寝るだけで痩せ体質に!? 【睡眠コンサルタント・友野なおさんに聞く】 睡眠が変えるあなたのダイエット

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「ダイエットをしよう」と思っても、適度な運動や食事制限ってなかなか続きませんよね…。でも、「睡眠の改善」なら無理なく続けられそうではないですか?実は、「睡眠」の工夫がダイエットに繋がると言われているんです。自身もストレスから睡眠不足や暴飲暴食によって太っていた時期があるという友野なおさんに、睡眠と代謝の関係や、良い睡眠の取り方について教えてもらいました。

なぜ睡眠不足だと太るの?睡眠とホルモンの関係性

「睡眠不足は太る」って、みなさん知っていますか?食欲を亢進させるグレリンというホルモンが増え、逆に満腹中枢を刺激して食欲を抑制するホルモンが減り、食欲が増してしまうということがスタンフォード大学の研究で分かっています。

ペンシルベニア大学の研究でも、睡眠時間が短いと、糖質や脂質といった太りやすい食べ物に対する欲求が高まるという研究結果が報告されています。そのため、寝不足になるとスナック菓子などジャンクフードへの欲求が高まるのです。

また、寝不足の状態だと活動意欲が落ちるため、日中の活動レベルが減ることで消費されるエネルギー量が減少し、余った分は脂肪として体に蓄えられてしまったり、寝不足だと代謝が落ちてしまうということもわかっています。

私が睡眠の研究を始めたのは、自分自身の経験から、睡眠がいかに大事かを知ったからです。以前、様々なことが重なって過度のストレスから睡眠不足が続く時があり、睡眠リズムも明け方3時に寝たり4時に寝たり、無茶苦茶でした。また、太陽光を浴びずにひたすらパソコンに向かっていて、活動量も下がっていました。そのような生活で、暴飲暴食もかなりしていたので、どんどん太ってしまって……。
さらには、重度のパニック障害になってしまい、普通に生活することができないという状況になってしまいました。そこで、まずは「夜はちゃんと寝る」という生活習慣の改善を行いました。

すると、痩せようという目的ではなかったにも関わらず、1年たったときには10kgぐらい痩せていたんです。パニック障害も落ち着いたので、睡眠に興味を持って勉強し始めたところ、太ったことや不調の原因が「睡眠」に関係していたということに行き着きました。科学的な知見からのエビデンスも理解できるようになって、「眠らないと暴飲暴食をしてしまって太る」という研究の結果に合点がいきました。
さらに、睡眠が乱れていると、パニック障害やうつといった脳神経学的な疾病のリスクが高まるので、睡眠を整えていくことで軽減できたのかと思っています。

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大人は夜にまとめて眠ることが重要!

それでは「睡眠の質を高めた方がいい」のか「睡眠時間を長くとる方がいい」のか、どちらが良いのでしょう。

健康体を維持するためには、両方とも大事ですが、ダイエットに関連する睡眠の研究として多いのは「睡眠時間」についてなので、まずは睡眠時間の確保というところをスタートラインとして考えるといいでしょう。睡眠時間を確保できる1日のスケジュールを組んだ上で、さらに上質な睡眠を取るための工夫を取り入れていただければと思います。

赤ちゃんや幼児などは、1日の間に短時間の睡眠を何回も取ることが、夜に取るまとまった睡眠の代わりになるという“多相性睡眠”をしますが、大人は“主睡眠”といって、夜にまとめて取ることが重要です。そのため大人は、お昼寝は20分程度にして、それ以外の睡眠は分断して取らない方が健康的です。

高齢になると途中覚醒が起こりますが、お手洗いにちょっと起きてもまたすぐ眠れるのであれば、そんなに気にしなくてもいいのです。年齢が上がれば上がるほど、深い睡眠の出現率も減るのは事実です。白髪が出たり老眼になるといったことと同じで、眠れなくなってくるというのは一種の老化現象ですから、あまり気にしすぎないほうがいいでしょう。しかし、日中の生活に支障が出るほど、日中に眠くて眠くて仕方がないというなら、睡眠外来でしっかりと治していくことが必要になります。

睡眠五感の「視覚」は光と色、「聴覚」はタイマーを利用する

睡眠の時間を確保する、またその質を高めるためのポイントをご紹介します。私は、視覚・聴覚・嗅覚・温熱感覚・触覚の五つの感覚を一つずつ丁寧にアプローチすることで、「ストンと眠って、朝まで熟睡」できるようになる『睡眠五感』を推奨しています。

・視覚

光と色が重要ということです。朝と昼は、白くて明るい光のもとで過ごしていただくこと。この白くて明るい照明の最たるものが太陽なので、なるべく朝や昼は太陽をたっぷり浴びることが大切です。

