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授乳中の漢方薬の飲み方とは?
飲むときの注意点からお悩み別の漢方も紹介

お母さんは出産だけでなく、産後の体調管理もとても大切です。体調が悪いとき、授乳中に薬を飲んでもよいのでしょうか? この記事では、授乳中のお母さんに向けて、漢方の観点から解説します。体調不良の原因からおすすめの漢方薬まで紹介するのでご参考にしてください。

授乳中に漢方薬を飲んでもよい?

授乳中の体はとてもデリケートです。赤ちゃんへの影響が大きい時期なので、どんな薬を服用する場合でも必ずかかりつけの医師に相談することが大切です。

産後のお母さんによくある不調

悪露(おろ)

産後1週間ぐらいには、悪露(おろ)と呼ばれる血が混ざった分泌物が出ます。これは胎盤がはがれたところや、卵膜がはがれて子宮にできた傷からの出血、子宮にたまっていた血液と分泌物や粘液が混ざったものです。日にちが経過するにつれて色や量などが変化していき、これが子宮の回復が順調かどうかを判断する目安になります。


産後うつ

産後は出産に対する不安から解消されますが、やることが多く慣れない育児や不安で精神的な疲れも溜まっていき、情緒不安定な状態になっています。症状としては、疲労感、イライラ、不眠、動悸、食欲低下などさまざまです。産後うつは放っておくと症状が悪化し、育児や日常生活に影響を及ぼすこともあるため、注意が必要です。


乳腺炎、母乳の出が悪い

疲労やストレス、母乳の飲み残し、甘い物や脂っぽい物の食べすぎなどで、母乳が乳腺で詰まってしまい乳腺炎になることがあります。胸がパンパンに腫れ、ひどい場合には発熱します。初期は分泌過多の人に多く見られますが、いつどんな人でもなりうるので要注意です。また、初産の時は、乳管が開通していないことが多いため、母乳が思うように出ないこともあります。赤ちゃんにたくさん吸われ、刺激されることで母乳の分泌ホルモンが目覚めるといわれていますので、頻回授乳でたくさん吸ってもらうようにしましょう。


生理不順

妊娠中は、妊娠を維持するために多くのホルモンが分泌されていました。しかし、出産を機にホルモンは減少します。これがホルモンバランスの崩れる原因です。妊娠中は休んでいた卵巣のはたらきが回復し、女性ホルモンが分泌されると月経が再開されます。ホルモンバランスが安定していない産後の生理は、周期がまちまちで不安定な場合もあります。


不眠

睡眠にはさまざまなホルモンの分泌がかかわっています。ホルモンバランスが乱れていると不眠を引き起こすこともあります。


イライラ

ホルモンバランスが乱れると自律神経も乱れ、些細なことでもイライラしてしまうことがあります。育児疲れ、睡眠不足などで心にゆとりがなくなってしまいます。


肌荒れ

みずみずしい肌を維持するはたらきのある女性ホルモンのエストロゲンが減少すると、肌荒れやシワといった肌トラブルが起きやすくなります。


髪のパサつきや抜け毛

産後の抜け毛、髪のパサつきなども、女性ホルモンのエストロゲンの減少がかかわっていると言われています。

産後の不調に効果的な漢方薬4選

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り


加味逍遙散(かみしょうようさん)

体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの次の諸症:冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症
(注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。


抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

体力中等度をめやすとして、やや消化器が弱く、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、更年期障害、血の道症、歯ぎしり
(注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。


桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

比較的体力があり、ときに下腹部痛、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび
(注)「血の道症」とは、月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状および身体症状を指します。

自分でできる産後ケア

下半身を中心に体をあたためる

産後は代謝が落ちていることが多く、体が冷えやすい状態になっています。冷えは、さまざまな不調につながります。産後は湯船に浸かって体を温めることができないので、温かい飲物を飲みながら、足湯で体を温めるのがおすすめです。丈の長い靴下やレッグウォーマーなどを身につけるのもよいでしょう。


体にやさしくて消化によい食事を摂る

産後は十分な水分と栄養が必要です。体に良いものをしっかり食べて体を労わり、妊娠中に落ちた体力を取り戻すようにしましょう。とくに、産後すぐはおかゆなど消化のよいものを選ぶほか、肉よりも魚、生野菜よりも温野菜や煮物などがおすすめです。


スマホやパソコン、テレビは控えめに

目を使うことは思った以上に神経を使い、その分からだが休まりにくいです。とくに、液晶を通した光は刺激が強く目をとても疲れさせると言われています。目と神経を休ませるためにも、スマホやパソコン、テレビなどは必要最低限の使用に抑えるようにしましょう。


家事は手抜きでほどほどに

少しずつ簡単な家事から始めて、からだを慣らしていきましょう。料理は温めるだけで食べられる冷凍保存をしたり、買い物は宅配を利用したりしましょう。家事代行を利用するのもおすすめです。とにかく無理せずゆっくり少しずつ、からだと相談しながら家事の範囲を広げていきましょう。

授乳が終わっても不調や不安は抱え込まずに相談しよう

授乳が終わっても不調や不安があればすぐに周囲に相談するようにしましょう。一人で抱え込んだり放置したりすると産後うつになることもあるため、無理は禁物です。自分のこととはいえ、出産や育児がともなうと自分だけではわからないこともたくさんあります。夫婦での話し合いや協力がとても大切になります。また、医療機関や行政の窓口、地域の助産師さんも頼りになりますので、気軽に相談をするようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか? 授乳中の漢方薬の飲み方や、産後の不調におすすめの漢方薬、産後ケアなどについてご紹介してきました。授乳中や産後の体調など、気になることがあれば必ずかかりつけの医師に相談しましょう。

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