目次
- 夏バテ・秋バテで食欲がない…その原因は?
- あなたの不調は夏バテ?秋バテ?簡単セルフ診断
- 共通の基本!夏バテ・秋バテを防ぐ午前中の過ごし方 〜子午流注の考え方〜
- 【夏バテ対策】食欲不振を解消する生活習慣と食事
- 【秋バテ対策】夏の過ごし方からアプローチする、秋バテ予防の基本
- 食欲がない時の食べ方と食事の工夫
- 自律神経を整える呼吸・ストレッチ方法
- ストレスを香り・お灸で整える方法
- 疲れを感じる人におすすめの漢方薬
夏から秋へ変わる時期を、心地よく過ごしたいと思いませんか? この季節は、夏の疲れが胃腸に負担をかけ、だるさや食欲不振などの不調があらわれやすくなります。また、免疫力が落ちやすい時期でもあるため、風邪をひきやすくなったり、感染症にかかりやすくなったりすることもあります。漢方では、まず胃腸を整え、カラダのエネルギーを補うことが大切だと考えられています。季節の変わり目は、体調管理を見直すよい機会です。毎日の食事や生活習慣を整えながら、夏から秋にかけて快適に過ごす準備をしていきましょう。
夏バテ・秋バテで食欲がない…その原因は?
夏は暑さや湿気の影響で冷たい飲み物や食べ物を摂る機会が増えます。その結果、胃腸に負担がかかり消化機能が低下し食欲が減ってしまいます。また、秋は朝晩と日中の気温差が大きくなる季節です。夏の疲れが残った状態で気温の変化に対応しようとすると、自律神経の乱れにより、だるさや疲労感とともに食欲不振が起こります。漢方では、胃腸の働きが低下すると、食べ物からエネルギーを作り出せなくなると考えます。食欲がないときは、無理に食べるのではなく、自分の体調に合わせて消化によいものを少しずつ摂りながら、胃腸をいたわることが大切です。
あなたの不調は夏バテ?秋バテ?簡単セルフ診断
例年夏から秋にかけて「ずっとだるい」「やる気が出ない」というその不調、夏バテと秋バテのどちらか分からないまま放置していませんか?夏バテと秋バテは原因が異なるため、対処法も変わります。まずは簡単なセルフ診断で、自分がどちらのタイプに近いかチェックしてみましょう。
【セルフ診断チェックリスト】 以下のAグループ・Bグループそれぞれで、当てはまる項目の数を数えてみましょう。
Aグループ
- ・冷房の効いた部屋と外の気温差でぐったりする
- ・暑さで食欲がなく、麺類やアイスばかり食べている
- ・寝汗をかきやすく、立ちくらみすることがある
- ・だるさが続いているのは7月~8月から
Bグループ
- ・朝起きても疲れが残っている
- ・夏は元気だったのに、秋になってから急にだるさを感じる
- ・食欲はあるのにカラダが重く感じる
- ・気温差や天気の変化で体調が左右されやすい
Aグループに多く当てはまった人は「夏バテ型」、Bグループに多く当てはまった人は「秋バテ型」と考えます。
・夏バテ型だった人の原因と特徴 夏バテは、冷房による部屋の外と中との寒暖差、暑さによる食欲不振、汗をかくことによるミネラル不足が主な原因です。カラダが暑さに適応しきれないと、自律神経への負担が増えてバランスが崩れることで疲労がたまっていきます。結果、食欲が落ちて栄養や水分が不足し、さらに体力が低下するという悪循環が起こりやすいのも特徴です。
・秋バテ型だった人の原因と特徴 秋バテは、朝晩の急激な気温差や気圧の変化にカラダがついていけず、自律神経が乱れることが主な原因です。漢方では、秋は乾燥の影響を受けやすい季節と考えられており、のどや肌の乾燥、だるさ、疲労感などの不調が現れることがあります。気候の変化による負担が重なることで体調を崩しやすくなるのが秋バテの特徴です。
・どちらにも当てはまった人 AグループとBグループの両方に同じくらいチェックがついた人は、夏バテが回復しないまま秋を迎えている可能性があります。夏の疲れを引きずったまま、秋特有の寒暖差によるダメージが追加されていると考えられるため、両方の対策を意識して取り入れる必要があります。
