目次
- むせるような咳が出る…緊急性はある?
- むせるような咳が出る病気
- むせるような咳の原因は体の内側?外側?
- むせるような咳で病院を受診する目安は?
- 【原因別】むせるような咳が出るときの対処法
- 咳の特徴と検討される漢方薬
- むせるような咳が出るときは「咳以外の症状」にも着目しよう!
むせるような咳が急に出ると「病気なのでは?」「受診した方がいいの?」と不安になる人も多いのではないでしょうか。
咳はかぜや感染症だけでなく、胃酸の逆流やアレルギー、飲み込む力の低下などさまざまなきっかけで起こります。なかには早めの受診が必要なケースもあるため、症状の特徴から原因を探ってみましょう。
本記事では、むせるような咳が出るときに考えられる病気に加え、咳の原因や対策なども解説します。健やかな体を保つための参考にしてください。
むせるような咳が出る…緊急性はある?
むせるような咳の多くは、気道に入った異物を外に出そうとする体の自然な防御反応であり、一時的な刺激によるものであればすぐにおさまります。
しかし、咳の状態や続く期間、伴う症状によっては、早急な対応が必要な場合もあるため、一概に緊急性がないとは言い切れません。症状が長引いたり、息苦しさや高い熱を伴ったりする場合は、早めに医師の診察を受けてください。
また、むせるような咳とひと言で言っても症状や原因はさまざまです。医療機関に行くときには、状態を正しく伝えられるよう、自分の咳がどのような様子か確認しておきましょう。
むせるような咳が出る病気
むせるような咳を引き起こす背景には、ウイルスや細菌による感染症が考えられます。ここでは、代表的な病気の例や特徴について解説します。
なお、これらは可能性を示すものであり、特定の病気を断定するものではありません。心配な場合は、自分だけで判断せず、早めに医療機関へ相談してください。
気管支炎・肺炎
気管支炎や肺炎は、空気の通り道である気管支や肺そのものに炎症が起きる病気です。
ウイルスや細菌に感染することで発症し、のどの痛みや発熱を伴うことがあります。炎症が起きると気道に痰がたまり、それを外に出そうとして「ゴホッ」とむせるような強い咳が出やすくなります。
かぜの後に咳だけがしつこく残ることも、気管支炎の特徴のひとつです。一般的には、高熱を伴いますが、高齢者や体のバリア機能が低下している人は熱が出ないケースもあります。
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は「マイコプラズマ」という細菌に感染して起こる病気で、熱が下がったあとも3~4週間ほど咳が続くのが特徴です。
幅広い年代で見られますが、とくに学童期から若年層の間で流行しやすい傾向があります。咳が次第に強くなるケースも多く見られ、咳が長引くと体力を消耗して日常生活に支障が出ることもあります。
夜間や早朝に咳がひどくなり、むせて息が詰まるような感覚になることも少なくありません。
新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルスに感染すると、呼吸器の粘膜がウイルスを外に出そうとして、むせるような乾いた咳が出ることがあります。感染によって気道が敏感になるため、軽い刺激でも激しく咳き込んでしまうのが特徴です。
また、ウイルスがいなくなった後も、数週間から数ヶ月にわたって咳だけが残る「感染後咳嗽(がいそう)」と呼ばれる後遺症に悩まされる人もいます。
百日咳
百日咳は「百日咳菌」という細菌に感染することで、長い期間、激しい咳が続く病気です。初期はかぜのような軽い症状ですが、次第にむせるような連続した咳が出るようになります。
また、激しく咳き込んだあとで息を吸い込むときに、「ヒュー」という笛のような音がなるのも特徴です。咳があまりに強いため、むせた拍子に吐いてしまう場合もあります。
むせるような咳の原因は体の内側?外側?
