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頻尿・多尿とは?

~症状と原因、対策について~

「さっき行ったばかりなのに、またトイレに行きたくなる」などトイレが近く、排尿回数が多い症状を頻尿といいます。頻尿といっても、尿意をもよおしてトイレに行ってもあまり出ない場合もあれば、多量の尿が何回も出る多尿の場合もあります。我慢できない急な尿意や尿もれをともなうこともあり、外出などの行動が制限されたり、睡眠が妨げられるなど生活の質を落としたりする原因となります。ここでは、頻尿と多尿の症状と原因、その対策についてご紹介します。

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頻尿の定義

頻尿とは、排尿の回数が増えることで、日常生活に支障があると感じる状態のことをいいます。排尿の回数は個人差が大きいため、一概に排尿の回数で頻尿を定義することはできませんが、一般的には、日中の排尿回数が7回以下であれば正常と考えてよいです。頻尿であることをしっかりと判断するためには、排尿日誌を付けるとよいでしょう。

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頻尿の症状

頻尿の症状

頻尿の症状を、昼間と夜間に分けてみていきます。昼間の頻尿の症状は、一般的に朝起きてから寝るまでの排尿の回数が8回以上とされています。ただし7回以下でも、ご自身の日常生活に支障があると感じる場合には昼間頻尿と言えます。

夜間頻尿の症状は、就寝中にトイレのために起きる回数が1回以上とされています。

1回程度ではあまり負担に感じないかもしれませんが、夜間の排尿回数が2回以上になると、睡眠の妨げになりQOLが低下するため、治療の対象になります。

また、頻尿を生じる病気によっては、頻尿以外にも症状を生じることがあります。我慢することができないような尿意切迫感、トイレまで間に合わず漏らしてしまう切迫性尿失禁、口渇、血尿など、さまざまな症状をともなうことがあります。

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多尿の定義・症状

多尿とはどのような状態のことを言うのでしょうか。また、多尿と頻尿に違いはあるのでしょうか。それぞれ説明します。

●多尿とは

多尿とは、1日の総尿量が多いことをいいます。
成人の場合、体重1kgあたり40mL以上になると多尿と診断されます。例えば体重70㎏では1日の排尿量は2800mL以上になると多尿です。膀胱の容量は約500mLといわれていますが、通常200~300mL尿がたまると尿意をもよおすため、多尿になると排尿回数が増える頻尿になります。
また、夜間だけ尿量が多くなる場合もあり、これを「夜間多尿」といいます。夜間多尿では、就寝中に尿意をもよおし何度もトイレに起きる「夜間頻尿」になります。

●多尿と頻尿の関係

前述の通り、多尿になると頻尿になる事が多いですが、必ずしもそうでないケースもあります。例えば、多尿があっても膀胱容量が多く、ためてから出すことが出来る方は、トイレの回数は増えないため多尿があっても頻尿にはなりません。
一方、加齢により膀胱の容量が減ったり、溜まっていないのに尿意をもよおしたりする場合や膀胱炎などでは、尿意をもよおして頻繁にトイレに行っても尿量は少なく、頻尿にもかかわらず多尿ではありません。

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頻尿・多尿の原因

頻尿や多尿には数多くの原因が考えられますが、大きく分けて「生活習慣やその他の要因が原因の場合」と「頻尿や多尿を引き起こす疾患が原因の場合」があります。それぞれの原因について詳しく説明していきましょう。

頻尿・多尿の原因

●頻尿・多尿を引き起こす生活習慣・要因

頻尿や多尿の原因となる生活習慣やその他の要因をご紹介します。

加齢

加齢

加齢にともない、膀胱の加齢変化が頻尿の原因になることがあります。膀胱の加齢変化とは、膀胱の容量が小さくなって尿を貯めておけなくなったり、膀胱の収縮力が低下して十分に排尿できず、残尿が増えた結果として膀胱の容量が少なくなったりすることです。

また、加齢にともない腎機能が低下している方では、尿を濃縮することができずに尿量が増える多尿が原因で、頻尿になる場合もあります。

過剰な水分摂取

過剰な水分摂取

過剰な水分摂取が多尿をもたらし、その結果頻尿になることがあります。この場合、1回の尿量は150~200mLと正常な量を頻繁に排尿します。
熱中症や脳卒中予防のために、水分摂取がすすめられていますが、摂り過ぎには注意が必要です。