共通の基本!夏バテ・秋バテを防ぐ午前中の過ごし方 〜子午流注の考え方〜
中医学には、「子午流注(しごるちゅう)」という考え方があります。これは、時間によって活発に働く臓腑が異なる体内のリズムのことをさしています。午前中は胃や脾と関わりの深い時間帯が続くため、夏バテや秋バテを予防するには大切にしたい時間です。
7〜9時(胃経-いけい):朝食をしっかりとる 胃経の時間は、食べ物を受け入れる働きが活発になると考えられています。この時間は、温かいスープやおかゆ、味噌汁などを取り入れると1日を過ごすエネルギーを作り出すことができます。
9〜11時(脾経-ひけい):集中して活動する 脾経の時間は食べたものから気や血を作り出し、カラダ全体に栄養が巡ります。この時間は、勉強や仕事など頭を使う作業に取り組むのがおすすめです。運動をするのも向いています。
【夏バテ対策】食欲不振を解消する生活習慣と食事
◎夏バテを感じたら実践!朝起きたらしてほしい4つの習慣
夏バテは、冷房と外の気温の差による自律神経の乱れ、暑さによる食欲不振、汗をかくことによるミネラル不足が主な原因です。これらを防ぐためには、朝起きたら次のことを意識してみましょう。
- 1. カーテンを開けて朝日を浴び、体内時計をリセットします。
- 2. 常温の水か白湯を一杯飲みましょう。冷たい水は内臓に負担をかけてしまうため避けましょう。コップ一杯の水に少量の塩を加えると、寝汗で失われたミネラルの補給にもなります。
- 3. 朝食は、温かい味噌汁や梅干し、バナナなど消化に優しくミネラルを補える食材を取り入れましょう。
- 4. 体を起こすときにふらつきを感じる場合は、いきなり起き上がらず、ベッドの上で深呼吸をしてから動き出すようにしましょう。
◎夏バテによる食欲不振の治し方
夏バテによる食欲不振を改善するためには、胃腸が回復しやすい環境をつくることが大切です。冷房によるカラダの冷えや睡眠不足、疲れの蓄積は、自律神経の乱れにつながり、胃腸の働きを低下させやすくなります。また、汗をかくと、カラダの水分だけでなく、エネルギーも消耗します。こまめな水分補給をこころがけ、1時間ごと、または30分ごとなどと時間を決めたり水分を摂る、目盛りや量のついた水筒を持ち歩いたりするなど、水分を摂る時間や量を意識してみるのもいいでしょう。
また、部屋の室温を下げすぎない、毎日お風呂につかる、疲れたときは早めに休むなど、調子が悪くなる前にカラダをいたわることを意識しましょう。また、軽いストレッチや深呼吸などで気血の巡りを良くすることもおすすめです。緊張状態が続くと、交感神経が優位になり胃腸がうまく働きにくくなります。リラックスする時間を取ることも大切です。
◎夏バテを防ぐ養生法
夏を快適に過ごすには、胃腸を整えることが大切です。夏は特に脾に湿気をためない生活を心がけましょう。
・冷房の室温を調整する 漢方では、冷えは胃腸の不調につながると考えます。特に夏は「脾」が弱りやすいため、カラダを冷やしすぎないことが大切です。お腹の冷えが気になるときは、腹巻きもおすすめです。
・湯船につかってカラダを温める 漢方では、カラダを温めることで気や血の巡りが整いやすくなると考えます。シャワーだけで済ませず、お風呂につかってカラダをゆっくり温めることで、カラダの余分な水分を出し、冷えや疲れをやわらげます。入浴剤をその日の気分に合わせて選んでみるのもいいでしょう。
・早めに休んで睡眠時間を確保する 漢方では、睡眠は消耗した気や血を補う大切な時間と考えます。夜更かしを避け、十分な睡眠時間を確保することが大切です。できれば23時頃までの就寝を心がけましょう。漢方の考え方のひとつである子午流注では、23時以降は体を休める時間帯とされています。
◎夏に避けたいNG行動
カラダに負担をかける夏の行動は控えましょう。
