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残尿感とは?

~原因となる疾患と対策について~

「トイレで排尿したのにスッキリしない…」「尿が出し切れていないような感覚」といった排尿後の不快感が残尿感です。どうしてスッキリしないのか?その原因と対策をご紹介します。

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残尿感の症状

残尿感イメージ

残尿感とは、排尿した後も「尿が出し切れていない感じ」、「尿が残っている感じ」、「まだスッキリしない感じ」、「尿道のあたりが渋い感じ」などであらわされる、排尿後の不快な症状です。残尿感は、実際に尿が残っていることもあれば、膀胱に尿が残っていないこともあります。

その一方で、膀胱に尿が残っていても残尿感がない方もいます。残尿感は男性に多い症状で、60歳以上では女性の約2倍といわれています。また、年齢が上がるに従い残尿感を訴える方は増え、男性では週1回以上残尿感のある方は40歳代でも20%、80歳代になると40%にのぼります。出典元:国立長寿医療センター泌尿器科「一般内科医のための高齢者排尿障害診察マニュアル(改訂版)」,平成19年3月,P17

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残尿感の原因となる
疾患

残尿感の原因となる病気について解説します。

●男性の残尿感の場合

●男性の残尿感の場合

男性の残尿感は、男性固有の臓器である前立腺が原因の場合が多く、その他にも更年期障害や男性に発症の多い膀胱癌などがあります。それぞれの病気と残尿感が生じる理由について紹介します。

前立腺肥大症

前立腺は、尿道を取り囲む位置にあるクルミぐらいの大きさの臓器で、精液の一部を作る働きがあります。

前立腺肥大症になると前立腺が卵以上の大きさになり尿道を圧迫するため、尿が出にくくなり残尿が増え、残尿感、頻尿、夜間頻尿、尿もれなどの症状があらわれます。前立腺肥大症を放置すると、尿が全くでなくなる(尿閉)、膀胱結石、尿路感染症などを合併することもあります。

慢性前立腺炎

前立腺は、尿道を取り囲む位置にあるクルミぐらいの大きさの臓器で、精液の一部を作る働きがあります。

慢性前立腺炎は30~50歳代の比較的若い人に多く、残尿感や頻尿、急に我慢ができないほどの強い尿意をもよおす尿意切迫感、下腹部の不快感をともないます。原因は不明なことが多く、抗菌薬などで治療しますが、残尿感がなくなるのには時間がかかります。参照元:日本泌尿器学会「こんな症状があったら/尿が残っている感じがある ~残尿感~」

男性更年期障害

女性の更年期障害が有名ですが、男性も加齢にともない男性ホルモンが急激に低下すると、自律神経のバランスをくずし、心身にさまざまな症状があらわれます。

主な症状として、精神面では集中力低下、意欲の喪失、憂うつなどがあります。全身症状では筋肉痛、めまい、冷えなど、そして尿に関連する症状としては、残尿感や頻尿などがあらわれる場合もあります。

その他

●前立腺がん

前立腺がんは尿道から離れた部分にできるがんのため、早期には残尿感などの泌尿器症状はありません。がんが進行すると尿道や膀胱を圧迫して、残尿をともなう残尿感があらわれます。

●膀胱がん

膀胱がんは膀胱内部の粘膜にできるがんです。膀胱がんは男性に多く発症し、女性の約3倍といわれています。主な症状は血尿ですが、頻尿、残尿感、尿意切迫感などの症状が出ることもあります。参照元:国立研究開発法人国立がん研究センター「膀胱:[国立がん研究センター がん統計]」

●女性の残尿感の場合

●女性の残尿感の場合

女性の残尿感は、女性に多い膀胱炎や、更年期障害の症状のひとつとしてあらわれることが多いです。その他、女性に固有の臓器の病気にともない症状が現れることもあります。
残尿感をともなう女性の代表的な病気を紹介します。