むせるような咳の原因は体の内側・外側の両方にあると考えられます。ここでは原因についてくわしく解説します。
呼吸器そのもののトラブルによる咳
肺や気管支といった呼吸器に不調があると、むせるような咳が出やすくなります。空気の通り道が敏感になり、わずかな刺激にも反応してしまうためです。
炎症によって気道が刺激されると、異物を追い出そうとする体の反応が働き、むせるような咳が引き起こされます。
喘息のように、一度落ち着いても繰り返す場合があるのもこの傾向の特徴です。夜間や早朝に「ゼーゼー」という音を伴ったり、寒暖差やホコリで咳が止まらなくなったりすることもあります。
外からの刺激による咳
外からの刺激がのどや気管に伝わると、むせるような咳が起こりやすくなります。たとえば、横になったときにのどがイガイガしたり、鼻水がのどに流れたり、胃酸が逆流したりする場合です。
また、年齢とともに飲み込む力が弱まることで、本来は食道へ行くべきものが誤って気管に入り、激しい咳を引き起こすケースも見られます。
コントロール異常による咳
神経や心の働きの乱れでむせるような咳が出ることもあります。
心の緊張が体に現れたり、脳からの命令が筋肉にうまく伝わらなかったりするケースです。強いストレスや疲労によって自律神経のバランスが乱れ、のどが過敏になったり、脳や神経の病気によって、飲み込む動作を調整する命令が筋肉に正しく伝わらなかったりすると、むせるような咳が出やすくなります。
むせるような咳で病院を受診する目安は?
むせるような咳が出るとき、以下の症状に心当たりがある場合は、早めに医師の診察を受けてください。
- ● 呼吸が苦しい、または息切れがする
- ● 胸に痛みを感じる、高い熱が続いている
- ● 咳が2〜3週間以上長引いている
- ● 痰に血が混じっている
- ● 食事中に頻繁にむせる
とくに子どもや高齢者の場合は、体力の消耗も早いため注意が必要です。
咳の原因は多岐にわたります。自己判断で市販薬を使い続けるのではなく、少しでも不安を感じたら、医療機関へ相談しましょう。
【原因別】むせるような咳が出るときの対処法
むせるような咳でツライときに、今日からできるセルフケアをお伝えします。
気道の炎症が原因だと考えられる場合
空気の通り道に違和感があるときは、のどの乾燥を避けて潤いを与えるよう意識しましょう。
デリケートな状態の気道は、乾燥した空気に触れるだけで咳が引き起こされることがあります。加湿器を使って部屋の湿度を保ったり、温かい飲み物を飲んだりして、のどへの刺激をマイルドにしましょう。また、はちみつをなめることも、のどを潤す工夫のひとつです。
粘膜を保護するケアを行うことで、むせるような刺激を抑えるサポートになります。
胃酸の逆流が原因だと考えられる場合
胃から内容物が戻ってきて気管を刺激するような場合は、生活習慣を見直して胃への負担を減らす工夫を取り入れましょう。
脂っこいものや甘いもの、刺激の強い食べ物は避け、腹八分目を心掛けます。また、食後すぐに横になると胃酸が上がりやすくなります。寝るときには枕を少し高めのものに変えたりクッションで背中を支えたりして、逆流しにくくなるようサポートしてください。
嚥下機能の低下が原因だと考えられる場合
嚥下機能が低下すると、水分やパサパサした食べ物が気管に入りやすくなります。食べ物が誤って気管に入ることで咳が出る場合は、食べ物の形状や食べ方を工夫することが大切です。
お茶やスープにとろみをつける調整食品を活用したり、食材を小さく刻んだりすることで、リスクを減らせます。また、よく噛んでゆっくり飲み込むことも、むせるような咳を減らすひとつの方法です。
のどへの刺激が原因だと考えられる場合
乾燥している空気やタバコの煙はのどへの刺激となります。外部からの刺激によってのどが過敏になっているときは、刺激のもとを取り除くことを意識しましょう。たとえば、マスクを着用したりこまめに水やお茶を飲んだりして、のどを労ってください。
咳の特徴と検討される漢方薬
漢方の考え方では、むせるような咳を「風邪(ふうじゃ)」や「燥(そう)」といった体のコンディションの変化として捉えます。
咳といっても、乾燥した咳や湿った咳、痰がからむ咳などさまざまです。こうした咳の違いを確認することで、体の状態を捉えやすくなります。
ここでは、咳の特徴と検討される漢方薬の例を紹介します。
寒い風邪タイプ
