目次
- Q1. 自律神経失調症って、どんな病気?原因と症状は?
- Q2. 漢方では「自律神経失調症」をどう捉えるの?「気血水」と「五臓」の考え方
- Q3. 漢方で 「自律神経失調症」は改善できる?具体的な対策と予防法
- Q4. 自律神経失調症の予防法は? ~未病を防ぐためにできること~
- Q5. 自律神経失調症の症状に効果がある漢方薬は?
- Q6. 気の巡りを良くする生活習慣(養生法)
- Q7. 自律神経失調症かな?と思ったら、どうすればいい?
Q1. 自律神経失調症って、どんな病気?原因と症状は?
自律神経は、心臓の鼓動、汗の分泌、呼吸など、私たちの意思とは関係なくカラダの機能をコントロールする神経で、「活動するときに働く交感神経」と「リラックスするときに働く副交感神経」の2つのから成り立っています。 ・交感神経:血管を収縮させたり、心拍数を上げたりする神経。活動しているときやストレスを感じているときに優位になります。 ・副交感神経:心拍数を下げたり、消化器の働きを活発にしたりする神経。リラックスしているときや眠っているときに優位になります。 この2つのバランスが崩れることで自律神経失調症がおこり、ココロとカラダにさまざまな不調が現れます。自律神経失調症の原因は人間関係や環境の変化によるストレスなどさまざまです。 <主な症状> ・身体症状 動悸・頭痛・めまい・肩こり・食欲不振・疲労感・倦怠感・手足のしびれなど ・精神症状 やる気が出ない・憂うつ感・イライラする・気分が落ち込む・焦り・不安感・眠れないなど <主な原因> ・ストレス 仕事・家事・育児などによるココロの負担が積み重なると、自律神経のバランスが崩れやすくなります。 ・生活習慣の乱れ 食事の時間が不規則だったり、夜ふかしや睡眠不足が続いたりすると、体内リズムが乱れ、自律神経のリズムが乱れてしまいます。 ・生活環境の変化 転勤・引っ越し・季節の変わり目などは、ストレスになる原因のひとつです。 ・ホルモンバランスの変化 生理・妊娠・出産・更年期などによるホルモンバランスの変化も自律神経にも影響します。Q2. 漢方では「自律神経失調症」をどう捉えるの?「気血水」と「五臓」の考え方
<気・血・水>と自律神経失調症の捉え方
漢方医学では、私たちのカラダは「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」という3つの要素がバランス良く巡ることで健康が保たれていると考えられています。これらが滞ったり、不足したり、偏ったりすると、不調が生じ、それが「自律神経失調症」のような症状として現れます。漢方では、自律神経失調症を単なる神経の乱れとしてではなく、体全体の「気」「血」「水」のバランスが崩れた状態として捉えているのです。
「気」「血」「水」のバランスを司る「五臓(ごぞう)」の働きも非常に重要です。
<五臓>と自律神経失調症の捉え方
Q3. 漢方で「自律神経失調症」は改善できる?具体的な対策と予防法
漢方医学では、自律神経失調症の症状だけでなく、その症状が起きている基となる原因(気血水の乱れや五臓のバランス)に着目し、個人の体質や状態に合わせて最適な漢方薬を選びます。これに加え、日々の食生活や生活習慣を見直すことで、体の中からバランスを整え、症状の改善と予防を目指します。日常でできる「漢方」的セルフケア:食生活の改善と養生法
◆季節に合わせて「五臓」を整える◆ <春> 「肝」の働きが高まる季節です。イライラや不眠が起こりやすくなります。しそやセロリ、柑橘類など、香りのよい食材をとり入れて「気」の巡りをよくすることが大切です。ストレスがたまりやすいので、リラックスする時間を持つことが重要です。 <夏> 「心」の働きが活発になる季節です。動機・不眠・不安感が多くなります。きゅうり・ゴーヤなど苦味のある食材をとりいれて、カラダとココロの熱を冷ますことが大切です。なるべく消化の良いものを食べて、胃腸の調子を整えていきましょう。 <秋> 「肺」の働きが活発になる季節です。咳・鼻水・喉の痛み・肌の乾燥などが現れます。潤いを与える梨・白きくらげなどの食材をとることが大切です。朝晩の気温差にも注意しましょう。 <冬> 「腎」の働きが活発になる季節です。足腰の冷え・頻尿・耳鳴りなどが現れます。カラダを温める黒豆・黒ごま・黒キクラゲなどを補うことが大切です。なまもの、冷たいものは控えめにしましょう。 ◆季節に合わせて気・血・水のバランスを整える◆ 気血水のバランスは季節の変化に影響を受けやすいので、季節にあわせたセルフケアをしましょう。 <春:気の巡りを良くする> 春は気の流れが滞りやすくなる季節です。イライラする、頭痛などの症状が現れることがあります。しそや三つ葉など香りのよい食材で気の巡りを良くします。香りを楽しみながら摂るのがおすすめです。また、食事はゆっくりとリラックスして摂ることも大切です。 ★「気」を補い、巡りを良くする食材★ 「気」が不足している(気虚)は気の巡りが悪くなります。エネルギー源となる食材を摂り、気を補って巡りを良くしましょう。 *気を補うもの(気虚を改善) 穀物類: 米、もち米、じゃがいも、さつまいも 豆類: 大豆製品(豆腐、納豆など)、そら豆 肉類: 鶏肉、牛肉 野菜: 椎茸、人参、かぼちゃ その他: 蜂蜜、卵 *気の巡りを良くするもの(気滞を改善) 柑橘類: みかん、ゆず、レモン(特に皮や香り) 香りの良い野菜: 三つ葉、春菊、セロリ、ミョウガ、パクチー、大葉、玉ねぎ スパイス: しそ、フェンネル、陳皮、黒胡椒 ハーブティー: ジャスミンティー、カモミールティー その他: そば <梅雨:水の巡りを良くする> 湿度が高くなる梅雨は、カラダに余分な水分が滞りやすくなる季節です。むくみや食欲不振などが起こります。ハトムギやとうもろこしなど利水作用の食材で水の巡りを良くします。冷たい飲み物や生ものの摂りすぎは避け、温かいスープや煮物で水分を補給しましょう。 ★「水」の代謝を整える食材(水滞を改善)★ 「水」が滞っている場合は、利尿作用やむくみ改善効果のある食材を摂りましょう。 野菜: きゅうり、冬瓜、ナス、スイカ、トマト 豆類: あずき、緑豆 海藻類: 昆布、わかめ、ひじき その他: ハトムギ、とうもろこしのひげ茶 <秋:潤いを補う> 空気が乾燥する秋は、水分が不足しやすくなる季節です。咳が出たり、肌がカサついたり、便秘になったりします。白きくらげや梨といった白い食材は潤いを補ってくれます。「酸甘化陰(さんかんかいん)」といい、甘味と酸味のある食べ物を一緒に摂るとカラダの潤いを補うと考えています。例えば、はちみつレモンや梅干し入のおにぎりなどがあります。 ★「潤い」を補う食材★ 果物: 梨・柿・ぶどう・りんご 野菜: さつまいも・かぼちゃ・やまいも 白い食材: 白きくらげ・ユリ根・白ごま その他: 牛乳・豆乳 <冬:気血を補い血行を良くする> 寒さが厳しくなる冬は、カラダが冷えて気血の巡りが悪くなります。やまいもや鶏肉などで気を、黒きくらげ・ほうれん草などで血を補いましょう。また、カラダの中を温めて、体内に入り込んだ冷えを取り除くことも大切です。冷たいものは血の巡りを滞らせるため、体を温める調理法(煮物、スープなど)で摂るのが理想的です。 ★「血」を補う食材(血虚を改善)★ 「血」が不足している場合は、血を補う食材を積極的に摂りましょう。特に赤色や黒色の食材が良いとされます。 肉類: 赤身肉(牛肉、豚肉)、鶏レバー 魚介類: マグロ(赤身)、カツオ、イワシ、あさり、しじみ 野菜: ほうれん草、小松菜、人参、 豆類: 黒豆 その他: 卵、黒きくらげ、プルーン、レーズン、ごま、ナツメ ★血の流れを良くする食材(活血)★ 黒きくらげ・よもぎ・シナモン ★カラダを温めて、体内の寒さを追い出す食材(温裏散寒)★ しょうが・ねぎ・羊肉<PR>
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Q4. 自律神経失調症の予防法は? ~未病を防ぐためにできること~
