目次
- 立ちくらみとは?
- 【年代別】女性の立ちくらみで考えられる原因
- 立ちくらみが起きたとき、その場でできる対処法
- 立ちくらみが続くときは何科を受診する?
- 立ちくらみが気になるときに日常で意識したいこと
- 立ちくらみの原因を知り、早めの対策につなげよう
立ち上がったときの立ちくらみは、血圧が急に下がり、脳への血流が一時的に減ることで起こる場合があります。
女性の立ちくらみは、年代やライフステージによって背景が異なります。月経のある世代では鉄不足や貧血、妊娠中は血液量の変化、更年期ではホルモンバランスの変動が影響することも少なくありません。
本記事では、立ちくらみ・めまいの要因を年代別に整理し、日常生活で見直したい対処法と受診を検討したい目安を紹介します。
立ちくらみとは?
立ちくらみとは、立ち上がったときに目の前が暗くなったり、カラダがふらついたりする症状を指します。急に立つと血圧が下がり、脳への血流が一時的に減って起こることがあります。
一時的な症状でおさまる場合もありますが、繰り返す場合や失神を伴う場合は注意が必要です。立ちくらみの背景には、血圧低下のほか、貧血や脱水、体調不良などが背景に隠れている場合もあります。
【年代別】女性の立ちくらみで考えられる原因
女性の立ちくらみは、年齢やライフステージによって関係する要因が異なります。年代別で考えられる原因は、以下のとおりです。
- ● 10代|思春期特有のカラダのバランスの乱れ
- ● 20代・30代|妊娠・出産と月経関連の鉄不足
- ● 40代・50代|更年期のホルモン変動と婦人科系の不調
- ● 60代・70代・80代|血圧調節機能の変化と服薬の影響
年代別の分類は、立ちくらみの原因を自己判断するためのものではありません。症状が続く場合や、倒れそうになるほど強い場合、動悸や息切れを伴う場合は注意が必要です。
10代|思春期特有のカラダのバランスの乱れ
10代の立ちくらみでは、思春期に起こりやすい「起立性調節障害」が原因となるケースがあります。起立性調節障害は、自律神経の働きが乱れ、立ち上がったときに脳への血流が減ることで、立ちくらみやめまいが生じます。
思春期に発症しやすく、朝に症状が強く出ることで、遅刻や欠席など学校生活に影響することがあります。
症状が続く場合は、怠けや気持ちの問題と決めつけず、医療機関に相談をおすすめします。
20代・30代|妊娠・出産と月経関連の鉄不足
月経がある20代・30代では、鉄不足や貧血が立ちくらみに関係します。月経では経血と一緒に鉄が失われるため、経血量が多い人は鉄不足になりやすくなります。
鉄は、酸素を運ぶヘモグロビンの構成要素です。そのため、鉄が不足すると全身に酸素が届きにくくなり、立ちくらみ、動悸、息切れ、だるさといった症状が現れやすくなります。妊娠中は血液量が増え、産後は出産時の出血によって貧血を招くケースもあります。
40代・50代|更年期のホルモン変動と婦人科系の不調
40代・50代では、更年期に伴うエストロゲンの低下が立ちくらみやめまいに関係しているケースがあります。更年期とは、閉経前の5年間と閉経後の5年の計10年間のことです。
エストロゲンが低下すると自律神経の働きが乱れ、血圧や体温の調整に影響を及ぼします。特に、立ち上がったときに血圧をうまく保てなくなると、脳への血流が一時的に減って立ちくらみやふらつきにつながりかねません。
もし症状が続く場合や、失神しそうになる、動悸や息切れを伴うといった際には、無理をせず医療機関に相談しましょう。
60代・70代・80代|血圧調節機能の変化と服薬の影響
60代以降の立ちくらみは、加齢による血圧調節の変化や、服用中の薬による影響が考えられます。
