鼻づまり・嗅覚低下の原因は鼻茸(はなたけ)?花粉症や副鼻腔炎との違いと予防法

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鼻づまりがなかなか治らない、ニオイを感じにくいなどといった症状で困っていませんか?花粉症の季節、アレルギー性鼻炎や長引く鼻風邪の症状が慢性的に鼻や副鼻腔の粘膜に炎症を起こし、ポリープ状に突出したやわらかい塊(鼻茸・はなたけ)を形成することがあります。鼻茸とは、鼻腔や副鼻腔にできる良性のポリープ(隆起物)のことで、見た目がキノコのように鼻の中に垂れ下がるため鼻茸と呼ばれています。良性とはいえ、放置すると嗅覚障害や慢性の鼻づまりなど、日常生活に支障が出る可能性があります。本記事では鼻茸ができる原因や症状と治療法、そして予防のためのセルフケアをご紹介します。

鼻茸の原因は?

直接的な原因は、鼻や副鼻腔の粘膜に起こる慢性的な炎症だと考えられています。花粉症などのアレルギー反応や風邪などの細菌感染により鼻粘膜に炎症が起こり、それが長引くことで粘膜に腫れが生じます。炎症が続くことで粘膜の一部が突出し、キノコ状のポリープ(鼻茸)が形成されます。

<鼻粘膜の腫れや炎症を引き起こす主な原因の具体例>

  • ・慢性副鼻腔炎(蓄膿症):鼻の奥にある副鼻腔に膿が溜まる炎症が長引いた状態。鼻茸の最も一般的な原因です。
  • ・アレルギー性鼻炎:花粉などのアレルギー反応により、鼻粘膜の炎症を引き起こします。
  • ・好酸球性副鼻腔炎:高度な鼻閉(鼻づまり)と嗅覚障害を示す、成人発症の難治性副鼻腔炎です。
  • ・気管支喘息: 特にアスピリンなどの解熱鎮痛剤で悪化するタイプの喘息の場合は鼻茸を合併しやすい傾向があります。
  • ・環境要因:大気汚染物質、タバコの煙、化学薬品などの影響は、鼻腔および副鼻腔の粘膜に刺激を与え、炎症を引き起こすことがあります。

鼻茸が疑われる症状をチェック

鼻茸の前兆や初期症状は、ほかの鼻炎や副鼻腔炎の症状と似ており、特別な症状はほとんどありません。次に挙げるような兆候が続くようであれば注意しましょう。

  • ☑ 長引く鼻づまり(鼻閉)
  • ☑ 嗅覚低下・匂いがわからない
  • ☑ 粘りのある鼻水
  • ☑ 後鼻漏(こうびろう・鼻水が喉の奥に流れ落ちてくる状態)
  • ☑ いびき・口呼吸
  • ☑ 顔面痛・頭痛・鼻腔内の異物感

鼻茸の治療と予防法

鼻茸の治療は、症状の程度や原因に応じて異なります。初期の段階では、ステロイド薬などの薬物により治療が行われることが一般的です。薬物療法で改善が見られない場合、切除手術が行われることもあります。鼻茸が疑われる場合は、耳鼻咽喉科を受診することが重要です。

<主な治療法>

  • ・薬物療法:抗アレルギー薬やステロイド薬(点鼻薬や内服薬)を使用して炎症を抑えます。
  • ・手術療法:薬物療法で改善が見られない場合や、鼻茸が大きい場合は内視鏡を使用して鼻茸を切除する手術が行われることがあります。
  • ・アレルゲン免疫療法:アレルゲン(アレルギー反応を起こす物質)がわずかに含まれる薬を体内に入れることで、アレルギー反応を緩和する治療方法。
  • ・鼻洗浄・ネブライザー療法:生理食塩水で鼻腔内を洗い流す鼻洗浄(鼻うがい)や、鼻から薬剤を吸入するネブライザー療法は粘膜の清浄化と薬剤の浸透を助け、症状緩和に役立ちます。