また、病気や服用中の薬が原因で、口が乾きやすくなって多飲になり、結果として多尿と頻尿を生じている場合もあります。

緊張、ストレス

緊張、ストレス

緊張やストレスがあるとトイレが近くなる経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
強いストレスが頻尿を含めた排尿時の問題を生じることがわかっています。

尿道や膀胱にも問題がなく、尿量も正常なのにもかかわらず、トイレのことが気になって何回もトイレに通うのは心因性の頻尿です。

体温低下

体温低下

寒いとトイレが近くなるというのは、正常な身体の反応です。体の水分は汗からも排出されていますが、寒いと汗をかかないため結果として尿量が増え、トイレが近くなるのです。また、寒さによる刺激で膀胱の筋肉が収縮して尿意を催すということもあります。

利尿作用のある飲み物や薬

利尿作用のある飲み物や薬

利尿作用のある飲み物や薬を摂ることで、トイレの回数が増えることがあります。
例えばカフェインの含まれているコーヒーやお茶、アルコールです。また高血圧などで使用する利尿薬や、糖尿病の血糖降下薬にも利尿作用のあるものがあります。

●頻尿を引き起こす疾患

頻尿の原因となる主な疾患を紹介します。

過活動膀胱

過活動膀胱は、急にトイレに行きたくなって我慢ができない尿意切迫感という症状があり、頻尿の原因になる病気です。

時には間に合わずに尿をもらしてしまう切迫性尿失禁をともなうこともあります。こうした過活動膀胱の症状は、膀胱に尿がたまっていないのに勝手に排尿筋が収縮して強い尿意を催すことで起こります。過活動膀胱は、前立腺肥大症、膀胱の加齢性変化、骨盤底筋の筋力の低下、脳卒中の後遺症やパーキンソン病などの病気によると考えられていますが、原因が分からない場合もあります。生活習慣の見直しや薬を服用することで、頻尿も含めた過活動膀胱の症状が改善することが期待できます。

前立腺肥大症

前立腺肥大症は、男性の頻尿の原因のひとつで、加齢とともに増え、70歳代の男性のうち12%の方は、前立腺肥大症の症状があると言われています。

前立腺は男性にだけある臓器で、尿道を取り囲むように膀胱の真下にあり、精液の一部を作る働きがありますが、加齢とともに肥大して尿道を圧迫し、頻尿以外にもさまざまな症状が起こります。尿道が圧迫されるため、尿が出るまでに時間がかかる、排尿するために腹圧をかける必要がある、尿に勢いがなく排尿に時間がかかる、急に尿意を催す、残尿感などの症状があらわれます。薬による治療により、頻尿も含めた前立腺肥大症の症状の改善が期待できます。

膀胱炎

膀胱炎は、細菌やウイルスによる感染や、薬や放射線治療などで膀胱の粘膜に炎症が起こる病気で、炎症による刺激で膀胱の知覚神経が過敏になり頻尿が起こります。

膀胱炎になると頻尿の他に、排尿時の痛み、残尿感、血尿、尿がにごる、膀胱のあたりの不快感などをともなうことがあります。細菌感染による膀胱炎は、若い健康女性に多いです。抗菌薬などで膀胱炎を治療することで頻尿の症状も治まります。

子宮筋腫

子宮筋腫は、20~30歳代の女性の20~30%にみられる子宮にできる良性腫瘍で、大きくなると膀胱や尿道を圧迫して頻尿を生じる原因になります。

頻尿以外に、尿意切迫感や尿もれなどの症状をともなうことが多いようです。また子宮筋腫の症状として、経血が多い、生理期間が長いなどの月経異常とそれにともなう貧血、強い生理痛などが起こることがあります。子宮筋腫は無症状のことが多いのですが、症状により日常生活に支障がある場合には治療をおこなうことで、頻尿などの症状も解消されます。