立ち上がると血液が下半身に集まるため、脳への血流は一時的に減少するのが一般的です。さらに、血圧を調整する働き自体が弱まると、立ち上がった直後に血圧を保ちにくくなり、ふらつきやめまいにつながります。
また、降圧薬や利尿薬などの服用が立ちくらみを引き起こすこともあります。特に複数の薬を飲んでいる人は、ふらつきや転倒に十分な注意が必要です。
立ちくらみが起きたとき、その場でできる対処法
立ちくらみは急に起こることがあるため、症状が出た際はまず転倒や事故を防ぐことを優先しましょう。周囲の状況に合わせて実践できる具体的な対処法は、以下のとおりです。
- 1. すぐにしゃがむか、壁に寄りかかって転倒を防ぐ
- 2. 横になれる場所があれば、足を少し高くして休む
- 3. 冷たい水を少量ゆっくり飲む
- 4. 深呼吸をゆっくり繰り返して、呼吸を整える
- 5. ネクタイ・ベルト・きつい下着は緩める
1. すぐにしゃがむか、壁に寄りかかって転倒を防ぐ
立ちくらみを感じたら、歩き続けず、その場でしゃがみましょう。
壁や手すりが近くにある場合は、カラダを支えて転倒を防ぎます。座れる場所があれば座り、ふらつきが落ち着くまで低い姿勢を保ちましょう。
横断歩道や階段、駅のホームでは、無理に移動すると転倒や事故につながります。立てない場合は周囲の人に声をかけ、安全な場所まで支えてもらいましょう。ふらつきが落ち着いた後も、数分ほど座ったまま様子を見てください。
2. 横になれる場所があれば、足を少し高くして休む
横になれる場所があれば、すぐに横になりましょう。
仰向けになり、バッグや折りたたんだ上着をふくらはぎの下に置いて脚を少し高くします。そうすることで、脚に集まった血液が心臓へ戻りやすくなり、脳への血流を保ちやすくなります。
すぐに上体を起こすと、再びふらつくことがあるため、ふらつきが落ち着くまでは横になり、ベルトや襟元など、カラダを締めつける衣服を緩めましょう。
数分休んでもふらつきが続く場合や、意識がぼんやりする場合は、周囲の人に声をかけ、医療機関への相談や救急要請を検討してください。
3. 冷たい水を少量ゆっくり飲む
汗をかいた後や水分不足があるときは、水を少量ずつ飲みましょう。
一度に多く飲むと吐き気につながることがあるため、コップ1杯程度を目安に、ゆっくり口に含みます。汗を多くかいた場合は、経口補水液やスポーツドリンクで水分と塩分の補給も意識してください。
ただし、経口補水液は脱水時の水分・電解質補給に用いられる飲料です。一度に大量に飲むとナトリウムの摂取量が多くなる場合があるため、少量ずつ飲みましょう。
気分が悪いときは無理に飲まず、座るか横になり、自分で飲める状態になってから口に含むように補給してください。
4. 深呼吸をゆっくり繰り返して、呼吸を整える
しゃがむ、座る、横になるなど安全な姿勢を取ったら、ゆっくり呼吸しましょう。
鼻から息を吸い、口をすぼめてゆっくり吐きます。4秒で吸い、6〜8秒で吐くと、呼吸のリズムをつかみやすくなります。苦しい場合は秒数にこだわらず、3〜5回ほど繰り返しましょう。
胸の痛みや強い息苦しさ、意識がぼんやりする症状がある場合は、周囲の人に助けを求めてください。
5. ネクタイ・ベルト・きつい下着は緩める
立ちくらみを感じたら、座るか横になり、ネクタイ・ベルト・襟元などを緩めましょう。首まわりや腹部の締め付けを減らすと、呼吸がしやすくなります。
外出先では、シャツの第一ボタンを外す、ベルトを1段階緩めるなど、できる範囲で対応します。ふらつきが落ち着くまでは立ち上がらず、座るか横になった姿勢を保ちましょう。
立ちくらみが続くときは何科を受診する?
