花粉シーズンをすっきり乗り切るリンパマッサージのススメ

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花粉シーズンをすっきり乗り切るリンパマッサージのススメ

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花粉症の方でなくても、春はカラダの滞りを感じることが多いのではないでしょうか?春は寒暖差や気圧変動が大きい季節です。体温調節に関係する自律神経が乱れて、疲れやだるさを感じやすくなります。春は「春一番」に代表されるように自然の風による影響が強く、さまざまなウイルスや細菌、花粉やホコリなどのアレルゲンが風によって運ばれてきます。漢方で「風邪(ふうじゃ)」とは、病原体(病邪:びょうじゃ)がカラダの外から侵入することにより生じる症状で、カラダの表面や、頭痛・鼻水・鼻づまり・のどの痛みなど首から上の症状を引き起こします。風邪(ふうじゃ)によるカゼや花粉症は鼻や喉、目の周囲で炎症を起こすため、QOLにも影響を及ぼします。免疫機能や排泄機能を担っているリンパのケアを行うことで、不調な季節を乗り切っていきましょう。リンパは自らの力で動くことができないので、マッサージなどのセルフケアで日々丁寧に促すとよいでしょう。

リンパとは?リンパマッサージって?

リンパは体液循環のネットワークで、全身から余分な水分と老廃物を回収し、心臓近くの静脈に運ぶ仕組みです。きれいな血液を届ける血管を上水道に例えるなら、リンパ管は老廃物を集めて運ぶ下水道にあたります。
リンパ管が走行する途中にはリンパ節があり、体内に入ってきた病原菌などをせき止めて、免疫細胞で攻撃します。風邪をひいて「リンパが腫れる」のは、免疫がそこで働いているから。カラダの中に老廃物や毒素が溜まって排泄が不十分だと、肩こり・頭痛・肥満・便秘・むくみ・肌荒れ・冷え・だるさなど、さまざまな症状が現れます。
リンパは皮膚のすぐ下にも流れているため、やさしくさするだけで流れていきます。リンパマッサージで不調を改善し、健康と美容を手に入れましょう。

疲れているともっと滞る、だから効率的な時短ケアを

リンパ液は血液と違って心臓のようなポンプの役割を果たすものがないため、筋肉の動きなどにより、とてもゆっくり流れています。血液が心臓から出て戻るまで約1分という速さなのに対し、リンパ液はゆっくり、じわじわと流れていくため半日から約1日もかかると言われています。
立ちっぱなしや座りっぱなしの日常行動は重力が関係するためリンパの滞りを生みますが、カラダが横になっている時には重力の影響を受けにくいためリンパはよく流れます。つまり、睡眠不足もリンパの滞りに影響してしまうわけです。リンパを巡らすには、以下の3つのいずれかが必要になります。

  • ① 運動による骨格筋(いわゆるカラダを動かす筋肉)のポンプ作用
  • ② 呼吸による内臓筋のポンプ作用と横隔膜のポンプ作用
  • ③ マッサージなどの皮膚刺激による物理的な促し

リンパを効果的に流すには、①ストレッチと②呼吸(腹式呼吸)と③やさしいマッサージを一緒にやってしまえば、効率も上がり時短ケアが実現。リンパ管は、静脈にからみつくように全身に分布していますが、鎖骨下の静脈角から静脈に繋がり、血液と一緒に心臓に戻されます。リンパの戻り口の鎖骨周りがつまっていると、流れるものもきちんと流れないため、ケアはまず鎖骨周りから行うことがポイントです。

時短リンパケア<上半身編>

まずは排水溝のお掃除をイメージして、リンパの戻り口でもある鎖骨周りから流すため、鎖骨、肩甲骨、腕をつなぐ肩関節周りを動かしていきましょう。

  • ① 両手を肩の上にそれぞれ乗せるようにして胸を張り、大きく息を吸いながら、両方の肘を前方に持っていきながら上に持ち上げます。息を吐きながら、肘が肩より後ろにいくようなイメージで回して、もとの位置まで戻します。肘でカラダの左右に大きな円を描くように。反対回しも行います。(各4~5回)
    ※できれば腹式呼吸を意識して、吐く息でしっかりとお腹をへこませます。

