いろいろ考えすぎて眠れないのはなぜ?5つの対策と漢方の考え方を解説

この記事をクリップする

目次

夜眠ろうと思っても、仕事や人間関係、将来への不安などが頭のなかをめぐり、気づけば時間だけが過ぎてしまうこともあるでしょう。こうした状態が続くと、しっかり休めないまま朝を迎えてしまい、心身の負担を感じやすくなります。

本記事では、いろいろ考えすぎて眠れないとお悩みの人へ、その原因と、今日からできる対策について詳しく解説します。あわせて、漢方の考え方ついても紹介しているので、参考にしてみてください。

いろいろ考えすぎて眠れないと感じる3つの原因

いろいろ考えすぎて眠れなくなる原因として、以下の3つが考えられます。

  • ● ストレスや不安
  • ● カラダの変化
  • ● 寝る前の生活習慣

眠れなくてお悩みの人は、あてはまる内容がないか確認してみてください。

ストレスや不安

複雑な現代社会において、ストレスは不眠の大きな要因のひとつです。

仕事のミスや人間関係のトラブル、将来への漠然とした不安など、悩みを抱えていると、布団に入ってからも頭のなかで考えが止まらなくなってしまうこともあるでしょう。

ストレスや不安を感じると、カラダは「コルチゾール」というホルモンを分泌し、心拍数や血圧が上昇します。本来、眠るためには副交感神経が優位になりリラックスする必要がありますが、ストレスや不安を感じる状態では交感神経が優位なままになり、なかなか寝つけないのです。

また、周囲の感情や環境の変化に敏感で、物事を深く考えやすい人は、日中の出来事を夜になっても無意識のうちに処理し続けてしまい、考えが止まらなくなる場合もあります。

眠れないこと自体がストレスとなり、ますます眠れなくなる悪循環に陥るケースもあるでしょう。

カラダの変化

加齢にともなうカラダの変化や病気が、不眠の要因となるケースもあります。

年齢を重ねると睡眠の質は低下しやすく、夜中に目が覚めたり寝つきが悪くなったりする人も少なくありません。

また、更年期にともなうホルモンバランスの変化によって自律神経が乱れ、眠りにくさや途中覚醒があらわれる場合もあります。

寝る前の生活習慣

寝る前に以下のようなことを行うと、眠りにつきにくくなります。

  • ● スマートフォンやコンピューターの操作
  • ● アルコールやカフェインの摂取
  • ● 激しい運動

あてはまる習慣がある人は、できるところから見直しを意識してみましょう。

スマートフォンやコンピューターの操作

寝る前に、ついスマートフォンやコンピューターを見てしまう人はいませんか。これが、眠れない原因のひとつになっている可能性があります。

スマートフォンやコンピューターの画面から発せられるブルーライトは、脳に「まだ昼間だ」と勘違いさせてしまい、眠りを促すホルモンである「メラトニン」の分泌を抑えます。

その結果、なかなか眠気が訪れず、布団に入っても目がさえた状態が続いてしまう場合があるのです。就寝の1時間前にはスマートフォンやコンピューターから離れ、脳と目をしっかり休ませる時間をつくりましょう。

アルコールやカフェインの摂取

「お酒を飲むと寝つきがよくなる」と感じている人も多いかもしれません。しかし実は、睡眠の質を下げる原因になっている可能性があります。

アルコールには一時的に寝つきをよくする作用があるものの、その作用はわずか3〜7日で薄れてしまいます。さらに、飲み続けると夜中に目が覚めやすくなったり、睡眠が分断されたりと、むしろ眠りが浅くなるケースも少なくありません。

「眠れないからお酒を飲む」という習慣が続くと、次第に飲酒量が増え、心身への負担が大きくなることもあるため、注意が必要です。

また、コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインにも覚醒作用があります。就寝の5〜6時間前を目安に、摂取を控えるよう心がけましょう。

激しい運動

適度な運動は睡眠の質を高めますが、就寝直前の激しい運動は逆効果です。

激しい運動をすると交感神経が優位になり、心拍数や体温が上昇した状態が続きます。眠りにつくためには深部体温が下がる必要がありますが、運動直後はその体温がなかなか下がらず、布団に入っても寝つきが悪くなってしまいます。

