腎虚(じんきょ)とは?

人は誰でも年をとる。そして、からだが変化していきます。
漢方では加齢による変化を「腎虚」という考え方で説明しています。

「腎」は、腎臓という意味ではなく、内臓の機能のうちの内分泌系、泌尿・生殖器系、免疫系、中枢神経系の一部の機能のことを指します。また腎にある精気を「腎気」といいます。腎気には、生まれたときから持っている「先天の精」と、あとから食事などにより得られる「後天の精」があります。先天の精は減る一方ですが、後天の精は食事などにより増やすことができます。「腎は精を蔵し、生長・発育・生殖をつかさどる」といわれ、人の一生は腎気の盛衰で表されます。そして、腎気が衰えた状態が、まさに「腎虚」です。

腎がつかさどる部位は?

「腎は水液をつかさどる」ともいいます。水液とは体内の水分のことで、体液を体内に貯めたり、排泄したりする機能が「腎」の働きの一つとされています。また「腎は骨をつかさどり、髄を生じ、脳に通じる」「腎は耳と二陰に開竅(かいきょう)し、その華は髪にある」といわれ、骨や脳、耳、生殖能力だけでなく、髪もまた「腎」がつかさどる部位です。腎気が衰えると、腎がつかさどる部位の機能も低下します。
腎虚の症状は?
腎気が不足する「腎虚」の状態になると、排泄能力、骨や脳、耳、生殖能力、髪などの機能がうまく働かなくなり、「排尿・排便異常」をはじめ、「骨の異常や腰痛」、「思考力の低下や物忘れ」、「耳鳴りや聴力低下」、「生殖能力の低下」、「白髪、脱毛など」は、腎虚の場合にあらわれやすい症状とされています。

腎虚には、「腎陽虚」と「腎陰虚」があります。

「腎」の精気である腎気は2つに分けられます。ひとつは、からだを温めたり、機能させたりするエネルギーの大元である「腎陽」。もうひとつは、体をうるおわせ、栄養をあたえる「腎陰」です。腎気そのものが充実しているだけでなく、この2つのバランスも大切です。腎陰に比べて腎陽が不足している状態を「腎陽虚」といい、腎陽に比べて腎陰が不足している状態を「腎陰虚」といいます。腎陽虚はエネルギーが不足し、足腰がだるい、下半身に力がない、下半身が冷える、夜中にトイレに起きる、おしっこの出やキレが悪い、といった症状があらわれやすくなります。腎陰虚はうるおいや栄養が不足し、のぼせやすい、目が疲れやすい、目がかすむ、といった症状があらわれやすくなります。八味地黄丸は、主に「腎陽虚」に対応する処方で、別名“腎気丸”ともいいます。

腎気を補う漢方、それが八味地黄丸です。

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