不安障害などストレスによる不安神経症状におすすめの漢方薬とは?漢方の効果や適応症、副作用やアレルギー等も解説

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不安障害などストレスによる不安神経症状におすすめの漢方薬とは?漢方の効果や適応症、副作用やアレルギー等も解説

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すぐ不安にかられる、神経過敏でささいなことが気になる、イライラしやすい、気分がふさぐ、のどに違和感がある……気がつけば、知らぬ間にこんな症状が出ていませんか?ストレスによるココロとカラダの疲れを整えるのは漢方の得意分野。くよくよ悩んで不安が加速する前に、一度漢方薬を試してみませんか?今回はストレスによる不安神経症状によく使われる漢方薬の中から、特によく使われている漢方薬をご紹介します。

不安障害など、ココロを整えるのは漢方薬の得意分野

「漢方は“気の学問”」とよく言われます。昔から“病は気から”と言われるように、「気」は健康にとってとても大きな存在で、「気」のコンディションによってカラダの状態が決まると漢方では考えられています。そのため、漢方では「気」をとても重要視しています。

漢方では、「気」は気持ちや気力の“気”に通じ私たちのココロ、精神のバランスをコントロールしている存在だと考えています。また同時に、「気」は臓器の働きや血流、ホルモンバランスなどカラダのすべての機能をコントロールしている存在でもあると考えられています。

そのためストレスによって気持ちがかき乱され「気」のコンディションが乱れると、イライラする、落ち込む、不安になるといった精神バランスが崩されるだけでなく、同時にカラダの機能も乱れやすくなり、のどの違和感(つかえ感)や、腹痛、胃痛、下痢、動悸、息切れ、発汗、めまい、疲労感などカラダ自体にも不調が生じやすくなると考えられているのです。

漢方を飲む人の特徴とは?漢方の効果や適応症を知ろう

漢方薬は、体質や症状に合わせて処方されます。漢方薬は、不安障害やうつ病などの精神的な症状に用いられ、不安障害から派生する冷えや頭痛、胃腸の不調、食欲不振、便秘、更年期障害、つわり、かぜ、子どもの夜泣き、腰痛や下肢痛、肩こりなどの身体的な症状や病気にも効果があります。

漢方を飲む人の特徴としては、自分の体や心の状態に敏感で、自然治癒力を高めたいと考える人が多いです。漢方を服用することで、気や血の流れを改善し、内臓の働きを整えることができます。ただし、漢方は、効果を感じるまでに時間がかかる場合があります。また、漢方の効き方は個人差が大きいので、自分で選ぶのが難しい場合は、医師や薬剤師など専門家に相談することをおすすめします。

不安障害に悩む人は、漢方薬を試してみる価値があるかもしれません。漢方薬は、不安や神経を鎮めるだけでなく、体全体のバランスを整えてくれます。

漢方薬の副作用は?注意点や対策を紹介

不安障害に漢方薬は有効ですが、体質や症状に合わせて服用することが大切です。体質に合っていない漢方薬を飲んだら不調になる場合はあります。漢方薬にも副作用がないというわけではないので注意しましょう。漢方薬による副作用は、以下のようなものがあります。

胃腸の不快感: 漢方薬は、胃や腸の働きを改善する生薬を配合したものが多いですが、中には胃や腸に刺激を与えるものもあります。そのため、胃痛や腹痛、食欲不振、嘔吐、下痢や便秘などの症状が出ることがあります。これらの症状は、食事の時間や内容を調整することで改善できる場合があります。軟便が続く場合は、漢方薬の種類を変える必要があるかもしれません。また、腹部に張りや熱感がある場合は、上火(じょうか)という状態を引き起こしている可能性があります。上火とは、体内に余分な熱が溜まってしまうことによって、便秘などの症状を引き起こすことです。

口の渇きや口内炎: 漢方薬は、体内の水分や血液の流れを調整する生薬を配合したものが多いのですが、中には体内の水分を排出する作用が強いものもあります。そのため、口の渇きや口内炎などの症状が出ることがあります。これらの症状は、水分補給をしっかり行うことや、口腔ケアを行うことで改善できる場合が多いです。

