漢方薬名解説

一般的に「肌トラブル」に使われる漢方薬

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

目次

「十味敗毒湯」はこんな方に!

「水」が滞るタイプ

  • 急にじんましんや湿疹が出た方
  • 膿をもつような皮膚疾患ができたばかりの方

「十味敗毒湯」はどんなふうに効くの?

「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」は、患部が湿潤型でじゅくじゅくしているときに、肌をふさいでいる余分なものを出すとともに、「水(すい)」や熱を発散させて、肌を正常にしていく処方です。この薬は、有名な江戸の医者、華岡青洲が中国の処方を応用し、日本人向けに創った薬として広く使われています。


漢方用語解説
飲食物中の水分を消化吸収によって人の体に必要な形にして体をうるおすもの

配合されている生薬は?

  • 柴胡(さいこ)
  • 桔梗(ききょう)
  • 川芎(せんきゅう)
  • 茯苓(ぶくりょう)
  • 連翹(れんぎょう)
  • 桜皮(おうひ)
  • 防風(ぼうふう)
  • 独活(どくかつ)
  • 甘草(かんぞう)
  • 荊芥(けいがい)
  • 生姜(しょうきょう)

漢方的考え方で肌トラブルを分析

漢方では、何らかの原因で肌がふさがれ、「水(すい)」と熱が正常に排泄されないと、肌トラブルが起こると考えます。

肌の中に「水(すい)」が多過ぎるとじゅくじゅくとした症状になり、少な過ぎると乾燥します。これが、肌の乾燥、かゆみ、肌あれなどを起こします。また、熱が多くなると、上のほうに上がろうとするため、顔に熱がこもる結果、肌トラブルが起こります。 さらに、多過ぎる熱は「水(すい)」をどんどん逃がしてしまい、肌が乾いてしまいます。乾いた肌は、外からの刺激に弱くなり、肌トラブルが起こりやすくなったり、繰り返したりします。これにより、口内炎や赤みのある皮膚炎が起こるのです。

肌がふさがれる原因は、ほこりなどの汚れ、不十分なメイク落とし、雑菌や毒素などさまざまです。虫さされも、虫の毒素によって肌がふさがれ、熱がたまっているため赤く腫れると考えます。

さらに、「水(すい)」や熱が一箇所にとどまり続けると、それが邪魔になって体の中をめぐっている「血(けつ)」が滞ります。「血(けつ)」が滞ると、肌に栄養分がいきわたらなくなるので、さらにほかの肌トラブルもまねいてしまいます。とくに、シミは「血(けつ)」が滞ったサインと考えられています。

また、通常、熱を産む「気」は、夜寝ている間に「血(けつ)」が冷ましてくれますが、これがうまくできないと「気」が亢進し続けてしまいます。寝不足になると口内炎になりやすいのは、これが原因と考えられます。


漢方用語解説
目に見えないが人の体を支えるすべての原動力のようなもの
全身の組織や器官に栄養を与えるもの


症状・悩みから選ぶ‐「肌トラブル」

漢方薬での肌トラブルの治し方

肌がふさがり、「水(すい)」と熱が正常に排泄されないことが肌トラブルの原因と考える漢方では、肌がふさがっていることで生じた余分な「水(すい)」と熱のバランスを整えることで対処します。肌がふさがっている原因をとり除くことですぐに対処できる症状もありますが、「水(すい)」と熱のバランスが乱れている場合、「水(すい)」と熱は正反対の性質をもっているので一度に対処するのは難しく、少し時間をかけながら正常な状態に戻していくことが多くなります。

「十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」は、できものや急性で発赤し、腫れて痛みのある化膿性の皮膚疾患、アレルギーなどによる皮膚炎、湿疹、じんましんなどかゆみや熱をもったり化膿したりするおそれのある皮膚疾患に広く使われています。


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