大人ニキビは体の内側から改善する。原因・対処法・漢方まで徹底解説

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肌の調子が良くない日が続き、大人ニキビに悩まされて、鏡を見るのが少し憂鬱に感じることはありませんか?もしかしたら、肌が「カラダを休ませてほしい」というサインを送っているのかもしれません。実は、大人ニキビといった肌トラブルの原因はスキンケア不足だけでなく、体の内側の乱れが影響していることも多いのです。ここでは漢方の視点から、大人ニキビの原因・体質別の対処法・おすすめ漢方薬を解説します。

なぜ大人ニキビと肌荒れは同時に起こる?

漢方には「肌は内臓の鏡」という考え方があります。これは、カラダの内側で起きる不調はそのまま肌に現れるという意味です。肌のハリやツヤの低下、乾燥、大人ニキビ、くすみ、肌荒れといったトラブルの原因は、カラダの表側の要因だけでなく内側にもあると考えられています。漢方では、肌トラブルは以下の内臓機能の働きと関係しています。これらが生活習慣や環境によって乱れると、肌トラブルの原因となります。

  • ・脾(消化吸収):冷たい飲食物の摂りすぎ、食べすぎ
  • ・肝(自律神経・ホルモン):ストレス、月経の乱れ
  • ・肺(皮膚のバリア):乾燥、呼吸器の弱り

これらの働きが乱れると「巡りの悪さ」「熱のこもり」「潤い不足」といった状態になり、大人ニキビや肌荒れなどの肌トラブルを悪化させます。

大人ニキビや肌荒れなどの肌トラブルが起きやすい原因は?

大人ニキビや肌荒れに悩む方には、いくつかの共通点があります。次のような生活習慣や食事、体調など、日々の過ごし方が肌の状態に影響している可能性があります。

  • ・脂っこいもの、味の濃いもの、甘いものをよく食べる
  • ・睡眠不足が続いている
  • ・便秘がち
  • ・胃腸が弱い
  • ・ストレスが多い
  • ・肌に合わない化粧品を使っている

大人ニキビや肌荒れなど肌トラブルの原因と改善法

肌トラブルは、生活習慣やカラダの内側のバランスが崩れることで起こりやすくなります。漢方的に見ると、気血水の乱れとともに、内臓全体の働きが影響している状態といえます。

1.便秘

便秘になると腸内に老廃物がたまり、体内に熱や毒素が蓄積しやすくなります。この蓄積が血行を悪くし、大人ニキビや肌荒れなどの肌トラブルを引き起こします。漢方の視点では、体内に余分な熱がたまることで、吹き出物が現れやすくなるとされています。

【対処法】

  • 常温の水をこまめに飲む
  • 食物繊維を含む食材を摂る:ごぼう、もち麦、切り干し大根
  • カラダを潤す食材を摂る:れんこん、白きくらげ、はちみつ

【ツボ】天枢(てんすう):おへそから指3本分ほど外側、左右それぞれにあるツボです。お腹の調子を整え、便秘・お腹の張り・胃もたれなどに効果が期待されます。

2.女性ホルモン

女性は、月経周期に合わせてホルモンバランスが大きく変化します。この周期の乱れは、大人ニキビや肌荒れを悪化させる原因のひとつになります。漢方では、肝は血を貯蔵し、体内の血流量を調節する働きがあります。女性は特に、月経の調節や心のバランスとも深く関わっています。ストレスやイライラが重なると肝の働きが乱れ、カラダの巡りが滞ることにより、ニキビや肌荒れが起こると考えます。

【対処法】

  • 食べ過ぎを避け、甘い物を控える
  • 肝の巡りを良くする食材を摂る:春菊、柑橘、ジャスミン茶
  • 血の巡りを良くする食材を摂る:玉ねぎ・さば・ちんげん菜

【ツボ】三陰交(さんいんこう):内くるぶしの上の部分から指幅4本分上がったところにあるツボです。女性の不調に良く使われるツボで、月経トラブル、冷え、むくみなどに効果が期待されます。

3.食事

不規則な食事や食べ過ぎ、冷たい飲食物の摂り過ぎは、胃腸に負担をかけ消化吸収の働きが悪くなります。漢方の考え方では、消化吸収を担う脾の働きが弱まると、体内の巡りが悪くなり、肌に必要な栄養が届かなくなると捉えられています。

【対処法】

  • 食事は常温~温かいものを中心にバランスよく
  • 胃腸を整える食材を摂る:山芋、かぼちゃ、さつまいも
  • 余分な湿気をとる食材を摂る:はとむぎ、黒豆、小豆

【ツボ】足三里(あしさんり):膝のお皿の下の外側にあるくぼみから、指4本分ほど下にあるツボです。胃腸の働きを整え、全身の気(エネルギー)を補うツボです。疲れやすい・胃腸が弱いといった不調にも使われます。

その洗顔、逆効果かも?大人の肌に適した洗い方と潤いスキンケア

肌トラブルの原因のひとつに、間違った洗顔法があります。汚れを落とすためにゴシゴシ洗ったり、自分の肌に合わない洗顔料を使ったりすると、肌に必要な潤いが奪われてしまいます。