・冷たい飲食物を多く摂る 暑いからといって冷たい飲み物や食べ物を一度にたくさん摂ると、胃腸に負担がかかることがあります。その結果、食欲が落ちたり、胃もたれを感じたりすることもあるため、冷たいものの摂りすぎには注意しましょう。
・水分補給をコーヒーやビールだけで済ませる カフェインを含む飲み物やアルコールには利尿作用があるため、摂りすぎると体内の水分が失われやすくなります。夏場は汗によって水分が不足しやすいため、水や麦茶などで、こまめな水分補給を心がけましょう。
・汗をかきたくないからカラダを動かさない 動かないとカラダの巡りが悪くなり、食欲不振や睡眠の質の低下につながることもあります。運動をするときは、炎天下の時間帯を避け、早朝や夕方の比較的涼しい時間を選びましょう。また、無理をせず、室内でできるストレッチや軽い運動を取り入れるのもおすすめです。
・休日に寝だめする 私たちのカラダには、睡眠や体温、ホルモン分泌を調整する体内時計があります。 平日は朝6時に起きているのに、休日は10時や11時まで寝てしまうと、体内時計がずれてしまいます。そのため、月曜日の朝に起きづらくなったり、日中に強い眠気やだるさを感じたりすることがあります。
【秋バテ対策】夏の過ごし方からアプローチする、秋バテ予防の基本
◎ 夏の過ごし方が秋の体調を左右する?
「秋になると毎年なんとなく体調が悪い」と感じるのには、理由があります。その不調の原因は、夏の過ごし方にあります。秋バテは、夏の間に受けた暑さや冷房による負担、睡眠不足、食生活の乱れなどが積み重なり、秋になって現れる不調です。そのため、同じ秋でも、夏をどのように過ごしたかによって体調には大きな差が生まれます。例えば、冷たい飲み物やアイスを頻繁に摂っていたり、食欲がないからと冷たいそうめんやうどんなどの食事ばかりで済ませたりすると、胃腸に負担がかかります。また、寝苦しさから睡眠不足が続くと、疲労が十分に回復できないこともあります。
漢方では、夏は汗とともに気(エネルギー)や水が消耗しやすい季節と考えます。これらが食事で十分に補われないまま秋を迎えると、だるさや疲労感、食欲不振などの不調が現れやすくなります。さらに、秋は朝晩と日中の気温差が大きくなり、空気も乾燥し始めます。夏の疲れが残っているカラダは、こうした環境の変化に対応できなくなるため、秋バテを感じやすくなるのです。
秋バテは突然始まるものではありません。秋の不調は、夏の生活習慣の積み重ねが影響しています。秋を元気に過ごすためには、夏のうちから食事を意識することが大切なのです。
◎秋バテを感じたら実践!朝起きたらしてほしい4つの習慣
秋バテは、朝晩の気温差による自律神経の乱れと、夏の間の疲労が一気に現れることが主な原因です。これらを防ぐためには、朝起きたら次のことを意識してみましょう。
- 1. 寝室とリビングの温度差を大きくしないよう注意しましょう。
- 2. 首・手首・足首を温めて血の流れを良くすることが大切です。布団から出る前に軽くストレッチをすると、カラダがゆっくりと目覚めます。
- 3. 朝食はタンパク質とビタミンB群を意識しましょう。卵、納豆、豚肉などがおすすめです。
- 4. 日光を浴びることも、乱れた体内時計をリセットするのに役立ちます。カラダを少しずつ慣らしながら一日をスタートすることが、秋バテを長引かせないコツです。
食欲がない時の食べ方と食事の工夫
食欲がないときは、無理に食べる必要はありません。胃腸に負担をかけにくいものを少しずつ摂ることが大切です。おすすめは、おかゆ、スープ、うどんなどの温かく消化のよい食事です。少量をこまめに食べることでカラダへの負担を減らしやすくなります。飲み物は、常温のお茶や白湯などで胃腸を冷やさないことも大切です。体調に合わせて、黒豆茶やハトムギ茶、麦茶を選んでみてもいいでしょう。体力をつけたいからといって、脂っこいステーキやうなぎなどを食べると胃に負担をかけるので注意しましょう。
