突然、蕁麻疹が出る原因は?漢方で考える蕁麻疹ができる原因と対処法

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蕁麻疹(じんましん)は、突然皮膚が赤く盛り上がったり、強いかゆみが現れたりする症状です。食べ物やストレス、気温の変化などさまざまな要因が関係するとされており、原因が特定できないケースもあります。

また、蕁麻疹には短期間でおさまる「急性蕁麻疹」と、長期間繰り返す「慢性蕁麻疹」があり、症状の現れ方にも違いがあります。西洋医学では、アレルギー反応や体内の炎症との関係が考えられている一方で、漢方ではカラダの状態やバランスの乱れに着目して捉えます。

本記事では、蕁麻疹の特徴や原因、用いられる漢方薬について解説します。蕁麻疹に用いられる漢方薬を選ぶ際の参考にしてください。

蕁麻疹とは?

蕁麻疹(じんましん)とは、皮膚の一部が赤く盛り上がる膨疹(ぼうしん)が現れ、かゆみを伴うことが多い状態です。症状は数分から数時間程度でおさまることもありますが、繰り返し現れる場合もあります。

蕁麻疹には、食べ物や疲労、ストレス、気温の変化などさまざまな要因が関係しており、原因を特定できないケースも少なくありません。また、症状の現れ方や持続期間には個人差があります。

蕁麻疹が続く場合や繰り返し起こる場合は、放置せず医療機関を受診して適切な診断を受けましょう。

以下では蕁麻疹の原因や、漢方考え方について解説します。

漢方で考える蕁麻疹の原因

漢方では、蕁麻疹は体内のバランスの乱れや外部からの刺激によって起こると考えます。その原因として、風邪(ふうじゃ)や熱邪、湿邪などが関係するとされています。

特に、「症状が急に出る」「あちこちに移動する」という蕁麻疹の現れ方は、漢方では風のように変化しやすい刺激である風邪(ふうじゃ)の影響と捉えられることがあります。

蕁麻疹に関連する邪気には、風邪(ふうじゃ)のほか、湿邪や熱邪などもあります。風邪は病気の原因となる邪気のひとつで、上昇する・軽い・発散するといった特徴があります。風のように絶えず動く性質があるため、症状が現れる場所や程度が変化しやすく、急に悪化することもあると考えられています。また、風邪がカラダに侵入すると、かゆみが生じるとされています。

漢方では、蕁麻疹ができた原因により対処法は異なります。風邪(ふうじゃ)について詳しく知りたい方は、漢方の基礎知識「病因病機とは①(六淫・七情など)」を参考にしてください。

ここでは、蕁麻疹の原因として考えられる代表的なタイプを見ていきましょう。

風熱(赤みや熱感が強い)タイプ

風熱(ふうねつ)は、環境の変化などの刺激(風邪)と、体内にこもった熱(熱邪)が結びついた状態です。

漢方では、鮮やかな赤みや熱感、強いかゆみなどがみられる場合に、風熱が関係していると考えます。

また、体内に余分な水分と熱が滞った「湿熱(しつねつ)」の状態も、風熱とあわせてみられることがあります。湿熱では、赤みやかゆみに加えて、皮膚が腫れぼったくなったり、汗をかくと症状が強くなったりするのが特徴です。

風寒(冷えや寒さで症状が出る)タイプ

風寒(ふうかん)は、変化の刺激(風邪)と、冷えや寒さ(寒邪)が結びついた状態です。

冷たい風に当たった後や、カラダが冷えたときに症状が現れる場合は、この風寒が関係すると考えられます。

風熱タイプと比べると、赤みや熱感はそれほど強くなく、寒さや冷えをきっかけに症状が出やすいのが特徴です。

気滞(ストレスや緊張で症状が出る)タイプ

気滞(きたい)は、ストレスや緊張などによって、カラダの中を巡るエネルギー(気)の滞りがある状態を指します。エネルギーである気の停滞は熱に変化しやすく、皮膚の赤み(炎症)を生じることがあります。

精神的な負担が続いたときや緊張する場面で蕁麻疹が現れる場合、この気滞の影響が示唆されます。

イライラしやすい、気分がすっきりしないといった精神的な状態を伴うこともあります。

蕁麻疹に適している漢方薬

蕁麻疹が続く場合は、まず医療機関を受診し、適切な診断を受けることが最も大切です。その上で、体質に合わせた治療の選択肢のひとつとして、漢方薬の利用を検討してみましょう。

ここでは、蕁麻疹に適している漢方薬を紹介します。 ※メーカーによって一部表記や構成が異なる場合があります。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

カラダの中に滞っている水分や熱を発散させる働きがあり、蕁麻疹や化膿しやすい皮膚炎などに利用される漢方薬です。体力が中程度で皮膚が赤くなり、ときに化膿するような症状や水虫にも利用されます。

10種の生薬(サイコ・キキョウ・センキュウ・ブクリョウ・オウヒ・ボウフウ・ドクカツ・カンゾウ・ケイガイ・ショウキョウ)より抽出されたエキスが配合されています。

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消風散(しょうふうさん)

消風散は、皮膚のかゆみや湿疹などに用いられ、赤みやかゆみを伴う皮膚症状がみられる場合に利用される漢方薬です。

漢方では、体内に熱や湿気が滞っている状態に着目して用いられ、ジュクジュクした湿潤感や炎症(赤み)を伴う状態など、さまざまな皮膚症状に対して利用されます。

13種類の生薬(トウキ・ジオウ・ビャクジュツ・セッコウ・モクツウ・ボウフウ・ゴボウシ・チモ・ゴマ・カンゾウ・センタイ・クジン・ケイガイ)より抽出されたエキスが配合されています。

蕁麻疹と漢方薬に関するよくある質問

蕁麻疹や漢方薬について調べる中で、「市販薬と処方薬の違いはあるのか」「急に症状が出た原因は何か」などの疑問を持つ方もいるでしょう。

蕁麻疹は症状の現れ方や背景となる要因に個人差があり、漢方薬も体質や状態に応じて選択されます。ここでは、蕁麻疹と漢方薬に関するよくある質問と回答を紹介します。

市販の漢方薬と病院処方の違いは?

