むずむず脚症候群の対処法とは?やわらげるツボや今すぐできるセルフケアを紹介

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「夜になると、足がむずむずして眠れない…」

このような悩みを感じている方も多いのではないでしょうか。

なかなか寝付けないほど足のむずむずが気になると、「これって何かの病気?」「むずむず脚症候群かも?」と不安になりますよね。

この記事では、むずむず脚症候群の特徴や原因、生活に及ぼす影響などについて解説します。

あわせて、足のむずむずが気になる方に向けて、やわらげるためのツボや今すぐできるセルフケアも紹介するので、ぜひ日々のセルフケアに役立ててください。

むずむず脚症候群とは?

むずむず脚症候群は、“レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome:RLS)” “下肢静止不能症候群”とも呼ばれ、主に下肢に不快な症状を感じる病気です。

夜眠ろうとベッドに入ったときや、電車内あるいは映画館などでじっと座っているときに、足の内側から不快感が起こり、足を動かすと和らぐ…といった特徴があります。

感じ方には個人差がありますが、代表的な症状は以下の通りです。

  • ● 足がむずむずする
  • ● ほてる
  • ● かきむしりたくなる
  • ● 足を動かしたくて我慢できなくなる
  • ● 虫が這っているような感じがする

このような症状によって、日常生活に支障をきたす場合もあります。

ここからは、以下の内容を解説していきます。

  • ● むずむず脚症候群に悩む方は多い
  • ● むずむず脚症候群の原因は?

むずむず脚症候群に悩む方は多い

「自分だけが悩んでいるのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、むずむず脚症候群の患者は人口の2%~4%で、日本国内では200万~400万人。このうち治療が必要なのは70万人ほどと、むずむず脚症候群に悩む方は少なくありません。

また、女性は男性の1.5倍ほど多く、年齢が上がるにつれてむずむず脚症候群にかかる率が高くなる、という欧米での調査結果もあります。*1*1 久米 明人ら. 日本人特発性レストレスレッグス症候群の臨床的特徴. 臨床神経 2010;50:385-392.

むずむず脚症候群の原因は?

むずむず脚症候群は、これまで原因がはっきりしない「一次性(特発性)」と、他の病気や薬などが関係する「二次性」に分けて考えられてきました。

しかし、近年では、遺伝的要因・環境要因・併存疾患(従来「二次性」とされてきた疾患)が複雑に関わり合って発症する、一連の連続体(スペクトラム)として捉える考え方が示されています。 *2

発症に関わる主な要因は、以下の通りです。

  • ・脳内のドーパミン機能の関与:脳内の神経伝達物質の1つであるドーパミンが作動する経路になんらかの障害が生じることが、むずむず脚症候群に関係していると考えられている。
  • ・鉄欠乏との関わり:鉄分はドーパミンを作る過程で必要な栄養素であるため、鉄が不足するとドーパミンがうまく作られにくくなり、足のむずむず感につながる可能性がある。
  • ・遺伝的要因:家系内に同じような症状の方がいる場合、発症リスクが高まる傾向がある。

その他にも、以下のような病気が発症や症状の悪化に関わっていることがあります。

  • ・慢性腎不全
  • ・妊娠
  • ・糖尿病
  • ・パーキンソン病
  • ・関節リウマチ

*2 日本神経治療学会「標準的神経治療:Restless legs症候群診療ガイドライン2024」

どんな不調が出るの?生活に及ぼす影響は?

むずむず脚症候群の症状には、4つの特徴的な自覚症状があります。

  • 1. 足を動かしたくてたまらなくなる
  • 2. 安静にして、横になったり座ったりしていると症状があらわれる、または強くなる
  • 3. 足を動かすと、不快な感覚が軽くなる
  • 4. 夕方から夜にかけて症状が強くなる

とくに、夕方から夜の落ち着いている時間帯に不快感が気になりやすいのが特徴です。そのため、「なかなか寝付けない」「一旦眠っても足の不快感で目が覚めてしまう」という悩みにつながります。

睡眠不足が続くと、日中のパフォーマンス低下に影響する可能性があるため、気になる症状が続く場合は早めに対策を検討しましょう。

足がむずむずして寝られないときに押したいツボ

足のむずむずが気になるときは、ツボ押しを取り入れてみましょう。この章では、セルフケアで取り入れやすいツボを4つご紹介します。

  • ● 三陰交(さんいんこう)|くるぶしの上
  • ● 合谷(ごうこく)|手の甲
  • ● 失眠(しつみん)|かかとの中央
  • ● 湧泉(ゆうせん)|足裏の中央

ツボを押すときは呼吸を止めず、息を吐きながら親指でゆっくり押すのがポイントです。痛気持ちいいくらいの力加減で押し、指を骨の裏側に入れ込むように圧力をかけてみましょう。