寒い風邪タイプは発熱があっても寒気があるのが特徴で、咳以外にも鼻水や鼻づまり、頭痛、関節痛などの症状が出やすくなります。体を冷やすと咳が悪化しやすくなるため、体をしっかり温めてゆっくり休みましょう。
<代表的な症状>咳・鼻づまり・鼻水・のどがかゆい・薄く白い痰・頭痛・発熱・悪寒または悪風
<検討される漢方薬の例>
| 漢方薬 | 効能・効果 |
| 葛根湯 | 体力中等度以上のものの次の諸症:感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み |
| 麻黄湯 | 体力充実して、かぜのひきはじめで、寒気がして発熱、頭痛があり、せきが出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの次の諸症:感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまり |
| 小青竜湯 | 体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様のたんを伴うせきや鼻水が出るものの次の諸症:気管支炎、気管支ぜんそく、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症 |
熱い風邪タイプ
熱い風邪タイプは、目立った悪寒はなく発熱しやすい傾向があります。痰には粘性があり、黄色を帯びているのが特徴です。また、のどの痛みも出やすい傾向もあります。体を温めると咳が強くなるおそれがあるため、温め過ぎには注意して、安静にしましょう。
<代表的な症状>咳・黄色または黄白色で粘性のある痰・口の乾燥・のどの痛み・頭痛・鼻づまり・発熱・軽度の寒気(悪風)
<検討される漢方薬の例>
| 漢方薬 | 効能・効果 |
| 五虎湯 | 体力中等度以上で、せきが強くでるものの次の諸症:せき、気管支ぜんそく、気管支炎、小児ぜんそく、感冒、痔の痛み |
燥邪タイプ
燥邪タイプは、大気の乾燥により呼吸器系が刺激されるケースです。痰は少量で粘性が強く切れにくいのが特徴です。咳以外にも、鼻腔の乾燥やのどの乾燥感も出やすくなります。室内を乾燥させやすい暖房や冷房などに注意しましょう。水や飴などでのどを潤すのもひとつの方法です。
<代表的な症状>咳・粘性が強く切れにくい少量の痰または乾燥した咳で痰がない・ひどいときには胸の痛みがある鼻の穴の乾燥・のどの乾燥・のどのかゆみや痛み
<検討される漢方薬の例>
| 漢方薬 | 効能・効果 |
| 麦門冬湯 | 体力中等度以下で、たんが切れにくく、ときに強くせきこみ、又は咽頭の乾燥感があるものの次の諸症:からぜき、気管支炎、気管支ぜんそく、咽頭炎、しわがれ声 |
暑湿タイプ
暑湿タイプは、暑さと湿気が影響する状態で、梅雨や夏など、湿気の多い時期に出やすい傾向があります。このタイプの咳では、粘り気のある痰が出やすいのが特徴です。外気の湿気により体にも余分な湿気がたまりやすくなっている状態なので、必要以上に水分を取らず、水の巡りを良くするよう心掛けましょう。冷房や除湿などを活用して、過ごしやすい室温や湿度に調整するのも、喉の負担を抑える手段のひとつです。
<代表的な症状>咳・粘性がある大量の痰・胸苦しい・発熱・熱感・汗が多い・頭が張る・のどが渇くが水分はあまり欲しくない・焦燥感・顔が赤い・尿が濃く少量
<検討される漢方薬の例>
| 漢方薬 | 効能・効果 |
| 竹茹温胆湯 | 体力中等度のものの次の諸症:かぜ、インフルエンザ、肺炎などの回復期に熱が長びいたり、また平熱になっても、気分がさっぱりせず、せきやたんが多くて安眠が出来ないもの |
むせるような咳が出るときは「咳以外の症状」にも着目しよう!
むせるような咳が出るときは、咳以外の体の変化にも目を向けてみましょう。咳には、自分では気づきにくい体の不調が隠れているおそれがあるためです。
むせるような咳が続いていて毎日の生活がツライと感じる場合は、自分だけで判断せず医師に相談しましょう。専門的な診察を受けることは、適切なアドバイスを得て、健やかな毎日を守ることにつながります。症状の経過や咳以外の違和感をメモして伝えると、診察がよりスムーズに進むでしょう。
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