骨盤臓器脱

骨盤臓器脱は、女性特有の病気で頻尿になることがあります。

骨盤臓器脱は、骨盤内の臓器を支えている筋肉や靱帯が、出産や加齢、肥満などによって緩むことで、膀胱、子宮、直腸、小腸といった骨盤内の臓器が下がり、場合によっては膣から出てしまうことがあります。骨盤臓器脱では、頻尿の他にも、せきやくしゃみなど腹圧がかかると尿が漏れてしまう腹圧性尿失禁や、尿意切迫感、脱出した臓器による圧迫で尿が出にくい、残尿感などの症状をともなうことが多いようです。
また、骨盤臓器脱の症状として、引っ張られたり、はさまったりする感覚があります。骨盤底筋を鍛える体操などの保存的治療と、手術治療があり、治療にともない頻尿などの症状の回復も期待できます。

その他

その他の頻尿の原因となる病気は次の通りです。重篤な病気につながる場合もあるので、しっかりとした診断を受けることをおすすめします。

●脊髄の機能障害や損傷
●尿路結石
●妊娠後期
●前立腺炎など

●多尿を引き起こす疾患

多尿の原因となる主な疾患を紹介します。

腎臓病

腎臓には、血液中の老廃物をろ過して尿を作り排泄したり、体内の水分や電解質を一定に保ったりする働きがあります。

しかし慢性腎臓病などで腎臓の機能が低下すると、尿を濃縮することが出来なくなり多尿となります。夜間は特に尿を濃縮して排尿の回数を減らしますが、腎機能の低下で夜間に尿を濃縮できなかったり、日中に排泄しきれなかったナトリウムを夜間にも排泄したりするため、就寝中に何度もトイレに起きる夜間多尿・夜間頻尿になります。腎臓病は尿が出なくなる病気と思っている方が多いですが、初期のころは多尿となるので注意が必要です。

糖尿病

糖尿病になると血液中の糖の濃度が高くなりますが、体にとって必要以上の余分な糖は、多量の水分と一緒に尿に排泄するため多尿になります。

この時、尿を作るために体の中の水分が使われて脱水状態となり、のどが渇きます。のどが渇くとそれを補うために、多量の水を飲みます。つまり多尿、口渇(こうかつ)、多飲は糖尿病の特徴的な症状と言えます。また、糖尿病の治療薬にも、血液中の糖を尿中に排泄させて血糖値を下げる薬があります。この薬では多尿になり脱水状態になりやすくなるため、十分な水分摂取が必要となります。

他の疾患が原因の多尿

脳腫瘍や脳炎、脳梗塞など中枢性の病気の後遺症として、のどの渇きが止まらない口渇症を生じて多飲になったり、尿の分泌を調節できなくなる尿崩症(にょうほうしょう)を発症したりすると多尿となります。

また、高血圧では夜間の血圧が下がらずに尿量が増えるほか、心不全では日中に下肢に貯留した水分が夜間に横になることで尿として排泄されたりするため、夜間多尿の原因となります。

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漢方医学から考える、
頻尿・多尿へのアプローチ

漢方医学から考える、頻尿・多尿へのアプローチ

頻尿・多尿の原因を、漢方医学の観点からも説明していきます。

●漢方医学の考え方

漢方医学には基本的に疾患という概念はありません。 その時々の体の状態を、「陰陽(いんよう)」「虚実(きょじつ)」「表裏(ひょうり)」「寒熱(かんねつ)」「気血水(きけつすい)」「五行説(ごぎょうせつ)」「六病位(ろくびょうい)」など独自の考え方をもとにして把握し、証(しょう)で表します。

五行と五臓の相関図

五行説では自然界の森羅万象の働きを木(もく)、火(か)、土(ど)、金(こん)、水(すい)の5種類に分類しています。
体の働きもこれに合わせて5つに分類し、肝(かん)、心(しん)、脾(ひ)、肺(はい)、腎(じん)を「五臓」としています。五臓が互いに影響しあい、バランスを保つことで健康が維持されているというのが漢方医学の考え方です。このバランスがどのぐらい崩れているかで「証」が決まるのです。そして五臓が生成・代謝をおこなう、人間が健康を保つために重要な要素には下記があります。

