胃痛の原因と対処法は?ツボや漢方の考え方も含めてわかりやすく解説

この記事をクリップする

目次

「ストレスが溜まると胃の調子が悪くなる」「食べすぎ飲みすぎで胃が痛い」「食後に胃が痛くなる」こんな経験がある方も多いのではないでしょうか?とりあえず、家にある胃薬を飲んでいる方もいるかもしれません。

市販薬には、生薬・漢方を配合した胃腸薬も多くあります。それほど、漢方薬はみなさんの身近にあるのです。今回は、胃が痛くなる原因や漢方薬、胃が痛くなったときのツボについて紹介します。

胃の不調に対して自分でできる対処法とは?

胃の不快感を覚えたときには、姿勢を変えたりツボを押したりするなど、自分でできる工夫があります。

ここでは、日常生活に取り入れやすい漢方の考え方や、胃の不調時に活用されることがあるツボなど、セルフケアの考え方として参考になる情報を紹介するのでご覧ください。

日常生活に取り入れやすい漢方の考え方

市販されている胃腸薬の中には、生薬・漢方を配合したものもあります。胃が痛くなったときは、自分のカラダの状態に合わせて店頭で相談、または症状が続く場合は受診をして、漢方薬を選んでいきましょう。

半夏瀉心湯:胃腸のバランスを整える目的で使われることがある処方

ストレスで胃が痛くなった方に用いる漢方薬です。体力は中程度で、食欲がなく、吐き気や下痢などがある方などに向いています。胃腸炎・神経症・胃弱などの方に利用されます。

安中散:胃の冷えや不快感に対して利用されることがある処方

ストレスがあり、カラダの冷えから来る胃痛に用いる漢方薬です。体力は中程度以下で、胃痛・胸焼け、食欲不振・吐き気のある方の神経性胃炎、慢性胃炎、胃腸虚弱に効果があります。

五苓散:体の巡りや水分バランスに着目した処方

カラダの中に余分な水分が滞ることで起こる頭痛・めまい・吐き気などがある方の、水様性下痢・暑気あたり・頭痛、むくみ・二日酔いに効果がある漢方薬です。

<PR>

急性胃腸炎、暑気あたりの症状には、オンラインで購入できるクラシエの漢方薬
急性胃腸炎、暑気あたりの症状に

五苓散|クラシエの漢方

詳しく見る

胃の不調時に活用されることがあるツボ

ツボ押しは、胃の不快感を覚えたときのセルフケアとして取り入れられます。

ここでは、胃の不調を感じたときに押されることがある5つのツボを、具体的なポイントとともに解説しているので、ぜひ参考にしてください。

内関(ないかん):手首のシワから指3本分離れた場所にあるツボ

内関(ないかん)の位置のイラスト

飲みすぎによる二日酔い・吐き気を伴う胃痛・頭痛などに向いています。 ストレスや緊張などで胃の痛みがある方に用いられます。

合谷(ごうこく):親指と人差し指の付け根の間にあるツボ

合谷(ごうこく)の位置のイラスト

胃痛や頭痛・歯の痛みなどを和らげたいときに効果のあるツボです。合谷は、ストレスがある方にも向いています。

手三里(てさんり):肘のシワから指3本分手の方向にあるツボ

手三里(てさんり)の位置のイラスト

食べすぎ・飲みすぎで食欲が止まらず胃が痛い方に向いているツボです。胃腸の調子を整える働きがあります。

足の三里(あしのさんり):膝下の外側、指4本分ほど下にあるツボ

足の三里(あしのさんり)の位置のイラスト

カラダの冷えによる胃痛・食欲不振・消化不良に向いています。冷房で冷えている場合や、冷たいものを食べすぎたときに用いられるツボです。

中脘(ちゅうかん):みぞおちとへその中間付近にあるツボ

中脘(ちゅうかん)の位置のイラスト

みぞおちとへその中間にあるツボで、胃痛や胃もたれに効果があります。このツボを指で押すときは、息を吐きながらゆっくりと圧力をかけて、10秒ほど維持してから離しましょう。これを数回繰り返すと、胃の不快感が和らぐことがあります。

姿勢を調整して負担を軽減する工夫

胃の不快感があるときは、「前かがみ」や「横向きに寝る」など、姿勢を変えることで楽に感じる場合があります。

前かがみ(体育座りのように脚を抱えてしゃがむ姿勢)になると腹部の緊張がゆるみ、胃まわりの負担が軽く感じられます。

横向きに寝る場合は、上側の脚を曲げて前に出すシムスの姿勢を試してみましょう。胃に不快感があるときは右側を下に、胸焼けのような違和感がある場合は左側を下にして休む人もいます。