膀胱炎・尿道炎

膀胱炎や尿道炎などの尿路感染症は、女性に多い病気です。

排尿時の痛み、頻尿、尿意切迫感、下腹部痛、血尿などの症状があらわれますが、残尿感は、細菌感染による膀胱の知覚異常が原因です。

女性更年期障害

女性の更年期障害は、女性ホルモンの低下により、ほてりやのぼせ、ホットフラッシュ、めまいや動悸、頭痛、疲れやすい、気分の落ち込みなど、心身にさまざまな症状が現れて、日常生活に支障をきたします。

また、更年期以降には、頻尿や尿意切迫感などの畜尿症状、尿が出にくい、残尿感があるなどの排尿症状がある方が増えます。加齢にともなう女性ホルモンの減少と、このような症状との関係は明らかではありませんが、膣、外陰部、尿路の萎縮が原因で、排尿にまつわるさまざまな症状が出ると考えられています。

その他

●骨盤臓器脱

骨盤臓器脱は、中高年の女性で加齢や出産などで、骨盤を支える筋肉や靱帯などが緩み、子宮、膀胱、直腸などが下がって膣から出てしまうことです。骨盤臓器脱が進むと、尿道が圧迫されるため、お腹に力を入れると尿が漏れたり、トイレに間に合わずに尿が漏れてしまったり、尿が出にくくなったり、残尿感などの症状が出ることが多くなります。

●子宮内膜症、子宮筋腫

子宮内膜症は、子宮内膜やそれに似た組織が、子宮の内側以外の場所に発生し、月経周期に合わせて増殖する病気です。周囲の組織と癒着して痛みがあり、不妊の原因にもなります。卵巣や卵管などにできることが多く、膀胱にできるのは稀です。
子宮筋腫は、良性の腫瘍で30代以上の女性には稀な病気ではありません。貧血や痛みが出ることが多く、女性ホルモンで大きくなり閉経とともに小さくなります。
大きさにもよりますが、膀胱に子宮内膜症ができたり、子宮に子宮筋腫ができたりすると膀胱、尿道などが圧迫されて、尿が出にくくなったり残尿感があらわれたりすることがあります。

●男女共通の原因

男女共通で残尿感を生じる代表的な病気について紹介します。

過活動膀胱

過活動膀胱は、膀胱に尿がたまっていないのに、勝手に膀胱が収縮して、急に尿意をもよおして我慢ができない症状(尿意切迫感)が特徴で、頻尿や夜間頻尿、尿もれをともなうこともあります。

残尿感があっても、超音波エコー検査で膀胱に残尿がない場合に、過活動膀胱が疑われます。女性では骨盤臓器脱に過活動膀胱をともなうことがあるようです。

膀胱収縮障害による神経因性膀胱

尿をためておくことと、尿がたまったら尿道を緩めて膀胱を収縮させて排尿するという一連の流れは、脳から末梢神経までの神経がコントロールしていますが、神経因性膀胱は、この神経のどこかに障害が起こることで、排尿にまつわる症状があらわれることです。

その原因は脳や脊椎の病気などさまざまです。特に膀胱を収縮させる機能が低下すると排尿できずに残尿が増え、残尿感や頻尿の症状があらわれます。

膀胱結石

尿の通り道である腎臓から尿道までの間に、尿に含まれる成分が結晶化した結石ができる病気で、膀胱内にできた場合を膀胱結石といいます。

膀胱内にできた結石が刺激となり、尿意切迫感や頻尿などの症状があらわれ、結石の位置によっては尿が出づらくなり残尿感をともなうことがあります。

薬の影響

膀胱などの神経や筋肉に作用する薬では、尿意があっても尿が出にくくなったり、尿に勢いがなかったり、残尿感が生じたりすることがあります。

薬を服用されている方は、畜尿や排尿にまつわる気になる症状がある場合には、お薬手帳を持って医師・薬剤師に相談しましょう。

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残尿感の対策・改善策

残尿感は、排尿後の不快な症状で、気になりだすと日常生活に影響がある場合もあります。残尿感に対する対策や、よくなる方法について紹介します。

病院・医療機関の診断を受ける

病院・医療機関の診断を受ける

残尿感は、「この程度はガマンしよう……」、「年だから仕方ない」と思いがちな症状ですが、病気が隠れている可能性も少なくありません。男性では前立腺肥大症や前立腺癌などのリスクもあります。