病院で検査をしても原因がはっきりとわからない状態のことを漢方では「未病(みびょう)」といい、病気になる前の状態を意味しています。この段階で放っておくと、生活習慣病や慢性的な病気につながる場合があります。症状が出てから対策する前に、まずは未病を防ぐ習慣を身につけましょう。 ◆季節にあった生活を意識する◆ 春~少しずつ陽気が盛んになる季節~ 春は「発陳」(はっちん)といい、冬の間にたまっていたエネルギーを外へ発散させる時期です。朝は早く起きて、自然の気をとりいれることが大切です。散歩をしたり、ストレッチをしたりするのもおすすめです。 夏~一年で陽気が最も盛んになる季節~ 夏は「生長」(せいちょう)といい、動植物がすくすくと育つ時期です。暑さや湿気でカラダが疲れやすいため陰(休息)を補うことも大切です。 秋~万物が実を結び収穫する季節~ 秋は「収斂」(しゅうれん)といい、体内の水分や血液などが外に漏れ出るのを防ぐ時期です。秋は早寝早起きを心がけましょう。冬に向けて少しずつ、ココロを安らかにすることも大切です。 冬~陰の気が最も盛んになる季節~ 冬は「閉蔵」(へいぞう)といい、植物が枯れ動物が冬眠をするように、人間もエネルギーの消耗を控える時期です。夜は早く寝て、朝はゆっくりと起きましょう。無理なダイエットや、冷えには注意しましょう。冬はしっかりとカラダを休めることが大切です。 ◆自分の体質を知る◆ 体調を整えるためには、自分の体質を知ることが大切です。疲れやすい・風邪をひきやすい人は、気が不足している可能性があり気を補う食材(じゃがいも・さつまいもなど)がおすすめです。自分の体質を知ることにより、不調を未然に防ぐことができます。 自分の体質を知りたい人は、あなたの「体質」が60秒で分かる体質診断コンテンツ「クラシエの漢方診断」で体質診断をしてみましょう。<PR>
Q5. 自律神経失調症の症状に効果がある漢方薬は?
イライラや気持ちの落ち込み、肩こり、めまいなどの不調などの症状に用いられる漢方薬をご紹介します。症状だけでなく、体質や体調にあわせてそれぞれに合った漢方薬を選びましょう。 ■加味逍遙散(かみしょうようさん) 更年期障害の自律神経の不調や生理不順、冷え症、虚弱体質などの方に向いている漢方薬です。交感神経が興奮した事によるイライラ、不眠症などの中高年女性の神経症状によく用いられます。 ■柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) 「気」をめぐらせ、体にこもった熱を冷ますとともに、心を落ち着かせることで、イライラ、不眠の原因ともなる神経症に効果を発揮します。日中のイライラを抑えることで高血圧による不眠に効果があります。 ■半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) 気分がふさぐ・のどに異物感があるといった方に適した漢方薬です。ストレスにより滞った気の巡りを整え、溜まった不要な気を発散することでのどのつかえ感、不安神経症、神経性胃炎を改善に導きます。 ■苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう) 動悸、めまい、立ちくらみなどといった症状のある方に適した漢方薬です。胃腸の機能を高めながら上半身の余分な水分を代謝し巡らせることで、めまい、頭痛、耳鳴り、神経症症状を改善に導きます。 ■抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ) ストレスでイライラする、気分が鎮まらず落ち着かない方に適した漢方薬です。自律神経系の調節をしながら、栄養を補い神経の高ぶりを鎮め神経症、不眠症、更年期障害に効果があります。 ■桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) のぼせや足冷えを伴う生理の痛み、しみ、肩こり、打ち身などの症状がある方に適した漢方薬です。滞った「血」のめぐりを良くすることで、生理痛、月経不順、月経異常などを改善。 ■加味帰脾湯(かみきひとう) 血色が悪く、貧血気味で、精神的なストレスや不安感、不眠、焦りなどの神経症状(イライラだけではなく)がある方、胃腸が不調な方に適した漢方薬です。足りない「血(けつ)」を増やし「気」をめぐらせることで、不眠症、精神不安、神経症に効果があります。<PR>
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