姿勢を変える工夫は自宅でも取り入れやすい方法です。強い痛みなどがない場合は、無理のない範囲で試してみましょう。

胃が痛くなる理由とは?考えられる原因を解説

胃が痛くなる原因は、主に以下の3つが考えられます。まずは、自分がどの状態に当てはまるのかを確認することが重要です。

  • ・暴飲暴食:食べすぎたり飲みすぎたりすると、消化が追いつかず胃に負担がかかることで、胃の働きが低下し、痛みや不快感につながる。
  • ・冷たいものの摂りすぎ:寒い季節や冷たい飲食物の摂りすぎは、体が冷えて気血の巡りを滞らせる原因になり、胃の働きが弱まることでだるさや食欲不振を感じる。
  • ・ストレス:緊張や疲労によるストレスは気の巡りを滞らせ、胃の働きに影響を与えます。そのため、胃の膨満感や違和感のほか、気分の落ち込みなどを伴うこともあります。

これらの原因によって、胃痛の現れ方や症状のタイプは異なります。まずは代表的な胃痛の種類を把握し、自分の状態を整理しましょう。

胃痛の主な種類

胃痛は原因や症状の特徴によっていくつかの種類に分けられます。ここでは代表的な胃痛の種類を解説します。

胃痙攣(いけいれん)

胃痙攣は、みぞおちや上腹部に激しい痛みを感じるのが特徴で、胃がねじれるような痛みを伴い、胃の筋肉が収縮することで起こります。主な原因は以下のとおりです。

  • ・辛いものや冷たい飲食物、アルコールなどの刺激
  • ・食べすぎや早食いによる胃への負担
  • ・ストレスや緊張による自律神経の乱れ

痛みは数分から数時間続くことがあり、吐き気や嘔吐、下痢などを伴う場合もあります。長引く場合は、他の疾患が隠れている可能性もあるため注意が必要です。

ストレス性胃炎

ストレス性胃炎は、ストレスによって胃酸の分泌や消化機能が乱れることで、症状が現れます。主な症状は以下のとおりです。

  • ・みぞおち付近の痛みや違和感
  • ・胸焼けや吐き気
  • ・便秘や下痢、腹部の膨満感
  • ・食欲低下や倦怠感

また、ストレスの蓄積は症状の悪化につながるため、日常生活での対策も重要です。適度な運動や十分な睡眠、リラクセーションなどを取り入れ、ストレスを適切にコントロールするよう心がけましょう。

受診が必要な胃痛のサイン

以下のような症状がある場合は、医師の診断を受けることが重要です。

  • ・いつもと違う強い痛みが続く
  • ・長期間にわたって改善しない
  • ・体重減少や食欲不振を伴う
  • ・吐き気や嘔吐が続く

胃痛の原因によっては、胃潰瘍や腸閉塞などの疾患が隠れている場合があります。

胃の不調が続く場合に起こりやすいリスク

胃の不調は一時的なものと思われがちですが、放置すると症状が悪化し、さまざまなリスクにつながります。例えば、食べすぎや刺激の強い食事、ストレスなどによって胃粘膜にダメージが蓄積すると、胃もたれや胃炎が慢性化しやすくなります。

胃粘膜は胃酸から胃を守る役割がありますが、負担が続くことで防御機能が低下し、炎症が長引く原因となるでしょう。さらに、ピロリ菌の感染などが関係して胃炎が長期間続くと、胃や十二指腸に潰瘍ができる恐れがあります。潰瘍が進行すると、みぞおちの痛みだけでなく、吐き気や食欲不振、腹部の膨満感などの症状を伴います。

また、ストレスの蓄積も見逃せない要因です。ストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、胃酸の分泌を過剰にしたり、消化機能を低下させたりします。その結果、ストレス性胃炎やストレス性潰瘍を引き起こすリスクが高まります。不規則な生活・睡眠不足・運動不足・偏った食事などの生活習慣の乱れも、胃への負担を増やす要因です。

こうした状態が続くと、胃の回復力が低下し、不調が慢性化しやすくなります。リスクを防ぐためには、刺激の強い食べ物を控え、消化のよい食事を少量ずつ摂ることが重要です。また、十分な水分補給と休息を心がけ、胃への負担を減らす生活習慣を意識することが大切です。

