季節の変わり目必見!救急箱に常備しておきたい漢方薬3選

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高齢化の進展とともに医療費が増加し、医療機関の負担が増えていることからセルフメディケーションの概念が浸透しています。コロナ禍以降、医療資源の限界が認識されたこともセルフメディケーションの意識の高まりに影響しているといえるでしょう。今、家庭にある救急箱には何が入っていますか?いざという時に役に立つ中身は、家族の誰もが使いやすいもの、汎用性の高いものを中心に考えるのはいかがでしょうか。救急箱は、けがへの備えだけでなく、急な体調不良や持病の継続治療を支えるための「家庭の健康管理室」といえます。 災害時や緊急時には医療機関や薬局をすぐに利用できない可能性があるため、応急処置の道具や常備薬を用意しておくと便利でしょう。なかでも、発熱、かぜのひき始め、胃腸不調、疲労感など幅広い不調に対応できる漢方薬は、症状対応の常備薬として取り入れやすい選択肢の一つです。 季節の変わり目や体調を崩しやすい時期に備え、自分や家族に合った漢方薬を救急箱に加えてみてはいかがでしょうか。 本記事では救急箱に入れたい常備薬におすすめの漢方薬と急な不調などの症状緩和に向けた食養生、ワンポイント知識についてご紹介します。

救急箱を用意していますか?

万が一の場合に備え、家庭に救急箱を用意しておくと安心です。しかし、何を入れておけばよいのかわからないという人も多いでしょう。救急箱の中身は、ファミリー向けや一人暮らし向けといった区分けや、家庭内用と持ち出し用といった使用する場面に応じて用意することができますが、以下の4つの分類に関わる要素が含まれていると便利でしょう。

分類 主な目的 主な中身の例
① 応急処置用品 出血、やけど、捻挫などの初期対応 絆創膏、ガーゼ、包帯、ビニール手袋、ハサミなど
② 常備薬 発熱、頭痛、咳、鼻炎、虫刺され、腹痛などの急な体調不良に備える症状対応 内服薬、外用薬など
③ 治療継続のための薬 高血圧、糖尿病、アレルギー治療薬など持病や慢性疾患の管理に対応。治療の中断を防ぐための備えとして 毎日服用する処方薬、発作時の頓服薬
④ 健康管理・衛生用品 個別に必要な衛生用品など➤日常の健康管理や感染対策対応 体温計、マスク、除菌シート、生理用品、お薬手帳など

※薬剤は高温多湿の場所を避けて保管しましょう。使用期限が切れていないか定期的に確認しましょう。

中でも常備薬は一人暮らしで急な不調に見舞われた際や、夜間・休日に体調を崩して医療機関や薬局に行けない場合などに役立ちます。急な帰省や出張などのために持ち出すのにも便利です。あらゆる症状に応じた薬を準備するというより、自分や家族に起こりやすい症状や体質に合わせて用意するとよいでしょう。

漢方薬が常備薬におすすめの理由

病気の原因が特定でき、原因別の治療が可能な場合や手術が必要な場合、緊急を要する疾患、重症の感染症などには一般的に西洋医学を選択する場合が多いかもしれません。漢方医学では病名だけでなく、その人の体質や体力、症状の現れ方などを総合的に捉えています。なお、漢方薬は天然の生薬を使用しており、1つの処方は原則として2種類以上の生薬で構成されています。つまり多くの成分を含んでいるために、1つの処方で様々な症状に対応することができます。漢方薬はじっくり効くイメージがあるかもしれませんが、急性期の初期症状に対応できる処方や、体質に関わる症状に向いている処方もあります。漢方薬の説明書には体質や体力に応じた記載があるため、自分や家族に合うものを事前に準備できます。そのため初期症状の対処や体質的によく起こる症状のために家庭に常備しておくと便利な薬と言えるでしょう。

急な不調対策に!季節の変わり目にあると便利な常備薬3選

季節の変わり目は、カラダが環境変化にさらされて大きな負荷がかかる時期でもあります。漢方薬を常備しておくと、体質と季節特有の不調の初期対応ができるため、気候の変化による揺らぎに備えることができます。

① 寒気・発熱

かぜの定番「葛根湯(かっこんとう)」 季節の変わり目は気温差や湿度差などの影響を受けやすくなります。環境の変化が起きやすい旅行などに携帯することもおすすめです。葛根湯はかぜのひき始めで、発熱しゾクゾクする、寒気がとれないというような症状に効果があります。カラダを温める作用があるため、かぜの初期症状にともなう肩凝りや筋肉痛にも効果があります。

葛根湯 体力中等度以上のものの次の諸症:感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩凝り、筋肉痛、手や肩の痛み

② のどの乾燥や痛み、咳

長引く咳などに「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」 空調などの影響や乾燥が気になる季節など、のどの不調が長引く時にあると便利です。気道の粘膜を潤わせることで、咳を鎮めます。たんが切れにくくのどにからむような咳、空咳、気管支炎に効果があります。

麦門冬湯 体力中等度以下で、たんが切れにくく、ときに強く咳こみ、又は咽頭の乾燥感があるものの次の諸症:空咳、気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、しわがれ声

③ くしゃみ・鼻水

花粉症の季節にも有効「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」 花粉症の季節、気温差でくしゃみや鼻水が出やすい時にあると便利です。水のような鼻水やうすい水様のたん、くしゃみ、鼻づまりなどの症状がある、かぜやアレルギー性鼻炎などの花粉症に効きます。 眠くなる成分は入っていません。

