【自分のいたわり方】カラダのSOSを知る!あなたの不調に適した漢方ケアとは

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病気ではないのはわかるけれど、なんとなく調子がでないという「なんとなく不調」の状態を漢方(中医学)では「未病」と呼びます。病名が診断されないと治療ができない西洋医学と違って、中医学には未病に対処する方法があります。「健康」と「病気」の間にある「未病」の段階からアプローチすることで、将来なるかもしれない病気を未然に防ぐという考え方はまさに予防医学とも言えるでしょう。自分で自分の健康を守るための未病対策はカラダが持つ自然治癒力を引き出すための食養生、漢方生薬、鍼灸療法などの治療だけでなく、生活環境を整えて体力を維持促進させ心身を健康に導くプロセスを指します。この記事では不調に応じた、自分をいたわるセルフケア方法をご紹介します。

「なんとなく不調」の例とは?

病名はつかないけれど、日常生活で厄介に感じる症状はありませんか?例えば「冷え症」「だる重い疲れ」「ストレスによるイライラ」など。病院へ行くところまではいかないけれど、気持ちをどんよりとさせる状態は健康とは言えません。よくある不調=未病の対策を見ていきましょう。

◆冷えを感じるタイプ

冷え症の悩みは女性に多く見られます。手足の冷え、お腹の冷えなど困るポイントも多い不調です。漢方の気・血・水(き・けつ・すい)の不足や巡り方の不良に応じて対策が異なります。

要素 足りていない 巡っていない
気(カラダを流れるエネルギー) 気虚 気滞
血(カラダを流れる血液<栄養>) 血虚 瘀血(おけつ)
水(カラダを流れる血液以外の水分) 陰虚 水滞

①体力虚弱な冷え症タイプ

体力虚弱で消化器系が弱いと栄養のあるものを摂っても消化吸収しにくくカラダを温めるエネルギー(気)を生み出すことができません。胃腸を整えながら手足の冷えを改善する目的の漢方薬を選んだり、下腹部を温めるために腹巻の着用したりするなど対策を取りましょう。消化器系に効くツボである足三里(あしさんり)の刺激なども効果的です。

②トイレが近い冷え症タイプ

水分代謝が悪くなりがちでカラダの中に余分な水(すい)が溜まることで冷えを生みます。冷えの原因となる水分代謝を改善させる漢方薬を選んだり、冷えの特効のツボである湧泉(ゆうせん)を刺激したりしましょう。

③生理痛がある冷え症タイプ

あざができやすい、手足が冷える、生理痛がつらいなどの場合は血液の流れの悪さが冷えにつながると考えられます。血流を促進させるために下半身の筋肉をつけるトレーニングを行うことや血行を促す食材を摂ること、血行をよくする漢方薬を選ぶことなどが有効です。

◆疲労を感じるタイプ

疲労は過重労働や運動のし過ぎなどで誰もが感じる生理現象です。普通の疲労なら栄養のあるものを摂りゆっくり休めば回復しますが、慢性的に積み重なっている疲労のことを中医学では「虚労(きょろう)」と表現し、疲労が長引き元気がでない状態を指します。過労などから胃腸の働きが弱った場合と、栄養状態が低下してカラダの気血(きけつ)が不足している場合とに分けて考えましょう。

①胃腸の働きが弱っている場合

過労、冷え、ストレスなどの影響で胃の水分代謝が乱れ、食欲不振や消化不良などになりやすくエネルギーが足りずに疲れやすくなっています。胃腸の働きをよくする山芋や人参、消化を助ける大根を使った食事を摂るようにしましょう。

②栄養状態が低下している場合

カラダの中の気や血が不足している場合、つまり疲労感とともに貧血などがある時は温かく栄養のある食事を摂り、カラダを休める時間を持つことが大事です。消化酵素が多く含まれる大根にカラダを温める生姜を加えて加熱調理して食べるとよいでしょう。

◆ストレスを感じるタイプ

めまぐるしく変動する毎日、多くの人がストレスや不安を抱えています。これが高じると様々なカラダの不良や心の病気につながります。中医学では「脾胃(ひい)」=「消化器系」が損なわれている場合と「胸脇苦満(きょうきょうくまん)」=「不眠やイライラがあり胸や脇腹が張ったような不快感」がある場合でストレスへの対応を考えます。

① 心配ごとが頭を離れずに眠れない場合

「憂うれば脾をやぶる(うれうればひをやぶる)」という言葉があり、精神不安があると脾胃(消化器系)が損なわれさらなる不安が助長されるという考え方です。つまり胃腸のエネルギーを補ってストレスに対峙していくことで改善を目指します。そのためには栄養だけでなく休養を取ることも大切です。

② 胸脇苦満(きょうきょうくまん)がある場合

精神不安とともにイライラや不眠などの症状が強い場合は、気の巡りを整えることが必要です。「コップの水」を例にすると液体の状態なら重力の影響でコップの中にありますが、気体(水蒸気)になると上空へとあがっていきます。つまりカラダの中を流れる「気」も勢いがあるとカラダの中をすみずみまで巡っていますが、勢いが無くなると頭部に滞留してしまうことでイライラの原因となります。頭に上った気を降ろすように頭頂部にある百会(ひゃくえ)のツボを指圧したり、灸をすえたりするとよいでしょう。ナツメやシナモンなどの気の巡りを促すものを摂ることもおすすめです。

※体質は人それぞれで悩みに対するアプローチも違います。簡易的な自己チェックだけではなく、医師や薬剤師に相談することで、より詳しく自分の体質に合う漢方や養生法がわかります。

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那須久美子

那須久美子

広告会社、大手化粧品会社宣伝部にてCM、雑誌等の広告制作に携わる。
その後フリーランスとしてバレエ講師、ピラティスマスターストレーナー、ヨガセラピスト、介護予防運動指導員として老若男女へ伝える仕事に従事。
企業や官公庁での健康アドバイザーや研修講師も務める。
国家資格キャリアコンサルタントとしては企業内障害者ジョブコーチを経て自治体の就労支援事業で講師・カウンセラー、現場統括責任者を歴任。
現在は文化芸術振興事業の広報、キャリアコンサルタントのためのオウンドメディア監修も担当。

・ヘルスケアデザイナー
・バレエティーチャー
・ピラティストレーナー、ヨガセラピスト
・アスリートキャリアコーディネーター
・国家資格キャリアコンサルタント
・漢方アドバイザー
・介護予防運動指導員

HP:https://www.kandworks.com/about

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