三陰交(さんいんこう)|くるぶしの上

三陰交(さんいんこう)のツボ押しのやり方

三陰交は、カラダの冷えやめぐりが気になる方のセルフケアでよく使われる代表的なツボです。靴下やレッグウォーマーで温めるのもよいです。

※三陰交は陣痛を促進するツボとしても働くため妊娠中の方は避けましょう。

ツボの場所 足首の内側で内くるぶしの骨から指の幅4本分上に位置
ツボ押しの手順
  • 1. 三陰交に親指をあて、ゆっくりと息を吐きながら痛気持ちよい力加減で指圧する
  • 2. 息を吸いながら力をゆるめて、次の吐く息で再度指圧する
  • 3. 反対の足も同様に行う
回数 両足各3回程度

合谷(ごうこく)|手の甲

合谷(ごうこく)のツボ押しのやり方

合谷は、目の疲れや頭痛などが気になる方にセルフケアでも親しまれている、手軽に押しやすいツボです。

ツボの場所 手の甲側にあり、人差し指の骨と親指の骨を手首方向になぞって合流した地点からやや人差し指の方へ上がった部分
ツボ押しの手順
  • 1. 合谷に手の親指をあて、残りの4本の指は押される側の手のひら側に添えて支える
  • 2. ゆっくり息を吐きながら、痛気持ちいいと感じる程度の力で指圧し、息を吸うときに力をゆるめる
  • 3. 反対の手も同様に行う
回数 両手各5回程度

失眠(しつみん)|かかとの中央

失眠(しつみん)のツボ押しのやり方

失眠は、就寝前のリラックスタイムに取り入れやすいツボです。強く押しすぎず、心地よく感じる範囲で行うことがポイントです。

ツボの場所 かかと中央の少しくぼんだ部分
ツボ押しの手順
  • 1. 椅子に座り、片足を反対の膝の上に乗せる
  • 2. ゆっくりと息を吐きながら、親指で失眠を指圧する(両方の親指を重ねて押すと力が入りやすい)
  • 3. 反対の足も同様に行う
回数 両足各3~5回程度

湧泉(ゆうせん)|足裏の中央

「湧泉」のイラスト

湧泉は、足の冷えや疲れ、疲れた足をいたわりたいときによく利用されるツボです。

ツボの場所 足裏中央からやや上にある一番へこんでいる部分
ツボ押しの手順 1. 親指の腹でゆっくり5秒間押し込む 2. 3秒間休む 3. 反対の足も同様に行う
回数 両足各3回程度

足のむずむずが気になる方向けのセルフケア

「足のむずむずが気になるけど、病院に行くほどではない」と考えている方は、まずセルフケアから試してみましょう。

この章では、足のむずむずが気になる方が今すぐできるセルフケアを5つご紹介します。

  • 1. 鉄分の補給
  • 2. ビタミンDやマグネシウム、葉酸の補給
  • 3. カフェインやアルコール、喫煙を避ける
  • 4. ストレッチやマッサージを習慣にする
  • 5. 睡眠環境を見直す

生活習慣を改めることで、むずむずが気になりにくくなります。

1.鉄分の補給

鉄が欠乏すると、足がむずむずすると感じられる方もいます。

以下の食材には鉄分が豊富に含まれているため、積極的に摂取しましょう。

  • ● レバー
  • ● ほうれん草
  • ● あさり
  • ● いわし

また、良質なたんぱく質やビタミンCは、鉄分の吸収率を促進させるはたらきがあるため、バランスのよい食事を意識しましょう。

あわせて読みたい>>くらしを豊かに!薬膳レシピ

2.ビタミンDやマグネシウム、葉酸の補給

ビタミンDやマグネシウム、葉酸が欠乏すると、足がむずむずすると感じられる方もいます。各栄養が豊富に含まれている食べ物は、以下の通りです。

ビタミンD ・青魚 ・キクラゲ ・干し椎茸
マグネシウム ・ほうれん草 ・牡蠣 ・大豆 ・米 ・みそ ・ひじき ・まぐろ ・海苔
葉酸 ・牛レバー ・豚レバー ・卵黄 ・大豆 ・納豆 ・ほうれん草 ・ブロッコリー

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3.カフェインやアルコール、喫煙を避ける

コーヒー・紅茶・緑茶などに含まれるカフェインは、鉄分の吸収を阻害します。さらに、眠りを浅く感じさせることもあるため、できるだけ摂取を控えるようにしましょう。

なお、チョコレートにもカフェインが含まれているため、食べ過ぎにはご注意ください。

また、アルコールや過度の喫煙もカラダの状態に影響を与えることがあるため注意が必要です。

4.ストレッチやマッサージを習慣にする

規則正しい生活を心がけ、ウォーキングなどの軽い運動を習慣化しましょう。

就寝前にストレッチやマッサージなどで筋肉をほぐすと、カラダがリラックスしやすくなります。

なお、就寝前の激しすぎる運動はカラダが興奮状態になって睡眠を妨げるためご注意ください。

5.睡眠環境を見直す

睡眠はカラダの状態と深く関わっています。早寝早起きを習慣づけ、規則正しい生活を心がけましょう。

眠りやすい環境を整えるために、寝室は快適な温度に整えておきましょう。

また、眠るときはできるだけ暗い状態に整えましょう。寝る前のスマホ操作を控えると、強い光を避けられ、リラックスしやすくなります。

むずむず脚症候群の漢方的アプローチ

漢方に興味のある方なら『陰陽(いんよう)』という言葉を聞いたことがあるかもしれません。全てのものには「陰」と「陽」があると考え、人のカラダの状態を把握することや治療にも利用されています。例えば人のカラダは、背中が「陽」でお腹は「陰」と考えます。背中は太陽の光が当たるため「陽」、お腹は影になるため「陰」というイメージ。