  • 1.ぬるま湯で洗う熱いお湯で顔を洗うと、肌に必要な皮脂がとれてしまい、肌トラブルの原因となります。
  • 2.肌をこすらない年齢を重ねた肌は刺激に弱く、わずかな摩擦でも肌トラブルの原因になります。ゴシゴシ洗うと汚れが落ちるように感じますが、強い摩擦は肌に強い刺激を与えてしまいます。
  • 3.洗顔料は肌状態に合ったものを選ぶ洗浄力が強すぎる洗顔料は、汚れとともに肌に必要な潤いまで奪ってしまうことがあります。乾燥しやすい大人の肌には、肌への刺激を考慮し、やさしく洗えるタイプを選ぶことが大切です。
  • 4.洗顔後はすぐに保湿をする洗顔後の肌は、水分が蒸発しやすく、乾きやすい状態です。特に大人の肌は、バリア機能が低下しやすいため、乾燥を防ぐためにも、洗顔後はできるだけ早く保湿をすることが大切です。

参考:女性の健康推進室ヘルスケアラボ

外側と内側から整えるWケア。大人肌のための潤いチャージ術

大人の肌をうるおすには、スキンケアだけでなく、カラダの内側を整えることも大切です。大人肌のケアが気になる方は、次の方法を試してみましょう。

・外側:保湿をして油分で整える洗顔後の肌は水分が急速に失われるため、まずは化粧水でしっかり水分補給を。その後、乳液やクリームでフタをして、うるおいを逃がさないようにします。

・内側:潤いや巡りを良くする漢方では、肌トラブルは脾(ひ)と肺(はい)の働きが関係すると考えます。温かい食材や潤いを補う食材をとることで、カラダの内側から乾燥しにくい状態を作り出すことができます。

大人ニキビ・肌荒れに使われる代表的な漢方薬と生薬製剤

大人のニキビや肌荒れは、スキンケアだけでは改善しにくい場合があります。肌トラブルは、表面的なケアだけでなく、カラダの中からも改善を働きかけることが大切です。自分の体質や症状に合った漢方薬や生薬製剤を選びましょう。

■ 桂枝茯苓丸料加薏苡仁(けいしぶくりょうがんりょうかよくいにん)比較的体力があり、のぼせや冷えが気になる方の月経不順、しみ、にきびなどに使われる漢方薬です。「血(けつ)」の巡りを整えることで、しみや手足のあれを改善します。

■ ヨクイニン肌荒れ、キメの乱れ、化粧ノリの悪さが気になる方のいぼ、皮膚のあれに使われる生薬製剤です。新陳代謝を整えることで、古い角質の排出を促し、皮膚のあれに効果が期待されます。

■ 調胃承気湯(ちょういじょうきとう)体力中程度で、便秘でおなかの張り、おならが多い方の便秘、痔に使われる漢方薬です。体に熱がこもると便が滞りやすくなるため、「気」の巡りをスムーズにし、余分な熱を冷ますことで便秘を改善します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 大人ニキビはスキンケアだけで治りますか?
A1. カラダの内側の原因が関係しているため、生活習慣の見直しや、漢方薬の併用が効果的な場合もあります。漢方薬は、体質や症状によって適するものが異なります。
Q2. 便秘が治るとニキビも良くなりますか?
A2. 腸の熱や毒素の滞りが改善すると肌の調子が整いニキビの改善につながることがあります。ただし、ニキビの原因はひとつではありません。食生活や睡眠、ストレス、ホルモンバランス、スキンケアなど、さまざまな原因があります。
Q3. ストレスが多いときのニキビ対策は?
A3. ストレスが多いときは、巡りが滞りやすくなるため、食事やセルフケアで整えることが大切です。春菊や柑橘類、ジャスミン茶などの肝の巡りを良くする食材や、三陰交(さんいんこう)のツボ押しもおすすめです。
Q4. 冷たい飲み物はよくない?
A4. カラダを冷やす飲食物は、胃腸(脾)を弱らせるため、大人ニキビを悪化させる場合があります。常温か体温に近い飲み物をおすすめします。
Q5. どの漢方を選べば良いかわかりません。
A5. 漢方は体質や症状、カラダのバランスなどを総合的にみるため、自己判断だけで選ぶのは難しい場合があります。体質によって効果の感じ方も異なるため、まずは医師や薬剤師、登録販売者に相談することをおすすめします。

多田有紀 兵庫県在住。医療機関、薬局、IT企業での勤務経験を経て、2015年にライターとして独立。体の不調を感じたことをきっかけに、漢方・薬膳に興味を持つ。現在は、ライターとして活動をしながら、漢方薬膳の知識を活かしたコンサルタント業務や、ワークショップ・初心者向け講座などを実施。特に女性の体に関する悩みに寄り添った活動を行っている。

実績:クラシエ薬品株式会社主催「KAMPO OF THE YEAR 2024」にゲストとしてトークショーに登壇 執筆書籍:「カラダのために知っておきたい漢方と薬膳の基礎知識」(淡交社)

X:https://x.com/sora_writer オフィスかなで:https://officekanade.com/

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