さらに、運動による興奮状態が続くと頭もさえやすくなり、考えすぎて眠れない状態につながるケースもあります。

運動をするなら、就寝の1時間前までにすませておきましょう。夜はストレッチやヨガなど、カラダへの負荷が少ない動きを取り入れてみてください。

いろいろ考えすぎて眠れないときの5つの対策

いろいろ考えすぎて眠れないときの対策として、以下の5つを紹介します。

  • ● 考え事はメモに書き出す
  • ● ぬるめのお湯でゆっくり入浴する
  • ● 眠りに関係するツボを押す
  • ● 入眠儀式として呼吸法を取り入れる
  • ● 睡眠環境を整える

取り入れやすいものから、無理のない範囲ではじめてみましょう。

考え事はメモに書き出す

「なんとなく不安」「なんとなく眠れない」と感じるときは、自分でも何が原因かわからないまま、頭のなかでモヤモヤが広がっている状態です。

そのようなときは、気になっていることや悩んでいることをメモ帳に書き出してみてください。頭の外に出すことで、ぼんやりしていた不安がはっきりし、冷静に向き合えるようになります。

書き続けていくうちに、「締め切り前はいつも眠れなくなる」「人間関係で悩むと夜に響く」など、眠れなくなる状況が見えてくる場合もあるでしょう。悩みの傾向がわかると、次に同じ状況になったときに落ち着いて対処しやすくなります。

ぬるめのお湯でゆっくり入浴する

眠りにつくためには、就寝前に深部体温を下げることが大切です。入浴すると一時的に体温が上がり、その後下がっていく過程で自然と眠気が訪れやすくなります。

ただし、熱いお湯は交感神経を刺激して、逆に目が覚めてしまいます。お湯につかるときは、38〜40℃程度のぬるめの温度でゆっくり過ごしましょう。

就寝の1〜2時間前にお風呂をすませておくと、体温が自然に落ち着いた頃に布団に入れるため、寝つきがよくなります。

また、お気に入りのアロマオイルを湯船に数滴加え、香りに包まれながらお湯につかるのも、心身のリラックスにつながります。

眠りに関係するツボを押す

東洋医学では、不眠の背景には「気」のめぐりが関係していると考えられています。「気」の乱れを整えるアプローチのひとつが、ツボ押しによるセルフケアです。

なかでも睡眠に関する代表的なツボは、足裏のかかと中央に位置する「失眠穴(しつみんけつ)」です。そのほかにも、眠れない状況に合わせて以下のようなツボがあります。

状況 ツボ名 位置
いろいろ考えすぎて眠れない 太谿(たいけい) 内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ
イライラして眠れない 太衝(たいしょう) 足の親指と人差し指の間
心配で眠れない 神門(しんもん) 手首の内側・小指側

痛気持ちいいと感じる程度の力加減で、ゆっくりと息を吐きながら押し、静かに力を抜きます。ひとつのツボにつき、2〜3回繰り返してみてください。

入眠儀式として呼吸法を取り入れる

呼吸は、自律神経にアプローチできる数少ない手段のひとつです。

なかでもお腹をゆっくりふくらませる腹式呼吸を取り入れると、副交感神経が優位になりやすく、心身がリラックスします。

腹式呼吸を取り入れた「4-7-8呼吸法」のやり方は、以下のとおりです。

  • 1. 口からゆっくり息を吐ききる
  • 2. 鼻から4秒かけて息を吸う
  • 3. 7秒息を止める
  • 4. 8秒かけて口からゆっくりと息を吐ききる

これを1セットとして、3〜4回ほど繰り返します。ゆっくりと呼吸を重ねることで、心身が自然とリラックス状態に切り替わりやすくなります。

睡眠環境を整える

どんなに気持ちを落ち着かせようとしても、寝室の環境が整っていなければ良質な眠りにはつながりません。

就寝前は、以下を意識して部屋の環境を見直してみましょう。

項目 ポイント
光 明るすぎない暖色系の明かりにする
音 40dBA以下を目安に、外からの騒音を遮断する
温度 季節に合わせてエアコンで調整する(室温13〜29℃が目安)

肌触りのよい素材の毛布や抱き枕など、触れると心が落ち着くグッズを活用するのもひとつの方法です。

また、枕やマットレスがカラダに合っていないと首や腰に負担がかかり、寝つきが悪くなることもあります。首や腰に違和感がある場合は、寝具の見直しも検討してみましょう。

<PR>

ストレスなどでイライラする方の不眠・不安に、オンラインで買えるクラシエの漢方薬
ストレスなどでイライラする方の不眠・不安に

柴胡加竜骨牡蠣湯

詳しく見る

漢方でみる「不眠」とはどんな状態?

