【漢方の視点で解説】物忘れと老化の関係性と予防ポイント 

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ちょっとしたことが思い出せない「物忘れ」。年齢を重ねるごとに気になり始める方も多いですよね。物忘れはどうして起きるのでしょうか?・・・物忘れは、脳が健全に働いていないときに起きやすくなります。つまり、「脳の機能が正常で、かつ、脳の活動に必要な栄養(血)が十分に巡っている状態」ではないときに物忘れが起こりやすくなるのです。そのメカニズムを漢方の考え方である「五行の柱」から解説します。

物忘れのメカニズム~脳を支える五行の柱「心」と「腎」

五行の柱とは、カラダのあらゆる“機能”や“役割”また“臓腑”や“部位”をざっくりと、五臓の「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の5つに分けた、カラダを支える5つの柱。(詳しくは、「漢方の基礎知識-五行の物差し」をご覧ください。)漢方では、「心は神を蔵し神明を主り、腎は精を蔵し脳に通じる」といわれて、“「心」が脳をコントロールし、「腎」が脳を支えている”という意味で、健全な脳の働きには、この「心」と「腎」の2つのサポートが欠かせないと漢方では考えています。それでは、「心」と「腎」がどのように脳に影響しているのか解説します。

物忘れのメカニズム~脳をコントロールする「心」の役割

五行の「心」の柱は「脳(大脳皮質・高次中枢)や精神活動をコントロールする役割」や「血液循環と拍動をコントロールする役割」があると考えられています。 そのため、私たちの意識や思考、判断、また、記憶などの脳の重要な働きは「心」の働きと連動し、「心」の栄養と機能が正常であれば脳は健康的に働けます。しかし、何らかの原因で「心」に不具合が生じると、脳も影響を受け、健全に働きにくくなり、そのことで、記憶力の低下、思考力、判断力の低下などを招き、ちょっとしたことが思い出せない「物忘れ」などの症状が起こりやすくなります。 特に栄養である「血」は「心」の働きを維持する上でとても重要な存在です。「血」が不足すると「心」が十分に滋養されず、機能が低下し、物忘れ以外にも、頭のふらつき、眠りが浅い、夢を見やすいなどのトラブルを引き起こしやすくなります。 <「心」が原因で起こりやすいトラブル> □記憶力の低下 □思考力や判断力の低下 □頭のふらつき・めまい □眠りが浅く、よく目覚める □夢をよく見る □動悸・息切れ □舌がしみる・痛い □心が落ち着かない(精神不安・煩躁感など)

物忘れのメカニズム~脳を支える「腎」の役割

「腎」の柱は、「生命力を貯蔵する役割」や「生殖や成長発育、老化をコントロールする役割」さらに「水分代謝を調節する役割」があると考えられています。 漢方では老化には「腎」の弱りが大きく関係していると考えています。「腎」が弱ると老化は進み、逆に「腎」が元気で強いと老化も緩やかになると考えており、老化対策には「腎」の強化が欠かせません。 これは“「腎」が老化をコントロールする”という重要な役割も担っているためで、脳の老化も例外ではありません。「腎」が弱ると脳を支えきれなくなり、脳の衰えにつながります。そのため、老化とともに物忘れが起こりやすくなるのです。「腎」の弱りは、老化だけではなく、慢性疲労や虚弱体質、長期間にわたる病気など体力の低下が原因でも起こります。年齢に関係なく物忘れなどが起こるのはこのためです。 「腎」の弱りを放っておくと、物忘れを始めとする脳の衰えだけでなく、それ以外の腎のトラブルも起こりやすくなります。 <他にもたくさん!「腎」が原因で起こりやすいトラブル> □知能の減退 □認知力の低下 □老化または発育不全 □動作が遅い・鈍い □足腰が弱い・下半身に力が入らない □疲れやすい・体力の低下 □尿漏れ・頻尿・夜間尿が多い(夜尿症) □耳が聞こえにくい □耳鳴り □老眼 □白髪・髪の毛が抜けやすい □骨がもろい・骨折しやすい □カラダが冷えやすくなる

物忘れの予防 ~「心」と「腎」を強くするポイント~

「心」と「腎」を強化することもまた、物忘れ対策をしていく上でとても大きなポイントです。早いうちから「心」と「腎」を強化し健全な脳の働きを保つことで、物忘れを始めとする脳のトラブルを未然にケアしましょう。

「心」を強くするポイント

1)ストレスをためない 「心」に悪影響を及ぼす要因はさまざまありますが、中でも過度なストレスは「心」の大きな負担になります。ストレスを溜め込んだままでいると、どんどん「心」が疲弊する原因に。特に舌先が赤い、ヒリヒリすると感じる方は要注意!漢方の世界では、これらはストレスが原因で「心」が悲鳴をあげているときに出やすいサインだといわれています。1日1回、適度にストレスを発散して「心」の負担を軽減しましょう。 2)良質な睡眠を心掛ける 漢方では“睡眠は心を休め養う時間”と考えています。毎日の「心」の疲れをその日にしっかりリセットすることもとても大切です。良質な睡眠をとることで、「心」がしっかり休まるだけでなく、栄養が補充され「心」が養われます。 ゴールデンタイムといわれる22時~翌朝2時までの睡眠はカラダの修復にとってとても大切な時間帯。できるだけぐっすり眠れるように工夫しましょう。 3)「心」を強くする食べ物 「心」を強くする食べものでさらに強化しましょう。薬膳では「心」を養う“養心を助ける食べ物”をおすすめしています。 <養心を助ける食べ物> 小麦 蓮の実 竜眼 あん肝 ひじき 豚の心臓、ウーロン茶 紅茶 コーヒー トマトケチャップ 出典:現代の食卓に生かす「食物性味表」日本中医食養学会編集 国立北京中医大学日本校監修 より

「腎」強くするポイント

1)疲れをためない 疲労は、「腎」を弱らせる一番の原因です。一日の疲れはその日にしっかりリセットしましょう。良質な睡眠もさることながら、入浴も疲労回復には効果的。しっかり湯船につかって疲れをとるように心掛けましょう。 2)カラダを冷やさない 「腎」を弱らせる、もうひとつの原因が“冷え”です。特に下半身の冷えは「腎」に大きな負担をかけます。寒い冬はもちろんのこと暑い夏でも冷房などでカラダは冷えやすくなります。できるだけ冷やさないように工夫しましょう。冷え症でお困りの方は早めに改善を。冷え症にもさまざまな原因があります。あなたに合った改善法を実践しましょう。 3)腎を強くする食べもの 「腎」を強くする食べもので、さらに強化しましょう。薬膳では「腎」を補う“補腎を助ける食べ物”をおすすめしています。 <補腎を助ける食べ物> 黒豆 小麦 カシューナッツ 栗 黒胡麻 えごまの葉 枝豆 カリフラワー にら キャベツ ブロッコリー マッシュルーム 桑の実 プルーン ぶどう ブルーベリー いとより うなぎ えび 貝柱 さざえ さより ししゃも すずき スッポン たい どじょう なまこ まながつお 烏骨鶏の肉・卵 鶏のレバー 豚肉 出典:現代の食卓に生かす「食物性味表」日本中医食養学会編集 国立北京中医大学日本校監修 より いかがでしたか?これらのポイントは日々意識し実践することが大切です。さらに生薬の力を借りるという方法もあります。「オンジ(遠志)」という生薬は温めながら心の気血を補い、心を安定させます。そして心の機能を正常にし、物忘れを改善します。 まだ、大丈夫だから…と安心せず、早い段階から「心」と「腎」を弱らせないように気をつけましょう。

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