【図解】五十肩・四十肩のストレッチ体操と夜間のラクな体位の工夫

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ある日突然肩に痛みが走り、腕が上がらない。上着の袖に腕を通すのがひと苦労。気づいたら痛みで夜も眠れない…。その症状は五十肩・四十肩かもしれません。

「歳だからしょうがない」とあきらめていませんか?実は動かさずに放置しておくと、日常生活が不便になるばかりでなく関節まわりが固まりやすくなることがあります。

そこで、今回は痛みの予防と回復、つらさ緩和のために今日からできる、簡単なストレッチをご紹介します。

五十肩・四十肩(肩関節周囲炎)はどうして起こる?

五十肩・四十肩(肩関節周囲炎)は、肩の痛みや動かしにくさがみられる状態のことです。原因はひとつではなく、加齢に伴う変化のほか、体の状態が影響する場合もあります。

肩の痛みがある場合で外傷のあとに痛みが続く、安静時や夜間に痛みが強くなる、しびれや脱力を伴う、発熱がみられる場合には注意が必要です。

数週間経っても変化がない場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに医療機関へご相談ください。

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病態の基礎:痛みと可動域制限の特徴

五十肩・四十肩とは、肩関節周囲に痛みや動かしにくさが生じる状態を指し、医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれます。発症する年代によって五十肩・四十肩と呼ばれますが、基本的には同じ状態を指します。

五十肩・四十肩の特徴的な症状は、腕を上げるときの途中で痛みが出て、それ以上上げられなくなることです。これは、肩関節周囲の組織が硬くなって関節の可動域が制限されるためです。

五十肩・四十肩の原因は、加齢や過度な負荷によって肩関節周囲の組織が損傷し、修復過程で癒着や拘縮が起こります。また、血行不良やホルモンバランスの乱れなども影響する可能性があります。

五十肩・四十肩は、自然に治ることもありますが、放置すると日常生活に支障をきたすこともあります。痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤や注射などで対処します。また、温熱療法や運動療法で肩関節周囲の血行を改善し、筋肉の柔軟性を高める場合もあります。

五十肩・四十肩は、整形外科で診断されます。レントゲンやMRIなどの検査で骨折や腱板断裂など他の疾患を除外します。

五十肩・四十肩は、早めに治療を始めることで回復が早まります。肩の痛みに悩んでいる方は、整形外科を受診してください。

五十肩・四十肩のストレッチを始める前に病期と症状を確認

五十肩・四十肩のストレッチを始める前には、現在の状態や症状の段階を把握することが重要です。

一般的に、経過は急性期・慢性期・回復期の3つに分けられ、病期とともに痛みの程度が変化することがあります。とくに急性期は夜間に強い痛みが出る場合があり、無理な動きは控えることが望ましいです。

それぞれの時期によって適した対応が異なるため、段階に応じたケアを意識することが大切です。

急性期=炎症期

急性期=炎症期は、五十肩・四十肩の初期にみられる、炎症が強い時期とされています。安静にしていてもズキズキとした痛みを感じたり、夜間に目が覚めるほどの不快感が出ることもあります。

この段階では、無理に動かすよりも痛みを悪化させないことが重視され、強い違和感を伴うストレッチは控えることが望ましいです。

日常動作も負担の少ない範囲にとどめ、必要に応じて短時間の冷却を取り入れる方法が用いられます。ただし、冷やし過ぎにはご注意ください。

慢性期=拘縮期

慢性期=拘縮期は、強い痛みが落ち着き、肩の動かしにくさやつっぱり感が目立つ時期です。

関節が硬くなりやすいため、無理のない範囲で少しずつ動かしましょう。ストレッチは反動を使わず、ゆっくり行うのがポイントです。

また、入浴後など体が温まった状態で行うと動かしやすい場合もありますが、違和感が強い日は無理をしないようにしましょう。

回復期=解凍期

回復期=解凍期は、徐々に痛みがやわらぎ、肩の動かせる範囲が広がってくる時期です。

日常生活も少しずつ通常に近づきますが、無理のない範囲でストレッチを続けながら、肩を使う動作を段階的に増やしていくことが大切です。

ただし、動かしやすくなったと感じた段階で急に負荷を強めると、再び痛みを感じる場合もあるため、様子を見ながら無理のない範囲で行いましょう。

五十肩・四十肩で無理なく取り入れられるストレッチ体操

肩関節(肩甲上腕関節)を形成しているのは肩甲骨と上腕骨(二の腕の骨)です。その骨をつなぐローテーター・カフ(回旋筋腱板)という筋肉群は、肩のインナーマッスルと呼ばれ、肩関節を安定させる働きがあります。