立ちくらみの症状の悪化を防ぎ適切な治療につなげるためには、症状が現れるタイミングや日頃の状況に合わせて受診先を検討することが大切です。
受診先を選ぶ目安となる主な診療科は以下のとおりです。
- ● 内科・循環器内科|立ち上がったときだけ起きる場合
- ● 婦人科|生理周期に合わせて症状が出る場合
内科・循環器内科|立ち上がったときだけ起きる場合
立ちくらみを繰り返す場合は、まず内科や循環器内科で相談しましょう。起立性低血圧や心臓の働き、貧血、脱水、薬の影響などを確認する必要があるためです。
椅子から立った瞬間や朝起き上がった直後にふらつく場合は、いつ・どの姿勢で・何分続くかを受診時に伝えましょう。降圧薬や利尿薬などを飲んでいる人は、薬が立ちくらみに関係することがあるため、お薬手帳を持参してください。
内科で確認したうえで、必要に応じて循環器内科や脳神経内科、耳鼻咽喉科などへ紹介されます。
婦人科|生理周期に合わせて症状が出る場合
月経前後や更年期に立ちくらみを繰り返す場合は、婦人科へ相談しましょう。月経前の不調や経血量の多さによる貧血、更年期症状が、立ちくらみやめまいに影響することがあります。
受診時は、月経開始日や立ちくらみが出た日、経血量などを伝えます。「月経の数日前にふらつく」「月経2日目に立ちくらみがある」「のぼせや動悸もある」など、症状が出る時期を具体的に整理しておきましょう。
立ちくらみが気になるときに日常で意識したいこと
立ちくらみが気になるときは、生活習慣を見直し、体調のベースを整えることが大切です。普段の過ごし方を見直すことで、脱水や睡眠不足など、立ちくらみに関係しやすい要因に気づきやすくなります。まずは日々のセルフケアをはじめてみましょう。
日常で意識したい主なポイントは、以下のとおりです。
- 1. 水分とミネラルをこまめに補給する
- 2. 鉄分を意識した食事の選び方を取り入れる
- 3. 立ち上がり方をゆっくり意識するだけでも変わる
- 4. 睡眠・起床リズムを整える
- 5. 漢方の考え方を取り入れる
1. 水分とミネラルをこまめに補給する
汗をかいた後や水分不足を感じたときは、こまめに水分を補給を心がけてください。一度に大量に飲むのではなく、起床後、外出前、入浴前後などに分けて、コップ1杯程度を少しずつ飲みます。
夏場や運動後など汗を多くかいたときは、水分と一緒に塩分も失われます。水や麦茶だけでなく、必要に応じてスポーツドリンクで水分と塩分を補いましょう。
2. 鉄分を意識した食事の選び方を取り入れる
鉄不足を感じる場合は、鉄分を含む食品を食事に取り入れましょう。鉄はヘモグロビンの構成要素で、全身へ酸素を運ぶ働きに関わります。そのため、鉄が不足すると、ふらつきやだるさ、息切れにつながることがあります。
食事では、レバーや赤身肉、赤身の魚、あさり、小松菜、大豆製品などを組み合わせましょう。赤身肉に野菜を添える、あさりのみそ汁に豆腐を入れるなど、普段の献立に足す形にすると取り入れやすくなります。
3. 立ち上がり方をゆっくり意識するだけでも変わる
立ちくらみが気になるときは、寝た状態や座った状態から急に立ち上がらないようにしましょう。
立ち上がると血液が下半身に集まり、脳への血流が一時的に減ることがあります。
朝起きるときは、布団の中で一呼吸置き、上体を起こしてから1分ほど座ります。その後、足裏を床につけ、手すりや机に手を添えてゆっくり立ち上がりましょう。
椅子から立つときも、ひじ掛けや机に手を添えながら動くと、ふらついたときにカラダを支えやすくなります。
4. 睡眠・起床リズムを整える
睡眠不足や昼夜逆転が続いている場合は、就寝時刻と起床時刻をそろえましょう。睡眠不足は、自律神経機能や循環器系の機能に影響します。
まずは起床時刻を固定し、休日も平日との差を1〜2時間以内に抑えます。また、朝はカーテンを開けて日光を浴び、夜は強い照明やスマホの使用は控えめにしましょう。
寝る前は部屋の明かりを落とし、眠りやすい環境を整えましょう。
5. 漢方の考え方を取り入れる
漢方では立ちくらみという症状だけでなく、冷えやむくみ、動悸の有無、月経との関係、疲労の程度など全身の状態を総合的にみて処方を検討します。
たとえば、めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸がある方の、神経症、めまい、動悸、息切れ、頭痛には、「苓桂朮甘湯」が効果的です。足腰が冷える方、生理不順がある方など一般的に女性の悩み(月経異常や冷え症など)に伴うめまいや立ちくらみなどがある場合は、「当帰芍薬散」選択肢として考えられます。
ただし、漢方薬は症状や体調、服用中の薬によって適否が異なります。自己判断で選ばず、医師、薬剤師又は登録販売者に相談しましょう。
立ちくらみの原因を知り、早めの対策につなげよう
立ちくらみは、立ち上がった直後の血圧低下だけでなく、貧血や脱水、妊娠、更年期、服用中の薬などが関係することがあります。
ふらついたときは、原因を考える前に転倒を防ぐことが大切です。歩き続けず、その場でしゃがむ、座る、横になるなど、低い姿勢を取りましょう。
また、立ちくらみを繰り返す、失神しそうになる、動悸や息切れを伴う場合は、医療機関に相談することが重要です。漢方薬を検討する場合も、症状や体調、服用中の薬によって適否が異なるため、自己判断で選ばず、医師、薬剤師又は登録販売者に相談しましょう。