不快な夏を快適に過ごす夏バテ対策とは?あなたの体質に合わせて養生やハーブにチャレンジ

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不快な夏を快適に過ごす夏バテ対策とは?あなたの体質に合わせて養生やハーブにチャレンジ

目次

漢方では、夏は、五臓の心の働きが活発になる季節と考えます。また、湿度が高いため五臓の脾にも影響を与えます。夏を快適に過ごすためには、心と脾を補う生活を送っていきましょう。
中国の医学書「黄帝内経素問」(こうていだいけいそもん)には、「心」の健康を維持するためには夏は感情を穏やかにし、怒ってはいけない。気持ちをおだやかにすることが大切であると書かれています。また、生命を維持するために大切な「脾」を正常に保つことも大切です。今回は、夏バテ解消法について紹介をします。

夏の湿邪と暑邪からカラダを守るためには

夏バテを防ぐためには、夏の外からくる邪気「湿邪」と「暑邪」からカラダを守ることが大切です。湿邪と暑邪はカラダに次のような影響を与えます。

湿邪:湿気は五臓の脾(胃腸)に影響を与えます。湿邪は湿気や水分が多いため、むくみや下痢など下半身の不調があらわれます。
暑邪:暑さは五臓の心に影響を与えます。暑邪は汗をかきすぎたり、喉が渇いたり、息切れを起こしたりします。
湿邪と暑邪からカラダを守るためには、それぞれの体質に合った対策が必要です。

五臓について詳しく知りたい方は、「漢方の基礎知識「五臓とは」」を参考にしてください。

湿邪・暑邪について詳しく知りたい方は、「漢方の基礎知識「病因病機とは(六淫・七情など)」」の六淫の項を参考にしてください。

気血水体質別夏バテ解消法

夏バテを解消する方法は、ひとつではありません。自分の体質に合わせた方法で予防または解消していきましょう。

気虚:気虚はエネルギーが不足しています。汗のかきすぎには要注意。汗は気を消耗するため、疲れやすくなります。気は寝ている間に作られるため、23時までには寝るようにこころがけましょう。
水滞:冷たいものをとりすぎるとカラダが冷え水分が滞ります。カラダの中に余分な水分が滞ると、カラダが重だるく感じたり、むくみやすくなったりします。水滞タイプの人は湿気に弱いため、38~40度前後のぬるめのお風呂で汗をかきましょう。
血虚クーラーの冷えや栄養不足に注意しましょう。クーラーは25度以上に設定し、暑すぎたり寒すぎたりしないようにします。女性の場合、生理の量や不正出血も血虚の原因となります。熱いお風呂や目の使いすぎは、血虚になりやすいので注意しましょう。
瘀血:クーラーなどの冷えに注意しましょう。瘀血はカラダの中の血のめぐりが悪い状態です。血のめぐりが悪くなると、気のめぐりも悪くなります。椅子に長時間座るなど同じ姿勢が続くときは、1時間に1度立ち上がるなど、適度にカラダを動かしましょう。
気滞:ストレスに注意しましょう。不規則な生活やストレスの多い生活は、気滞の原因となります。気滞は、頭に血がのぼりやすくなるため、イライラしたり、頭痛が起こったりします。ストレスを感じたら、ストレッチをしたり深呼吸をしたりするなどをこころがけましょう。

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ハーブのチカラを借りて、夏の疲れに対処する

夏は、漢方の考え方では「心」は、負担がかかる季節です。心は、心臓や自律神経に影響を与えます。心の負担を減らすためには、カラダの中にこもった熱を発散させ、リラックスすることが大切です。
ただし、暑いからといって冷たいものをとりすぎるとカラダの不調につながります。ハーブの味や香りで、夏の湿気や暑さなどによるカラダのだるさや食欲不振などを解消していきましょう。ハーブは漢方の考えによる薬膳茶でもよく使われます。

夏バテ症状にオススメのハーブを使った飲み物とは

カラダにこもった熱を冷ますためには、ハーブを使った飲み物がおすすめです。また、カラダの中に湿気がたまりやすい体質の方には、発汗作用や利尿作用のあるハーブもあります。夏は、頭に熱が上がりやすいため、リラックスできるハーブも利用しましょう。

・カラダにこもった熱をとるハーブ:レモンバーム・カモミール

レモンバーム:柑橘系の香りは気分をリフレッシュさせてくれます。気持ちを落ち付かせてくれるため、お休み時におすすめです。漢方でも柑橘系の香りはストレスを発散する作用があると考えています。
カモミール:気持ちを落ち付かせる、カラダの炎症を抑える作用があります。リラックス作用があるため、ストレスによる胃痛や不眠などに利用されます。温める作用があるため冷え性や生理痛などがある方にもおすすめです。

カラダの発汗や利尿作用のあるハーブ:エルダーフラワー・ハイビスカス

エルダーフラワー:発汗・利尿作用があります。カラダの中の余分な水分を外に出す働きがあり、カラダの冷えにも効果があります。イライラするなど、気滞タイプの方にもおすすめです。
ハイビスカス:便秘改善や利尿作用があります。カラダが疲れたときや、目が疲れたときにも利用できます。カラダの中に余分な水分がたまる水滞タイプの方にもおすすめです。クエン酸などを含有し酸味があるため、運動したときの疲れにも利用できます。

・食欲不振に:ペパーミント

ペパーミント:すっきりとした香りは、気分をリフレッシュさせてくれます。食欲不振や消化不良などにも利用できます。カラダがだるいときや、眠気があるときにもおすすめです。ペパーミントは紅茶などに入れるだけでなく、スプレーとして持ち歩くといつでも簡単に利用できます。

夏バテの症状に用いられることの多い漢方薬

カラダにこもった熱を冷ますためには、ハーブを使った飲み物がおすすめです。また、カラダの中に湿気がたまりやすい体質の方には、発汗作用や利尿作用のあるハーブもあります。夏は、頭に熱が上がりやすいため、リラックスできるハーブも利用しましょう。

<朝起きてもカラダだるく疲れがとれない>

■補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

胃腸の働きが悪く、食欲がない、食事がおいしくない方に処方されます。気(エネルギー)が不足している方は、カラダ全体に影響を与えます。疲れがとれない・汗をかきやすい・息切れがする・下痢しやすいなどの症状が起こる方に適しています。胃腸の働きをよくするため、カラダ全体の疲労倦怠にも効果が期待できます。

<カラダが冷えやすく、疲れがとれない>

■十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

病後の体力低下や手足の冷えなど気と血の不足がある方に適しています。気と血を補うことにより、カラダの疲れや冷えなどを改善してくれます。胃腸の働きをよくするため、食欲不振や消化不良なども改善できます。貧血や髪のパサツキ・肌荒れのある方にも適しています。

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監修
多田 有紀

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