漢方薬を選ぶ

肌トラブル

目次

あなたの肌トラブルのタイプをチェック!

疲れていると肌がくすんで見える、といった経験をしたことはありませんか? 肌が体の調子を反映することは、なんとなく経験で知っていますよね。漢方は、このような体の内側からくる肌トラブルに対処します。顔のにきびやシミ、肌あれ、じんましんといったものは外から見えやすいため、気になってしまうもの。しみて痛い口内炎も、早めに対処したいですね。

漢方では、肌トラブルが起きている部位だけではなく、肌全体や体質まで含めてタイプを判断します。まずはあなたの肌トラブルのタイプをチェックしてみましょう。よりチェックの多いほうがあなたにおすすめの処方です。ェックが同じ数の場合は、一番気になる症状があるものを選んでください。


「血」のめぐりが悪いタイプ

  • 桂枝茯苓丸料加薏苡仁のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

しみ、ニキビを体の中から改善したい方におすすめする漢方処方

桂枝茯苓丸料加薏苡仁 第2類医薬品

桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)


比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:にきび、しみ、手足のあれ(手足の湿疹・皮膚炎)、月経不順、血の道症
(注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。



一般的に「肌トラブル」に使われる漢方薬
「桂枝茯苓丸料加薏苡仁」の解説を見る


カサカサしてかゆいタイプ

  • 当帰飲子のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

カサカサした肌のかゆみ、湿疹におすすめする漢方処方

当帰飲子 第2類医薬品

当帰飲子(とうきいんし)


体力中等度以下で、冷え症で、皮膚が乾燥するものの次の諸症:湿疹・皮膚炎(分泌物の少ないもの)、かゆみ



一般的に「肌トラブル」に使われる漢方薬
「当帰飲子」の解説を見る


肌あれタイプ

  • ヨクイニンのイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

肌あれの方、イボのある方におすすめする生薬製剤

ヨクイニン 第3類医薬品

ヨクイニン(よくいにん)


いぼ、皮膚のあれ



一般的に「肌トラブル」に使われる生薬製剤
「ヨクイニン」の解説を見る


「水」が滞るタイプ

  • 十味敗毒湯のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

化膿性皮膚疾患、湿疹のある方におすすめする漢方処方

十味敗毒湯 第2類医薬品

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)


体力中等度なものの皮膚疾患で、発赤があり、ときに化膿するものの次の諸症:化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、湿疹・皮膚炎、水虫



一般的に「肌トラブル」に使われる漢方薬
「十味敗毒湯」の解説を見る


肌がざらつくタイプ

  • コイクラセリドのイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

二の腕や太ももなどのさめ肌、肌のざらつきにおすすめする生薬製剤

コイクラセリド 第2類医薬品

コイクラセリド(こいくらせりど)


いぼ、さめ肌、ソバカス、肌あれ



一般的に「肌トラブル」に使われる漢方薬
「コイクラセリド」の解説を見る


赤みのある皮膚炎タイプ

  • 温清飲のイメージ
  • こんな症状に心当たりはありませんか?

肌の赤み、かさつき、かゆみにおすすめする漢方処方

温清飲 第2類医薬品

温清飲(うんせいいん)


体力中等度で、皮膚はかさかさして色つやが悪く、のぼせるものの次の諸症:月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症、湿疹・皮膚炎
(注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。



一般的に「肌トラブル」に使われる漢方薬
「温清飲」の解説を見る

肌トラブルの原因は?

肌のはたらき

人間の皮膚の重さは、皮下組織を含めると約9kg、面積は1.6㎡もあり、体の中でも大きな器官です。人体と外界の境として存在していますが、さまざまなはたらきがあります。
肌は、細胞でできた層がいくつも重なった構造をしています。肌細胞の間には水分があり、これが適度であれば肌は良い状態を保てます。肌表面からは、人間には感じられない程度にわずかずつ、水分が蒸散しています。水分を適度に含んだスポンジのように、水分が適度に逃げることによって、肌全体がうるおっていくのです。また、肌から水分を蒸発させたり、汗をかいたりして体温調節する役目もあります。
このように、肌は、水分や熱をはじめ、さまざまなものを排泄するという役割をもった器官なのです。


肌のはたらきイメージ
肌トラブルの理由は?

にきびやシミ、肌荒れ、じんましんといった肌トラブルの原因は、外側からのものと、内側からのものがあります。外側からのものは、さまざまな刺激です。乾燥や紫外線、虫さされなど、肌に刺激が加わって炎症が起こります。また、状態が悪くなると、細菌などによって化膿してしまうこともあります。一方、内側からのものは、偏食、ストレス、睡眠不足などがあります。
肌は、正常な状態であれば細胞が規則正しく並び、水分や脂分などが適度に含まれています。肌細胞には、血管を通して栄養素が運ばれます。ところが、疲れたり血行が悪くなったりして栄養素がきちんと運ばれなかったり、ホルモンバランスの乱れから皮脂の分泌量が変わったりすることで、肌は良い状態を保てなくなります。また、良い状態でない肌は、外からの刺激を受けやすくなります。
肌トラブルの原因はひとつではなく、さまざまな要因が重なって起こるといえるでしょう。
また、口内炎も肌トラブルのひとつです。口の中や口の周りに起こる炎症を総称して、「口内炎」といいます。口は食事や会話をするときなど、日常的に外部に接する機会が多いため、トラブルが起こりやすい部位です。
口内炎には、歯ぐきにできる歯肉炎や口角にできる口角炎など、さまざまな種類がありますが、一般的にもっとも多く見られるのが、「アフタ性口内炎」です。丸くて白い潰瘍が口の中に発生し、触れると痛みを伴います
口内炎の主な原因は、偏食による鉄分やビタミンの不足、ストレスや睡眠不足などさまざま。パッチや軟膏などで一時的な対処をすることも可能ですが、繰り返す場合などは内服薬で対処するほうが良いでしょう。
ほかに、肌トラブルとしては、かゆみをともなう湿疹が、反復的に症状として生じるアトピー性皮膚炎がありますが、原因は食べ物、環境、細菌・真菌などさまざまです。アトピーの診断基準は、日本皮膚科学会によると、かゆみ、特徴的な皮疹とその分布、慢性・反復性の経過で、この3つすべてが当てはまるものをいいます。





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    肌が気になる方のレシピのイメージ

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肌トラブルQ&A 漢方のギモンを解決!

Q 皮膚疾患に使う漢方薬をのむときに、何か生活上のアドバイスってありますか?
A 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)」をのむような、かゆみの強い皮膚疾患のある方は、ぬるめのお風呂でやさしく洗うなどして皮膚を清潔に保つ、かゆみを増す可能性がある刺激物やアルコールの飲食を少し控える、皮膚に強い刺激を与えないように直射日光は避けるなどの対策をすることをおすすめします。「桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)」をのむ方は、肌を荒らさないために、睡眠を十分にとり、日頃から体を冷やさないようにすることが大切です。
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