日常生活で取り入れやすい胃のケア方法

食べ物や生活習慣を見直すことで、胃の不快感が気になるときのケアにつながります。

ここでは、胃の不調を感じやすい方が日常生活で取り入れられる工夫について解説します。

胃に負担の少ない食事を意識する

胃の痛みは、食べ物が原因で起こることがあります。胃痛の原因に合わせた食材の選び方を紹介します。

食べすぎたときは、油っぽいもの・辛いものの摂りすぎに気をつける

カラダに負担のかかる食べ物を食べすぎると、胃に負担がかかり、胃の不快感につながることがあります。胃が痛むときは、油っぽいもの・辛いものは控えましょう。

カラダが冷えているときは、甘いもの・冷えている食べ物は控える

甘いものを食べると、カラダに余計な水分が滞りやすくなるため、カラダの冷える原因になります。また、カラダを冷やす夏の野菜や、冷たい飲み物なども注意が必要です。

ストレスが溜まっているときは、柑橘系の果物を食べる

みかん・レモンなどの柑橘系の果物は、カラダの血行をよくし、胃の調子を整える働きがあります。また、柑橘系の食べ物は、気を巡らす効果があるため、気分転換として取り入れられます。

体を冷やさない飲み物を取り入れるなどの工夫

胃に不快感を覚えたときは、胃への負担を考えて体を冷やさない飲み物を少量ずつ飲みましょう。白湯や常温の水は刺激が少ない飲み物として知られています。

カフェインを含まない紅茶や、薄めた生姜湯などを選ぶのもひとつの方法です。飲む際は一度に多く摂るのではなく、少量ずつゆっくり口にすることがポイントです。

一方で、コーヒー・アルコール・炭酸飲料・冷たい飲み物などは、胃への刺激が強いため、体調に合わせて飲み物を選びましょう。

ストレスをためすぎないための対策

胃の不調を繰り返すときは、日々のストレスが関係しています。ストレスへの向き合い方を見直すことが、体調管理につながる場合もあります。

強いストレスは自律神経のバランスに影響し、胃の不快感を覚えるかもしれません。深呼吸をしたり、軽い散歩をしたり、十分な睡眠をとったりすることは、リラックスする時間をつくる方法のひとつです。

また、悩みを抱え込まず誰かに相談することで、気持ちを整理しやすくなる場合もあります。胃の不調が続くときは、体調だけでなく日々の過ごし方にも目を向けてみることが大切です。

生活リズムを整えることの重要性

食事や生活リズムを整えることで、慢性的な胃痛の予防効果が期待できます。暴飲暴食や早食い、脂っこい食事が続くと胃に負担がかかりやすくなるためです。

規則正しい時間に食事を摂り、よく噛んで食べることを意識しましょう。また、就寝直前の食事は胃液の逆流や胃もたれにつながることがあります。

喫煙や過度な飲酒も胃への刺激になりやすく、睡眠不足や不規則な生活は自律神経のバランスに影響します。毎日の生活リズムを整えることは、胃の健康を意識する上でも大切です。

胃の不調が続く場合は医療機関へ相談する

胃痛がある場合は、症状の経過をみながら適切に対応することが大切です。特に、以下のような症状がみられる場合は、医師の診断を受けることが重要です。

  • ・いつもと違う強い痛みが続く
  • ・長期間にわたって改善しない
  • ・体重減少や食欲不振を伴う
  • ・吐き気や嘔吐が続く

また、黒い便や吐血などの消化管出血が疑われる症状や、発熱などの全身症状を伴う場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

胃痛の原因によっては、胃潰瘍などの疾患が隠れている可能性もあるため、自己判断で放置せず、気になる症状がある場合は医療機関へ相談することが大切です。

胃痛を繰り返す場合や不安があるときは、消化器内科などで相談し、必要に応じて検査を受けることで原因の確認につながることがあります。

<PR>

クラシエの漢方診断のサムネイル画像
自分の体質を知って、痛みに対応

クラシエの漢方診断(無料)

詳しく見る

胃痛の背景に考えられる主な原因

胃痛は一時的な不調であることも多い一方で、症状の出方によっては医療機関での確認が望ましい場合もあります。ここでは、胃痛の背景として考えられる主な原因を、「比較的よくみられる不調」と「注意が必要なケース」に分けて紹介します。

※本内容は特定の疾患の診断を目的としたものではありません。気になる症状がある場合は医療機関にご相談ください。

日常的な要因による一時的な不調

胃痛は、以下のような日常的な要因によって起こることがあります。

  • ・食べ過ぎや飲み過ぎ
  • ・脂っこい食事や刺激の強い食品
  • ・ストレスや生活リズムの乱れ
  • ・一時的な胃の不調(胃もたれ、胃の不快感など)

