薬膳の役割とは?薬膳で女性ホルモンの乱れからくる不調を乗り越えよう

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薬膳の役割とは?薬膳で女性ホルモンの乱れからくる不調を乗り越えよう

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薬膳は手間がかかり、食材選びが難しいと思われがちです。しかしそうではありません。薬膳とは、その季節や体質に合わせて取り入れる食事方法のことです。「女性ホルモン」からみる体質チェックを参考に自分の体質に合った薬膳ケアをとりいれてみませんか。

薬膳はスーパーの食材でもつくることができる

「薬膳」とは、その季節や体質に合わせて取り入れる食事方法のことです。食材一つ一つに特徴があり、カラダへの効果があると考えます。
例えばレモン。
栄養学で、ビタミンCが豊富でお肌に良いなどの効果があるように、薬膳では、潤いを外に漏れ出さないようにする(収斂)作用がありお肌に良い、と考えます。薬膳の特徴は「人」が主役というところです。
この成分があるから良い食材、と考えるのでなく、冷えが気になる人には身体を温める食材を、熱がこもっている人に熱をとるような食材を使ってメニューにします。
スーパーで手に入る食材でメニュー構成できますし、外食でも選び方によって薬膳の実践が可能です。自分自身をよく観察して「冷えてないか、疲れてないか」など、身体の声を聞くことが大切です。

女性ホルモンの乱れからくる症状、出方は体質と関係!?

例えば生理痛でも、体質によって痛くなる理由が異なります。まずは自分を知る体質チェックをしてみましょう。

巡り不良
・痛みの強い生理痛がある
・生理前にイライラしやすい
・食欲にムラがある
・手足先の末端だけ冷える
・お腹や胸が張りやすい

栄養不足
・シクシク腰が痛むような生理痛がある
・生理前後の不安な気持ちor睡眠の質が落ちる
・立ちくらみ、めまいなど貧血症状がある
・寒がり
・手足や顔が火照る

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女性ホルモンからみる巡り不良タイプの方の薬膳ケア

薬膳や漢方ではカラダの構成成分を気血水と考えます。それぞれが不足したり、停滞するとカラダに不調が現れます。ここでは気・血が巡っていない場合の薬膳ケアをご紹介します。おすすめの薬膳食材を意識して取り入れてみましょう。

気が巡っていない場合

イライラ、食欲が出ない、張っている感覚は「気」が巡っていないことが原因です。ストレスを感じやすい方に多く、呼吸がしづらかったり、なんだかスッキリしないような症状が出やすくなります。好きなことをする時間を増やすことや息抜きをすることが大切です。深呼吸をして「気」の巡りを意識しましょう。

おすすめ薬膳食材:
紫蘇、大葉、パクチー、ミント、柑橘類、
香りの良い爽やかなハーブティーがおすすめです。
ハーブティーのイメージ

血が巡っていない場合

腹痛や生理痛などの強い痛み、手足先だけの冷えは「血」の滞りが原因と考えられます。
血の停滞は不規則な生活が要因となり招きやすいため、血行不良によって肩も凝りやすく、肌荒れもしやすくなります。
食生活を見直す、シャワーだけでなく入浴を、同じ姿勢を取り続けない、などできることから整えていきましょう。

おすすめ食材:
玉ねぎ、青魚、味噌、胡椒、シナモン
スパイスたっぷりのチャイや、コーヒーにシナモンをトッピングするなど普段の飲み物に香辛料をちょい足しするのもおすすめです。
シナモンティーのイメージ

女性ホルモンからみる栄養不足タイプの薬膳ケア

気血の不足はじわじわ、なんとなくといった原因が不明の不調が続きやすく、もともと虚弱体質や体力を消耗しきった方が招きやすい症状です。もし巡り不良にも不足タイプにも当てはまらなかった方でも、月経時だけは気血を養いましょう。のちの不調を予防することができるし、ツヤ感やハリのあるお肌を作るにも必要です。

生活としては、胃腸に負担をかけない食生活を意識し、お腹を温め、夜はゆっくり休んで睡眠の質を良くしましょう。

おすすめ食材:
米、さつまいも、きのこ、デーツやレーズンなど色の濃いドライフルーツ
黒豆茶や小豆茶などほっこりとした自然な甘味がおすすめです。

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女性のカラダは7の倍数で変化する

2000年以上も前に書かれた黄帝内経という書物に、女性は7の倍数、男性は8の倍数でカラダが変化する、と書かれています。薬膳も現代医学的エビデンスというより、長年にわたる多くの臨床例をもって現代にも生かされています。先人の知恵をご紹介します。

・28歳:女性としての身体機能が最も充実する
20代は身体全般の不調が比較的出にくいため、月経時だけでもカラダを温め、血を養い予防する意識が大切です。

・35歳:老化を徐々に意識し始めるころ
気血の停滞を感じる頃です。ストレスを溜め込まず、心地よい時間を作ることが大切です。

・42歳:白髪やしわなど見た目の変化を感じやすい
体力の不足を感じやすくなります。時間にゆとりをもち、末端の血流まで意識しましょう。

・49歳:閉経前後のホルモン変化を感じるころ
女性ホルモンは「血」とリンクします。血流をよくすべく、下半身を温めるようにしましょう。

・56歳:ホルモンバランスが心身に現れやすい
いつもは気にならないことがイライラしたり、落ち込んだりココロに出やすく、筋力の低下も感じやすい頃です。心身一如、ココロとカラダは表裏一体です。体力をつけ心身を強くする意識を持ちましょう。

年齢とともにカラダに変化を感じるのは当然のこと。セルフチェックをしっかりとすることで、日常からケアができます。ご自身にあった食事・運動・お休みを取り入れるとよいでしょう。また、漢方薬などを活用することで気血水のめぐりの良い状態に体質を整えていくこともおすすめです。健康的に、年齢を重ねることを楽しみましょう。

この記事を書いたライター
山口りりこ
ホリスティックビューティアドバイザー
薬剤師、国際中医師、国際薬膳管理師
株式会社kampo lab代表取締役
薬剤師免許取得後、予防医学・体質改善に興味があり、漢方薬局に就職。勉強を重ねるうちに「漢方の良さを多くの方に伝えたい」という想いがつのり2015年に独立。現在は薬膳鍋のプロデュース、食やエステサロンの商品開発、漢方薬店の運営など漢方薬膳に関わる仕事で活躍中。

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