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頭痛が起こるきっかけは人それぞれ。肩凝りや目の疲れなどのカラダが感じるストレスや精神的なストレス、睡眠不足や天候によるものなど様々な要因によって頭痛が引き起こされます。男性よりも女性に頭痛持ちの人が多いといわれていますが、それはどうしてなのでしょうか。さらに頭痛の悩みは生理(月経)周期に関係するように起こることが多いようです。その中でも片頭痛と緊張型頭痛が多いと言われています。女性に頭痛持ちが多い理由にフォーカスし、特に生理前に頭痛が起こる原因を解説します。併せてつらい頭痛をやわらげるセルフケアの方法もご紹介します。
なぜ生理前に頭痛が起こる?
女性に頭痛持ちが多いといわれていますが、中でも生理前のホルモンバランスが大きく変動するタイミングで頭痛を訴える人が多いようです。女性ホルモンのひとつに卵胞ホルモンがありますが、この分泌が減ると脳内の「セロトニン」という精神状態を安定させる物質も減少します。
セロトニンには血管収縮をコントロールしたり、痛みを抑えたりするはたらきがあるため、脳内血管が拡張することや痛みに過敏になることで頭痛が発生すると考えられています。
セルフチェックであなたの頭痛の傾向を知ろう
ズキズキと強く痛む「片頭痛」は、女性ホルモンの分泌量の変動が関係している可能性が高いと考えられています。
一方、頭を締めつけるような痛みがおこる「緊張型頭痛」は、生理によるストレスや血行不良、肩凝りや睡眠不足等の複数の要因が関係していると言われています。
まずは自分の頭痛が「片頭痛」「緊張型頭痛」のどちらなのかを確認し、それぞれのタイプ別に理解を深めていきましょう。
<あなたの頭痛をセルフチェック>どんな傾向にありますか?
- □頭の片側や両側に脈打つような痛みが起こる
- □カラダを動かすと痛みが増す、吐き気がする
- □頭痛が起こる前に目がチカチカするような前触れがある
- □音や光に過敏になる
- □冷やすと楽になる、入浴で悪化する
- ■頭を締め付けられるような痛みが起こる
- ■首や肩周りが凝る
- ■眼精疲労がある、又はパソコンやスマホの使用時間が長い
- ■運動不足、又はデスクワークが多い
- ■入浴で温まると楽になる
□が多い方は「片頭痛」の傾向があるようです
■が多い方は「緊張型頭痛」の傾向があるようです
※セルフチェックは簡易的に傾向を見るものです。病気が隠れている場合もありますので、頭痛が気になる方は、頭痛外来などの医療機関を受診して詳しい検査をしてもらうことをおすすめします。
原因は女性ホルモン。でも治す方法は異なる!
「片頭痛」は生理周期による不調のひとつ。とくに生理前と生理中に発生しやすく、その痛みはエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量に影響していると考えられています。エストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)は、生理周期によって大きく増減します。
エストロゲンは排卵前に分泌のピークを迎え、排卵後に減少。その後また増えて、生理前に減少するというサイクルがあります。
このエストロゲンの減少に伴って、セロトニン(血管を収縮し痛みを抑える作用がある脳内物質)も減少するため、脳内血管が拡張し痛みに過敏になることで頭痛が起きると言われています。
血管が拡張し痛みに敏感になることによって引き起こされる「片頭痛」の場合は、痛む部分を冷やしたり、こめかみを押さえたりすると症状が緩和されます。光や音によって悪化することもあるため、暗くて静かな空間で横になることも有効です。頭痛が起きている時にマッサージをしたり入浴や運動をしたりすると血行が良くなるためさらに血管が拡張し、痛みが悪化する恐れがあるため避けましょう。
「緊張型頭痛」は身体的・精神的なストレスが複雑に関係していると考えられています。生理周期により自律神経が乱れることで血流が阻害され、首から肩にかけての筋肉が緊張することで神経を刺激して痛みを引き起こすと考えられています。
パソコンなどの目の酷使やデスクワークなどで頭部が前に突き出るストレートネックに悩む人ほど、生理周期を引き金に痛みを感じることが多いようです。
仕事や勉強などで忙しい時や睡眠不足が続いている時などは、交感神経が優位になりやすく筋肉の緊張につながります。もともと冷え性で血行が悪い傾向の方は、気圧や気温の変化で自律神経が乱れやすくなることもあります。