そして、夜になったら、やや暗めの暖色系の照明のもとで過ごしていただく。そういう光のメリハリが大事です。

就寝中の光については(諸説あるのですが)、できれば暗ければ暗いほうがいいといわれています。本当に小さな豆電球、細いローソク3本~5本分ぐらいのわずかな明かりでも、一晩中ついていると肥満率が2倍高くなるとか、うつ病のリスクが2倍高くなるという日本人対象の研究も出ています。もし、真っ暗が苦手という場合でなければ、より暗いほうがいいでしょう。

例えば、夜中に何度も起きる高齢者や妊婦さん、小さなお子さんがいる方、介護で夜中に起きなければいけない方、あるいは地震が怖くて真っ暗が不安で眠れないという方もいます。そういう場合は、コンセントに差し込むセンサー型の照明なら、動くと足元の床だけがふわっと明るくなって安全性が担保されるので、おすすめです。

・聴覚

寝ているときの音も重要です。無音だと眠れないという方は、眠りにつきやすい音を1時間ぐらいのタイマーにして小さく流すといいでしょう。眠りにつきやすい音としては、クラシックならばモーツァルトとか、雨の音のような自然界の普遍的な音がおすすめです。また、ヒーリング音楽も効果的です。ただ、寝付いた後も流れっぱなしにしないようにすることがポイントです。

「嗅覚」「温熱感覚」「触覚」は自分がリラックスできることが重要

・嗅覚
香りも睡眠に関係します。例えば、ラベンダーだと不安感を解消して睡眠の質を良くするというデータがある一方で、本人の好きな香りでないとリラックス効果は得られないという結果もあります。エビデンス的には、シダーウッド、ヒノキ、ベルガモット、オレンジスイート など、ラベンダー以外にもいろいろあるので、その中で自分が好きな香りを選んでいただきたいです。

並んで寝るパートナーが、香りは苦手というなら、自分の枕にだけピローミストを吹きかけたり、ロールオンタイプのもので手首、デコルテのところに付けて、自分だけがふわっと感じられるようにすれば、パートナーなどにも影響が少ないと思います。

・温熱感覚
日本は季節によって寒暖差があるので、それぞれの季節に合わせた対応というのが必要です。夏に関しては、28℃を超えると寝苦しくなることが分かっているので、自分の寝ているベッドの高さに小さな温湿度計を置き、温度が22〜27℃になっているか、湿度が55%前後になっているかを確認してください。

冬は10℃を切ると睡眠に悪影響があるといわれているので、大体、16℃から22、23℃ぐらいになるように、暖房を使っていただきたいと思います。

ただ、「温度を●℃で設定してください」と言っても、家が鉄筋コンクリートのマンションなのか、木造の一戸建てなのか、マンションの角部屋なのか、両側に部屋があるのかで全然変わってきますから、あくまでご自身が寝ているベッドの高さで確認するのがポイントです。

パートナーや家族と同じ寝室の場合、夏は暑がっている人に温度を合わせると、寒すぎて寝られない人という声をよく聞きます。例えば、筋肉の多い男性や小さな子は体温が高いので、寝ている間に大量の汗をかいたりしますよね。

そんな時は、暑がっている人に合わせて温度を低めにして、寒い人の足元に薄手の羽毛布団を用意して、寒い時にはそれをかけるといいでしょう。また、長袖長ズボンのパジャマにして、極力肌の露出を控えることです。

・触覚
安眠というのは、本人がいかにリラックスできているかということが、重要なファクターになるということを覚えていてください。

横向きに寝ると、顔の半分ぐらいが枕に触れることになります。パジャマも自分の全身にダイレクトに触れるものです。タオルケットなどもいろんな素材があって、肌触りなど人によって好みが分かれます。まずは自分が触って安心する素材、心地いいと思える素材のものを選ぶことが大事です。

睡眠美容という観点からは、シルクが圧倒的におすすめです。しかし、パイルのタオルケット素材が好きな方で、ツルツルするシルク素材は苦手という方もいます。そういう場合は、まずは自分が心地いい、気持ちいいなと思える素材のものを選んでいただくとよいでしょう。

『睡眠五感』を実践していくことで、暴飲暴食が止んだり、体重が減っていったりするだけでなく、心身ともに元気になっていくはずです。ぜひ、実践してみてください。

友野なお

友野なお

プロフィール
睡眠コンサルタント、株式会社SEA Trinity代表取締役、千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学博士課程、順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科 修士、日本公衆衛生学会、日本睡眠学会会員、産業心理カウンセラー。

Website:
http://tomononao.com/

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