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にきびはなぜできる? 種類別の原因と正しい治療法・対策を解説

にきびの悩みは性別や年齢を問わず多くの人が経験するものですが、
その原因や種類はさまざまです。
ここでは、にきびができる原因から種類ごとの特徴を解説します。
正しいケア方法を身につけ、にきびの悩みを解消しましょう。

にきびとは?

にきびの正式名称は尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)といい、毛穴に慢性的な炎症が起きてしまう皮膚の病気です。
小学校高学年から症状が現れ始め、10代後半にもっとも悪化する傾向があるため「思春期にきび」ともいわれます。一方、成人した後もにきびの症状が続いたり、成人してから初めてにきびを発症したりする人もいます。成人後のにきびは医学用語では「思春期後ざ瘡(ししゅんきござそう)」といい、「大人にきび」と呼ばれることもあります。

思春期にきびと大人にきびの違い

10代で発症する思春期にきびは、ホルモンの影響が主な原因です。男女問わず、男性ホルモンの分泌量が増えることで皮脂の分泌が促されて毛穴が詰まりやすくなり、にきびができやすくなります。一方、大人にきびはストレスや睡眠不足、乱れた食生活、誤ったスキンケアなど、いくつかの要因が重なって発症します。
思春期にきびと大人にきびの違いについて、さらに詳しく知りたい方は「大人にきび」と「思春期にきび」の違いって?をご覧ください。

にきびができる原因と悪化する過程


< 健康な状態の肌 >

< にきび初期 >ターンオーバーが乱れると
古い角質で毛穴が塞がれ、
皮脂がたまります。

< にきび後期 >菌が増殖し、炎症を起こします。
炎症が進むと膿がたまることも。

< にきび跡 >皮膚組織が傷つき、凸凹や
色素沈着があらわれます。

にきびができる原因には、皮脂の分泌が過剰になること、毛穴が詰まること、アクネ菌が増殖することの3つがあります。この3つの原因が重なると、にきびが時間の経過とともに悪化していきます。にきびが悪化する過程は以下のとおりです。

① ホルモンなどの影響で肌のターンオーバーが乱れて、古い角質が毛穴を塞いでしまい、
皮脂が外に出られなくなり、白にきびとなる

② 毛穴に皮脂がたまると、皮脂を栄養源とするアクネ菌が増殖することで毛穴に炎症を起こし、赤にきびとなる

③ 症状がさらに進行するとにきび周囲にも炎症が広がり、毛穴の中には膿が溜まってしまい、黄にきびとなる

④ にきびが悪化した状態が続くと皮膚組織を傷つけてしまい、凸凹のにきび痕が残る

にきびの種類と適切なケア

にきびは症状によって、白にきび・黒にきび・赤にきび・黄にきびの4つに分けられ、種類によってセルフケアも異なります。それぞれのにきびについて、症状の特徴や適切なケア方法を解説します。

種類 特徴 適切なケア
白にきび 表面が白~乳白色 ・洗顔や基礎化粧品によるスキンケア
黒にきび 毛穴が黒く見える ・洗顔や基礎化粧品によるスキンケア
・ピーリング効果のある洗顔料
赤にきび 炎症を起こして
赤くなっている
・洗顔や基礎化粧品によるスキンケア
・抗菌剤入りのにきび外用薬
黄にきび 炎症が進み
膿を持っている
・早急な皮膚科の受診

白にきび

白にきびは古い角質や汚れが毛穴を塞ぎ、皮脂が詰まった状態です。表面が白~乳白色で、毛穴のなかでアクネ菌が増え始めていますがまだ炎症は起きていません。
白にきびは、1日2回の洗顔と基礎化粧品による適切なスキンケアで改善が見込めます。肌が乾燥すると皮脂の分泌量が増えてにきびを悪化させる原因になるため、洗顔後は保湿をおこないましょう。

黒にきび

黒にきびは、白にきびが進行して毛穴が開き、メラニン色素や酸化した皮脂の影響で毛穴が黒く見える状態です。アクネ菌は毛穴の中に存在していますが、炎症はまだ起きていません。
黒にきびのセルフケアも、白にきびとほぼ同じといえます。1日2回の洗顔と基礎化粧品での保湿をおこないましょう。
黒にきびの場合は、毛穴の黒ずみをケアするためにピーリング効果のある洗顔料を使うと効果的です。ピーリング成分はいくつか種類がありますが、刺激の少ない成分をおすすめします。ただし、ピーリング効果のある洗顔料は肌が乾燥しやすくなるため、洗顔後に丁寧に保湿をおこなうことも肝心です。

赤にきび

赤にきびは、詰まった毛穴の中でアクネ菌が増殖して炎症が起きた状態です。にきびの周囲も赤く腫れてしまい、痛みを生じることがあります。
赤にきびは基本のスキンケアをおこないつつ、潰したり髪の毛に触れたりしてにきびを悪化させないようにしましょう。赤にきびでは炎症を抑えるために、抗菌剤が含まれた外用薬を使用することも有効です。改善がみられないときは、皮膚科を受診しましょう。

黄にきび

黄にきびは、赤にきびがさらに悪化して炎症がひどくなり、毛穴の中に膿が溜まった状態です。炎症の範囲も広がり、肌の深いところに達するため、治った後もにきび痕が残りやすくなります。
黄にきびも、潰したり髪の毛に触れたりして悪化しないようにすることが大切です。基本のスキンケアは継続しますが、黄にきびになるとセルフケアのみでは改善しないケースが多くみられます。早急に皮膚科を受診して、適切な治療を受けましょう。

にきびは自分でつぶしたり芯を抜いたりしてもいい?