●頻尿・多尿が生じる「証」について

頻尿や多尿が生じる「証」では、「腎」だけでなく「肝」や「肺」における「気、血、水、精」のバランスが崩れていると考えられます。バランスが崩れる理由は、加齢や過労、生活習慣などさまざまです。 頻尿や多尿を生じる「証」には、「腎陽虚(じんようきょ)」「腎陰虚(じんいんきょ)」「肝鬱気滞(かんうつきたい)」「肺気虚(はいききょ)」「寒凝(かんぎょう)」「湿熱(しつねつ)」の6つがあります。詳しく見ていきましょう。

腎陽虚(じんようきょ)

腎陽虚は、老化や慢性疾患で全身の機能が衰えてることで生じます。水分代謝の働きの他、成長・発育・生殖にも関わるエネルギーのもとである「腎」の陽気が不足して陰と陽のバランスが崩れ、下半身の冷えや頻尿、尿のキレが悪いなどの状態になっていると考えられます。

腎陰虚(じんいんきょ)

腎陰虚は、加齢や過労、不規則な生活、慢性的な体調不良で腎の「精」が減っている状態です。陰液である「血、水、精」が不足して、尿がためられなくなり、頻尿になっていると考えられます。陰と陽のバランスが崩れることで、熱っぽくのぼせたり手足が火照ったりします。

肝鬱気滞(かんうつきたい)

肝鬱気滞は、ストレスや緊張が続くことで体の諸機能の調節をする五臓の「肝」の気が滞っている状態です。その影響が膀胱におよぶことで、尿量に関わらず尿意をもよおして頻尿になったり、尿意切迫感をともなったりすると考えられます。

肺気虚(はいききょ)

肺気虚は、過労や慢性的な体調不良により水分代謝に関わる肺の機能が衰えて、体の水分が膀胱にたまり、頻尿になっている状態です。

寒凝(かんぎょう)

寒凝は、寒い季節や環境、冷たい飲み物を摂り過ぎることで、体が冷えて腎や膀胱の機能が乱れて頻尿になっている状態です。

湿熱(しつねつ)

湿熱は、脂っこい物や刺激物、味の濃い物の摂り過ぎ、日常的な飲酒や飲みすぎ、食中毒、尿路感染などにより、膀胱に炎症が起きている状態です。これにより頻尿、尿意切迫、排尿痛が引き起こされると考えられます。

●冬の過ごし方に注意

冬になると特に尿の悩みが気になる、という方も多いのではないでしょうか。
中国の五行説によると、「腎」は冬に傷つきやすいと言われています。「腎」は水分調節だけでなく成長や発育に関わる働きもあります。そのため、冬は冬にあわせた過ごし方をすることが大切であるとされています。
では、冬はどのような生活を心がければよいのでしょうか?
漢方医学では、冬は万物が静かに納まる「閉蔵(へいぞう)」の時といわれ、春に向けてエネルギーの消費を抑えて、気血(きけつ)を蓄える時期とされています。そのため、正しい冬の過ごし方として次のことがすすめられています。

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頻尿・多尿の対策・改善策

頻尿や多尿は日常生活の質に影響をおよぼすため、改善したいものです。頻尿や多尿と感じた時の対策や改善策について紹介します。

頻尿・多尿の対策・改善策

●病院・医療機関の診断を受ける

頻尿や多尿の原因はさまざまで、頻尿や多尿を引き起こす病気が隠れている可能性も否定できません。まずは、かかりつけ医や医療機関で頻尿や多尿、それにともなう症状について相談し、必要があれば泌尿器科の専門医を紹介してもらいましょう。女性は婦人科への受診もよいでしょう。
受診の際には、排尿日誌を3日間程度記録して持っていくことをおすすめします。排尿時間と尿量、水分摂取量、尿意切迫感や残尿感、尿もれ、尿とりパッドの使用状況など、気がついたことも一緒に記録すると診断に役立ちます。

●生活習慣を改善する

頻尿や多尿の対策として、次のような生活習慣の改善がおすすめです。

水分摂取量を見直す

水分摂取量を見直す

1日でどのぐらい水分を摂っているか、記録を取ってみましょう。
水分を過剰に摂っている方は、適量まで水分摂取量を減らすことで多尿や、多尿による頻尿を改善できます。例えば食後のお茶を2杯から1杯にするだけで、1日の水分摂取量を450~600mlを減らすことができます。

