前後に30秒ほど動かす
- 4. 左右の足を入れ替えて同様に行う
力を入れすぎず、リラックスした姿勢でゆっくり行いましょう。
座ったままできるストレッチ
椅子に座ったままできる方法として以下の2つがあります。
- ● デスクの下で足を伸ばし、つま先をゆっくり上下に動かす
- ● ゴルフボールなどを足の下に置き、ころころ転がして足裏のツボを刺激する
シンプルな動きなので、デスクワークの合間やテレビを見ているときに取り入れてみてください。
立ったままできるストレッチ
ふくらはぎを意識しながら、以下の動きをしてみましょう。
- ● その場で足踏み
- ● つま先立ちでかかとの上げ下げ
- ● アキレス腱伸ばし
一つひとつは簡単な動きです。これを毎日ちょっとした時間にやり続けることが大切です。
2.マッサージをする
マッサージで足まわりをほぐすのも、むくみケアに役立ちます。ふくらはぎ・足首それぞれのマッサージを紹介します。
ふくらはぎのマッサージ
ふくらはぎから足首にかけて、両手でやわらかく揉み上げるようにほぐしていきます。
また、膝下外側にある「足の三里(あしのさんり)」はむくみのケアに、内くるぶしの上にある「三陰交(さんいんこう)」はむくみと冷えのケアに用いられるツボです。それぞれをじんわりと3回ほど押してみましょう。
呼吸を止めず、心地よいと感じる強さで行ってください。
足首のマッサージ
足首をマッサージする手順は以下の通りです。
- 1. 手の平全体で優しく撫でるように、足先、足首から上に向かってクリームをなじませる
- 2. 足の指の間に、手の指を入れ握手するようにして、ゆっくり足首を大きく左右に回す
- 3. そのまま、足を奥へ押してゆっくり5秒、手前に倒して5秒
- 4. 土踏まずの部分を、手の拳の部分でぐるぐると円を描く
マッサージで足首をほぐしたら、続いて足のツボも刺激してみましょう。土踏まずの中央付近にある「湧泉(ゆうせん)」は、体や血の巡りに関わるツボです。
手の拳のやわらかい部分を使って土踏まずを円を描くようにほぐしたあと、湧泉をゆっくり押し上げるように3回ほど刺激してみましょう。
3.足を高くして寝る
足のむくみが気になるなら、寝るときに、足を心臓よりも高い位置になるよう枕やクッションを足の下に置いてみてください。横向きに寝る際は、足と上半身を直線にするとよいです。
ただし、足を高くしすぎると腰に負担がかかります。心地よく感じる範囲で取り入れましょう。
片足だけのむくみが気になったら?受診の目安
足のむくみは、長時間の同じ姿勢や運動不足によって一時的に起こることが多いものの、なかには医療機関の受診が必要な場合もあります。
とくに、むくみが長く続いたり片足だけが急に強く腫れたりするときは注意が必要です。
たとえば、片足の静脈に血栓ができる「深部静脈血栓症」では、血流が滞ることで腫れや痛みが生じます。さらに、その血栓が血流に乗って肺の血管に詰まると「肺塞栓症」を引き起こすおそれもあります。
気になる症状があるときは自己判断せず、早めに医療機関を受診しましょう。
高齢者に多いむくみの特徴
年齢を重ねると、以下のような要因から足のむくみが起こりやすくなります。
| 要因 | 起こる変化 |
| 血管の柔軟性低下 | 血管の柔軟性が低下し、血液の巡りが滞りやすくなる |
| 心臓機能の低下 | 心臓のポンプ機能が弱まり、血液を十分に送り出せなくなる |
| 足の筋力低下 | ふくらはぎの筋肉の収縮力が弱まる |
加齢によってふくらはぎのポンプ機能が弱まると、足に水分がたまりやすくなり、むくみへとつながっていきます。
ただし、なかには心臓などの病気が隠れていることもあります。むくみが長く続いたり片足だけが急に強く腫れたりするときは、年齢のせいと決めつけず、早めに医療機関に相談しましょう。
むくみにくい体を目指すための生活習慣
むくみにくい体を目指すために意識したい生活習慣は、以下の4つです。
- ● 水分のとり方を見直す
- ● 食生活を見直す
- ● 半身浴をする
- ● 弾性ストッキングを活用する
毎日の積み重ねが、むくみにくい体づくりへとつながっていきます。
水分のとり方を見直す
足のむくみが気になるときは、こまめな水分補給を心がけましょう。