<予防としてできること>

  • ・アレルギーのコントロール:花粉症などのアレルギー体質の方は、シーズン前から抗アレルギー薬を服用したり、マスクの着用で花粉を避けたりするなど、アレルギー症状の抑制を心がけましょう。
  • ・生活環境の改善:鼻腔への刺激にならないようにホコリやダニ、カビなどから生活空間を守り、空気清浄や加湿などで空気環境を整えましょう。タバコの煙なども強い刺激となるため注意が必要です。
  • ・定期的な検診:過去に鼻茸の診断を受けたことがある方や、慢性副鼻腔炎や喘息などの持病がある方は定期的に耳鼻咽喉科で診察を受け、鼻茸があると診断された場合は早めの対処を行いましょう。
  • ・鼻のケア:日常的な鼻洗浄(鼻うがい)は、粘膜を清潔に保つことで粘膜の潤いを保ち炎症を予防するのに役立ちます。

実践・鼻うがいのここがすごい!

鼻うがいは、最近ではウイルス対策や花粉症ケアとしても注目を集めていることから、風邪予防やアレルギー対策のために取り入れる人が増えています。鼻うがいはアーユルヴェーダのクレンジング技術の1つで、漢方の養生の考え方と親和性があります。鼻は「脳の扉」とされ、鼻の調子がよければ思考もスッキリすると考えられています。花粉症の季節に鼻の症状で頭がぼんやりするといった方は、家で簡単にできる鼻うがいですっきりリフレッシュしましょう。

アーユルヴェーダについてはこちら▼
https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/enjoy/?p=16125

【鼻うがいのやり方】

喉ではなく鼻の中を洗い流す方法で、鼻をかんでも出にくい粘り気のある鼻水や、花粉やホコリ、雑菌、ウイルスを取りのぞくことによって、鼻づまりや鼻炎・副鼻腔炎の症状緩和が期待されます。

<洗浄液(食塩水)の作り方>
・使うのは 生理食塩水(塩水)で塩分濃度は0.9%。
・500ml作る場合は、塩4.5g(小さじ1杯弱)をぬるま湯(37〜40℃)に溶かします。
※注意:真水は鼻粘膜への刺激となります。体液と同じ塩分濃度の塩水で行いましょう。濃度が濃すぎる場合も刺激となります。冷たい水も粘膜へのダメージになりますので必ずぬるま湯で行いましょう。

<手順>
鼻うがい用の容器や器具を使うと便利で、初めてでも無理なく行うことができます。

  • (1)前かがみの姿勢になります。上を向くと洗浄液が耳に入り中耳炎になる可能性があるため注意が必要です。
  • (2)口を軽く開け、「アー」又は「エー」と声を出しながら、容器のノズルを鼻の穴に入れ洗浄液をゆっくりと鼻腔内に注入します。
  • (3)洗浄液を反対側の鼻の穴から出すか、または入れた側の鼻から出します。液を口から出しても構いません。
  • (4)鼻うがい後は鼻を優しく片方ずつかんで洗浄液を排出します。
  • (5)使用後の容器は清潔に洗い十分に乾燥させてください。特に感染症の疑いがある場合は容器の消毒を徹底しましょう。

※注意:鼻の奥には耳と喉をつなぐ管があります。中耳炎や誤嚥を防ぐため、強い水圧で洗浄しないようにしましょう。過度な鼻うがいは粘膜を傷つけたり本来必要な粘液まで洗い流したりしてしまうことがあるため1日1~2回程度がおすすめです。鼻づまりや炎症がひどい時は洗浄液が耳に回り中耳炎を引き起こす場合があるため控えましょう。

人物の口は「エー」と開ける

鼻水・鼻づまりに効くツボ・漢方

眠れないほどの鼻づまりや止まらない鼻水など、困った時に頼れる自分なりのケア方法を知っていることも大事です。

<困った時のセルフケアポイント>

①鼻水・鼻づまりのツボ

迎香(げいこう)
迎香は「香りを迎える」と書き、鼻水や鼻づまりだけでなく、嗅覚に異常がある場合にも効果的なツボです。

ツボの位置:小鼻の最も出っ張っている部分の付け根のくぼみ

ツボの押し方:(3~5回目安)
1. 小鼻を左右から挟み込むように指を当てる
2. 下から斜め上方向に向かって同時に押す
3. 少し強めに10秒ほど押したら力をゆるめる
4. 鼻がスッキリするまで繰り返す

