
目次
VUCAの時代*、「エフェクチュエーション」というアプローチが注目を集めています。エフェクチュエーションとは、先行きが不透明な中でも成功している起業家たちに共通する思考様式のことで、従来とは異なる思考プロセスや行動のパターンを体系化した意思決定理論です。これはビジネスで発展した考え方ですが、日常は選択の連続であるため、生活の中で決断を求められる多くの場面で活用できるものです。この記事では困った状況に負けない「レモネードの原則」の考え方について解説していきます。心とカラダが疲れる前に、メンタルをサポートするセルフケアについてもご紹介します。 * VUCAとは「Volatility:変動性」、「Uncertainty:不確実性」、「Complexity:複雑性」、「Ambiguity:曖昧性」の4つの単語の頭文字をとった造語エフェクチュエーションが注目される背景
10年前に、新型コロナウイルスの影響や生成AIの発展、現在の国際情勢や農産物の混乱状況などについて明確に予知できた人はほとんどいないでしょう。従来のビジネスでは情報収集・分析から未来を予測するのが合理的なアプローチ方法とされていました。しかし不確実性の高い昨今の状況においては、未来を「予測」するよりも自分で「コントロール」して対処するというアプローチ方法が起業家に見られるようになりました。「エフェクチュエーション」とは、優れた起業家たちに共通する考え方や行動パターンを体系化した論理のことで、アメリカのバージニア大学で教授を務めるサラス・サラスバシー氏が発見・提唱しました。エフェクチュエーションには5つの行動原則がありますが、その中の1つ「レモネードの原則」についてご紹介していきます。レモネードの原則とは
レモネードの原則とは、“When life gives you lemons, make lemonade.”(人生がレモンを与えたら、レモネードを作れ)という英語のことわざに由来しています。レモン(酸っぱいもの)とは、困難や逆境の象徴です。それを甘いレモネードに変えることで、困難な状況を好機に転換するという前向きな思考法を表しています。「レジリエンス(回復力)」というキーワードも傷つきや落ち込みから立ち直る力として心理学やキャリアの分野で聞かれることがあるでしょう。もともとレジリエンスという言葉は物理学の分野で、外からの力で変形しても、元の大きさや形に戻る物体の性質を表します。 つまり困難な状況から立ち直り、さらにはそれを糧として成長する力のことを指します。レモネードの原則を実践することで、心のレジリエンスが高まるため、困難に立ち向かえるというわけです。「災い転じて福となす」という日本のことわざを具体的に表現したものと言えるでしょう。レモネードの原則を日常で取り入れる方法
スリーエム社の付箋「ポストイット」という製品には、強力な接着剤を開発するつもりが接着力の弱いものになってしまった“失敗”から生まれた開発秘話があります。弱い接着力を、むしろ繰り返し貼り直せるという新たな価値として捉え直したことが成功につながっています。 このように、一見すると失敗に見える結果でも、視点を変えることで全く新しい価値を創造できることがあります。日常生活では天候不良や交通トラブルなどの予測不能な状況から仕事や家庭で起こるちょっとした失敗まで、心が疲れる瞬間が度々あることでしょう。コロナ禍で対面や移動が叶わなかった時期、レモネードの原則を知らず知らずに使っていた方もいるかもしれません。人生はレモネード作りの連続。思いがけない出来事に直面した時こそ「“レモン”が手渡された!」と思って、自分ならではのレモネードの作り方を考えてみてはいかがですか? <レモネードの原則 実践のポイント> 「予想外の困難」を「新しい可能性」として捉え直すために、以下の3つのポイントを実践していきましょう。 1. 予期せぬ出来事を拒まず受け入れる! どんなに完璧に計画しても、予期できないトラブルは存在します。初期の計画にこだわらず、変化があってもそれが悪いことではないと捉える受容性が、新しい可能性を生み出します。 2. 副産物や周辺の可能性を見逃さない! 感情的にならず、今何が起こっているのかを冷静に分析し、困った状況や意図しない成果の中に隠れている新しいチャンスを見つけましょう。失敗は新しい対処法を学べるチャンス、仲間と協力できるチーム結束のチャンス、プロセス改善のチャンス、と捉えられます。同じ現実に対する見方を変えることで広がりが生まれます。 3. 自分の資源を拡張する。華麗な方向転換もOK! こだわりを捨て、新しい機会や新たな方向性を見つけましょう。予期せぬ出来事をきっかけに自分が持っている資源(知識、技術、情報・ネットワーク)を拡張させる機会として捉えます。また新たに「何ができるか?」を発想し行動につなげることで、意味のある結果を導き出すことができます。自分に自信をつける!おまじない