生理周期と直近の天気予報を頭に入れておくこともポイントでしょう。「緊張型頭痛」の場合は血行を促進することで痛みが緩和されます。そのため「片頭痛」とは逆にカラダを動かしたり、マッサージや入浴などカラダを温めたりすることが有効になります。副交感神経を優位にするリラックスタイムを設け、睡眠の質を高めることも重要です。
知っておくと安心。タイプ別セルフケア
片頭痛と緊張型頭痛では対処法が異なります。間違った方法を選択すると悪化の原因になりかねません。そのため見極めのポイントは「冷やした方が楽になるか」、「温めた方が楽になるか」でセルフケアを選んでください。
<片頭痛対処法:冷やした方が楽なタイプ>
首から上を冷やす
血管の拡張を抑えるため冷却シートや冷たいタオルで額、こめかみ、首筋を冷やしましょう。「気」は上に昇ります。気体は温まると上に昇ることがイメージできると思いますが、カラダの中を巡る「気」も頭部に昇るため冷ましてあげましょう
休息
暗いところ、静かなところで安静にするのがおすすめです
カラダが温まると痛みが増すため運動は控える
マッサージやストレッチも血行が促進されるため控えましょう
入浴は短時間でシャワーのみ
おすすめ食材
血管の収縮を促す適量のカフェイン(コーヒー・緑茶・紅茶(1日あたり400mg以下))ただし、カフェインの摂り過ぎには頭痛の原因となるので注意が必要です
「気」の巡りを促す柑橘類や梅干しなどの酸味のあるものやセロリや春菊などの香りがある野菜
大豆、玄米、アオサなどマグネシウムが含まれるもの
【痛みがでたらすぐに押す!おすすめツボ2選】
① 完骨:かんこつ
耳たぶの後ろの骨の後ろにあるくぼみ。自律神経を整える効果がありセロトニンの分泌を促します。
② 関衝:かんしょう
薬指の爪の付け根で、小指側のくぼみ。リンパの流れを整えることで片頭痛の緩和が期待できます。
<緊張型頭痛対処法:温めた方が楽なタイプ>
カラダを温める
血行を促進させるために肩や首、目の上に蒸しタオルをのせて温めるとよいでしょう
ゆっくりと湯舟に浸かり入浴する
無理のない程度にゆったりとカラダを動かす
ストレッチやマッサージで筋肉の血行を促しましょう。リフレッシュのために好きなスポーツをするのもよいですが痛みがひどい時は交感神経がさらに優位になることで逆効果になることがあります。リラックスできる程度のものがよいでしょう
休息
睡眠の質を高めるために香りや穏やかな音楽でリラクゼーションを促しましょう
おすすめ食材
血行促進するビタミンEを多く含むかぼちゃ、ナッツ類、いわし、鮭など大豆、玄米、アオサなどマグネシウムが含まれるもの
「血」をサラサラと巡らせるために水分補給も大切です
おすすめストレッチ
片手で頭を横に寝かせるようにして、反対の手はカラダから離して伸ばし、手のひらを天井方向に向けるたり床に向けたりするように腕を肩関節から回すように動かします。
予防として普段から首肩周りを整えておくのもおすすめです。
【痛みがでたらすぐに押す!おすすめツボ2選】
① 風池:ふうち
頭と首の付け根で、髪の生え際、首筋のやや外側のくぼみ。首の筋肉の緊張を取和らげ、血流の改善が期待できるツボです。
② 肱中:こうちゅう
上腕の脇から肘を結んだ真ん中、上腕二頭筋の中央にあるツボ。首から肩にかけての血流改善効果が期待でき、血行不良による瘀血(おけつ)の解消にもつながります。
タイプ別・おすすめの漢方で頭痛を乗り切る
頭痛は他の病気が隠れている可能性もあるため、痛みが強い時や症状が長引くときは、病院で適切な診断をもらうことが大切です。自分の頭痛のタイプを知りそれに見合った漢方をお守りとして知っておくこともポイントです。
■呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
お腹の中心を温めて冷えを取り、胃腸のはたらきを整えて吐き気を鎮めるはたらきもある呉茱萸湯がおすすめです。
■桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
緊張型頭痛は温めると痛みが楽になる場合が多く、筋肉の緊張をゆるめる作用や血流を良くする作用により頭重を改善する桂枝茯苓丸がおすすめです。
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ヘルスケアデザイナー・漢方アドバイザー・ピラティストレーナー、ヨガセラピスト・バレエティーチャー・アスリートキャリアコーディネーター・介護予防運動指導員