時短リンパケア<上半身編>
  • ② 左右の手を胸の前で交差させ、鎖骨上のくぼみに指腹を密着させ、皮膚とその下の筋肉ごとやさしく動かすように軽くさすります。(4~5回)
    腹式呼吸は続けます。

時短リンパケア<上半身編>
  • ③ 左右の耳を指で挟むように密着させ、耳周りのリンパをやさしく動かします。次に耳の下に4本の指をそろえて首に密着させ、指腹をやさしく動かして鎖骨の内側まで下ろして流します。(4~5回)
時短リンパケア<上半身編>

※リンパは軽くさする程度で流れます。爪を立てたり強く押したりせず、指の腹や手のひらを使ってやさしく動かしましょう。
※乳液やオイルなどを手につけてマッサージすると、肌を傷めずにすべりがよくなります。

時短リンパケア<下半身編>

上半身のリンパケアが終わったら、次は下半身をケアしましょう。

  • ① 床(マット)に座り片脚の膝を曲げて立てます。もう片方の脚は楽にしておきましょう。立てた側の鼠径部に手のひらを密着させるように、やさしく丁寧にさすります。(4~5回)
    可能であれば反対の脚は横に伸ばして、開脚ストレッチを同時に行います。大きく呼吸をしながら行いましょう。
  • ② 立てた脚の太ももを膝から股関節に向かって、両方の手のひらを密着させるようにさすり上げます。(4~5回)
  • ③ 膝裏のリンパをやさしく指の腹でさすります。(4~5回)
  • ④ ふくらはぎを足首側から膝まで、手のひらでさすり上げます。(4~5回)
  • ⑤ 脚を替えて同様に行いましょう。
時短リンパケア<下半身編>
  • ★下半身のケアが終わったら、鎖骨周りをさすってリンパの戻り口を流して完了。その後に白湯をコップ1杯ゆっくり飲んで、カラダの中からすっきりとさせましょう。
  • ★リンパケアは寝る前に行うと、寝ている間にリンパがよく流れて、翌朝はすっきりを実感できます。

<リンパマッサージにおける注意ポイント>

  • ・マッサージを行う部位や手は、清潔にしてから始めましょう。
  • ・食後2時間以内や飲酒後は避けましょう。
  • ・皮膚のトラブルや怪我がある場所は避けるか、控えましょう。
  • ・疾患の可能性がある時、発熱時、過度に疲れている時、妊娠初期は控えましょう。

リンパの流れを促す食べ物は?

リンパを効果的に流すために必要なのは水分です。お茶もカラダに良いですが、カラダに巡りを促すためにミネラルウォーターがおすすめです。水であっても飲みすぎはカラダを冷やし負担をかけるため、適量に。
食品は、ビタミンやミネラルがたっぷり入った野菜・果物、良質なタンパク質を摂りましょう。

・豆類(あずき、大豆、ピーナッツ、アーモンド)
→タンパク質、マグネシウム、カリウムを豊富に含みます。

・野菜(にんじん、かぼちゃ、ブロッコリー)
→βカロテンやビタミンCを豊富に含み、リンパの流れを良くする効果が見込めます。

・果物(柑橘類)
→クエン酸を多く含む果物がリンパの流れを良くしてくれます。

・海藻類(わかめ、昆布、海苔)
→カルシウムを多く含みます。

・魚介類
→必須脂肪酸が豊富に含まれる青魚を摂りましょう。

食材の薬膳的な解説は「薬膳食材図鑑」をご覧ください。

花粉症や水分代謝の乱れにおすすめの漢方

カラダの中に流れる正常な体液や分泌液を、津液(しんえき)と呼びます。津液には、全身をすみずみまで潤わせる機能があります。津液の巡りが滞っているカラダを温めて、鼻水やくしゃみの原因である体内の水分代謝を整える漢方処方がおすすめです。

■小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

アレルギー性鼻炎、花粉症などに効果があります。体内にたまった余分な「水(すい)」がさまざまな不調を起こすと考えられているため、冷えたカラダの部分を温めながら水分代謝を促すとともに、「気」を動かして、鼻水・くしゃみなどの鼻症状を抑えます。

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◆那須久美子(https://www.kandworks.com/about)
JACDS認定漢方アドバイザー、ピラティス・ヨガセラピスト、ACC認定アスリートキャリアコーディネーター、介護予防運動指導員





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