不正出血の原因と対処法をタイプ別に紹介。不正出血が起こるのは体質が原因?

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不正出血の原因と対処法をタイプ別に紹介。不正出血が起こるのは体質が原因?

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生理が来るはずもないのに、突然出血したという経験がある方はいませんか?病気かもしれないと病院で検査をしたけれど、特に病気が見つからなかったという方もいるかもしれません。
一般的に不正出血とは、ホルモンバランスが乱れるなどの理由により、生理の日以外に出血することをいいます。不正出血には、ホルモンバランスの乱れの他に、排卵期に起こる中間期出血もあります。不正出血は、子宮や卵巣の病気が原因の場合もあるので、出血が続いた場合は、専門家に相談することをおすすめします。
ちなみに、中医学では、不正出血の状態を「崩漏(ほうろう)」と呼びます。生理ではないのに急に大量に出血をする「崩」、出血がダラダラと止まらない状態を「漏」として、不正出血の症状を組み合わせた呼び名で呼んでいるのですね。
今回は、漢方の考え方をベースに、不正出血について解説します。

漢方では不正出血の原因を体質で捉える。

漢方では、不正出血の原因を、「気虚」や「瘀血」といった体質タイプにあると考えます。まずは、自分の体質をチェックしてみましょう。「気虚」は簡単にいうとエネルギー不足、「瘀血」は、血の巡りが悪く滞っているタイプのことをいいます。

漢方では不正出血を、気の固摂作用が低下している「気虚」と考えます。固摂作用とは、異常な汗や尿などの排泄、出血を抑える働きのことで、この作用が低下すると汗や尿、出血などが多くなります。つまり「気虚」は、気の不足により、固摂作用が十分に働かなくなっている状態です。また「瘀血」の状態が不正出血の原因となる場合もあります。「瘀血」はカラダの中に血液が滞りやすい状態のことで、血を巡らせる働きが弱くなっています。将来妊娠を希望している人は、早めに改善しておくことが大切です。
では、タイプ別に対処法や養生を見ていきましょう。

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「気虚」体質の不正出血のあなたに

気虚は、疲れやすく体力がない、食欲がない、寒がり、やる気が起こらないなど、エネルギーが不足した状態です。気虚の人は、生理の周期が短くなる場合があります。気虚になる原因は、ストレスや睡眠不足、不規則な食生活、老化、病後などにより、気(エネルギー)の消耗が激しくなったり、気を作る力が不足したりすることです。気虚による不正出血の改善は、気(エネルギー)を補うことが大事になります。

「瘀血」体質の不正出血のあなたは

瘀血は、顔色が悪い・唇が紫色になる・冷えのぼせが起こる・肩こりや腰痛があるなど体の中の血行が悪い状態です。瘀血の女性は、下腹部に痛みがある、経血にレバー状の塊があるなどが起こります。瘀血は、偏った食生活、不規則な生活、ストレスや冷えなどが原因で起こります。例えば、揚げ物・脂身の多いお肉など、油っぽい食事です。瘀血による不正出血には、血行をよくすることが大事です。

不正出血が起こる人の体質別おすすめ食材

体質別に不正出血が起こる人におすすめの食材を紹介します。

気虚タイプの人向け:カラダの臓腑の機能が弱った状態です。気を補うためには、穀物・豆類・イモ類を積極的に摂りましょう。米・山いも・じゃがいもなどがあります。ストレスが溜まっている場合は、レモン・みかんなどの柑橘類や、たまねぎ・らっきょうなどもおすすめです。また、カラダを温める食事も大切です。できるだけ消化の良いものを摂っていきましょう。

瘀血タイプの人向け:カラダの中の血液の流れが悪くなることで、気の巡りも悪くなります。瘀血には、血行をよくする食材がおすすめです。しょうが・らっきょう・にんにくなどは、血の巡りを良くしてくれます。できるだけカラダを冷やす食材や飲み物は控えましょう。例えば、きゅうり・トマト・コーヒーなどです。食材選びにも注意をしましょう。少量のお酒はカラダの血行をよくしてくれます。

不正出血のときに利用される体質別漢方薬

不正出血の原因となる体質を改善するためによく使われる漢方薬を紹介します。

食欲がない・疲れやすいなどの症状がある方に
気虚:加味帰脾湯(かみきひとう)
体力中等度以下で精神が不安定、血色が悪く、貧血・不眠・動悸などの症状に使われる漢方薬です。加味帰脾湯には、人参・白朮・茯苓・柴胡・酸棗仁・龍眼肉・黄耆・当帰・甘草・木香・遠志・大棗・山梔子・生姜が含まれています。主に、貧血や疲れやすい、不眠症の方に処方されるお薬です。

カラダが冷える・肩こりなどの症状がある方に
瘀血:桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
比較的体力がありのぼせるのに足が冷える・肩こり・めまいなどの症状に使われる漢方薬です。カラダの血流が滞っている瘀血の人によく利用されます。下半身の冷えが強い人、生理痛・月経不順など女性の方におすすめです。桂枝茯苓丸には、桂皮・茯苓・牡丹皮・桃仁・芍薬の成分が配合されています。にきびや湿疹・しみなど皮膚の症状にも利用されます。

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不正出血が起こる人の体質別おすすめ養生法

気虚・瘀血が原因で不正出血が起こる人におすすめしたい養生法を紹介します。

気虚の人は、睡眠不足や、栄養不足などが原因で起こります。
例えば、夜更かしをしたり、朝食を抜いたりすることも原因のひとつです。気は食事や睡眠によって作られます。気虚体質の人は、エネルギーが不足しているため、走ったり、筋トレをしたりするなど激しい運動はおすすめできません。気の巡りをよくするためには、軽いウォーキングがおすすめです。また、ストレッチやヨガなどゆっくりとカラダを動かす運動は向いています。疲れているときは、睡眠をたっぷりとってカラダを休ませることも大切です。気虚の人は、「無理をしない」を意識することをおすすめします。

瘀血の人は、毎日の生活でのストレスや運動不足、気温の低下などによるカラダの冷えが原因で起こります。
例えば、仕事中同じ姿勢を続けることで血行が悪くなったり、お風呂でゆっくりつからなかったりすることも原因のひとつです。できるだけ、カラダを温めることを心がけましょう。瘀血の人は、体調が悪くなければ、普段よりカラダを動かすことが大切です。特に足腰を鍛える筋トレがおすすめです。カラダの筋肉量が増えると冷えを改善することにもつながります。瘀血の人は、「カラダを温める」を意識することをおすすめします。

監修
多田 有紀


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