目次
- 医食同源とは?漢方の考えでよく使われている医食同源
- 「後天の気」カラダは食べたものでできている
- 旬の食材にはカラダの調子を整える作用がある
- 食べ物にはカラダを冷やすもの温めるものがある
- 健康を維持するには自分の体質を知ることが大切
- 自分の体調の知り方は?
- スーパーの食材で作る:冷え性におすすめ医食同源レシピ
- 健康維持には普段の食事を見直すことが大切
「なんとなくカラダがだるい」「カラダが冷えてつらい」「食欲がわいてこない」など、病気とはいえない症状で悩んだことはありませんか?これらは未病といい、病気と診断される前の状態をさしています。そこで、みなさんの気になる症状を改善するための手助けとなる「医食同源」の意味や考え方について紹介していきます。
医食同源とは?漢方の考えでよく使われている医食同源
医食同源とは漢方の用語で「食べるものと、薬になるものの源は同じ」という意味です。自分の体調に合わせた食材を摂っていればカラダの調子を整えることができると考えています。例えば、料理でよく使われている生姜(しょうが)は、風邪の初期に使われる葛根湯などさまざまな漢方薬に含まれています。
ところが、生姜はカラダに良いと聞いたので料理で使うことが多いという方はいませんか?もちろん、カラダを温めるにはとてもいい食材です。ただし、カラダに熱がこもりやすい人には、あまりおすすめできない食材です。自分の体質を知り、自分の体調に合わせた食材を選んでいくことが医食同源の考えにつながるのです。
「後天の気」カラダは食べたものでできている
漢方では、人間が生きていくために必要なものには「先天の気」と「後天の気」があると考えています。先天の気は両親の遺伝をひきついだもの、後天の気は「水穀の精微」と「自然界の清気」があり、食べ物や飲み物を摂ることで得られる栄養分、呼吸で吸い込まれた清気(空気)です。
先天の気は生まれた時点でその量は決まっており、年齢を重ねるごとに減っていきます。例えば、乱れた食生活を送っていたり、睡眠時間が少なかったりすると気(エネルギー)は減っていってしまうのです。そのため、人間が健康でいるためには「後天の気」で養われる食事と呼吸によって吸い込まれる清気が大切だと考えられています。
旬の食材にはカラダの調子を整える作用がある
季節の旬の食材には、カラダの調子を整える作用があります。例えば、夏の旬の野菜といえば、きゅうりやトマトなどがあります。きゅうりはカラダの熱を冷まし、喉の乾きを潤す食べ物です。このように多くの旬の食材は、その時のカラダの調子を整えてくれます。
自分に合った食材がわからない、何を食べていいのかわからないときは、旬の食材をおすすめします。ただし、食材にはカラダを温めるものと冷やすものがあるため、自分の体調に合わせて摂っていくことが健康につながります。夏だからといって夏野菜ばかり食べてしまうとカラダが急激に冷えてしまうことがあります。漢方には「中庸※(ちゅうよう)」という言葉があります。どんな食材を食べるときも過不足なくかたよりのない中間の状態を目指すことが大切です。
※どちらにも片寄らず過不足がなく調和がとれていること
食べ物にはカラダを冷やすもの温めるものがある
漢方の考えでは食べ物には、カラダを冷やすものと温めるものがあります。顔にニキビができたときやイライラしたときは、熱を冷ます食べ物を。カラダが冷えるとき、食欲がないときはカラダを温める食べ物を摂るなど、そのときの気温や体調に合わせて食べることが大切だと考えています。
例えば、カラダを温める食材で代表的なものには、ねぎ・にんにく・しそなど。冷やす食材には大根・すいか・ナスなどがあります。自分はどんな食材が必要なのかを知るためには、自分のカラダを常にチェックすることが大切です。
健康を維持するには自分の体質を知ることが大切
冬だからカラダを温める食材、夏だからカラダを冷やす食材を摂るだけでは十分だとはいえません。その人の体質や状態などによっては、夏でもカラダを温める食べ物を摂った方がいい場合があります。まずは、自分のカラダの調子に合わせて食材を選んでいきましょう。
まずは、現在のあなたの体調をチェックしてみましょう。熱っぽいですか?それとも冷えていますか?自分がどんな症状で悩んでいるかを見直すことは大切ですが、それ以外にも自分の体調を判断する方法があります。
自分の体調の知り方は?
自分の体質や体調は、顔色、舌の色、形などで判断することができます。例えば、健康な人の舌の色は淡紅色で、舌の苔は白色です。舌は内臓の鏡といわれ、漢方では舌を見ることでカラダの状態を見ることができると考えています。
舌が大きくてはれぼったくて厚みがある場合は、カラダの中に余分な水がたまっていると考えます。舌のふちに歯型がついている場合は、気(エネルギー)が不足している状態です。体力がなく疲れがたまっていると考えます。
このように、毎日舌の状態を見ることは、カラダの状態を判断するひとつの方法であり、体調の変化を確認できます。
漢方の専門家は、問診、顔色、舌の色や状態、呼吸や声などから総合的に判断します。
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スーパーの食材で作る:冷え性におすすめ医食同源レシピ
レシピ:冬瓜と鶏肉の煮物
カラダの冷えで悩んでいる、湿気でカラダがだるくなっている方におすすめのレシピを紹介します。
レシピに使われる食材の効果:冬瓜はカラダの中の余分な水分を出す。鶏肉はカラダを温める。
材料:冬瓜400g、鶏もも肉1枚、だし汁1カップ、しょうゆ大さじ1、みりん大さじ1
作り方:
1. 冬瓜は薄く皮をむいて、スプーンでワタと種をとりのぞく。
2. 冬瓜を一口大に切ったあと、電子レンジ600Wで5分ほど温める。
3. 鶏肉も一口大に切っておく。
4. 鍋にだし汁としょうゆとみりんを入れて沸騰させたあと、鶏肉の表面の色が変わるまで煮る。
5. 最後に冬瓜を入れて、冬瓜に串が通るまで煮る。
6. 火を止めたあと、鍋のふたをした状態で冷まして味をなじませる。
健康維持には普段の食事を見直すことが大切
食事が大切だとわかっていても、疲れて料理を作るのが大変だという方もいるかもしれません。そんなときは、まず食材選びから考えてみましょう。今日は暑いからきゅうりを食べよう。寒いから生姜を入れてみようということから始めてみてはいかがでしょうか?
健康によいといわれる食材を食べても、自分の体調に合った食材を摂っていなければ、カラダによいとはいえません。まずは、自分はどんなときに体調を崩しやすいか、今なぜ体調が悪いかをその都度確かめることも必要です。毎日食べるものはあなたの健康維持につながります。
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監修
多田 有紀