市販の漢方薬と病院で処方される漢方薬は、いずれも症状や体質に合わせて選ぶことが大切です。大きな違いは選択方法にあり、市販薬は薬剤師や登録販売者に相談しながら「自身」で選んで購入するのに対し、処方薬は医師が症状や体質を判断したうえで処方します。

また、取り扱う漢方薬の種類や剤形、用量などに違いがある場合もあります。そのため、自分に合う漢方薬選びに迷う場合や、蕁麻疹の症状が続く場合は、医師、薬剤師又は登録販売者などの専門家に相談してください。

急に顔だけに蕁麻疹が出た原因は?

顔は外気や温度変化、紫外線などの影響を受けやすい部位です。また、化粧品やスキンケア用品、マスクなどによる刺激が関係する場合もあります。疲労やストレス、体調の変化などが影響しているケースもあります。

ただし、原因はひとつとは限らず、複数の要因が重なって症状が現れることもあります。症状が繰り返し現れる場合は、医療機関で相談してください。

朝起きたら蕁麻疹が出た場合の考えられる原因は?

朝起きたときに蕁麻疹が現れる場合は、寝ている間の体温変化や発汗が関係している場合があります。また、寝具やハウスダストなどの環境要因が影響しているケースもあります。

そのほか、前日の食事や疲労、ストレスなどが関係していることも考えられます。原因はひとつではないため、一時的な症状なのか、繰り返し現れるのかを確認しながら経過をみることが大切です。症状が続く場合は、医療機関への相談を検討してください。

風邪(ふうじゃ)からカラダを守るためには

蕁麻疹を予防するためには、普段の食生活や生活習慣などで体質を改善することが大切です。漢方には、「扶正」(ふせい)「袪邪」(きょじゃ)という考えがあります。

扶正とは病気にならないために体質を強化すること。袪邪とは病気の原因となる邪気をとりのぞくことです。カラダの調子を整えるための代表的な方法を紹介します。「扶正袪邪」について詳しく知りたい方は、漢方の基礎知識「⑭扶正袪邪(ふせいきょじゃ)とは」を参考にしてください。

正気を補う

病気は、正気が不足し、邪気が盛んになることにより起こります。正気を補うためには、普段からカラダに足りないものを補うことが大切です。正気を高めることにより、病気の原因となる邪気を追い払うことができます。

例えば、気虚は、疲れやすい・やる気が起こらないといった症状が起こります。気虚の方は、食事内容や過労などに注意が必要です。気虚の場合、とうもろこしや長いもなどがおすすめです。カラダが冷えている場合は牛肉・羊肉・えびなどがおすすめです。

邪気からカラダを守る

病気を防ぐためには、病気の原因となる邪気を除去することが大切です。病気の原因には、自然界が影響をおよぼす外因、精神的な感情で起こる内因、食べ過ぎや飲み過ぎなどで起こる不内外因があります。

外因のひとつである風邪に対しては、「辛涼解表(しんりょうげひょう)」という治療法があります。これは、辛味によってカラダの邪気を発散し、カラダの熱を冷ます食材で熱をとる方法です。食材では、ごぼう・ミントなどがあります。季節の陰陽に合わせることも養生の基本です。健康を維持するためには、季節の陰陽に合わせた食材を利用することが大切です。

カラダの陰陽のバランスを整えるためには、その時の精神状態や体調に合わせて養生することが大切です。 食材について詳しく知りたい方は「薬膳食材図鑑」を参考にしてください。

蕁麻疹の原因を理解し、医師と相談をして漢方を取り入れよう

蕁麻疹は、食べ物やストレス、気温の変化などさまざまな要因が関係して起こる症状です。原因が特定できる場合もありますが、明確な原因がわからないケースもあります。

洋医学ではアレルギー反応や炎症との関連が重視されますが、漢方では体質やカラダ全体のバランスを踏まえて捉えます。症状や体質に合った漢方薬を選ぶことが重要です。

蕁麻疹が続く場合や症状が気になる場合は、医療機関で相談しながら適切な対応を検討してください。

多田有紀 兵庫県在住。医療機関、薬局、IT企業での勤務経験を経て、2015年にライターとして独立。体の不調を感じたことをきっかけに、漢方・薬膳に興味を持つ。現在は、ライターとして活動をしながら、漢方薬膳の知識を活かしたコンサルタント業務や、ワークショップ・初心者向け講座などを実施。特に女性の体に関する悩みに寄り添った活動を行っている。

実績:クラシエ薬品株式会社主催「KAMPO OF THE YEAR 2024」にゲストとしてトークショーに登壇 執筆書籍:「カラダのために知っておきたい漢方と薬膳の基礎知識」(淡交社)

X:https://x.com/sora_writer オフィスかなで:https://officekanade.com/

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