アレルギー反応: 漢方薬は、植物や動物などの天然由来の成分を中心に作られたお薬です。新薬同様副作用もありますし、体質によってはアレルギー反応が起こることがあります。アレルギー反応は、発疹やかゆみ、呼吸困難などの症状として現れます。これらの症状は、漢方薬を中止することや、抗アレルギー薬を服用することで改善できる場合が多いです。しかしながらアナフィラキシーショックなど重篤な状態になる恐れもありますので、早めに医師に相談してください。

漢方薬の副作用は、個人差が大きく、必ずしも起こるとは限りません。しかし、副作用に気づいたら無視せずに対処することが大切です。漢方薬の副作用や注意点についてもっと知りたい人は、以下のリンクを参考にしてください。

不安障害(不安神経症)を治す方法とは?漢方や心理療法などの治療法を解説

不安障害は、現代社会におけるストレスや不安によって引き起こされる症状の一つです。心のバランスが乱れ、気分が沈むなど様々な症状が現れることがあります。不安障害に悩む人々にとって、適切な治療法を見つけることは重要です。

治療法の一つに薬物療法があります。抗不安薬や抗うつ薬は、不安神経症や不安障害、うつなどの症状を軽減するのに役立つことがあります。ただし、抗不安薬や抗うつ薬での治療は医師や薬剤師など医療関係者の指導の下で、適切な用法用量で服用することが大切です。

漢方薬も有益な選択肢となることがあります。漢方薬は体のバランスを整え、不安神経症状やうつ症状などを和らげる助けになることがあります。体質に合ったものを選ぶことが大切です。

また、心理療法も有効な治療法の一つです。心理療法は、不安や恐怖に対処し、乱れた神経の中心にある問題を解決するのに役立ちます。カウンセリングや認知行動療法などが利用され、不安障害やうつ病などの緩和に寄与します。

不安障害の治療においては、個々の症状や状況に合わせたアプローチが必要です。ストレスや不安に立ち向かうために、薬物療法、心理療法など、適切な治療法を専門家と相談しながら、症状の改善を目指しましょう。

自律神経失調症に効く薬とは?漢方や西洋薬の特徴や効果を比較

自律神経失調症は、不安やストレスによって引き起こされる神経系の障害で、不眠や不安、気分の変動、目眩、睡眠障害などの症状を引き起こすことがあります。自律神経失調症に悩む人々にとって、薬物療法は一つの治療選択肢となります。

まず、自律神経失調症に対する薬物治療の場合、医師の診断が必要です。医師は個々の症状や状態を評価し、適切な薬物療法を決定します。自律神経失調症には、抗うつ薬や抗不安薬が使用されることがあります。これらの薬物は、神経系や精神のバランスを調整し、不安や不眠症などの症状を軽減するのに役立ちます。

漢方薬も自律神経失調症の治療に利用されます。漢方薬は体の調和とバランスを整えることを重視し、不安神経症状の改善に寄与する可能性があります。ただし、自律神経失調症の治療においては、医師と相談しながら治療することが大切です。

一方、西洋薬と漢方薬を比較すると、特徴が異なります。一般的に、西洋薬は効果も、副作用も早く現れる場合が多いです。漢方薬は効果が出るまでに時間がかかることがありますが、体全体のバランスを整えながら治療したい人に向いていることもあります。

自律神経失調症の治療においては、個人の症状と状態に合わせたアプローチを選びましょう。医師のアドバイスを受けながら治療法を検討し、不安神経症状の改善を目指しましょう。

不安障害にはココロとカラダ、両方の乱れを整えることが大切

カラダの症状はココロの症状に比べるとストレスと結びつきにくいことが多く、しばしば見過ごされがちです。例えば“のどの違和感”。しかし、ストレスによる症状を想像したときに、のどの違和感をすぐに連想できる人は少ないでしょう。

自覚症状は立派な“カラダのSOSサイン”です。どんなに小さくても見逃してはいけません。大きな病気も最初はささいな症状の積み重ねから始まります。

大きな病気になる前の段階的な症状を漢方では『未病(みびょう)』と呼んでいます。そしてこのような未病にいち早く気づき、しっかり改善することで、カラダを健康な状態へ導き、大きな病気を未然に防ぐことを最善と考えています。

あなたの不安障害の症状にピッタリ合うものを選ぼう!