このような場合は、生活習慣の見直しや市販薬の使用などで症状が和らぐこともあります。ただし、症状が続く場合には注意が必要です。

医療機関での確認が望ましい主な状態

胃痛が続いたり、繰り返したりする場合、以下のような状態が関係している可能性もあります。

  • ・胃の炎症(急性・慢性の胃炎など)
  • ・胃酸の逆流による不快感(逆流性食道炎など)
  • ・胃や十二指腸の粘膜の傷つき(潰瘍など)
  • ・検査で明らかな異常が見つからない機能性の不調(機能性ディスペプシアなど)

これらの症状は原因の特定が難しい場合もあるため、症状が改善しない場合には医療機関への相談を検討しましょう。

特に注意が必要なサイン

以下のような症状がみられる場合は、重篤な疾患が関係している可能性もあるため、速やかに医療機関を受診することが重要です。

  • ・強い痛みが続く
  • ・長期間にわたって改善しない
  • ・体重減少や食欲不振を伴う
  • ・吐き気や嘔吐が続く
  • ・黒い便や吐血などがみられる
  • ・発熱を伴う

胃痛の原因によっては、消化管の出血や炎症、まれに重篤な疾患が隠れていることもあります。自己判断で様子を見続けるのではなく、気になる症状がある場合は早めに相談することが大切です。

胃の不調についてよくある質問

胃が痛いとき、「市販薬を飲んでも良いのか」「どのくらい様子を見るべきか」など、対応に迷うこともあるかもしれません。

ここでは、胃痛に関するよくある疑問について、わかりやすく解説します。

胃が痛いときに市販薬を飲んでも良い?

軽い胃痛であれば、市販薬を一時的に使用する選択肢もあります。市販の胃腸薬には、胃酸を抑えるタイプや胃粘膜を保護するタイプなどがあり、症状に応じて選ぶことが大切です。そのため、医師、薬剤師又は登録販売者に相談しましょう。

但し、上述いたしました「受診が必要な胃痛のサイン」をご確認いただき、自己判断せず、医療機関を受診しましょう。また、数日服用しても改善しない場合も、医療機関を受診することが重要です。薬は必ず添付文章を確認し、用法・用量を守って服用しましょう。

胃痛があるときに避けた方がよい行動は?

胃が痛いときは、胃を刺激する行動や食事は控えましょう。例えば、アルコール・コーヒー・炭酸飲料・辛いもの・脂っこい食事などは胃粘膜を刺激し、症状を悪化させる可能性があります。また、空腹を我慢しすぎたり、食べすぎたりすることも胃の負担になる恐れがあります。

鎮痛薬の一部は胃に影響を与える可能性があるため、安易な使用は避けたほうがよいです。また激しい運動は控え、安静を心がけることも大切です。

胃痛は何日続いたら受診を検討すべき?

数日たっても胃痛が改善しない場合や、症状が強い場合は早めに医療機関を受診しましょう。軽い胃痛であれば一時的な不調の可能性もありますが、3日以上続く・繰り返す・痛みが強まるといった場合は、疾患のリスクもあります。

自己判断で長期間様子を見るよりも、検査で原因を特定することが重要です。

胃痛の原因を理解し、自分に合うケア方法を見つけよう

胃痛は一時的な不調で自然におさまることもありますが、胃炎や胃・十二指腸潰瘍などの疾患が関係している可能性もあります。痛みの種類や継続期間、伴う症状を整理し、自分の状態を冷静に把握することが大切です。

姿勢の調整やツボ刺激、漢方薬の活用といったセルフケアに加え、胃に負担をかけない食事や生活習慣を意識することも役立つと考えられます。

症状が長引く場合や強い症状がある場合は、自己判断で放置せず医療機関へ相談することも検討しましょう。

多田有紀 兵庫県在住。医療機関、薬局、IT企業での勤務経験を経て、2015年にライターとして独立。体の不調を感じたことをきっかけに、漢方・薬膳に興味を持つ。現在は、ライターとして活動をしながら、漢方薬膳の知識を活かしたコンサルタント業務や、ワークショップ・初心者向け講座などを実施。特に女性の体に関する悩みに寄り添った活動を行っている。

実績:クラシエ薬品株式会社主催「KAMPO OF THE YEAR 2024」にゲストとしてトークショーに登壇 執筆書籍:「カラダのために知っておきたい漢方と薬膳の基礎知識」(淡交社)

X:https://x.com/sora_writer オフィスかなで:https://officekanade.com/

時期に合わせて読みたい

カンポフルライフ会員になって日々の暮らしを楽しく豊かに!

漢方の知恵を始め、美と健康に役立つ情報を手に入れてみませんか?会員メリットをご確認ください。

  1. 会員メリット1

  2. 会員メリット2

  3. 会員メリット3

  4. 会員メリット4

  5. 会員メリット5

SHARE