鼻水がひどいときに使う薬は?

鼻水がひどいときに使う薬は?

かぜをひいたり花粉症にかかったりしたときなどに出てくる鼻水。
鼻水がひどいときにはどう対応すればよいのでしょうか?
それぞれの病気に応じた対応をみていきましょう。

かぜのときには?

かぜのときの鼻水の特徴は、「最初は水っぽく、次第に粘り気があるものに変わる」ことです。
鼻水を抑える成分として用いられるものは、西洋薬では、クロルフェニラミンマレイン酸塩などの抗ヒスタミン成分、ベラドンナ総アルカロイドなどの抗コリン成分があげられます。これらの成分は、副作用として眠気や、視覚の異常が現れることがあるため、服用後、乗り物や機械類の運転操作をしないこととされています。
一方、漢方薬では、麻黄湯、葛根湯、小青竜湯があり、かぜの症状や時期に応じて使い分けます。たとえば、麻黄湯は「かぜのひきはじめで寒気が強く、熱が高いとき」、葛根湯は「かぜのひきはじめで寒気がしたとき」、小青竜湯は「水っぽいたんをともなうせきや鼻水が出るとき」といった場合に使います。

アレルギー性鼻炎(花粉症など)のときには?

花粉症などのアレルギー性鼻炎は、かぜの初期と同様に、透明で水っぽい鼻水が多量に出ることが多いです。鼻腔内の血管を収縮させ鼻の通りを良くする成分として、西洋薬では、ナファゾリン塩酸塩などのアドレナリン作動成分があります。また、くしゃみや鼻水を抑える成分として、クロモグリク酸ナトリウムなどの抗アレルギー成分、抗ヒスタミン成分、抗コリン成分が使われます。

アレルギー性鼻炎(花粉症など)のときには?飲み薬のほか、鼻炎スプレーのような外用薬があり、飲み薬では主に抗ヒスタミン成分と抗コリン成分、鼻炎スプレーでは抗ヒスタミン成分や抗アレルギー成分が用いられることが多いです。
一方、漢方薬では、小青竜湯が主に用いられます。抗ヒスタミン成分の配合された飲み薬では、副作用として眠気が現れることがありますが、小青竜湯の場合は眠くなる成分が入っていないため、乗り物を運転する方や薬の服用によって眠くなっては困る方におすすめです。

副鼻腔炎のときには?

副鼻腔炎は、鼻づまりや黄色く粘り気のある鼻水が出るのが特徴です。
副鼻腔炎の場合、抗菌薬での治療が主になります。
また、副鼻腔炎が慢性化するといわゆる「蓄膿症」と呼ばれますが、一般用医薬品で蓄膿症に対応できる医薬品は、主に漢方薬や生薬製剤となります。
蓄膿症に対応した漢方薬は、葛根湯加川芎辛夷、荊芥連翹湯などがあります。葛根湯加川芎辛夷は、鼻がつまって息苦しい、いつまでも鼻づまりがよくならないといった「鼻づまりが強いタイプの方」、荊芥連翹湯は、粘り気のある濃い鼻水が出る、蓄膿症がつらいといった「濃い鼻水が出るタイプの方」に適しています。


いずれも医薬品によって症状を抑えることはできますが、かぜの場合は適度な加湿やこまめな部屋の換気、アレルギー性鼻炎の場合は原因となるアレルゲンを取り除く、といったことによっても緩和することができます。生活環境にも配慮するとともに、医療機関を受診するなどして適切に処置していきましょう。