また残尿がある場合には、尿路感染症や膀胱が拡張して伸びてしまい尿意を感じづらくなったりします。自分では何が原因かわかりにくいので、まずは泌尿器科や婦人科を受診してみましょう。

冷えによる血流不足を解消する

冷えによる血流不足を解消する

冷えによる血流不足の可能性も考えられます。この場合は、下半身をしっかりと温めることが効果的です。

膀胱の血流をよくするためにおすすめなのは、尿道・膣・肛門をぎゅっ と5秒間締めたあとに、ゆっくり力を抜くといった骨盤底筋のトレーニングを1日20回以上おこなうことです。

トイレに行く頻度を減らす

トイレに行く頻度を減らす

残尿感があるからといって頻繁にトイレにいくと、少量の尿で膀胱は限界だと勘違いし、頻尿や残尿感がより悪化する可能性があります。

残尿感の原因が明らかになればその治療を優先しますが、トイレに行く頻度を減らして定期的に行く「おしっこトレーニング」をすると、効果がある場合があります。例えば、「残尿感が気になって尿意をもよおしても5分、10分とトイレに行くのを我慢する時間を延ばし、2時間以上あけることを目標にする」などですが、取り組む際は医師の指導の下でおこなうことをおすすめします。

生活習慣の改善

生活習慣の改善

生活習慣病の治療や、生活習慣を改善することが、排尿にまつわる症状や残尿感の改善につながる可能性があります。

その理由として、残尿感を含め排尿にまつわる症状のリスク因子として、生活習慣病である心疾患、糖尿病、高血圧、脂質異常症やうつ、加齢、飲酒、喫煙、運動などがあげられているからです。例えば、排尿の勢いが弱くなったり、排尿しづらくなったりするのは、排尿筋や膀胱の伸縮機能が低下して起こりますが、その原因に糖尿病が関係しているといわれています。また、高血圧や脂質異常症によって血管が障害されると膀胱の血流障害を生じ、排尿にまつわる症状が出ることもあります。まずはバランスの良い食事や運動を心掛け、禁煙、適量の飲酒など生活習慣の見直しをしてみましょう。

漢方薬を活用する

漢方薬を活用する

漢方では、残尿感は加齢などによって「腎」の働きが低下するため、汗や尿の水分代謝がうまくいかなくなるからと考えられています。

八味地黄丸などの漢方薬を試したい場合は、ドラッグストアや薬局・薬店の薬剤師などに相談してみてください。

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まとめ

「トイレに行ってもてもすっきりしない」、「まだ残っている感じがする」といった残尿感はとても不快なものです。排尿にまつわる症状は、年齢があがるにつれて増えるため「年のせいだ」とあきらめる方も少なくないでしょう。

ただ、残尿感を生じる原因はさまざまで、大きな病気が隠れている場合もあります。また、残尿感だけでなく、尿意切迫感や頻尿、尿もれ、尿が出にくいなど、日常生活の質に大きく影響を及ぼす症状をともなうこともあります。

まずは残尿感の原因になることがないか、生活習慣を見直すことも大切です。その上で、残尿感を生じる原因を知るために医療機関を受診し、医師に相談することをおすすめします。残尿感など排尿にまつわる悩みを解決し、快適な生活を送りましょう。

小谷敦子

薬剤師免許取得後、病院薬剤師として就職。ライフステージの変化にともない、調剤薬局の薬剤師とメディカルライターとしての実績を積んできた。東洋医学専門診療科のある大学病院の門前薬局では、漢方薬の処方に対する数多くの服薬指導を経験。

参考:
・日本泌尿器学会「こんな症状があったら/尿が残っている感じがある ~残尿感~」
・国立長寿医療センター泌尿器科「一般内科医のための高齢者排尿障害診察マニュアル(改訂版)」
・国立研究開発法人国立がん研究センター「膀胱:[国立がん研究センター がん統計]」
・日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会「女性下部尿路症状診療ガイドライン[第2版]」
・日本泌尿器学会「男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン」

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