漢方では、不眠について以下のバランスが関係していると考えられています。

  • ● 「気・血・水」のバランス
  • ● 「陰・陽」のバランス

それぞれのバランスが不眠とどのように関わるのか、ご自身の状態と重ねながら振り返ってみましょう。

「気・血・水」のバランス

漢方では、「気・血・水」のバランスが崩れることが不眠の原因のひとつと考えられています。

東洋医学では、人のカラダを構成する基本的な要素として「気・血・水」の3つを挙げています。

  • ● 気:エネルギー
  • ● 血:血液
  • ● 水:血液以外の体内の液体

どれかが不足したり停滞したりすると、カラダに不調が起きるとされています。

なかでも不眠に深く関わるのが「気」の流れです。「気」とは「病は気から」でおなじみの、生きていくための生命エネルギーそのものを指します。「気」が滞ると「血」が不足したり過剰になったりして、不眠などの不調を引き起こすと考えられています。

疲労やストレスはこの「気」のめぐりを止めてしまう要因のひとつです。「気」がめぐらなくなるとカラダが熱を冷ませなくなり、余分な熱が頭に昇って脳を疲れさせてしまいます。

不眠の他に、イライラ・のぼせ・頭痛・喉が詰まった感じなどの症状が出る場合もあります。

気・血・水のバランスについて詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。

あわせて読みたい>>漢方の基礎知識3「気血水とは」

「陰・陽」のバランス

漢方では、陰陽のバランスが崩れることも不眠の原因のひとつであると考えられています。

夜は「陰」の時間でカラダや脳をゆっくり休め、昼の「陽」の時間に活動するというのが人間本来の生活リズムです。しかし、残業が続いたり、夜中までスマートフォンを見たりしてバランスが崩れると、「陰」の夜に目がさえたり、「陽」の昼にウトウトしてしまったりすることがあります。

人のカラダを陰陽でとらえると、心は「陽」、カラダは「陰」とされており、これらはつながっていると考えられています。カラダの不調が続けば心にも影響がおよび、十分に休まらない眠り、つまり不眠の状態に近づきやすくなるといえるでしょう。

「陰・陽」のバランスについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。

あわせて読みたい>>漢方の基礎知識4「陰陽とは」

いろいろ考えすぎて眠れないときに用いられる漢方薬

ストレスや脳の興奮、自律神経の緊張などにより、いろいろ考えすぎてなかなか眠れない人には、「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」が用いられるケースがあります。

柴胡加竜骨牡蛎湯の効能・効果は以下の通りです。

体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う次の諸症:高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、小児夜泣き、便秘

漢方では、今ある症状だけでなく、カラダの状態を踏まえて処方が検討されます。同じ「眠れない」という悩みでも、人によって合う漢方薬は異なるため、自己判断せず、医師や薬剤師、登録販売者に相談しながら選ぶようにしましょう。

どうしても眠れない場合は医療機関の受診も検討しよう

対策を試しても眠れない状態が続く場合は、専門的なケアが必要な状態になっている可能性もあります。

このような状態が続くと、日中の集中力や意欲の低下につながるだけでなく、精神的な疲労も蓄積します。

気になる症状があるときは自己判断せず、精神科や心療内科、睡眠外来への受診を検討してみてください。

いろいろ考えすぎて眠れないときは原因に合わせて対策しよう

考えすぎて眠れないお悩みには、ストレスや不安、加齢にともなうカラダの変化、寝る前の生活習慣など、さまざまな要因が関係しています。自身の状態に合ったケアを少しずつはじめてみましょう。

自分のペースで続けられるセルフケアを重ねていくことで、心身は少しずつリラックスへと近づきます。漢方の考え方を暮らしに取り入れてみるのもよいでしょう。

ただし、対策を試しても眠れない状態が続く場合や、日常生活に支障が出ているときは、自己判断せず、医療機関への相談を検討してみてください。

監修 樫出 恒代

時期に合わせて読みたい

カンポフルライフ会員になって日々の暮らしを楽しく豊かに!

漢方の知恵を始め、美と健康に役立つ情報を手に入れてみませんか?会員メリットをご確認ください。

SHARE