水分は、少量ずつ分けて補給することを意識しましょう。一度に大量に飲むと体内の循環が追いつかず、水分が停滞しやすくなる場合があります。
水分のとりすぎ・不足のどちらも、体内のバランスを崩し、むくみの原因につながることがあります。のどが渇く前に、コップ1杯程度を少しずつ飲む習慣をつけてみてください。
食生活を見直す
味の濃い食事が続くと、体は塩分とのバランスを保とうとして水分をため込みやすくなります。日頃から、塩分のとりすぎを避ける意識をもちましょう。
あわせて意識したいのが、カリウムを多く含む食品です。カリウムには、塩分の主成分であるナトリウムを体外へ排出しやすくする働きがあります。果実類・芋類・藻類・豆類など、カリウムを多く含む食品を積極的にとり入れましょう。
半身浴をする
シャワーだけで済ませる日が続いている人は、半身浴を取り入れてみるのもひとつの方法です。
湯船の中で足にかかる適度な水圧が、足にたまった水分や重だるさのケアにも役立ちます。
急に熱いお湯に入ると体に負担がかかりやすいため、38℃程度のぬるま湯に、20〜30分ほどゆっくりつかりましょう。
弾性ストッキングを活用する
弾性ストッキングは、足首からふくらはぎにかけて段階的に圧力がかかる構造のアイテムです。
歩行や足首の動きと連動するふくらはぎのポンプ機能を後押しし、足をサポートするアイテムとして活用されています。
とくに、立ち仕事や長時間のデスクワークなど、足を動かす機会が少ない人にとっては心強い味方です。
ただし、サイズが合わないものや締めつけが強すぎるものは、かえって体に負担をかけてしまうおそれがあります。体調にあわせて着用時間を調整しながら、無理なく取り入れましょう。
足のむくみに対する漢方の考え方
漢方では、むくみを体内の「水(すい)」の巡りが滞った状態としてとらえます。「水(すい)」の巡りを整える観点から、むくみが気になる人に漢方薬が用いられます。
むくみのケアに用いられる代表的な漢方薬は、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・五苓散(ごれいさん)・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)です。
それぞれの効能・効果は、以下の通りです。
| 漢方薬 | 効能・効果 |
| 当帰芍薬散 | 体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症: 月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り |
| 五苓散 | 体力に関わらず使用でき、のどが渇いて尿量が少ないもので、めまい、はきけ、嘔吐、腹痛、頭痛、むくみなどのいずれかを伴う次の諸症: 水様性下痢、急性胃腸炎(しぶり腹のものには使用しないこと)、暑気あたり、頭痛、むくみ、二日酔 |
| 牛車腎気丸 | 体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく尿量減少し、むくみがあり、ときに口渇があるものの次の諸症: 下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り) |
漢方薬は一人ひとりの状態に合わせて選ぶことが大切です。
たとえば、冷えや疲れやすさを感じやすい人には「当帰芍薬散」、のどの渇きや尿量の少なさが気になる人には「五苓散」、加齢に伴う排尿の悩みが気になる人には「牛車腎気丸」が用いられるケースがあります。
体の状態や症状によって処方は異なるため、自己判断せず医師や薬剤師、登録販売者に相談しながら選びましょう。
足のむくみが気になるならセルフケアや生活習慣の見直しを
足のむくみは、長時間の立ち仕事や座り仕事、運動不足など、日常生活のなかで起こりやすい不調のひとつです。一時的なむくみであれば、ストレッチやマッサージなどのセルフケアで、重だるさがやわらぎやすくなります。
あわせて、水分のとり方や食生活、入浴習慣など、生活全体を見直すこともむくみにくい体づくりへとつながります。漢方の考え方を取り入れるのもひとつの方法です。
ただし、片足だけが急に強く腫れたり足のむくみが長く続いたりするときは、病気が隠れていることもあるため、自己判断をせず早めに医療機関を受診しましょう。