ローテーター・カフは、腕を使う全ての運動に密接に関係しているため、ひとたび炎症が起こると日常生活はかなり不便な状態になります。痛みが強い急性期は、関節が動かないように固定して安静にしていることがいちばんですが、急性期を過ぎても関節を全く動かさないでいると、筋肉が凝り固まってしまいます。

そのため、五十肩・四十肩のセルフケアでは、「筋肉を動かすこと」が重要です。ただし、誤った動きで痛みを悪化させないよう十分注意して動かす必要があります。

肩関節は「立っている」「座っている」だけでも「腕の重さ」+「重力の負荷」に耐え、腕が抜けないように支え続けていますので、その状態からさらに重力に抗う動き(腕を上げる、重い物を持つ)をすると肩関節に大きな負荷をかけることになります。

そこで、関節に余計な負担をかけずに血行をよくするカンタン体操をご紹介します!

振り子体操(コッドマン)

振り子体操
  • ① 片手をテーブルなどについて上半身を少し前かがみにします。
  • ② もう片方の手をだらんと垂らし、そのまま前後左右に10〜20回程度小さくゆすります。腕の重みと反動がやさしい負荷となります。
  • ③ 無理がなければ円を描く動きにもトライしてみましょう。
  • ④ 痛みがない場合はペットボトルなどを持ち、少し負荷を上げるとさらに強化できます。

振り子体操(コッドマン)は、初期の段階でも取り入れやすい、やさしい動きの体操です。前かがみの姿勢で腕を自然に下げ、重力を利用して小さく揺らすことで、無理のない範囲で関節を動かします。

痛みが出にくい範囲で行うことが大切であり、負担をかけ過ぎないよう意識しながら続けましょう。

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肩甲骨アップダウン(四つん這い)

① 手首が肩の真下にくるよう四つん這いになります。 四つん這いのポーズは腕に重力の負荷をかけずに肩関節を安定させる、ローテーター・カフが休まる姿勢です。手首が痛い人は手を握りグーの状態でカラダを支えるか、手の下に柔らかいタオルなどを敷いて手首を守りましょう。

② 肩甲骨を頭の方へゆっくりと近づけていきます。 その際、肘が曲がらないように注意してください。頭・背骨・骨盤は動かさずに肩甲骨だけを動かすのがポイント。耳と肩が近づくような、首をすくめるようなイメージを持ちましょう。

③ 肩甲骨を臀部の方へと戻していきます。 耳と肩との距離が広がって背骨が伸びていくようなイメージを持ちましょう。

④ ②〜③を5〜10回程度繰り返します。

シンプルな動作のわりに、重力の向き(垂直)と動きの向き(水平)が異なるため難しく感じるかもしれませんが、頭の中で動きをイメージしながら行ってください。

肩甲骨アップダウン(座位)

※四つん這いでの肩甲骨のアップダウン体操が難しいと感じた方向けのバージョンです。

① 椅子に座って姿勢を正し、両手を体側(タイソク)にだらんと垂らします。

② 背骨を動かさないようにして肩をゆっくりと上げていきます。肩が耳の方へ近づくイメージで首をすくめてください。

③ 背骨は動かさずに肩を下げていきます。肩甲骨をズボンのお尻のポケットにしまい込むイメージで耳と肩との距離を広げていきましょう。

④ ②〜③を5〜10回程度繰り返します。

肩甲骨のアップダウン体操(四つん這い)と同じ動作ですが、座位の方が腕の重さの分、負荷が大きくなります。でも、重力の向きと動きの向きが同じため、四つん這いで行うよりカンタンに感じるはずです。

うちわ仰ぎ体操(肩前面の軽い可動域)