漢方薬にはココロとカラダの両方を同時に整えてくれる処方がたくさんあります。これも漢方の特徴であり、大きな魅力です。あなたの症状や体質にピッタリ合った処方を選ぶことが、改善の近道。ぜひお近くの専門家(専門医、薬剤師)に相談してみましょう。

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お近くの漢方医が探せるほか、漢方専門の先生もご紹介します。

漢方ナビ

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≪ストレス性の症状によく使う漢方処方≫
・半夏厚朴湯・桂枝加竜骨牡蛎湯・柴胡加竜骨牡蛎湯・抑肝散加陳皮半夏・加味逍遙散・加味帰脾湯・四逆散・柴胡桂枝湯・柴胡桂枝乾姜湯・柴朴湯など

不安障害に特におすすめの漢方薬2選

この中から代表的な2つの処方をピックアップして詳しくご紹介します。

ストレスによるのどの違和感を感じたら「半夏厚朴湯」がおすすめ!

のどに何か物がつかえたような違和感があるけど、咳ばらいをしても、唾をのんでも、水を飲んでも、物を食べても、何をやっても解消されない!こんな症状があったら「のどの病気なのでは!?」と不安になられる方も多いようです。

漢方では昔からストレスによる気の乱れが原因で起こる代表的な症状だと考えられていて、梅の種がひっかかったような感じがすることから“梅核気(ばいかくき)”と呼ばれています。最近では西洋医学でも“咽頭喉異常感症”と呼ばれ、だいぶ認知されるようになりました。

このストレスによるのどの違和感に昔からよく使われてきた漢方薬が「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」です。

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ストレスがあり、のどの違和感がある方におすすめの漢方薬

半夏厚朴湯

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半夏厚朴湯は、ストレスにより滞った気の巡りを整え、溜まった不要な気を発散することで、気分がふさぐ、ささいな事で不安にかられるなどといった不安神経症など、ココロの症状の改善が期待できると同時に、のどのつかえ感や咳、神経性胃炎などによる吐き気など、カラダの症状の改善が期待できます。

また、そのほかにも、妊娠中のつわりや咳、しわがれ声などにも効果があり、幅広い症状に応用できる処方です。

緊張しやすい、ささいな事が気になる、疲れやすい症状には「桂枝加竜骨牡蛎湯」がおすすめ!

ささいなことが気になって落ち着かない、極度に緊張しやすく、緊張すると汗が出る、ストレスを感じやすく、神経質でそわそわしてしまう・・・これでは神経がすり減って、どんどん疲れてしまいますよね。

ココロが弱るとカラダも弱りますが、逆もしかり。カラダが疲れると気力やヤル気が出ないように、カラダが弱るとココロも弱りやすくなります。もともと体力がなく、カラダが弱い虚弱体質の人は、健康な人に比べ、ココロが弱りやすくストレスに弱い傾向があると漢方では考えられています。

カラダを整え強くすることで、ココロも安定させ強くする。そんなときにおすすめの漢方薬が「桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」です。

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不眠やイライラでストレスを感じやすい方におすすめ漢方薬

桂枝加竜骨牡蛎湯- 漢方セラピー

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桂枝加竜骨牡蛎湯はカラダの基本である「気」「血」のバランスを整えることで、安定したカラダの基礎を固め、ココロも安定させると言われています。
体力がなく疲れやすい虚弱体質の人におすすめで、神経過敏、興奮しやすい、神経質などのココロの症状だけでなく、眠りが浅い、夢をよく見るなどの不眠症状や眼精疲労などカラダの症状にも処方されます。子どもの夜泣きや夜尿症にもよく使われている処方のひとつで老若男女を問わず幅広く使える漢方薬です。

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