唾を飲むとのどが痛い!痰が絡むのどの炎症、和らげるにはどうしたらいい?

唾を飲むとのどが痛い!
痰が絡むのどの炎症、和らげるには
どうしたらいい? 最終更新日 2023年10月31日

唾を飲むとのどが痛い、痰が絡むなどはかぜの時のよくある症状ですが、新型コロナ感染症の流行により、特に注目されている症状のひとつです。

たとえば令和4年に茨城県がおこなったアンケート調査によると、新型コロナ感染症にかかった全世代2,441名において、「のどの痛み」があった方は約40%、「痰の症状」があった方は約30%にのぼると報告されています。

のどが痛く痰が絡む場合、どのようにしたら和らげることが出来るのでしょうか。
ここでは「のどが痛む」「唾を飲むとのどが痛い」「のどに痛みがあり痰も絡む」などの症状について、原因や対処法を解説します。

出典:新型コロナウイルス感染症に関する罹患後症状に係るアンケート調査の結果について

唾を飲み込むとのどが痛む!
まずは症状をチェック

まずは症状について確認し、原因を明らかにする必要があります。思い当たる症状について、次の中から当てはまるものをチェックしてみましょう。

  • のどが痛くて食べ物や飲み物が飲み込みにくい
  • のどに異物感やつかえる感じがする
  • 唾が飲み込めずによだれが垂れる
  • 何もしなくてもずっとのどが痛い
  • 声がかれている、または声が出しにくい
  • 声を出したり、呼吸をしたりするときにも痛い
  • 息苦しい、口が開けづらい
  • 発熱や鼻、咳などの症状がある

のどの痛みを引き起こす原因

のどの痛みの原因はさまざまです。すぐに医療機関を受診して治療が必要な危険な場合もあります。
ここからは、のどの痛みを引き起こす原因について見ていきましょう。

熱は出ていないのにのどが痛い

発熱をともなわないのどの痛みの場合、次のような原因が考えられます。

のどが乾燥している

のどの乾燥は、のどが痛くなる原因のひとつです。
たとえば「口を開けて寝た結果、朝起きたときにのどが痛い」という経験はありませんか?
冬は空気が乾燥して湿度が低くなり、夏も冷房で室内が乾燥するため、のどが乾燥しやすくなります。
のどが乾燥すると、粘膜の表面にある腺毛の動きが悪くなり、炎症が起こりやすくなったり、ウイルスなどを追い出しにくくなったりして、かぜにつながることもあります。

刺激や酷使によりのどが痛んでいる

たばこや花粉、アルコール、辛い食べ物などにより、のどの粘膜を過度に刺激したり、カラオケや長時間のおしゃべりなどでのどを酷使して声帯に炎症が起こったりすると、のどが痛くなることがあります。

魚の骨など異物が刺さっている

のどが痛くなる原因のひとつに、誤って飲み込んだ異物があります。
よくある例としては魚の骨、薬の包装(PTPシートなど)、歯の詰め物や義歯、噛んで折れたお箸やつまようじの先などがあります。

その他の原因

慢性的かつ長期にのどの痛みや違和感がある場合、胃酸の逆流や自己免疫疾患、性病、悪性腫瘍のほか、狭心症や心筋梗塞の関連痛、ストレス、神経痛などでも症状のひとつとして現れることがあるようです。 ※実際の原因や病気については、医療機関にて専門家に相談しましょう。

かぜの兆候がある、熱が出ている

のどの痛みにともない、鼻水や咳、発熱などかぜの兆候がある場合があります。その主な原因は以下のとおりです。

ウイルスや細菌により炎症を
起こしている

のどの痛みがある時のもっとも多い原因は、ウイルスや細菌の感染による、咽頭や扁桃の炎症です。のどの痛みの他に、のどの腫れや発赤、頭痛、鼻水や咳、痰など、いわゆるかぜの症状をともなうことが多いです。

早急に治療が必要な重症の感染を
起こしている

経験したことがないほどの強いのどの痛み、高熱、呼吸困難、口の開きにくさ、口臭などをともなう場合には、ウイルスや細菌による扁桃や喉頭の感染症が重症化している可能性があります。気道の確保や、扁桃に膿がたまっている場合には切開して膿瘍(のうよう)を出すなどの治療が必要です。

痰が絡むのどの痛み、
少しでも早く和らげるには?

ここでは、「のどの痛みに痰がからむ場合」に焦点をあてて、その原因と、対処法など症状を少しでも早く和らげる方法について紹介していきましょう。

痰とのどの痛みを引き起こす病気

痰とのどの痛みを引き起こす病気として、代表的なものにいわゆる「かぜ」があります。
ウイルスを原因として、のどの痛み、鼻水・鼻づまり、痰や咳などの症状が、急にほぼ同時に同程度現れるのが特徴です。発熱や倦怠感をともなうこともあります。

ウイルス感染後半日~1週間以内に症状が現れ、2~3日をピークに1週間から10日で回復しますが、2週間程度症状が残る場合もあります。 出典:島田 茉莉:日耳鼻感染症エアロゾル会誌(8 3): 172–175, 2020

痰がたまると良くない理由

一般的なかぜの場合、のどの痛みは比較的早くおさまりますが、痰や咳が残り悩まされることが少なくありません。痰がたまると良くない理由として、次のことがあげられます。

  • 痰がたまると咳が誘発されて、日常生活や睡眠に支障が出ることがある
  • 痰がたまると病原体のすみかになり、肺炎に進行するリスクが高くなる
  • 息切れしやすく疲れやすい
  • 肺の中に空気が入らなくなり、血中酸素濃度が低下することがある
HOW TO CARE