漢方では、「陰」と「陽」のバランスによって健康が保たれていると考えます。陰(潤い・静)が不足すると、相対的に陽(熱性・動)が強くなり、ほてりや不眠などの不調につながります。

むずむず脚症候群を漢方では「陰虚(いんきょ)」、または「気血両虚(きけつりょうきょ)」の考え方が深く関与していると捉えています。

「陰虚」とは『血(けつ=血液などの栄養成分)』や『津液(しんえき=カラダを流れる血液以外の水分)』などの陰液(いんえき)が不足してカラダに潤いがない状態です。カラダを潤して熱をさます働きが弱っているため、のぼせや口渇、皮膚への乾燥感があらわれます。相対的に陽(熱性・動)が優勢になっている状態であると言えます。

「気血両虚」とは『気(カラダを巡るエネルギー)』と『血(カラダに流れる栄養成分)』が共に足りていないとするものです。むずむず脚症候群には陰液(血や津液)を積極的に補うものや気血を補う処方でカラダの潤いと巡りを中から整えるものがおすすめです。

あわせて読みたい>>漢方の基礎知識4「陰陽とは」

■睡眠障害でお困りの方に

加味帰脾湯(かみきひとう) 人は夜に「気」から生じる熱を鎮めることで眠ります。この時に「血」が足りていないと、「気」のエネルギーを十分に鎮められず睡眠の質が低下します。消化器のはたらきを助けながら「血」を補い、「気」を巡らせることで精神を安定させる作用があるため、むずむず脚症候群で不眠症や精神不安、神経症のある方におすすめです。

■かゆみやほてりがつらい方に

六味丸(ろくみがん) 加齢に伴い「気」「血」を生み出しにくくなる「腎虚(成長・生殖などに関わる泌尿器・生殖器・腎臓などの機能が低下している)」の状態を改善する処方です。カラダの熱や炎症をとり、陽の亢進を鎮める働きがあり陰虚にも対応します。カラダの内側から潤いとエネルギーを補い熱感を抑え、かゆみやしびれを和らげます。

■痛みなどの不快症状がある方に

疎経活血湯(そけいかっけつとう) 経絡(気血の運行ルート)の滞りがあり痛みやしびれなどの不快な症状のある方に、血の流れを促し回復させる処方です。「血」の巡りを良くする作用、熱を冷ます作用があり、神経痛をじっくりと治していきます。

病院に行くべき?受診の目安と診療科

足のむずむずが気になる方が病院を受診する目安をご紹介します。

  • ● 足のむずむず感で眠れない日が多い
  • ● 夜中に何度も目が覚める
  • ● 日中の眠気や集中力の低下がある
  • ● 以前より不快感が強くなってきた
  • ● セルフケアを続けても変化が見られない

病院を受診する際には、問診に備えて、感じている不調を詳しくメモしていきましょう。

むずむず脚症候群が疑われる場合の受診先は脳神経内科、不眠やストレスなどが関係していると感じている場合は心療内科や精神科、全身状態から総合的に診てもらいたい場合は内科も候補となります。

ただし、足のむずむず感は、むずむず脚症候群以外の病気やカラダの不調が関係していることもあります。自己判断で決めつけず、不快感が続く場合は医療機関に相談しましょう。

足のむずむずが気になる方はセルフケアから始めてみよう

むずむず脚症候群は、夜や安静時に足の不快感があらわれやすいのが特徴です。原因ははっきりしていませんが、鉄分不足や生活習慣などが関係している可能性があります。

足のむずむずが気になる方は、ツボ押しやストレッチ、食事や睡眠環境の見直しなどできるセルフケアから始めてみましょう。

ただし、不快な症状が続く場合や日常生活に影響が出ている場合は、自己判断で放置せず、医療機関を受診してください。

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那須久美子

那須久美子

広告会社、大手化粧品会社宣伝部にてCM、雑誌等の広告制作に携わる。 その後フリーランスとしてバレエ講師、ピラティスマスタートレーナー、ヨガセラピスト、介護予防運動指導員として老若男女へ伝える仕事に従事。 企業や官公庁での健康アドバイザーや研修講師も務める。 キャリアコンサルタントとしては講師やカウンセラーの他にオウンドメディアの監修等も担当。

専門領域

  • ・ダンス運動指導(バレエ・ピラティス・ヨガ等)
  • ・キャリア支援(国家資格 2級キャリアコンサルティング技能士)
  • ・介護予防・健康づくり支援(介護予防運動指導員)

HP:https://www.kandworks.com/about

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