自律神経を整える呼吸・ストレッチ方法
忙しい日が続くと、知らず知らずのうちに呼吸が浅くなりがちです。まずは深呼吸と軽いストレッチで、ココロとカラダをリラックスさせる時間をつくってみましょう。
・呼吸
自律神経が乱れているときは、呼吸が浅くなっていることがあります。おすすめなのは「ゆっくり吐く」ことを意識した深呼吸です。これを数回繰り返すと、カラダの緊張がやわらぎやすくなります。
- ① 背筋を軽く伸ばして楽な姿勢になる
- ② 鼻からゆっくり息を吸う
- ③ 口から細く長く息を吐く
- ④ 吸うより吐くのを長めにする
・ストレッチ方法
緊張した状態が続くと、自律神経が乱れやすくなり、胃腸の働きにも影響を与えることがあります。ストレッチでカラダの緊張をほぐしましょう。
【肩まわしストレッチ】 肩に力が入っていると、呼吸も浅くなりやすいです。 両肩をゆっくり後ろに回し、肩甲骨を動かすイメージで5~10回繰り返します。反対回しも行いましょう。
【背伸びストレッチ】 両手を上に伸ばして、大きく背伸びをします。 息を吐きながら力を抜くと、カラダの緊張がゆるみやすくなります。
ストレスを香り・お灸で整える方法
ストレスが続くと、ココロだけでなくカラダにもさまざまな影響が現れます。そんなときは、香りを楽しんだり、お灸でカラダを温めたりする時間を取り入れてみましょう。
・柑橘系やミントなど好みの香りで気分転換をする 漢方では、香りには気の巡りを良くし、気分をリフレッシュする働きがあると考えられています。入浴剤やハンドクリームなどでも利用できます。
・足三里(あしさんり)のツボにお灸をする 足三里は胃腸の働きを整え、疲れによい代表的なツボと考えられています。冷えやだるさが気になるときは、取り入れてみるのもよいでしょう。
疲れを感じる人におすすめの漢方薬
漢方では、疲れを感じる原因はひとつではないと考えます。例えば、気が不足している状態や、血や気の巡りが滞っている状態などです。体質やそのときの状態に合わせて漢方薬を選びましょう。
■補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体力が虚弱で疲れやすく元気が出ない方に使われる漢方薬です。虚弱体質、疲労倦怠、食欲不振に用いられます。
■十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
体力虚弱な方に使われる漢方薬です。病後・術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、手足の冷え、貧血に効果があります。
■六君子湯(りっくんしとう)
体力中程度以下で胃腸が弱く、疲れやすい方に使われる漢方薬です。胃腸虚弱、消化不良、食欲不振に効果があります。
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◆夏バテ◆ 夏の養生 漢方で整える夏バテ・暑邪/湿邪対策と食事・睡眠・冷房の使い方 夏バテの原因は胃腸の弱り。漢方流チェックと対策
多田有紀 兵庫県在住。医療機関、薬局、IT企業での勤務経験を経て、2015年にライターとして独立。体の不調を感じたことをきっかけに、漢方・薬膳に興味を持つ。現在は、ライターとして活動をしながら、漢方薬膳の知識を活かしたコンサルタント業務や、ワークショップ・初心者向け講座などを実施。特に女性の体に関する悩みに寄り添った活動を行っている。
実績:クラシエ薬品株式会社主催「KAMPO OF THE YEAR 2024」にゲストとしてトークショーに登壇 執筆書籍:「カラダのために知っておきたい漢方と薬膳の基礎知識」(淡交社)
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