にきびは膿や芯を出したほうが早く治ると考えてしまいがちですが、自分でつぶしたり芯を抜いたりするのは避けましょう。膿や芯を出し切れずに中に残ってしまうことが多く、炎症が続いてしまいます。
また、処置による刺激でにきびの周囲にも傷がついて雑菌が入りやすく、かえって症状が悪化することがあります。

炎症が続いたり症状が悪化したりするとにきび痕が残りやすくなるため、にきびの膿や芯が気になる場合は、皮膚科を受診しましょう。

にきびを早く治す・予防するためにできること

にきびを早く治す・予防するために、日常生活で取り組めることをご紹介します。
にきびは、できる場所によってケア方法が異なります。部位ごとのにきびの原因やケアについて詳しく知りたい方は、「おとなのにきび研」をご覧ください。

まずは医師や専門家に相談する

にきびは白にきびから黄にきびまでさまざまな段階があり、それぞれスキンケアや治療方法に違いがあります。そのため、にきびに悩んでいる場合は医師や専門家へ相談し、適切なケアを教わることが大切です。

睡眠や食事を改善する

睡眠や食事を改善することも、にきびを早く治したり予防したりすることにつながります。
睡眠不足になると、ホルモンバランスが乱れて皮脂の分泌が促進し、にきびが悪化しやすくなります。さらに、成長ホルモンの分泌が不十分になり、肌のターンオーバーが乱れ、ダメージからの回復が遅れるのです。
にきびと睡眠の関係について詳しく知りたい方は「にきびを改善する、睡眠リズムのひみつ」も併せてご覧ください。
食生活においては、揚げ物・チョコレートなど脂質の多いものは控えて、1日3食栄養バランスの良い食事を摂りましょう。意識して摂取したい栄養素は以下の通りです。

栄養素 特徴 主に含まれる食材
ビタミンB群
(B2・B6)
皮脂分泌を調整する 納豆・卵・アボカド
ビタミンC 抗酸化作用があり、
皮膚の炎症をやわらげる
キウイ・イチゴ・ブロッコリー
ビタミンE ホルモンバランスを整え、
抗酸化作用により
皮膚の老化を防ぐ
ナッツ類・オリーブオイル・うなぎ
亜鉛 皮膚の代謝や
修復にかかわる
牡蠣・牛肉・カシューナッツ

にきびと食習慣について詳しく知りたい方は「にきびを悪化させる、禁断の食習慣とは?」もご覧ください。

ストレスをためない

にきびを早く治したり予防したりするには、普段からストレスをためないことが大切です。
ストレスがたまると、ホルモンバランスが乱れて皮脂の分泌量が増えたり、免疫力が下がってアクネ菌が増殖しやすくなったりして、にきびができる原因になります。
日ごろからストレスをコントロールできるように、自分に合ったストレス解消法を取り組んでみましょう。

● ウォーキングやストレッチなどの
軽い運動をおこなう

● 湯船にゆっくり浸かる

● 読書や音楽など趣味に没頭する

● 静かな場所で深呼吸し、リラックスする など

にきびとストレスの関係をさらに詳しく知りたい方は「ストレスがにきびを悪化させるって本当?」もご覧ください。

寝具やタオルは清潔なものを使う

にきびを早く治したり予防したりするには、寝具やタオルにも気を配りましょう。
寝具やタオルを交換しないまま使用していると、雑菌やダニが増えてしまいます。不衛生な寝具やタオルが肌に触れると、雑菌などの影響によってにきびが悪化する原因になります。肌に直接触れる寝具やタオルは、こまめに取り換えて清潔なものを使用しましょう。

洗顔・スキンケアを見直す

にきびをくり返しているときは、現在おこなっている洗顔やスキンケアを見直しましょう。
洗顔するときは、にきびを傷つける可能性があるため肌を強くこすらないようにします。洗顔料をよく泡立てて、その泡で肌をマッサージするように優しく汚れを落とすと良いです。
また必要以上に洗顔をおこなったり、洗浄力の強い洗顔料を使用したりすると、必要な皮脂まで取り除いてしまいます。肌が乾燥して皮脂の分泌をさらに促してしまうため注意しましょう。
洗顔後は肌が乾燥しやすくなるため保湿が必要です。化粧水のみでは保湿力に欠けるため、乳液やクリームも一緒に使用しましょう。ただし、にきびができやすい肌に油分の多い保湿剤を使用すると、毛穴が詰まりやすくなるため注意が必要です。

紫外線や乾燥対策をする

紫外線や乾燥対策をすることも、にきびを早く治したり予防したりすることにつながります。
紫外線は肌の乾燥やにきび痕の色素沈着の原因となるため、日中は日焼け止めが必要です。ただし、刺激が強い日焼け止めは肌に負担がかかりやすくなるため注意して選びましょう。
加えて、肌の保湿は乾燥しやすい季節だけではなく一年を通して必要です。前述したように洗顔の後は保湿もセットでおこなうようにしましょう。

加藤 あゆ里

薬科大学卒業後は調剤薬局で20年以上の勤務経験あり。在職中は、皮膚科外来の服薬指導は5年以上経験している。親の看取り・介護を機に、現在は医療・健康分野のライターとして活動中。病気や薬など難しい内容でも、分かりやすく公平な目線で情報発信している。

「しみ」の部位ごとの原因とケア

「いつも同じ場所に、にきびが繰り返しできる。」そんな経験ありませんか?
にきびはできる場所によって原因が違います。にきびのできやすい場所から、原因とケアを見直してみましょう。

※これらの画像は、にきびができる部位を表現したイメージ画像です。
にきびの症状を表現したものではありません。
クラシエの漢方 ヨクイニン > おとなのにきび研

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