迎香(げいこう)のツボの場所のイラス

★ツボとの合わせ技で鼻づまりを緩和

  • ・鼻づまりがひどい時は蒸しタオルで鼻を温めることで鼻通りが緩和することがあります。
  • ・乾燥した空気が鼻腔を刺激して鼻づまりを悪化させるため室内の湿度を50~60%に保つと効果的です。
  • ・冷たい飲み物により鼻腔内の血管が収縮し、一時的に鼻づまりが悪化したり、鼻水の粘性が変化したりする可能性があります。温かい飲み物を選びましょう。

②交感神経のポイント刺激

ペットボトルを使った「脇はさみ」
500mlのペットボトルなど、ある程度硬さと弾力性のあるものを脇に挟んで圧迫することで鼻腔につながる交感神経が刺激され、鼻の通りの改善が期待できます。具体的には片側の脇の下の交感神経を刺激するとその反対側の交感神経が活発化することで血管・粘膜が収縮し、鼻づまりが一時的に解消するという仕組みです。ペットボトルの代わりに自分のこぶしを脇に当て横向きに寝て体重をかけることで就寝前の鼻づまりを一時的に解消することも可能です。軽い鼻づまりの場合、横向きに寝るだけで反対側の鼻づまりが通ることもあります。

脇はさみのやり方:(20~30秒程度)

  • 1.つまっている鼻と反対側の、脇の下から指3本分ほど下に、硬めの500mlペットボトルをはさむ
  • 2.腕を体側に近づけるようにグッと力を入れる

※注意:重度のアレルギーや自律神経系の病気がある人には効果が感じられないことがあります。強すぎる圧で皮膚を傷つけないように気を付けましょう。

脇はさみのやり方のイラスト

<花粉症に効く漢方、副鼻腔炎に効く漢方>
アレルギー反応などにより「肺」の「気(き・カラダを流れるエネルギー)」「水(すい・血液以外の水分)」が低下すると、カラダの「水」をうまく循環できずに偏りができたり滞ったりします。肺と鼻はつながっているので、調整できなくなった「水」が鼻づまりや、鼻水の症状としてあらわれます。呼吸器を潤いで満たすことで鼻腔の乾燥感をやわらげ鼻づまりを解消する漢方を選ぶとよいでしょう。

鼻づまり、蓄膿症の方に
辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)

呼吸器を潤す作用を持つ処方です。体力中等度以上で、濃い鼻汁が出て、ときに熱感を伴う鼻の乾燥感が強い方、鼻づまりの強い方の症状に効果を発揮します。また、こもった熱を発散させて鼻の炎症を鎮め、患部で発生する膿を抑えることで鼻通りをよくします。

よくある質問<FAQ>

Q1. 鼻づまりが続くことで鼻茸になる可能性はありますか?
A1. はい。特に嗅覚低下や鼻に異物感がある場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。

Q2. 鼻茸は自然に治りますか?
A2. いいえ。基本的には自然消失しません。薬物療法や手術が必要になることがあります。

Q3. 鼻うがいは毎日しても大丈夫ですか?
A3. はい。正しい方法で行えば、鼻粘膜を清潔に保ち炎症予防に役立ちます。ただし、やり過ぎは粘膜にダメージを与えるため逆効果になります。

那須久美子

那須久美子

広告会社、大手化粧品会社宣伝部にてCM、雑誌等の広告制作に携わる。
その後フリーランスとしてバレエ講師、ピラティスマスタートレーナー、ヨガセラピスト、介護予防運動指導員として老若男女へ伝える仕事に従事。
企業や官公庁での健康アドバイザーや研修講師も務める。
キャリアコンサルタントとしては講師やカウンセラーの他にオウンドメディアの監修等も担当。

・ヘルスケアデザイナー
・バレエティーチャー
・ピラティストレーナー、ヨガセラピスト
・アスリートキャリアコーディネーター
・2級キャリアコンサルティング技能士
・国家資格キャリアコンサルタント
・漢方アドバイザー
・介護予防運動指導員

HP:https://www.kandworks.com/about

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