行動する上でポジティブであることは大事な要素です。そのためには物事をとらえる視点や意味を変えるリフレーミングという考え方で一見ネガティブな要素もポジティブに変換していくことがおすすめです。すぐにできることとして自分にかける前向きな言葉がけから始めてみましょう。自信がなくなると呼吸が浅く猫背気味になります。簡単なヨガを取り入れて姿勢もイキイキと改善していきましょう。 <リフレーミング> ・自分に向けるポジティブ変換ワード例- 「あきっぽい」→「好奇心が強い」「切り替えが早い」
- 「意地っ張り」→「芯がある」「くじけない」
- 「おせっかい」→「配慮できる」「仲間思い」
- 「神経質」→「丁寧」「気が利く」
- 「ひねくれている」→「独創的」「信念がある」
- ① 両足を骨盤の幅に開いて立ちます(足の間はこぶし1つ分程度)。両腕は力を抜いて体側に添わせます。
- ② 鼻から息を吸いながら、両腕を左右から上げていき胸を大きく開いて両手を頭上に持ち上げます(無理のないところまで)。目線は斜め上に向けます。
- ③ 息を吐きながら、両肘を軽く曲げて両手を胸の前で合わせ、ゆっくりと両手を下げます。
※①から③を5回程度繰り返しましょう。
心が折れそうな時のお守りは
心とカラダに多少なりともエネルギーがある時はレモネードの原則で気持ちの切り替えや回復を試みることができるでしょう。しかし自身のエネルギーレベルが低い状況では「ささいなことで「動悸がする」「不安でたまらない」「眠れない」などの過敏な症状に悩まされるかもしれません。そのような時は一度立ち止まる勇気も必要です。カラダを休めるために温かい食事をゆっくり摂る、リラックスを促す入浴やストレッチをする、といった自分の方法で、心とカラダをゆるめることも大切です。充電してばかりではなく一度すっきりと放電させるように、頭につまった悩み事を棚上げしてリフレッシュする時間を持ちましょう。ストレスなどによって乱れた「気(エネルギー)」の流れを整えるには、精神的な興奮や動揺を鎮めると考えられている重鎮安神薬(じゅうちんあんじんやく)が含まれている漢方薬を選ぶこともおすすめです。 お守りの<ツボ> 【神門(しんもん)】 ストレスがある時の不安感・憂うつ感やイライラを緩和して精神を安定させる効果があると考えられています。神門はなでたり温めたりするだけでも、自律神経の乱れを整えて気持ちを落ち着かせる効果を期待できます。ツボがあるところを親指で上下になでたり、ホットタオルで温めたりするのもおすすめです。 [ツボの場所] 手を開いた状態で、手のひら側の手首にあるシワを反対の手の指で小指側に向かって軽くなでていきます。骨の出っ張りの手前で指が止まったところに神門があります。心臓の経絡である神門は、左右の手首にあります。ツボを押すときには、片方だけではなく両方の神門を押しましょう。 [押し方] 反対の手の親指を立て、他の指で手首を支えながら痛気持ちいいと感じる強さで左右それぞれ各10~30回ほど押します。
那須久美子 広告会社、大手化粧品会社宣伝部にてCM、雑誌等の広告制作に携わる。 その後フリーランスとしてバレエ講師、ピラティスマスターストレーナー、ヨガセラピスト、介護予防運動指導員として老若男女へ伝える仕事に従事。 企業や官公庁での健康アドバイザーや研修講師も務める。 国家資格キャリアコンサルタントとしては企業内障害者ジョブコーチを経て自治体の就労支援事業で講師・カウンセラー、現場統括責任者を歴任。 現在は文化芸術振興事業の広報、キャリアコンサルタントのためのオウンドメディア監修も担当。 ・ヘルスケアデザイナー ・バレエティーチャー ・ピラティストレーナー、ヨガセラピスト ・アスリートキャリアコーディネーター ・国家資格キャリアコンサルタント ・漢方アドバイザー ・介護予防運動指導員 HP:https://www.kandworks.com/about