乾燥の多い中国では有名な漢方である「銀翹散」は、中国の医学書「温病条弁(うんびょうじょうべん)」に収載されている薬方です。のどの痛み、口が渇いて水が飲みたくなるといった症状に合います。かぜの症状が出はじめた時に服用する点では葛根湯と同様ですが、さむけのあるかぜに葛根湯が効くのに対し、のどが痛いタイプに銀翹散は適しています。
のどの痛みがでやすい時期は、乾燥する冬だけでなく、エアコンを多用する夏は、部屋が乾燥しすぎている場合があるため、湿度の調整も大切です。
「風熱」の邪(原因)が、口や鼻から入って体表や肺などを傷つけると漢方では考えます。暖かい空気が上に上るように、「風熱」の邪は身体の上部に留まり、鼻が乾燥したりのどに炎症を与えたり、頭痛といった症状が現れます。また熱によって水分も消耗させるので、口が渇いたりもします。
「銀翹散」は、のどや体表の炎症を抑えながら「風熱」の邪を追い払い、かぜによるのどの痛みに効果を現します。