小青竜湯 体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様のたんを伴う咳や鼻水が出るものの次の諸症:気管支炎、気管支喘息、鼻炎、むくみ、感冒、花粉症

気になる症状別の食養生とワンポイント知識とは

季節の変わり目は、外邪(風邪・寒邪・湿邪・熱邪)が体表に侵入しやすい時期とされます。起こりやすい症状に応じた食養生(カラダを整える食事)やワンポイント知識を紹介します。

※食養生はあくまで体調を整える補助的な方法です。症状が強い場合や長引く場合は医療機関を受診しましょう。 風邪(ふうじゃ):他の邪気(寒、湿、熱)を引き連れて病を起こす 寒邪(かんじゃ):寒冷の邪気で、悪寒・関節痛の原因となることがある 湿邪(しつじゃ):不要な水分を指し、むくみ・重だるさ・胃腸の不調の原因となることがある 熱邪(ねつじゃ):熱や炎症に関わる邪気で、高熱、のどの赤みや腫れなどの原因となることがある

① かぜなどによる発熱

発熱は感染症を含む炎症性疾患などでも現れます。 まずは水分補給と安静が基本的な対応です。発熱で食欲がない時に、無理に食事をする必要はありません。カラダを巡るエネルギーが消化器系統を動かせていない場合、食事によって胃腸に負担をかける可能性があります。食べられる場合はお粥やスープなどの消化に良い食事やリンゴを少量選ぶとよいでしょう。アルコールやカフェインは利尿作用がありカラダの水分が失われるため控えましょう。 高熱が続く、他の症状を伴う、繰り返す発熱などのサインがあれば、医療機関の受診をおすすめします。熱がある時は自己判断によるツボ刺激は適しません。安静が必要なカラダに余分な負荷をかける恐れがあるためです。

② のどの乾燥や痛み・咳

かぜや気管支炎等で咳が出る場合、それに伴ってのどの乾燥や痛みも現れやすくなります。ひどい場合は声がかすれたり、でなくなったりすることもあります。また粘り気のある痰がいつまでも切れないこともあるでしょう。 のどの痛みには梨や大根が炎症を鎮めるのによい食材です。梨はジュースにしたものでうがいをすることもおすすめです(洋梨は適しません)。咳を止めることでのどの痛みをやわらげるには、銀杏や百合根が適しています。神経が緊張して出る咳にはシソもよいでしょう。生で食べても、乾燥させた葉を煎じて飲むこともできます。 のどが痛む時にアクの強いタケノコや山菜類、刺激の強い唐辛子などの香辛料は避けましょう。

<咳のツボ> 経渠(けいきょ) ツボの位置:手首の内側にある太い横じわの親指側の骨の上のくぼみから、肘に向かって親指の幅1本分上がったところ (目安:5~10回程度)

経渠を中心に手首から肘までマッサージするのも効果的。 全身の気の流れを整える効果があるとされ、特に呼吸器系の不調や免疫力の向上に効果的です。また、自律神経系のバランスを整え、ストレスや不安感の軽減にも役立つとされています。

首の後ろの風門のツボ
③ 鼻水・鼻づまり

鼻水や鼻づまりの原因は大きく分けて3つ考えられます。かぜの初期症状や鼻炎によるもの、花粉症などアレルギーに起因するもの、副鼻腔炎などが挙げられます。汗をかかない季節はカラダに余分な水分がたまりやすくそれが鼻炎などの症状につながる可能性があります。汗をかきやすい夏場でも空調のきいたオフィスなどでは発汗が抑えられ水分代謝が落ちることが考えられます。発汗を促したりカラダの水の巡りをよくしたりするには生姜や長ネギなどカラダを温める食材がおすすめです。カラダの水はけをよくするために、ハトムギも効果的です。一方、カラダを温める唐辛子は鼻の粘膜を刺激するためおすすめではありません。なお甘い物や脂肪の多い食べ物は症状を悪化させるため避けましょう。

<鼻水・鼻づまりのツボ> 迎香(げいこう) ツボの位置: 左右の小鼻のすぐ外側にあるくぼみに位置 (目安:5~10回程度)

小鼻外側のくぼみに、それぞれ人差し指を当てて下から斜め上に向かって押しましょう。鼻水や鼻づまりなど、鼻症状の解消に役立つツボです。小鼻の横をさするだけで効果を感じる場合もあります。

迎香(げいこう)のツボの場所のイラス

食養生のまとめ

症状 食養生の考え方 代表食材
発熱 消化によい お粥(米)、リンゴ
のどの痛み・咳 潤す・炎症を抑える 梨、大根、シソ
鼻水・鼻づまり 温める・巡らせる 生姜、長ネギ、ハトムギ
那須久美子

那須久美子

広告会社、大手化粧品会社宣伝部にてCM、雑誌等の広告制作に携わる。 その後フリーランスとしてバレエ講師、ピラティスマスタートレーナー、ヨガセラピスト、介護予防運動指導員として老若男女へ伝える仕事に従事。 企業や官公庁での健康アドバイザーや研修講師も務める。 キャリアコンサルタントとしては講師やカウンセラーの他にオウンドメディアの監修等も担当。

専門領域

  • ・ダンス運動指導(バレエ・ピラティス・ヨガ等)
  • ・キャリア支援(国家資格 2級キャリアコンサルティング技能士)
  • ・介護予防・健康づくり支援(介護予防運動指導員)

HP:https://www.kandworks.com/about

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