うちわ仰ぎ体操は、肩関節の動かせる範囲を少しずつ広げることを目的とした方法のひとつです。

うちわ(なければ薄い本など)を持ち、肘を脇につけて曲げた状態で、前腕を内外に小さく往復させながら動かします。肘の位置を保ちながら、痛みが出にくい範囲で繰り返すことがポイントです。

回数を重ねながら、日常生活でのひねる動作を無理のない範囲で取り入れてみましょう。

壁を使ったストレッチ(前方&外旋)

壁を使ったストレッチは、肩を前方や外側へ動かす練習として取り入れられる方法のひとつです。

壁の前に立ち、指先(人さし指・中指あたり)を壁につけて、壁をのぼるようにゆっくり手を上げていきます。肩がすくむ手前で止め、下ろすときも指を使ってゆっくり戻すことがポイントです。

手を上げられた位置を目印にし、無理のない範囲で少しずつ動かせる範囲を広げていきましょう。

タオルストレッチ(上下・背中まわし)

タオルストレッチは、肩まわりの柔軟性を高める目的で取り入れられる方法のひとつとされています。

タオルを肩幅よりやや広めに持ち、肩甲骨を寄せる意識で腕を頭上へ上げましょう。肩に強い違和感が出る手前で止め、無理のない範囲で動かすことがポイントです。また、手を上げた位置で左右に動かしたり、背中を洗うような動きを加える方法もあります。

回数は様子を見ながら繰り返し、動かしにくい場合はゴムチューブなど、ほかの補助具を使う工夫も取り入れてみましょう。

夜間痛で眠りづらいときの体位とセルフケア

寝返りを打つときに激痛が走り、痛くて眠れないという方は、以下の対策を試してみてください。

抱き枕・タオルで腕を支える

大きめの腹巻きに痛い方の腕を入れてカラダに沿わせるように軽く固定します。腕が必要以上動かず肩関節が安定するため痛みの緩和に役立ちます。

体幹を冷やさない衣類の工夫

パジャマの中の肩部分にタオルを入れてみましょう。肩の固定をすると同時に首から肩にかけての冷えを予防します。

就寝前の軽いセルフケア

就寝前の軽いセルフケアとしては、痛みが出にくい範囲での振り子運動が取り入れられることがあります。前かがみで腕を下げ、小さく揺らすことで肩まわりを無理なく動かしましょう。

また、ぬるめのシャワーを肩や首に当てて温めることで、筋肉の緊張がゆるみ、リラックスしやすい状態につながる場合もあります。いずれも無理のない範囲で行い、日々の状態に合わせて調整することが大切です。

五十肩・四十肩のつらさ軽減を目指す生活の工夫

五十肩・四十肩による不快感をやわらげるためには、ストレッチだけに頼るのではなく、日々の生活の中での工夫も大切です。

ここでは、生活面での工夫を5つ紹介します。体への負担を意識しながら、継続しやすい方法を取り入れていきましょう。

デスクワーク時の姿勢(肘支持)

デスクワークが多い場合は、肩への負担を減らす姿勢の工夫が求められます。

前かがみの姿勢が続くと肩まわりがこわばりやすいため、画面の高さを目線に近づけ、首や肩に無理のない位置に調整してください。肘を机やアームレストで支えることで、肩への負担を軽減しやすくなります。

さらに、同じ姿勢が続かないよう、こまめに立ち上がって軽く体を動かすことも意識します。

寝具・抱き枕で腕を支えて仰向けも試す

睡眠中の姿勢は、肩の負担に影響する要素のひとつとされています。横向きで肩を下にすると違和感が出やすい場合があるため、仰向けで寝る姿勢を試してみましょう。

たとえば、抱き枕やクッションで腕を支えることで、肩への圧迫をやわらげることにつながります。枕の高さも重要で、首の自然なカーブを保てる位置を意識することが、無理のない姿勢づくりのポイントです。

体を冷やさない日常ケア

体を冷やさないケアは、肩まわりのこわばりに配慮した日常の工夫として取り入れられます。冷えやすい環境では、肩に違和感が出やすいため、外出時は首から肩を覆うなどの対策がポイントです。

自宅では、温熱パックなどで短時間温める方法もあり、就寝前やストレッチ前などタイミングを決めると続けやすくなります。ただし、使用時は時間や温度に注意し、無理のない範囲で行うことが大切です。