痰を切る(去痰)ための対処法

前述の通り痰がたまるとさまざまな良くない状況になることが考えられます。ここでは、痰を切るための対処法を紹介します。

水分をとる

水分をとることで、痰の濃度が薄まり痰を切りやすくなります。水分は少しずつとるようにしましょう。

水分をとる

痰を出しやすい姿勢をとる

痰がたまっている部分を上にすることで、痰がのどもとに流れて痰を出しやすくなります。
たとえば、胸の前側にたまっている痰は、仰向けに寝ることでのどもとに流れます。その他、うつぶせになったり、クッションなどで身体を支えて横向きになったり、姿勢を工夫して痰をのどもとに集めます。

痰がのどもとに流れてきたら深呼吸を繰り返し、両腕を交差して脇に挟んで胸を押さえ、大きく息を吸って「はーっ」と勢いよく吐き出します。その後、大きく息を吸って「コホン」と咳を出します。咳は3回までが目安です。

痰を出しやすい姿勢をとる

痰を切りやすくする薬を服用する

痰を切りやすくする去痰剤を服用するのも、ひとつの方法です。
去痰剤は、痰の粘度を抑えたり、線毛運動を活性化したりして、痰を出しやすくするなどの効果が期待できます。

医療機関で処方してもらうか、ドラッグストアや薬局で、去痰剤が配合されている一般用医薬品を購入します。一般用医薬品には、複数の薬剤が配合されているので、薬剤師に相談して、もっとも適した物を選びましょう。

痰を切りやすくする薬を服用する

漢方薬を利用する

痰を切るための対処法として、漢方薬を利用するのも一つの方法です。

痰の粘度や色、またのどの痛みや発熱など他の症状に合わせて、日頃の体力に応じた漢方薬を選びます。かぜが原因でのどの痛みや痰が出ている場合でも、かぜの初期なのか、かぜをこじらせて症状が長引いているのかによっても異なります。漢方薬に詳しい医師・薬剤師に相談して適した処方を選ぶことが大切です。

漢方薬を利用する

痰が絡む・のどが痛むときに
避けるべきこと

痰が絡んだり、のどが痛んだりする時には、のどや気道を刺激することは避けるようにしましょう。
避けるべきこととしては、冷たい飲み物、辛い食べ物や熱い食べ物、炭酸やアルコール、香辛料、のどの使い過ぎ、喫煙などです。
また、のどや気道に炎症が起きていることが考えられるため、悪化させないように抵抗力を高めることが大切です。激しい運動などはできるだけ避けるようにしましょう。

痰切り(去痰)やのどの痛みに
「桔梗石膏」

痰切りやのどの痛みに効果的な「桔梗石膏(ききょうせっこう)」を紹介します。

桔梗石膏とは?

桔梗石膏とは、桔梗(ききょう)と石膏(せっこう)の2種類の生薬が配合された生薬製剤です。
桔梗は桔梗の根の皮を除いて乾燥させたもので、気管や気管支にたまった痰を出しやすくする作用があります。また石膏は天然の含水硫酸カルシウムで、炎症を鎮める働きがあります。

これら2種類の生薬を配合した桔梗石膏は、のどに腫れや痛みがあり、痰をともなう症状の時にすすめられる生薬製剤です。

桔梗石膏の効果的な飲み方は?

のどの腫れや痛みで飲み込みにくい時は、口に含み少量の水で溶かしながら服用すると飲みやすく、また腫れたのどの患部にあたり効果的です。

桔梗石膏と他の漢方との違い

桔梗石膏はのどの腫れや痛みに痰が絡む時にすすめられますが、同じような症状がある時にすすめられる他の漢方薬とは、どのような違いがあるのでしょうか。

桔梗石膏と同様の症状に対して代表的な漢方薬である、銀翹散(ぎんぎょうさん)、小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)、桔梗湯(ききょうとう)について、その特徴を紹介します。

処方名 配合生薬 特徴(服用に適した症状)
桔梗石膏(ききょうせっこう) 桔梗(ききょう)
石膏(せっこう)
のどに痰が絡み、腫れや痛みがある
銀翹散(ぎんぎょうさん) 薄荷(はっか)
牛房子(ごぼうし)
淡豆鼓(たんずし)
金銀花(きんぎんか)
連翹(れんぎょう)
淡竹葉(たんちくよう)
荊芥(けいがい)
桔梗(ききょう)
甘草(かんぞう)
かぜによるのどの痛みや頭痛・せきなどの症状
小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう) 大棗(たいそう)
柴胡(さいこ)
人参(にんじん)
のどが腫れて痛む扁桃炎、扁桃周囲炎に適応
桔梗湯(ききょうとう) 桔梗(ききょう)
甘草(かんぞう)
・のどの痛みや腫れと咳のある扁桃炎や扁桃周囲炎
・炎症が強くない時

まとめ

のどの痛みや痰は、かぜの時に最も一般的な症状といえます。
唾を飲んでも痛い、のどが痛くて食事も摂れないなどと、強い痛みの場合には、できるだけ早く症状を和らげたいものです。

ただし、原因はかぜだけというわけではありません。のどの痛みや痰以外の症状にも注意を払い、必要に応じて医療機関を受診するなど適切な対処をすることが大切です。

のどの痛みや痰の症状を和らげるためのひとつの方法として、医薬品という選択肢もあります。中でも、のどに炎症があり赤く腫れて膿があり、強いのどの痛みに痰をともなう場合には、桔梗石膏をおすすめします。

小谷敦子

薬剤師免許取得後、病院薬剤師として就職。ライフステージの変化にともない、調剤薬局の薬剤師とメディカルライターとしての実績を積んできた。東洋医学専門診療科のある大学病院の門前薬局では、漢方薬の処方に対する数多くの服薬指導を経験。