また、水分量だけでなく、利尿作用のあるカフェインの入っていない麦茶や白湯などの飲料を摂るように心がけるのも大切です。

体重のコントロール

体重のコントロール

肥満は前立腺肥大症、過活動膀胱、骨盤臓器脱のほか糖尿病など頻尿や多尿の症状を引き起こすリスク因子です。食事や適度な運動を心掛けて体重をコントロールすることをおすすめします。

便秘の改善

便秘の改善

便秘があると、尿もれの原因や排尿しきれずに残尿量が増えて頻尿の原因になることがあります。また、排便の際にいきむことで、骨盤臓器脱の悪化につながります。食事を見直すなどして便秘の解消を図りましょう。

身体を冷やさない

身体を冷やさない

身体を冷やさないようにすることも大切です。腹巻や靴下を着けるようにし、できるだけ常温の飲み物を摂るようにします。夏でもシャワーだけで済ませるのではなく、足湯や湯舟にゆっくりとつかることをおすすめします。

●ストレスをためないよう心掛ける

強いストレスが頻尿を含めた排尿時の問題につながります。運動で軽く汗を流したり、好きな音楽を聴いたり、カラオケで発散するなど、自分なりのストレス解消法をみつけることが大切です。

●尿に対する不安を減らす

外出時にはトイレの位置を確認したり、万が一のためにと尿モレパットをつけたりしておくだけでも、安心感がうまれ、頻尿の改善につながります。不安を感じた時には、深呼吸や軽い運動などで気を紛らわせることで徐々に改善する場合もあります。

●骨盤底筋を鍛える

骨盤底筋を鍛えるエクササイズは、肛門や膣を締めることで、同時に尿道括約筋(にょうどうかつやくきん)を締めることができ、尿もれや頻尿に効果的です。仰向けやうつ伏せ、座位など最も肛門や膣が締まる体勢を自分で探してやってみましょう。締める感覚は、おならや下痢を我慢したり、排尿を途中で止めたりするとイメージできます。骨盤底筋をゆっくりと締めて5秒間保持して戻すことを、1日に50~100回、3回程度にわけておこないましょう。

●膀胱訓練

膀胱訓練は、尿意を催した時に我慢して膀胱の容量をひろげる訓練で、頻尿の改善につながります。最初は尿意をもよおしてから5分程度我慢します。慣れてきたら排尿間隔を少しずつのばしていきます。排尿日誌をつけることで、膀胱訓練の効果をみることができます。特に過活動膀胱の対策として有効ですが、医師の指示に従っておこなう必要があります。

●漢方薬を活用する

頻尿や多尿には漢方薬も有効で、『八味地黄丸』『六味丸』『杞菊地黄丸』が効果的です。これらの漢方薬は、頻尿や多尿を直接的に治すのではなく、排尿の状態を整えるように働きます。どれもドラッグストアや薬店で購入できます。漢方薬は、体質=証(しょう)を見極めて選択しないと全く効果がないばかりか逆効果になる場合もあります。漢方医や漢方薬に詳しい薬剤師と相談して選びましょう。

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まとめ

頻尿や多尿は、日中から夜間まで排尿回数が増え、急な尿意をともなうこともあり、外出が不安になるなど日常生活にも支障をきたし、悩んでいる方の多い症状です。特に夜間頻尿や夜間多尿は、十分な睡眠をとることが出来ないため、対処が必要です。

頻尿や多尿の原因はさまざまで、生活習慣を見直すなどして改善する場合もありますが、病気が原因の場合もあり、しっかりとした診断と治療が大切です。頻尿や多尿の原因を知り、それに合わせた対策と治療をおこなうことで、トイレを気にせず積極的な生活を送ることを目指していきましょう。

小谷敦子

薬剤師免許取得後、病院薬剤師として就職。ライフステージの変化にともない、調剤薬局の薬剤師とメディカルライターとしての実績を積んできた。東洋医学専門診療科のある大学病院の門前薬局では、漢方薬の処方に対する数多くの服薬指導を経験。

出典元:
・日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会編:夜間頻尿診療ガイドライン[第2版]P83 4病因と発症機序
・日本泌尿器学会:こんな症状があったら尿が近い、尿の回数が多い~頻尿~ 多尿

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