体調管理の一環として、血行を促進する食事をとる

体調管理の一環として、日々の食事内容を見直すことも工夫のひとつです。温かい汁物などの食事を取り入れることで、体を内側から温め、肩まわりのこわばりを和らげやすい体づくりにつながります。

生姜や長ネギ、シナモンなどの食材を取り入れることで、食生活を整えるきっかけとなります。飲み物では、はと麦茶や小豆茶などを取り入れてみましょう。

こうした取り組みはセルフケアの一環となりますが、感じ方には個人差があることをご理解ください。

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漢方薬を飲む

漢方薬は、体調管理のひとつの選択肢として取り入れられることがあります。漢方の視点では「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」といった、体のバランスや巡りに着目する考え方があり、状態に応じた対応が重視されます。

ただし、用いられる内容は個人の体質や感じている不調によって異なるため、自己判断だけで選ぶのではなく、専門知識のある医師や薬剤師に相談しながら検討することが大切です。

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五十肩・四十肩に関するQ&A

最後に、五十肩・四十肩に関するよくある質問を取り上げ、一般的に知られている内容をもとにわかりやすく整理します。

症状の感じ方や経過には個人差があるため、あくまでひとつの参考として、自分の状態に合わせて理解を深めてください。

ストレッチは毎日やるべき?

ストレッチは、無理のない範囲で毎日継続することが理想的です。まずは、短時間で負担の少ない内容から取り入れてみましょう。翌日に強い痛みを感じる場合はやり過ぎの可能性があるため、回数や時間を調整します。

継続することで血流が促され、動かしたときの痛みがやわらぎやすくなりますが、感じ方には個人差があります。

どれくらい継続すれば?

五十肩・四十肩は経過が比較的長く、短期間で大きな変化を感じにくいことがあります。そのため、ストレッチは無理のない範囲で数週間程度を目安に継続することが大切です。

ストレッチを続ける中で、動かした際の違和感がやわらぐ場合もありますが、感じ方には個人差があります。状態が落ち着いた後も、日常的に軽い運動を取り入れることを心がけましょう。

自己流はNG?

自己流のストレッチは、誤った動かし方により肩まわりへ負担がかかり、違和感や動かしにくさが強まる可能性があります。肩まわりを無理に動かすと、可動域が狭くなる(固まってしまう)要因になることもあるため注意が必要です。

肩の状態は人によって異なるため、他人に合った方法が自分にも適しているとは限りません。ストレッチの方法に不安がある方は、医療機関や専門家へ相談しながら進めると安心です。

痛みが強いときもやる?

急性期のように痛みが強い時期は、無理にストレッチを行わず、まずは負担のかかる動作を避けることが大切です。「固まらないように」と焦って動かすと、肩まわりの違和感が強まる可能性があります。

そのため、肩の痛みが落ち着いてきた段階で、無理のない範囲から少しずつ再開するようにしましょう。温かいお風呂で血行をよくしたり、漢方を活用したりするのもセルフケアのひとつです。

もし、肩まわりの強い痛みが続く場合や、外傷の疑いがある場合は、医療機関へ相談することも検討してください。

改善しないときは?

セルフケアを続けても改善が見られない場合は、整形外科などの医療機関を受診し、必要に応じて理学療法士等に相談をすることが大切です。

長期間可動域が広がらない、または違和感が強まる場合は、別の要因が関係している可能性もあります。肩だけでなく、首・背中・骨盤など全身のバランスが影響することもあるため、状態に応じて専門家の助言を取り入れましょう。

那須久美子

那須久美子

広告会社、大手化粧品会社宣伝部にてCM、雑誌等の広告制作に携わる。 その後フリーランスとしてバレエ講師、ピラティスマスタートレーナー、ヨガセラピスト、介護予防運動指導員として老若男女へ伝える仕事に従事。 企業や官公庁での健康アドバイザーや研修講師も務める。 キャリアコンサルタントとしては講師やカウンセラーの他にオウンドメディアの監修等も担当。

専門領域

  • ・ダンス運動指導(バレエ・ピラティス・ヨガ等)
  • ・キャリア支援(国家資格 2級キャリアコンサルティング技能士)
  • ・介護予防・健康づくり支援(介護予防運動指導員)

HP:https://www.kandworks.com/about

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